中古車の下回りが傷だらけ? 見るのは傷の深さではなく、錆びる場所かどうかです

👀「お、このSUV、年式も新しいし走行距離も少ない…良さそうだな!」
🤔「あれ? 下回りの写真、樹脂っぽい部分が傷だらけに見える…」
😨「これって大きな問題かな…後々、部品交換でお金がかかったら嫌だなぁ」
ネットで中古車を探していると、普段は見えない「下回り」の状態って、気になりますよね。
年式も走行距離もちょうどいい一台を、写真の傷だけで見送るのは、惜しいですよね。
かといって、目をつぶって買うのも不安です。
手がかりが写真しかないと、どちらにも決めきれなくなる方も多いと思います。
先にお伝えしておくと、見るところは傷の深さではありません。
下回りの傷で見るのは、その傷が「錆びる場所」についているかどうかです。
車体の底をおおっている樹脂(プラスチック)のカバーは、傷がついても錆びません。
ですから表面的な擦り傷なら、多くの場合、車の機能や安全性に大きな影響はありません。
それだけで購入をあきらめるのは、もったいないかもしれません。
逆に、錆びる金属の部品——フレーム(車の骨格)やサスペンション(タイヤを支える部品)のまわりに深い傷や変形があるなら、その部分は慎重に見たほうがいいと思います。
見分け方は、①写真を拡大する ②現物をリフトで上げて見せてもらう ③修復歴(事故などで、車の骨格まで直した記録)の表示があるかを聞く、の順番です。
そして、もし本当にダメージがあったとしても、そこで終わりではありません。
買う前なら、直す費用は交渉の材料になります。
まずは、いただいたご相談です
あけましておめでとうございます。
いつも有益な情報、ありがたく拝見しております。
突然ですが、購入を検討している車の中古車サイトの画像に、気になる箇所があるのでご教示いただけたらなと思います。
2020年・2万キロのCX-8ディーゼルなのですが、アンダーフロア(車体の底)がキズだらけに見えます。
この画像だけだと判断つかないかと思いますが、何か部品の交換が必要になる可能性がありますでしょうか?
写真だけだと判断が難しく、不安になりますよね。
下回りの傷は、要注意な所と、それほどでもない所があります
どこが要注意で、どこがそれほどでもないのか、一緒に整理していきましょう
なぜ、樹脂パーツの「表面的な傷」は気にしなくていいのか
ご相談のお写真は、私も拡大して確認させていただきました。
結論から言うと、特別に大きな損傷などもなさそうでしたので、そのままでも問題はないだろうと思いました。
では、なぜそう言えるのか。
理由は2つあります。
理由①:樹脂は金属と違って「錆びない」
錆びないことが、一番大きな理由です。
車のボディやフレームなどの金属部品は、深い傷がついて塗装が剥がれると、そこから水分や塩分(雪国の融雪剤など)が侵入し、サビが発生・進行してしまいます。
サビは、車の耐久性を大きく低下させる大敵です。
ですが、アンダーフロアのカバー類に使われているのは、多くが樹脂(プラスチック)です。
私が以前乗っていたマツダのMX-30も、車体の底がカバーでびっしり覆われていて、錆びる所はマフラーのほかにほとんどありませんでした。
樹脂は金属ではないので、傷がついても、そこから錆びることはありません。
樹脂のカバーの主な役割は、車体下の空気の流れを整えて燃費や走りを良くしたり、小石や泥水から下にある大事な金属部品を守ったりすることです。
ですから、表面的な擦り傷くらいでは、その役割が大きく損なわれることは考えにくいのです。
なお、気にしなくていいのは、樹脂に限った話ではありません。
錆びない場所の傷は、それほど神経質にならなくても大丈夫かと思います。
この「錆びるかどうか」が、この記事の物差しです。
理由②:SUVは、下回りに傷がつきやすい
マツダのCX-8のようなSUVは、車高が少し高く、悪路もある程度走れるように作られています。
本格的なオフロードを走らなくても、キャンプ場の砂利道や少しの段差、雪道などを走る機会もありますよね。
そういう場面では、どうしても下回りに小石が当たったり草木が擦れたりして、樹脂パーツに傷がつきやすいものです。
ある程度の擦り傷は、SUVにとっては通常の使用範囲で起こりうる「よくあること」と捉えて大丈夫です。
⚠️ でも、本当に注意すべき下回りの「傷」もあります
もちろん、下回りの傷なら何でもOK、というわけではありません。
本当に注意すべきなのは、次のような傷です。
- フレームやサスペンションアームなど、金属製の重要部品の変形・大きな傷・サビ
- エンジンオイルパン(エンジンの下にある、オイルの受け皿)や燃料タンクなど、機能部品の損傷やへこみ
- 樹脂パーツであっても、割れていたり、取り付けがガタガタになっていたりする場合
この3つは、車の安全性や機能に影響が出る可能性があるので、専門家によるしっかりとした点検と判断が必要です。
つまりポイントは、傷がある場所が「錆びない樹脂」なのか、それとも「錆びる・歪む金属の重要部品」なのかを見分けることなんです。
🔍 その傷、どう確認して、どう対処する?
