停車中の車内の暑さ対策はどこまで必要?サンシェードでも50℃、効くのは日陰です

停めているあいだの車内の暑さを、サンシェードやフィルムでどこまで防げるのかは、買う前に知っておきたいところです。
対策のグッズは多いのに、どれが本当に効くのかが分からず、効かない物にお金を払ってしまいそうだからです。
でも、全部をそろえる必要はありません。
停めているあいだの暑さ対策を4つ並べてご相談くださった方は、のちに前の席の左右の窓にだけフィルムを貼られました。
猛暑のなかの長い道のりで、効果をとても感じたそうです。
フィルムが効くのは走っているあいだで、停めているあいだの車内は、サンシェードを付けても50℃まで上がります。
停めているあいだにいちばん効くのは、日陰に停めることです。
乗るときは、ドアを開け閉めして熱気を逃がしてから、エアコンをかけて走り出すのが早道です。
フィルムを選ぶなら、熱をもたらす赤外線を止めるIRカットのもので、前の席の窓は貼ったあとの透過率が70%以上と決まっています。
ポータブル電源は、暑い日の車内に置いたままにすると、発火のおそれがあります。
どこまでやるかは、守りたいのが自分なのか積んでいる物なのか、日に当たる時間がどれくらいかで変わります。
ポータブル電源をお持ちなら、取扱説明書の使える温度の上限を見るだけで、車に置いたままにできるかが分かります。
エブリイの停車中の暑さ対策、4つの候補はどこまで要る?
まずは、今回いただいたご相談の内容です。
夏の、停車中の暑さ対策を模索しています。
今のところ考えている対策は以下の候補です。
1 車検対応のUVカットフィルムを貼る、サンシェードを設置する
→今夜アマゾンでポチってみようかと思います。
2 太陽光発電で動く換気扇(扇風機)を窓にとりつける
3 ポタ電を積んで、窓を少しあけ、USBなどで動く扇風機を設置して停車中に稼働させておく
→35度の真夏日だと、それでも温度が下がりきらず破裂などしないのか心配・・・。
→どうせならポタ電で電気ケトルくらい動かせるものが欲しく、となると価格が10万円〜のため二の足を踏んでおります。
4 ソーラーパネルを屋根に積んで、ポタ電に供給できるよう一式プロに頼む!
→これができれば理想です!笑
ポタ電は、ポータブル電源のことです。
お車はスズキのエブリイで、お仕事で使う車でした。
後ろの窓は、差し支えない範囲をもう黒い板で覆っていらっしゃいました。
停めているあいだの車内は、何をしても暑くなります
最初にお伝えしたのは、エブリイのような軽バンは窓ガラスが大きく、暑くなりやすいということでした。
そのうえで、車は鉄板に囲まれているので暑さをしのぐには限界がある、ともお答えしています。
JAFが気温35度の日に、ミニバン5台を正午から4時間停めて、車内の温度を比べたテストがあります。
車内のいちばん高い温度は、次のとおりでした。
- 対策なしの黒い車:57℃
- 対策なしの白い車:52℃
- サンシェードを付けた車:50℃
- 窓を3cm開けた車:45℃
- エアコンを動かし続けた車:27℃
JAFは、サンシェードや窓開けでは温度を抑える効果が低く、車内の温度の上昇は防げないとまとめています。
エアコンをかけたまま停める方法も、誤操作で車が動いたり、燃料が切れたりするおそれがあると書かれています。
※JAF「真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)」2012年8月の測定(2026年10月に確認)車の大きさや色、天気によって温度は変わります
いちばん効くのは、日陰に停めること
停めているあいだの暑さにいちばん効くのは、日の当たらない場所に停めることです。
JAFの2025年9月のテストでは、日なたに停めた車の運転席が53℃まで上がり、立体駐車場の日陰に停めた車は33℃でした。
同じ日の同じ車種で、20℃の差です。
私も、炎天下に停めるときは日陰を選びましょう、とXでお伝えしてきました。
ご相談者さまも、出先では屋根のある駐車場で休めるところを探すことにされていました。
※JAF「夏の車内温度と水分喪失量(JAFユーザーテスト)」2025年9月の測定(2026年10月に確認)日陰でも暑さ指数は「警戒」でした
サンシェードが下げるのは、ダッシュボードの熱
サンシェードを付けた車は、さきほどのテストで、車内の空気の温度があまり変わりませんでした。
そのかわり、ダッシュボードのいちばん高い温度は、対策なしの74〜79℃に対して52℃まで下がっています。
