13年12万kmの軽、車検は通していい 乗り換えこそ、いちばん高い修理だからです

もう13年目。
走行距離も12万kmを超えた。
来年には、また車検がやってくる。
部品もあちこち消耗しているだろうし、ここで買い替えたほうがいいのだろうか。
でも、いまのところ大きな不便もなく走ってくれている。
長く連れ添った愛車ほど、この迷いは重くなりますよね。
いま大きな不満なく元気に走っているのなら、車検を通して乗り続けて大丈夫です。
理由は「まだ使えるから」だけではありません。
乗り換えには、車両代とは別に税金や手数料で15〜20万円ほどの諸経費がかかります。
その諸経費だけで、今回の修理代が払えてしまうことも多いんです。
つまり、乗り換えというのは、車ごとまるっと交換する、いちばん高額な修理なんですね。
そのうえで、古い車でこわいのは修理代よりも「ある日突然、動かなくなること」です。
そこの備えだけ先に決めておけば、安心して長く付き合えますよ。
まずは、いただいたご相談です
タントエグゼに乗っており、走行距離は12万キロ越えです。
車検証を見たら、初度検査年月は平成22年2月と記載してありました。
オイル交換などはこまめにしています。
来年の2月に車検ですが、部品も消耗してるだろうと思い、この際買い替えた方が良いのか、それとも割高になるけど車検を通して乗り続けるか迷っています。
特に不便も無く乗れています。
車に関して無知なので、アドバイス頂けたら嬉しいです。
13年、12万km。
そして「オイル交換などはこまめにしています」。
大切に乗ってこられたのが、よく伝わってきます。
そしてご相談者さまは、やりとりのなかで、こうも書いてくださっていました。
義理のお父さんにお金を出して頂いたので、思い入れのある車なので……。
思い入れのある一台。
その気持ちも含めて、順番に考えていきましょう。
元気に走っているなら、車検を通していいです
このご相談には、車屋さんも回答してくださっていました。
現在大きな故障がないのであれば、無理して買い換える必要も無いかなと思います。
車検代が多少高くなったとしても、買い替えよりは遥かに安い場合が多いですよ。
この一言に、ご相談者さまはこう返しておられました。
無理して買わなくても良い、の言葉に気が楽になりました。
私も、まったく同感です。
せっかく元気に動いているのなら、無理に乗り換える必要はありません。
そして、思い入れのあるお車ということですので、ぜひ車検を取ることをおすすめします。
もうひとつ、これだけはお伝えさせてください。
「10年・10万km」は、寿命ではなく、ただの通過点です。
適切なメンテナンス、とくにオイル交換さえできていれば、20年・20万kmだって走れます。
年数が経ったから、距離がいったから、というのは、あくまで目安なんですね。
この「10年・10万km」という数字がどこから来たのか、車屋さんが言いづらい本当の判断基準は、こちらでお話ししています。
乗り換えこそ、いちばん高額な修理です
「でも、これから修理代がかさむなら、いま乗り換えたほうが結局は安いのでは?」
そう考えるお気持ちも、よく分かります。
ここで、ひとつ知っておいていただきたい数字があります。
車を乗り換えるときには、車両代のほかに、税金や手数料などの諸経費が15〜20万円ほどかかります。
この諸経費だけで、今回の修理代が払えてしまうことも多いんです。
つまり、こういうことです。
乗り換えこそ、いちばん高額な修理なんですよね。
車ごと、まるっと交換しているわけですから(笑)
そう思っていただくと、判断がぶれません。
もちろん、修理が続いてどうにもならないときは、乗り換えて心機一転するのも良い選択です。
ただ「10万円の修理が出た」くらいで慌てて手放すのは、もったいないことが多い。
あくまで私の考えですが、そこは落ち着いて天秤にかけていただきたいところです。
13年目の車検は、何が交換になって、いくらかかる?
