著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

仕事で使っている軽バンを買い替えることになった。

同じ車種の中古車を見ていたら、こんな2台が並んでいました。

片方は2年落ち・走行1万キロ・衝突軽減ブレーキ付きで100万円。

もう片方は10年落ち・走行10万キロ・車検2年付きで46万円。

倍以上の差があります。

安いほうを2年で乗り換えるのも、ありな気がしてくる。

この迷いには、数字で答えを出せる部分があります。

✅ 結論からお伝えします

年に2万キロ走る仕事の車なら、私は100万円の新しいほうを選びます。

理由は、走りでも装備でもありません。

車が止まると、仕事まで止まるからです。

ただ、「2年で乗り換えるつもりなら」、話は少し変わります。

そのときは金額の差が思ったより小さくなるので、この記事ではそこも数字で出しています。

まずは、いただいたご相談です

事業で使う軽バンを探しています。

年間2万キロくらい走る予定です。

前回ご相談した車が事故で全損になり、保険金80万円がおりる予定なので、それを元手に買い替えたいと思っています。

公式の認定中古車で、2台見つけました。

 候補A:2年落ち・走行1万キロ・衝突軽減ブレーキ付き → 100万円

 候補B:10年落ち・走行10万キロ・車検2年付き → 46万円

候補Bは一般の中古車サイトより安く感じています。

これを買って2年で乗り換えるのもアリなのでは? とも思っています。

ただ、途中で故障が頻発しないか、ちゃんと2年もつのかが心配です。

保証は3ヶ月のみです。

それと、保険金の80万円は手元に残しておいたほうが、資金繰りが苦しい今期は助かります。

ただ、金利が心配です。

前回のご相談は、こちらでお話ししています。

軽バンが事故で全損|修理より買い替えが多い理由と急ぐときの探し方
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まず、「年2万キロ」という走り方から見ます

今回の判断で、大きく効いてくるのがこの走行距離です。

一般的な使い方の、だいたい2〜4倍にあたります。

つまり1年で、普通の人の2〜4年分を走るということです。

2年乗れば4万キロ。

候補Bは、その時点で14万キロになります。

ここを頭に置いて、先に進みます。

なぜ、安いほうが選びにくいのか

46万円で車検2年付きは、たしかに魅力的に見えます。

それでも私が慎重になるのは、3つの理由からです。

①止まった時間が、いちばん高くつきます

10年落ち・10万キロの車に、これから年2万キロの仕事を任せることになります。

必ず壊れるという意味ではありません。

ただ、厳しめに見ておくくらいでちょうどいい状態ではあります。

そして仕事で使う車が止まったときに痛いのは、修理代そのものではないんです。

納品が遅れる。

お客様との約束に間に合わない。

代わりの車を手配する時間を取られる。

修理代より、止まっていた時間のほうが高くつくことがあります。

②年あたりで割ってみます

大きな故障がなかったとして、車両の値段だけで比べてみます。

まず候補B(46万円)を、車検までの2年乗った場合です。

46万円 ÷ 2年 = 年 23万円

次に候補A(100万円)です。

2年落ち・1万キロなら、きちんと整備すればあと8年、走行17万キロあたりまでは十分に働いてくれると考えていいと思います。

軽バンは商用でしっかり走れるよう頑丈に作られているので、この距離はめずらしくありません。

そして8年乗ったあとでも、ひどい傷などがなければ5万円ほどでは買い取ってもらえるかもしれません。

ここを引くのが大事なところです。

100万円 − 5万円 = 95万円

95万円 ÷ 8年 = 年 約11万8千円

年 23万円と、年 約11万8千円。

長く乗るほど、高いほうが安くなっていきます。

※これは車両の値段だけの比較です。

※税金・保険・メンテナンス代は別に、どちらもかかります。

※売れる金額は状態や時期で変わりますので、目安としてお読みください。

③衝突軽減ブレーキは、疲れた日のうっかりを拾ってくれます

候補Aには衝突軽減ブレーキが付いています。

仕事で長い時間運転していると、どうしても集中が切れる瞬間があります。

そこを拾ってくれる可能性があるのが、この装備です。

従業員の方が運転される場合は、なおさら心強いと思います。

事故が減れば、そのぶん仕事が止まる回数も減ります。

衝突軽減ブレーキが実際にどのくらい効くのかは、こちらでくわしくお話ししています。

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「2年で乗り換える」なら、話は変わります

ここが、ご相談者さまが気にされていたところでした。

安いほうを買って、2年で乗り換えるという考え方です。

100万円のほうを2年で乗って、売ったとしたら

候補A(100万円)を2年乗ると、走行は4万キロほどになります。

状態が良ければ、50万円以上で買い取ってもらえる可能性があります。

100万円 − 50万円 = 50万円

50万円 ÷ 2年 = 年 25万円(+車検代)

