「値引きはいくら?」を先に聞くと損します|新車の商談、順番を変えるだけ

新車選びも、いよいよ最後の関門「値引き交渉」。
車種は決まって、あとは「どうすれば一番いい条件で買えるんだろう」という段階ですよね。
「複数のディーラーで見積もりを取って、一番安いところに決めればいい」。
そう考えて動き出す方が多いと思います。
私も、その進め方は正しいと思います。
ただ今回のご相談者さまは、2店舗目でつまずいてしまいました。
その一言が、じつはこの記事のいちばん大事なところにつながっています。
相見積もりは有効です。
でも、それだけを追いかけると、かえって損をすることがあります。
ただ、「で、いくら値引きしてくれますか」を最初に出すと、返ってくる数字は小さくなります。
ディーラーを回るもうひとつの目的は、「信頼できる営業マンとお店を見つけること」です。
購入したあと、点検で半年に一度は顔を出すお店になりますから。
交渉は「値引きしてください」ではなく、「あなたから買いたいので、できる範囲で」の形で。
そして、厳しすぎる競争は、めぐって自分たちに返ってきます。
今回いただいたご相談
まずは、いただいたご相談です(内容は編集して掲載しています)。
新車の値引き方法は、どんなものがいいのでしょうか。
トヨタでノアとヴォクシーを考えています。
私なりには、運営会社が違うトヨタのディーラーを複数まわって、相見積もりするのが良いかと思っています。
そのとき、試乗はすでに済ませているので、いきなり見積もり依頼をして、いくら値引きできるか聞いても大丈夫でしょうか。
やり取りの中で、こんなことも教えてくださいました。
まさに2店舗目で「値引きは…」と聞いてしまって、「1店舗目と変わらない」と言われてしまった次第です。
本命はトヨタなんですが、営業さんが強気な方ばかりに当たってしまって、相見積もりで本当に値引きが大きくなるのか不安になっていました。
ここまで調べて、誠実に進めようとされている姿勢、本当に応援したくなります。
そして2店舗目のお話、とてもよく分かります。
じつはこれ、聞き方の順番でずいぶん変わるところなんです。
私の営業時代の経験も交えて、お話ししますね。
ちなみに、ノアとヴォクシーで迷っている段階の方は、こちらもどうぞ。
「値引きは?」と先に聞くと、一般的な数字しか返ってきません
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
お店に入って、開口一番「で、いくら値引きしてくれますか」。
これを聞かれると、営業側はたいてい、当たりさわりのない数字を答えます。
まだ何も決まっていない段階で大きな数字を出すと、あとで動けなくなるからです。
つまり、早く聞くほど、返ってくる数字は小さくなる。
ご相談者さまが2店舗目で「1店舗目と変わらない」と言われたのは、そういうことだと思います。
決して、意地悪をされたわけではありません。
順番の問題なんですね。
ディーラー巡りの、もうひとつの目的
相見積もりで相場観を知ることは、たしかに大事です。
ただ、私がお伝えしたいのは、ディーラー巡りの目的は「単に一番安い見積もりを探す」だけではない、ということです。
それ以上に大切な目的があります。
フィーリングの合う、信頼できる営業マンやお店を見つけることです。
新車を買うと、点検やメンテナンスで、そのお店とは数年、あるいは十数年のお付き合いが始まります。
メンテナンスパックに入れば、半年に一度は顔を出す場所になります。
そのとき、
- なんとなくお店の雰囲気が合わない
- 担当の営業マンと話しにくい
- 点検に行くのが、なんだか面倒に感じる
こうなってしまったら、せっかくのカーライフが、ちょっと残念なものになってしまいますよね。
なぜ「良い営業マン」が値引き以上の価値なのか
🤔「でも、安く買えるのが一番じゃない?」
もちろん、価格は大事です。
でも、本当に信頼できる営業マンやお店と出会えたら、それは目先の値引き額以上のものをもたらしてくれます。
- 的確なアフターフォロー=車の調子を気にかけ、役立つ情報を知らせてくれる
- 損しない乗り換え時期の提案=車の価値が高いうちに、ベストなタイミングを教えてくれる
- 無駄のないメンテナンス提案=必要のない部品交換や、過剰な整備を勧めてこない
- 味方になってくれる=よく分からないまま払ってしまいがちな場面で、損をしないように守ってくれる
こういう営業マンに出会えたら、とても心強いです。
値引き以上に価値のあるものだと、私は思っています。
…とはいえ、現実は厳しいものです。
人はそう簡単に見抜けませんし、そんな理想的な営業マンには、なかなか出会えないのが正直なところです。
だからこそ、ここで少しでも知識を付けて、自分で自分を守れるようになってほしいんです。
これが、私がこのブログを書いている理由なんですよね(笑)
では、どう聞けばいいのか
少し、逆の立場になって考えてみましょう。
自分が大切に思って売っているものについて、来ていきなり「で、いくら値引きしてくれるの?」とだけ聞かれたら、あまりいい気持ちはしませんよね。
では、どんな人になら「値引きをしてでも買ってほしい」と思うか。
答えは「ずっとこの人とお付き合いしていきたい」と思えるお客さんです。
私も営業をしていたころ、こちらから値引きをしたり、できる限りのサービスをしたりしてでも、お付き合いしたくなるお客さんに出会うことがありました。
テクニックというより、順番と姿勢の問題かもしれません。
①まず「買う意思」と「車への興味」を伝える
試乗が済んでいるなら、こう切り出してみてください。
