仕事の軽バン、46万と100万どっち? 2年で売る前提なら、差は思ったより小さいです

仕事で使っている軽バンを買い替えることになった。
同じ車種の中古車を見ていたら、こんな2台が並んでいました。
片方は2年落ち・走行1万キロ・衝突軽減ブレーキ付きで100万円。
もう片方は10年落ち・走行10万キロ・車検2年付きで46万円。
倍以上の差があります。
安いほうを2年で乗り換えるのも、ありな気がしてくる。
この迷いには、数字で答えを出せる部分があります。
年に2万キロ走る仕事の車なら、私は100万円の新しいほうを選びます。
理由は、走りでも装備でもありません。
車が止まると、仕事まで止まるからです。
ただ、「2年で乗り換えるつもりなら」、話は少し変わります。
そのときは金額の差が思ったより小さくなるので、この記事ではそこも数字で出しています。
まずは、いただいたご相談です
事業で使う軽バンを探しています。
年間2万キロくらい走る予定です。
前回ご相談した車が事故で全損になり、保険金80万円がおりる予定なので、それを元手に買い替えたいと思っています。
公式の認定中古車で、2台見つけました。
候補A:2年落ち・走行1万キロ・衝突軽減ブレーキ付き → 100万円
候補B:10年落ち・走行10万キロ・車検2年付き → 46万円
候補Bは一般の中古車サイトより安く感じています。
これを買って2年で乗り換えるのもアリなのでは? とも思っています。
ただ、途中で故障が頻発しないか、ちゃんと2年もつのかが心配です。
保証は3ヶ月のみです。
それと、保険金の80万円は手元に残しておいたほうが、資金繰りが苦しい今期は助かります。
ただ、金利が心配です。
前回のご相談は、こちらでお話ししています。
まず、「年2万キロ」という走り方から見ます
今回の判断で、大きく効いてくるのがこの走行距離です。
一般的な使い方の、だいたい2〜4倍にあたります。
つまり1年で、普通の人の2〜4年分を走るということです。
2年乗れば4万キロ。
候補Bは、その時点で14万キロになります。
ここを頭に置いて、先に進みます。
なぜ、安いほうが選びにくいのか
46万円で車検2年付きは、たしかに魅力的に見えます。
それでも私が慎重になるのは、3つの理由からです。
①止まった時間が、いちばん高くつきます
10年落ち・10万キロの車に、これから年2万キロの仕事を任せることになります。
必ず壊れるという意味ではありません。
ただ、厳しめに見ておくくらいでちょうどいい状態ではあります。
そして仕事で使う車が止まったときに痛いのは、修理代そのものではないんです。
納品が遅れる。
お客様との約束に間に合わない。
代わりの車を手配する時間を取られる。
修理代より、止まっていた時間のほうが高くつくことがあります。
②年あたりで割ってみます
大きな故障がなかったとして、車両の値段だけで比べてみます。
まず候補B(46万円)を、車検までの2年乗った場合です。
46万円 ÷ 2年 = 年 23万円
次に候補A(100万円)です。
2年落ち・1万キロなら、きちんと整備すればあと8年、走行17万キロあたりまでは十分に働いてくれると考えていいと思います。
軽バンは商用でしっかり走れるよう頑丈に作られているので、この距離はめずらしくありません。
そして8年乗ったあとでも、ひどい傷などがなければ5万円ほどでは買い取ってもらえるかもしれません。
ここを引くのが大事なところです。
100万円 − 5万円 = 95万円
95万円 ÷ 8年 = 年 約11万8千円
年 23万円と、年 約11万8千円。
長く乗るほど、高いほうが安くなっていきます。
※これは車両の値段だけの比較です。
※税金・保険・メンテナンス代は別に、どちらもかかります。
※売れる金額は状態や時期で変わりますので、目安としてお読みください。
③衝突軽減ブレーキは、疲れた日のうっかりを拾ってくれます
候補Aには衝突軽減ブレーキが付いています。
仕事で長い時間運転していると、どうしても集中が切れる瞬間があります。
そこを拾ってくれる可能性があるのが、この装備です。
従業員の方が運転される場合は、なおさら心強いと思います。