「13年目の車検って、すごく高くなるんじゃ……?」
年数が経てば、交換が必要になる部品は確かに増えてきます。
13年・12万kmというタイミングで、とくに交換になりやすいのは「ゴム部品」です。
たとえば「タイロッドエンドブーツ」や「ロアアームブーツ」。
どちらもタイヤの向きを変えたり、足回りの衝撃を受け止めたりする関節部分を守るカバーで、年数が経つとひび割れたり破れたりします。
左右まとめて交換になることが多いのですが、部品自体は1か所あたり数千円からと、それほど高いものではありません。
ただ、破れたまま放置すると中のグリス(潤滑用の油)が抜けて関節そのものが傷んでしまうので、車検でチェックされます。
そのほか、ブレーキパッドやバッテリーなど、一般的な消耗品の交換が重なることもあります。
とはいえ、オイル交換をしっかり続けてこられたお車であれば、消耗品の交換ぐらいで、だいたいの車検は通ります。
エンジンや変速機の本体に大きな問題がなければ、法外な金額になることは考えにくいです。
必ずかかるお金は、2万7千円〜2万8千円ほどです
軽自動車の車検で必ずかかるのが、自賠責保険料・自動車重量税・検査手数料(印紙代)の3つ、いわゆる法定費用です。
13年を超えた軽自動車だと、この3つを合わせておよそ2万7千円〜2万8千円ほどになります。
ここに整備や消耗品の交換が乗って、トータルで6〜10万円ほどに収まることが多い、というのが私の経験上の感覚です。
※ 2026年9月に確認した金額で、お車の状態やお店によって変わります。
※ 自賠責保険料は2026年11月1日以降に始まる契約から改定される見込みなので、実際の金額は車検のときにご確認ください。
13年超の増税は、軽なら年に2千円ほどです
「13年を超えると税金が上がる」という話も、気にされる方が多いところです。
軽自動車の場合、13年を超えると自動車税(種別割)が10,800円から12,900円に上がります。
差額は、年に2,100円。
重量税も、車検のたびに1,600円ほど上がります。
※ 自家用の軽乗用車で、初度検査年月から13年を過ぎた翌年度ぶんから上がります(2026年9月に確認)。
つまり、増税で増えるのは年に数千円のお話です。
買い替えにかかる十数万円の諸経費と比べれば、桁がひとつ違います。
増税を理由に慌てて乗り換えるのは、もったいないというのが私の考えです。
先に見積もりを取ってしまうのが早道です
金額の不安は、調べるより聞くほうが早く消えます。
回答してくださった車屋さんも、こうおっしゃっていました。
一度、ご近所のお店で車検の事前見積もりを取られてみてはいかがでしょうか。
無料で見積もりしてくれる所も結構ある筈です。
見積もりが出れば「通すか、買い替えるか」は一気に具体的な話になります。
そのうえで、その車屋さんはこうも添えておられました。
惚れた車がある場合は、また別問題ですが。
ここ、大事だと思います。
欲しい車があって心が決まっているなら、損得の話はいったん脇に置いていいんです。
そして、出てきた見積書の項目が読めないときは、こちらもあわせてどうぞ。
実際の見積書を1項目ずつ見て、「必須」「微妙」「今回はしない」に仕分けた記録です。
乗り続けると決めたら、やることは3つだけです
車検を通すと決めたあとは、何をすれば長く乗れるのか。
じつは、やることはとてもシンプルです。
① オイル交換だけは、守ってください
これが最重要です。
エンジンオイルは、車にとっての血液です。
逆に言えば、ここさえ怠らなければ、エンジンは想像以上に長持ちしてくれます。
そして軽自動車は、普通車よりエンジンへの負担が大きい乗り物です。
高速道路をよく使う方なら、なおさらエンジンをよく回す使い方になります。
目安は、ターボ車でなければ5,000kmごと、または半年ごと。
適した粘度のオイルでこれを守っていれば、オイルが原因のトラブルは、ほぼ避けられます。
② 防げない部品は、逆算して先に替えてしまう
しっかりメンテをしていても、防げないものがあります。
年数とともに寿命が来る部品たちです。
まずバッテリー。
これがなかなかやっかいで、前日まで普通に動いていたのに、翌日いきなり上がります。
弱る前兆が、見えにくいんですね。
お恥ずかしい話ですが、私自身も家の車を何度も上げています(笑)
目安は5年前後ですが、車の使い方でも変わります。
ですから「あと何年乗るか」から逆算して、計画的に交換してしまうのがおすすめです。
あわせて、ロードサービスの番号をスマホに登録しておくと、万が一のときも慌てずに済みますよ。
次にエアコン(コンプレッサー)。
夏場に「効きが悪いな」と感じたら、要注意のサインです。
春夏秋冬いつでも、ある程度エアコンを作動させておくと、故障のリスクを多少は下げられます。
夏しか使わない、というのが実は要注意なんですね。
そしてゴム類と電装系。