もっと高く売れれば、この数字はさらに下がります。

候補B(46万円)を2年乗ると、年 23万円でした。

差は、思っていたより小さいんです。

2年で手放す前提なら、新しいほうを選んでも、負担はそれほど変わらないということになります。

それでも私が、新しいほうをすすめる理由

金額の差が小さいなら、残るのは「どちらが止まりにくいか」です。

そして2年後に手放すとき、売れるかどうかが読めるのは新しいほうです。

10年落ち・14万キロになった車は、思ったような値段が付かないこともあります。

安く買ったぶんが、出口で戻ってこない。

入口の安さより、出口の読みやすさ。

仕事の車では、そこが効いてくると思います。

ピゴス
ピゴス

安いほうに惹かれる気持ちは、私もよく分かります。

ただ仕事の相棒は、止まらないことが何よりの節約になります。

最初の安心に少し多めに出しておく価値は、じゅうぶんありますよ😊

保険金の80万円を、どう使うか

ご相談者さまは、こう書いてくださっていました。

「80万円は手元に残しておいたほうが、資金繰りが苦しい今期は助かる。でも金利が心配」。

ここは、車の話というより事業の話になります。

一括でも、ローンでも

現金一括で買ってしまうのも、すっきりしていて良いと思います。

一方で、手元の現金を残したいなら、ローンという手もあります。

46万円ほどの額であれば、銀行のローンの金利はそこまで大きくありません。

販売店のローンでも、2年で払い切るなら手数料は数万円ほどにおさまることが多いです。

間をとって、頭金という手も

全部使うか、全部残すか、の2択ではありません。

たとえば40万円を頭金にして、残りを手元に置いておく。

手元に残したお金が、金利以上の何かを生んでくれそうなら、そのほうが良いこともあります。

ただし、ここは経営の判断です

正直にお伝えしておきます。

ここから先は、私の専門ではありません。

資金繰りやその年の経費の考え方は、事業の中身によってまったく変わります。

車のほうの数字はお出しできますが、どちらが良いかの最後の判断は、お金の専門の方と相談していただくのが確実です。

そのうえで1つだけ言えるのは、リースの手数料に比べれば、ローンの手数料はかわいいものだということです。

リースはお金の貸し借りの手数料だけでなく、それに携わる方の手間も料金に入っています。

そのぶん、いろいろお任せで楽になるというメリットが返ってきます。

リースを考えていたのなら、ローンを組むこと自体はそれほど気にしなくて大丈夫だと思います。

ハイゼットカーゴという選択肢も

車種にこだわりがなければ、ダイハツのハイゼットカーゴも見てみてください。

数年前にフルモデルチェンジをして、骨格から新しくなっています。

オートマチックで選ぶなら、滑らかさでは、ホンダのN-VANかハイゼットカーゴがトップだと思っています。

燃費も、ハイゼットカーゴが上手かなと感じています。

※あくまで私が乗ってきた範囲での感覚です。

候補Aと同じくらいの予算で、同じような年式・状態のものが見つかるかもしれません。

軽バンの車種で迷っている方は、こちらもどうぞ。

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急ぐなら、認定中古車から

前回のご相談のときもそうでしたが、仕事の車はいつまでに決めるかから逆算することになります。

のんびり探している時間がないときこそ、メーカーの認定中古車が頼りになります。

品質の見立てがある程度そろっていて、在庫があれば納車も比較的早いです。

急いで決めても、失敗しにくいのが大きな利点だと思います。

ただし「認定中古車=必ず1年保証」ではありません

ここだけ、先にお伝えしておきます。

認定中古車と聞くと、どれも1年の保証が付くように思われがちです。

ですが年式が10年を超えているような車では、保証が3ヶ月・3,000kmほどになることもあります。

今回の候補B(10年落ち)の保証が3ヶ月だったのも、そうした背景があります。

ですので、契約の前にこう聞いてみてください。

「無料の範囲で、保証はどこまで、何年付きますか」。

書面で見せてもらえると、なお安心です。

※保証の内容はメーカーや販売会社によって違います。

※(2026年9月に確認した範囲での話です。)