事故が減れば、そのぶん仕事が止まる回数も減ります。
衝突軽減ブレーキが実際にどのくらい効くのかは、こちらでくわしくお話ししています。
「2年で乗り換える」なら、話は変わります
ここが、ご相談者さまが気にされていたところでした。
安いほうを買って、2年で乗り換えるという考え方です。
100万円のほうを2年で乗って、売ったとしたら
候補A(100万円)を2年乗ると、走行は4万キロほどになります。
状態が良ければ、50万円以上で買い取ってもらえる可能性があります。
100万円 − 50万円 = 50万円
50万円 ÷ 2年 = 年 25万円(+車検代)
もっと高く売れれば、この数字はさらに下がります。
候補B(46万円)を2年乗ると、年 23万円でした。
差は、思っていたより小さいんです。
2年で手放す前提なら、新しいほうを選んでも、負担はそれほど変わらないということになります。
それでも私が、新しいほうをすすめる理由
金額の差が小さいなら、残るのは「どちらが止まりにくいか」です。
そして2年後に手放すとき、売れるかどうかが読めるのは新しいほうです。
10年落ち・14万キロになった車は、思ったような値段が付かないこともあります。
安く買ったぶんが、出口で戻ってこない。
入口の安さより、出口の読みやすさ。
仕事の車では、そこが効いてくると思います。
安いほうに惹かれる気持ちは、私もよく分かります。
ただ仕事の相棒は、止まらないことが何よりの節約になります。
最初の安心に少し多めに出しておく価値は、じゅうぶんありますよ😊
保険金の80万円を、どう使うか
ご相談者さまは、こう書いてくださっていました。
「80万円は手元に残しておいたほうが、資金繰りが苦しい今期は助かる。でも金利が心配」。
ここは、車の話というより事業の話になります。
一括でも、ローンでも
現金一括で買ってしまうのも、すっきりしていて良いと思います。
一方で、手元の現金を残したいなら、ローンという手もあります。
46万円ほどの額であれば、銀行のローンの金利はそこまで大きくありません。
販売店のローンでも、2年で払い切るなら手数料は数万円ほどにおさまることが多いです。
間をとって、頭金という手も
全部使うか、全部残すか、の2択ではありません。
たとえば40万円を頭金にして、残りを手元に置いておく。
手元に残したお金が、金利以上の何かを生んでくれそうなら、そのほうが良いこともあります。
ただし、ここは経営の判断です
正直にお伝えしておきます。
ここから先は、私の専門ではありません。
資金繰りやその年の経費の考え方は、事業の中身によってまったく変わります。
車のほうの数字はお出しできますが、どちらが良いかの最後の判断は、お金の専門の方と相談していただくのが確実です。
そのうえで1つだけ言えるのは、リースの手数料に比べれば、ローンの手数料はかわいいものだということです。
リースはお金の貸し借りの手数料だけでなく、それに携わる方の手間も料金に入っています。
そのぶん、いろいろお任せで楽になるというメリットが返ってきます。
リースを考えていたのなら、ローンを組むこと自体はそれほど気にしなくて大丈夫だと思います。
ハイゼットカーゴという選択肢も
車種にこだわりがなければ、ダイハツのハイゼットカーゴも見てみてください。
数年前にフルモデルチェンジをして、骨格から新しくなっています。
オートマチックで選ぶなら、滑らかさでは、ホンダのN-VANかハイゼットカーゴがトップだと思っています。
燃費も、ハイゼットカーゴが上手かなと感じています。
※あくまで私が乗ってきた範囲での感覚です。
候補Aと同じくらいの予算で、同じような年式・状態のものが見つかるかもしれません。
軽バンの車種で迷っている方は、こちらもどうぞ。
急ぐなら、認定中古車から
前回のご相談のときもそうでしたが、仕事の車はいつまでに決めるかから逆算することになります。
のんびり探している時間がないときこそ、メーカーの認定中古車が頼りになります。
品質の見立てがある程度そろっていて、在庫があれば納車も比較的早いです。
急いで決めても、失敗しにくいのが大きな利点だと思います。
ただし「認定中古車=必ず1年保証」ではありません