ホースやブッシュなどのゴム部品、電気系の部品は、距離だけでなく「年数」でも少しずつ劣化していきます。
ですから「年式が古いほど、毎年なにかしらの修理費はかかるもの」と、最初から多めに見積もっておくと、いざという時に慌てずに済みます。
どんな部品がどのタイミングで寿命を迎えるのかは、こちらに1冊ぶんまとめてあります。
③ 見てもらう場所は、1ヶ所に決める
これは、長く乗る方にこそお伝えしたい話です。
信頼できる整備工場をひとつに決めて、そこに全部お任せする。
そうすると、こんな良いことがあります。
- 整備の履歴が残るので、ムダな重複交換を防げる
- トラブルのとき、責任の所在がはっきりする
- 良い関係ができていると、いざという時に優先して見てもらえる
13年・12万kmのお車には、この「履歴」と「関係」が、何よりの資産になります。
もし今、決まった工場がなければ、車に詳しくない方にはディーラーが無難です。
そして、もし何か勧められて迷ったら、この見分け方を使ってみてください。
- 対応した方がいいワード=オイル類・破損・破け・穴・消耗・摩耗・漏れ・切れ・警告灯・故障
- 急がなくていいワード=内部洗浄・コート・錆止め・漏れ止め・燃費向上・消臭・除菌・添加
迷ったら、その場で決めずに「検討します」と持ち帰って大丈夫です。
高額な修理を提示されて違和感があれば、別の工場で見てもらうのも、遠慮しなくていいですよ。
おまけ:タイヤだけは、ケチらないでください
13年・12万kmにもなると、タイヤも溝の減りやひび割れが出てくる頃です。
雨の日のグリップや、止まるまでの距離に差が出るところなので、ここはお金をかける価値があります。
逆に「ひび割れてますよ、来月値上がりしますよ」と急かされても、パンクでなければ1〜2日でどうこうなるものではありません。
一度持ち帰って、落ち着いて考えて大丈夫です。
軽自動車のタイヤは比較的お手頃ですが、相場を知って買うだけで、しっかり安くできますよ。
それでも、ある日突然止まることはあります
乗り続けるうえで心配なのは、やはり「突然、動かなくなる系の故障」だと思います。
これは、どれだけメンテナンスをしていても、車にどうしても付きまとうものです。
新しい車で起きないわけではありませんが、古くなるほど確率が上がるのも事実です。
たとえば、こんな故障です。
- バッテリーが上がる → エンジンがかからない(前兆が見えにくい)
- エンジンスターター(セルモーター)の故障 → エンジンがかからない
- 発電機(オルタネーター)の故障 → バッテリーが充電されず、走行中に止まることも
- 車載コンピュータ(ECU)の故障 → エンジン不調や警告灯の点灯
これらは「ある日突然やってくる」ことが多く、次の日から車が使えない、という事態になりかねません。
自分で運転して工場へ持ち込めないので、レッカー車で運ぶことになります。
直るまで数日、場合によっては1〜2週間ほど、車のない生活になることもあります。
完璧に防ぐのは難しいので、「もしそうなったら、どうするか」を先に決めておきましょう。
備え① 家族などの車を借りられるか、確認しておく
もしものとき、一時的にご家族や親戚のお車を借りられるなら、それだけで大きな安心材料になります。
「たぶん大丈夫」ではなく、一度声をかけて確かめておくと、気持ちがぐっと軽くなりますよ。
備え② 車がなくても何日いけるか、数えておく
通勤や買い物を、電車やバス、自転車などで代替できるか。
何日までなら耐えられそうかを、頭の中でシミュレーションしておくだけで違います。
備え③ 自動車保険の「レンタカー特約」で備える
この3つ目は、現実的でよく効きます。
事故や故障で車が使えなくなったときに、レンタカー費用を補償してくれるオプションですね。
ただし、ここに大事な落とし穴があります。
ネット保険(ダイレクト型)のレンタカー特約は、「事故」で車が動かなくなった場合に限られ、「故障」によるレッカー搬送では対象外になることが多いようです。
いっぽう代理店型の保険では、「故障」で自走できなくなりレッカー搬送された場合にも、レンタカー費用が補償されるプランが多くあります。
※ 私が調べた範囲でのお話で、商品によって扱いは分かれますので、ご自身の契約内容をご確認ください。
高いには、高いなりの理由があるんですよね。
ですから、故障のリスクが上がってくる時期だけ、あえて代理店型で「故障も対象になるレンタカー特約」を付けておく。
そして次に新しい車へ乗り換えたら、また手頃なネット保険に戻す。
必要なときだけ手厚くして、いらなくなったら外す。
この付け外しができると、無駄がありません。
契約のどこを確認すればいいか、特約の上手な付け方のコツは、こちらでくわしく解説しています。
備え④ いざとなったら自腹で借りる、と割り切る
故障は、そう頻繁に起こるものではありません。