「試乗して、〇〇なところがとても気に入りました。購入を真剣に考えています」
ここが出発点です。
値引きの話は、まだしなくて大丈夫です。
②見積もりを見て、要らないものを削る
じつは、ここが値段にいちばん効きます。
オプションや付帯サービスを見直して、本当に必要なものだけに絞る。
値引き交渉より先に、これをやってください。
③そのうえで、お願いする
見積もりが固まってから、こう伝えます。
「あなたから買いたいと思っています。できる範囲で構わないので、もう少しだけ頑張っていただけませんか」
ポイントは「値引きしろ」ではなく、「あなたから買いたい」を先に置くことです。
そして「できる範囲で」という形にすること。
相手も「なんとかしてあげたい」という気持ちになりやすくなります。
もちろん、販売会社によってできる値引きは違いますので、限界はあります。
値引きそのものの考え方は、こちらにもまとめています。
そのお願いをする相手が、家からずいぶん遠いお店になりそうなときは。
値段の差だけで決める前に、もうひとつ考えておきたいことがあります。
厳しすぎる競争は、めぐって自分たちに返ってきます
このご相談のとき、私は買取業界の話も教えていただきました。
正直に言うと、絞った雑巾を、さらに絞るところまで攻めるやり方があると知って、逆に勉強になりました。
競争社会ではありますが、やっぱり人と人とのやり取りです。
優しさや誠意があるか。
うまい仕組みの中で、みんなが幸せな結果を得られるか。
私は、そういうものが好きです。
厳しすぎる競争からは、ぼったくりやコンプライアンス違反、騙し討ちのようなものが生まれます。
そうなると、また信頼が担保されなくなってしまうんですね。
遠回りに聞こえるかもしれません。
でも、気持ちよく買えたお店は、次に困ったときも頼れる場所になります。
その積み重ねが、結局いちばん損をしないところに落ち着くと思っています。
値引きと一緒に相談されること
今回のご相談では、値引き以外のことも聞かれました。
どれも新車を買うときにセットで出てくる話なので、それぞれ別の記事でくわしくお話ししています。
トヨタの点検パック(スマイルパスポート)と、延長保証(保証がつくしプラン)が元を取れるかは、こちらです。
コーティングを付けるかどうかの判断は、こちらでお話ししています。
私が大事だと思っているのは「どの商品か」よりも「誰が施工するか」のほうです。
いま乗っている車を手放すなら、売り方はこちらにまとめました。
一括査定で複数の業者に見てもらったあと、その場で気持ちよく決めるのがいちばんだと私は思っています。
💡 売ると決めた方へ
新車の契約が見えてきて、いま乗っている車を手放すと決めたなら。
MOTA車買取なら、電話ラッシュなしで最大20社の査定額がわかります。
ただし、査定してくださる買取店さんも、本気で時間を使ってくださいます。
まだ迷っている段階なら、申し込まなくて大丈夫です。
まとめ
- 「で、いくら値引きしてくれますか」を先に聞くと、当たりさわりのない数字しか返ってきません
- 相見積もりは相場を知るために有効。でも、それだけが目的ではありません
- もうひとつの目的は信頼できる営業マン・お店を見つけること。半年に一度は顔を出す場所になります
- 順番は、①買う意思を伝える →②要らないものを削る →③そのうえでお願いする
- 「値引きしろ」ではなく「あなたから買いたいので、できる範囲で」の形で
- 厳しすぎる競争は、ぼったくりや騙し討ちを生んで、めぐって信頼が失われます
実際に3メーカー・6か所をまわって、下取りが30万円から75万円まで開いた方がいらっしゃいます。
その方が最後に持ち帰られたのは金額ではなく、「営業さんの労力も考えて話さないといけない」という気づきでした。
ご相談者さまの、その後
このご相談には、続きがあります。
といっても、購入のご報告ではありません。
やり取りの中で、こう書いてくださいました。
相見積もりの目的が値段だけでなく、良い営業マンを見つけることという大事な点が抜けてました。
値引きの交渉も進め方が分からなかったので、相手の立場に立って自分も丁寧な対応を心がけます。
そして、最後にこう続けられました。
自分の利益だけでなく、営業さんの立場に立って歩み寄れるところはないか考えないとですね。
90点取れるように頑張ろうと思います。
2店舗目で「1店舗目と変わらない」と言われて、不安になっていた方です。
その方が数日のうちに、見るところを「値引き額」から「相手」に切り替えられた。
100点でなくていいんです。
90点が取れれば、じゅうぶんです。
一生懸命考えて、誠実にいい買い物をしようとされているのは、きっと営業マンにも伝わります。
カーライフは、それを支えてくれるお店や営業マンがいてこそ。
最高の一台と、最高のパートナーに出会えますように。
新車の値引き交渉で疑問や不安ある場合は、このページ下の「コメント欄」からお気軽にどうぞ(ニックネームもメールアドレスも要りません)。
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それでは、損しないカーライフをお過ごしください🐧














「これってどうなんだろう」が残っていたら、ここに書いてください。
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うまく言葉にできなくても大丈夫です。私が読んで、お返事します。
お返事は、このページのコメント欄に書きますので、また見に来てくださいね。
※ 車種や金額など、ご自身が特定されそうな情報は書かないでくださいね。