「樹脂の傷は大丈夫そうだけど、やっぱり自分の目で確かめたい」——そのお考え、正解です。
下回りのチェックは、この3つを順番にやれば大丈夫です。
確認① まず、写真を拡大して見る
いちばん最初にできるのは、写真を拡大して見ることです。
私も今回、ご相談のお写真を拡大して確認しました。
スマートフォンでも、指で広げれば意外なところまで見えます。
見るのは、傷の数ではありません。
傷がついているのが、平らな板(樹脂のカバー)なのか、それとも棒状・箱状の金属の部品なのかです。
平らなカバーの擦り傷だけなら、ひとまず落ち着いて大丈夫です。
もちろん、光の加減や画質で、実際よりひどく見えたり、逆に軽く見えたりすることもあります。
写真は、あくまで「現物を見に行くかどうかを決めるための材料」と考えてみてはいかがでしょうか。
確認② 現物を、リフトで上げて見せてもらう
購入を真剣に考えているなら、販売店に連絡して、実車を確認するアポイントを取りましょう。
できればリフトアップしてもらい、下からしっかり状態を確認するのがいちばんです。
「下回りの状態が気になるので、リフトで上げて見せていただけますか?」と、遠慮なくお願いしてみましょう。
そのうえで、傷の深さや範囲、周辺の金属部品にダメージが及んでいないかを確認します。
気になる点は、「この傷の原因は何ですか?」「走行に影響はありませんか?」など、納得できるまでスタッフに質問して大丈夫です。
聞いたことに、どう答えてくれるかも、見ておくと安心です。
ただ、リフトが無いお店や、その日はリフトが使えないお店もあります。
上げて見せられないこと自体は、お店の良し悪しではありません。
そんなときは、ひと声かけてから、スマートフォンのカメラを車の下に向けて撮らせてもらう方法もあります。
私も以前、自分の車の足まわりを点検したときに、リフトで上げられない狭い所ほど、肉眼よりスマートフォンのカメラのほうが見やすいと感じました。
遠方でどうしても見に行けない場合は、事前に電話やメールで問い合わせておくだけでも違いますよ。
確認③ 「修復歴あり」なら、書面が渡される決まりです
下回りの傷を見たとき、いちばん怖いのは「これって修復歴があるんじゃないか」という不安かもしれません。
でも、修復歴は写真を見て当てるものではありません。
中古車のお店には、業界のルール(公正競争規約)で、こういう決まりがあります。
店頭に展示した中古車が特定の車両状態(「走行距離計を自社で取り替えた車両」、「修復歴がある車両」、「定期点検整備なしで要整備箇所がある車両」)に該当する場合に、フロントガラス等に表示される車両状態を説明した書面のことです。
この書面は、販売する際に購入者に交付することになっていますので、忘れずにもらうようにしましょう。
※出典=自動車公正取引協議会「自動車購入に役立つ用語集」(2026年10月に確認)。
修復歴があるかどうかは、業界のルールで広告にも書くことになっているので、ネットの掲載ページにも、たいてい載っています。
修復歴は、事故の影響が残っていないかを推し量るための、代わりの目印です。
ただ、車の骨格にあたる部分でも、下から突き上げてできた凹みや傷は、修復歴には数えない決まりになっています。
※修復歴の表示と判断の基準は、自動車公正取引協議会の案内(2019年3月)より(2026年10月に確認・基準は見直されることがあります)。
ですから、表示が「なし」でも、下回りは確認②のように、自分の目で見ておくと安心です。
下回りを見せてもらうついでに、「修復歴の表示はありますか?」と一言たずねてみてはいかがでしょうか。
お店によっては「確認していないので分からない」と言われることもあり、その場合の考え方は、こちらでお話ししています👇
こうした現物確認のやり取りがハードルに感じる方は、品質や保証が担保されたディーラー認定中古車から探すのも安心です👇
🔧 もしダメージがあったら——直す費用は、誰が払うのか
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