「もし壊れたら、その時は必要経費としてレンタカーを借りよう」と割り切って、そのぶんを貯金で持っておくのも、立派な考え方です。
ただ、実際に借りるとなると1日あたり数千円がのしかかってきます。
修理に1週間かかったら、それが毎日続くわけですね。
気が気ではないかもしれない、という方は、特約のほうが向いています。
備え⑤ JAFに入っておく
意外と頼りになるのがJAFです。
保険会社のロードサービスでは対応できなかったり有料だったりする、雪道やぬかるんだ山道で動けなくなったようなケースでも、JAFなら引っ張り出してくれます。
スマホアプリのGPSで呼べるので、住所の伝わりにくい山間部でも、居場所を伝えて比較的早く来てもらえます。
あわせて、スペアタイヤがある年式なら、そのタイヤの状態も一度チェックしておくと安心です。
古いスペアタイヤは、いざ使おうとしても空気が抜けていたり、すぐパンクしてしまったりすることがあるからです。
なお、保険のロードサービスで足りるからJAFは外す、という判断をされる方もいらっしゃいます。
山や雪道に行くかどうかで、必要度がずいぶん変わるところなので、ご自分の使い方で決めていただければと思います。
保険は、車両保険を外して、浮いた分をメンテに回す
古いお車に乗り続けると決めた方にとって、ここは朗報かもしれません。
13年・12万kmのお車は、市場での価値がほぼ下がりきっています。
寂しく聞こえるかもしれませんが、前向きに捉えると「もう失うものがない」ということでもあるんです。
つまり、車両保険を外しやすくなる、ということですね。
車両保険を外すと、年間で数万円ほど浮くことも多いです。
そして、その浮いたお金を、オイル交換やタイヤ、部品の交換に回す。
これが、愛車を長生きさせる、いちばん良いお金の使い方だと私は思っています。
ただし、外してはいけないものもあります。
対人・対物の賠償は「無制限」で。
ここだけは、絶対に外さないでくださいね。
ロードサービスも、私はつけています。
古い車ほど、出番の可能性がありますからね。
保険料が何で決まるのかを先に押さえておくと、この付け外しの判断がしやすくなります。
そのうえで、いまの保険料が高いのか安いのかは、比べてみないと分かりません。
車検のタイミングは、条件を見直すちょうどいい機会でもあります。
💡 自動車保険は、年に1回の見直しが大切です。
最短3分で複数社を一括比較できます。
まとめ:元気な愛車とは、もう少し付き合ってみよう
13年・12万kmを超えた軽自動車。
でも、まだ元気に走ってくれているなら——
- 無理に買い替えなくて大丈夫。乗り換えこそ、いちばん高額な修理(車ごとまるっと交換)
- 13年超の増税は、軽なら自動車税が年2,100円・重量税が車検ごとに1,600円ほど。買い替えの諸経費15〜20万円とは桁が違う
- 金額の不安は、車検の事前見積もりを取れば一気に消える
- 乗り続けるなら、やることは3つ。オイルを守る/1ヶ所でしっかり見てもらう/壊れたところは直しながら乗る
- こわいのは「突然止まる」こと。備えを5つ用意しておけば大丈夫
- 車両保険を外して、浮いた分をオイルとタイヤに回すのが、いちばん良いお金の使い方
もちろん、「修理にお金をかけるより、気持ちよく新しい車に乗りたい」「大きな故障が来る前に手放したい」という考えも、十分にアリです。
乗り続けるのも、買い替えるのも、どちらも正解。
もし買い替えを選ぶなら、まずは今の愛車がいくらで売れそうかを知っておくと、判断がぐっとラクになりますよ。
どちらを選んでも、ちゃんと考えて出した答えなら正解です。
ご相談者さまの、その後
このご相談には、うれしい続きがありました。
車検を通して大切に乗りたいと思います。
いきなり動かなくなる、想像して怖くなります。
登山に行くので、電波の無い山奥でその様な状況になったら考えるだけでも恐ろしいです。
歩いて街まで出ます(笑)
動かなくなってしまった場合に、親の車が借りられそうなので安心です。
私がとくに嬉しかったのは、最後の一行でした。
「備え①:家族の車を借りられるか確認しておく」を、この方はその場で確かめてくださったんですね。
そして「安心です」と書いてくださった。
故障そのものは、まだ1つも起きていません。
起きていないのに、不安だけが軽くなった。
不安が大きくなるのは、危険が大きいからではなくて、打つ手が見えないからなんだと思います。
打つ手をひとつ確かめただけで、同じ車が、同じ年式のまま、少し頼もしく見えてくる。
ちなみに、登山に行かれると聞いて、スペアタイヤの状態を確かめておくことと、JAFのお話を追加でお伝えしました。
山道は、保険のロードサービスでは手が届かない場面があるからです。
義理のお父さまが選んでくださった一台と、これからも良い時間を過ごされますように。
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