各メーカーの公式中古車サイトで、地域と車種と予算を入れて探してみてください。

良さそうな車が見つかったら、在庫があるかを電話で確かめる。

ここはスピードが効いてきます。

探し方は、こちらにまとめています。

中古車の探し方|29,194台から1台に決めるまでを、実際の検索画面でお見せします中古車の探し方が分からない方へ。予算の決め方、検索条件の入れ方、結果が0件になったときにゆるめる順番、実車確認から商談まで。元ディーラー営業が実際に1台を選びながら、6つの手順を画面つきでお伝えします。...

まとめ

  • 年2万キロの仕事の車なら、私は100万円の新しいほうを選びます
  • 理由は「車が止まると仕事まで止まる」から。修理代より、止まっていた時間のほうが高くつきます
  • 8年乗る前提なら 100万−5万=95万 ÷ 8年 = 年 約11万8千円。46万を2年なら 年 23万円
  • 「2年で乗り換える」なら差は小さい(100万を2年=年25万円+車検代)。それでも新しいほうを選ぶのは出口が読みやすいから
  • ハイゼットカーゴも候補に。オートマチックの滑らかさなら、N-VANかハイゼットカーゴだと思います
  • 保険金は一括でも、ローンでも、頭金でも。ただし資金繰りの判断は、お金の専門の方と
  • 急ぐならメーカーの認定中古車から。見つけたら在庫を電話で確認

毎日の仕事を支えてくれる車です。

止まらない一台を選べますように。

ご相談者さまの、その後

しばらくして、ご報告をいただきました。

昨日、契約してきました。

衝突軽減ブレーキ付きの108万円の車を、一括支払いにしました。

6ヶ月間、ディーラーで展示車と代車として使われていたものです。

期間に余裕があれば新車でも金額があまり変わらないのですが、うちは時間がなかったのと、中古車が新車の金額を超える現象も起きている中なので、これで良かったです。

アドバイスいただいて、長い目で見て考えるというのと、リセールバリューの面と、やっぱり衝突軽減ブレーキをつけた方がいいと思いました。

「108万円の方を2年で売ってもいいんだ」というのも、視野が拡がりました。

軽減ブレーキは、車屋の店長がよそ見で2回ほど助かったと言われていたりで、私の想像以上に、使う事があるんだと思いました。

お選びになったのは、展示車と代車として半年使われていた一台でした。

ほとんど走っていない、新車に近い中古車です。

そして、私が嬉しかったのがこの一行でした。

「108万円の方を2年で売ってもいいんだ」というのも、視野が拡がりました。

高いほうを買ったら長く乗らなければいけない、と思い込んでしまうことがあります。

でも2年で売るという出口も、ちゃんとある。

それが見えると、選べる幅が急に広がるんですね。

ローンについては、私の見立てが足りませんでした

ご相談者さまは、実際に銀行へも相談されていました。

その結果です。

銀行ローンも相談してみましたが、仕事の車なので個人名義だけどマイカーローンが使えないと言われました。

通常融資の方で借りる審査をするのが3週間以上かかり、しかも先払いしたらダメと言われて、急いでいた我が家にはあてはまらないのでやめました。

これは私も知りませんでした。

個人名義でも、事業で使う車だとマイカーローンの対象から外れることがある。

通常の融資に回ると審査に時間がかかり、急いでいる場面ではそもそも間に合わない。

教えていただいて、私も一つ勉強になりました。

ですので、この記事を読んでくださっている方がお仕事で使う車をローンで考えているなら、

「事業で使う車ですが、この商品は使えますか」と、先に確かめておいてください。

あとの予定が、だいぶ立てやすくなると思います。

※取り扱いは金融機関によって違います。

※お使いの銀行で確かめてみてください。

仕事で使う車選びで疑問や不安ある場合は、このページ下の「コメント欄」からお気軽にどうぞ(ニックネームもメールアドレスも要りません)。

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ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、記事の下のコメント欄でいつでも承っております。ニックネームもメールアドレスも要りませんので、お気軽にどうぞ!