ここだけ、先にお伝えしておきます。
認定中古車と聞くと、どれも1年の保証が付くように思われがちです。
ですが年式が10年を超えているような車では、保証が3ヶ月・3,000kmほどになることもあります。
今回の候補B(10年落ち)の保証が3ヶ月だったのも、そうした背景があります。
ですので、契約の前にこう聞いてみてください。
「無料の範囲で、保証はどこまで、何年付きますか」。
書面で見せてもらえると、なお安心です。
※保証の内容はメーカーや販売会社によって違います。
※(2026年9月に確認した範囲での話です。)
各メーカーの公式中古車サイトで、地域と車種と予算を入れて探してみてください。
良さそうな車が見つかったら、在庫があるかを電話で確かめる。
ここはスピードが効いてきます。
探し方は、こちらにまとめています。
まとめ
- 年2万キロの仕事の車なら、私は100万円の新しいほうを選びます
- 理由は「車が止まると仕事まで止まる」から。修理代より、止まっていた時間のほうが高くつきます
- 8年乗る前提なら 100万−5万=95万 ÷ 8年 = 年 約11万8千円。46万を2年なら 年 23万円
- 「2年で乗り換える」なら差は小さい(100万を2年=年25万円+車検代)。それでも新しいほうを選ぶのは出口が読みやすいから
- ハイゼットカーゴも候補に。オートマチックの滑らかさなら、N-VANかハイゼットカーゴだと思います
- 保険金は一括でも、ローンでも、頭金でも。ただし資金繰りの判断は、お金の専門の方と
- 急ぐならメーカーの認定中古車から。見つけたら在庫を電話で確認
毎日の仕事を支えてくれる車です。
止まらない一台を選べますように。
ご相談者さまの、その後
しばらくして、ご報告をいただきました。
昨日、契約してきました。
衝突軽減ブレーキ付きの108万円の車を、一括支払いにしました。
6ヶ月間、ディーラーで展示車と代車として使われていたものです。
期間に余裕があれば新車でも金額があまり変わらないのですが、うちは時間がなかったのと、中古車が新車の金額を超える現象も起きている中なので、これで良かったです。
アドバイスいただいて、長い目で見て考えるというのと、リセールバリューの面と、やっぱり衝突軽減ブレーキをつけた方がいいと思いました。
「108万円の方を2年で売ってもいいんだ」というのも、視野が拡がりました。
軽減ブレーキは、車屋の店長がよそ見で2回ほど助かったと言われていたりで、私の想像以上に、使う事があるんだと思いました。
お選びになったのは、展示車と代車として半年使われていた一台でした。
ほとんど走っていない、新車に近い中古車です。
そして、私が嬉しかったのがこの一行でした。
「108万円の方を2年で売ってもいいんだ」というのも、視野が拡がりました。
高いほうを買ったら長く乗らなければいけない、と思い込んでしまうことがあります。
でも2年で売るという出口も、ちゃんとある。
それが見えると、選べる幅が急に広がるんですね。
ローンについては、私の見立てが足りませんでした
ご相談者さまは、実際に銀行へも相談されていました。
その結果です。
銀行ローンも相談してみましたが、仕事の車なので個人名義だけどマイカーローンが使えないと言われました。
通常融資の方で借りる審査をするのが3週間以上かかり、しかも先払いしたらダメと言われて、急いでいた我が家にはあてはまらないのでやめました。
これは私も知りませんでした。
個人名義でも、事業で使う車だとマイカーローンの対象から外れることがある。
通常の融資に回ると審査に時間がかかり、急いでいる場面ではそもそも間に合わない。
教えていただいて、私も一つ勉強になりました。
ですので、この記事を読んでくださっている方がお仕事で使う車をローンで考えているなら、
「事業で使う車ですが、この商品は使えますか」と、先に確かめておいてください。
あとの予定が、だいぶ立てやすくなると思います。
※取り扱いは金融機関によって違います。
※お使いの銀行で確かめてみてください。
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