もしリフトアップして見たら「これはただの擦り傷じゃないな」という深い傷や割れがあったとします。
多くの方は、そこで「じゃあ、この車はやめておこう」か「買ってから自分で直そう」のどちらかを考えます。
でも、じつはもう一つ道があります。
「この部分をきちんと修理・交換してくれるなら契約します」という条件で交渉することです。
私は、修理や交換を条件に契約するのも、良い商談のやり方だと考えています。
買う前なら、修理の費用は「自分が払うもの」ではなく「交渉の材料」なんです。
別のご相談でも、オートマのオイルが交換されていない中古車には、「ご納車の条件として、1度納車前に交換してもらうことをおすすめします」とお答えしています。
私がいたディーラーでも、納車の前にオイルが減る不具合が見つかった中古車は、納車前に部品を交換していました。
もちろん、お店が断ることもあります。
断られたときは、直す金額を自分で引き受けるかどうかを考えればいい、ということなんです。
実際に直すといくらかかるのかは、シエンタの下部の傷を例に、見積もりが妥当かどうかの見方までこちらにまとめています🔧
なお、サビが気になって「下回りの防錆処理をしておくべきか」と考えた方は、その判断基準をこちらでお話ししています。
まとめ:下回りの「樹脂の傷」は、冷静に判断しよう
中古SUVの下回りに傷を見つけても、慌てなくて大丈夫です。
最後に、ポイントを整理しておきます。
- 見るのは傷の深さではなく、「錆びる場所か、錆びない場所か」
- 樹脂パーツの表面的な擦り傷なら、多くの場合、機能的な問題はなし
- 確認①写真を拡大する(平らなカバーの擦り傷か、金属の部品か)
- 確認②現物をリフトで上げて見せてもらう(リフトが無いときは、ひと声かけてスマートフォンのカメラで撮らせてもらう)
- 確認③「修復歴の表示はありますか?」と聞く(あるなら書面が渡される決まり。下からの突き上げの傷は数えないので、②とセットで)
- 深い傷や割れがあっても終わりではない。修理・交換を条件に交渉できます
錆びない樹脂の部分なら、長く使っていただいても、それほど神経質にならなくても大丈夫です
見に行ける車であれば、気になる所はしっかりとチェックして、お店の人に質問してみましょう
ご相談者さまの、その後
このご相談には、続きがあります。
お返事のあと、この方からこう返ってきました。
販売店に聞いて購入したいと思います。
写真を見て不安になった方が、あきらめるのでもなく、目をつぶるのでもなく、聞くと決めて前に進まれたんです。
じつは私も、ご相談の少し前の年末に、同じCX-8のディーゼルをレンタカーで借りて、1日乗り回していました。
見た目はシンプルな布のシートでしたが、900km近く乗っても疲れませんでした。
シートの疲れにくさが私の身体にすごく合っていて、良い車でしたとお伝えすると、こんなお返事をいただきました。
ピゴスさんにそう言ってもらえると、安心して購入出来ます。
下回りの傷は、写真だけではどうしても分かりません。
でも、お店に聞けば分かることも、じつは多いんです。
あなたが気になっているその一台も、まずは拡大して見て、それから聞いてみてはいかがでしょうか。
そもそも「現車確認なし」と書かれていて、自分の目で確かめること自体ができない一台もあります。
その場合の考え方は、こちらにまとめました👇
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中古車選びを、もう一度ゼロから整理したい方は、こちらの教科書ページもどうぞ👇
それでは、損しないカーライフをお過ごしください🐧














「これってどうなんだろう」が残っていたら、ここに書いてください。
ニックネームもメールアドレスも要りません。本文だけで送れます。
うまく言葉にできなくても大丈夫です。私が読んで、お返事します。
お返事は、このページのコメント欄に書きますので、また見に来てくださいね。
※ 車種や金額など、ご自身が特定されそうな情報は書かないでくださいね。