日が直接当たるダッシュボードを守る道具と考えると、効き目の向きが分かりやすいと思います。
そのうえで、私はフロントのサンシェードを、特に必要とは思っていない派です。
毎回の出し入れに手間がかかりますし、出し入れのときに内装に当たって、傷がつくこともあるからです。
内装の傷は、売るときの査定にも響きます。
ドライブレコーダーを付けている車では、フロントのサンシェードとの相性もよくありません。
夏の車内の熱がドライブレコーダーにどう響くかは、安いドラレコのご相談の記事でお話ししています👇
乗るときは、ドアを開け閉めしてからエアコンで
手間をかけるなら、停めているあいだより、乗るときの冷まし方に使うのが私のおすすめです。
JAFが車内を55℃まで上げて比べたテストでは、助手席の窓を開けて運転席のドアを5回開け閉めすると、47.5℃まで下がりました。
いちばん早かったのは、窓を全開にしてエアコンをかけて走り出し、2分後に窓を閉めて内気循環にするやり方です。
5分後には28℃まで下がっています。
車内の空気が冷えても、ハンドルやダッシュボードには熱が残っているので、触るときは気をつけたいところです。
※JAF「夏の駐車時、車内温度を最も早く下げる方法は?(JAFユーザーテスト)」2016年6月の測定(2026年10月に確認)
乗り込んでからの冷まし方は、季節ごとの手入れをまとめたカレンダーの夏の節にもあります👇
フィルムが効くのは、走っているあいだ
ご相談の1つ目のフィルムは、私がいちばんおすすめした対策です。
一度貼ってしまえば、あとは手間がかからないからです。
私も、自分の車にフィルムを貼ったことがあります。
フィルムを貼ると、走っているときの日差しのジリジリが和らぎ、エアコンの効きも多少よくなります。
エアコンの負担が減るぶん、燃費にもいい方向に働きます。
ただ、私の車では効き目は確かにあったものの、どうしても要ると思うほどではありませんでした。
暑さは、エアコンの効きでしのげると感じています。
とくに運転席のドアの窓などは、透明なフィルムでも車検に通らないことがあり、そこが課題です。
停めているあいだの暑さは、さきほどのJAFの数字のとおり、ガラスだけの対策では大きく変わりません。
選ぶなら、UVカットだけでなくIRカットも
暑さのジリジリを抑えるのは、UVカットだけでなく、IRカットもするフィルムです。
UVは紫外線、IRは熱をもたらす赤外線のことで、別のものです。
紫外線のほうは、いまはほとんどの車が、UVカットのガラスで防いでいます。
フロントガラスは、2枚のガラスのあいだに挟んだ膜が、紫外線をカットしています。
最近の車は、フロントガラスにIRカットが付いていることも多いです。
後ろの席の窓の断熱は、後ろに乗る方が暑いと言い出してから考えても遅くない、と別のご相談でお答えしています。
※JAF「クルマに乗っていれば、日焼けしない?(JAFユーザーテスト)」・JAF クルマ何でも質問箱「自動車のウインドウガラスにはどんな種類や機能があるの?」(2026年10月に確認)同じ車種でも、年式やグレードでガラスが違うことがあります
前の席の窓は、貼ったあとの透過率で決まります
フロントガラスと運転席・助手席の窓は、貼った状態で目に見える光が70%以上通ることが、法令で決まっています。
当時の私は、たしか70%以上を確保する必要があったかと思います、とお答えしていました。
透明に見えるフィルムでも、貼ればガラスと合わせた透過率は下がります。
透過率は目で見ても分からないので、車検の検査が厳しいところでは、測った証明書を求められることがあります。
貼るなら、透過率を測れるお店か車検をお願いするお店に頼むと、あとで困りにくいです。
後ろの席の窓とリアガラスには、この決まりはかかりません。
リアに貼ったフィルムは、10年以上そのまま使えている方が多い印象です。
※JAF クルマ何でも質問箱「自動車のフロントガラスに着色フィルムを貼ると違反になりますか?」(2026年10月に確認)色の付いたガラスに貼ると、70%を下回ることがあります
前の席の左右の窓に、フィルムを貼られて
ご相談者さまは、私の質問へのお返事で、赤外線をカットできるフィルムを注文してみると書いてくださいました。
選ばれたのは、前の席の左右の窓に貼る、透過率の高いフィルムでした。
2週間ほどあと、猛暑のなかを長く走ったあとに、ほかの回答者さんへのお返事でこう書かれています。
左右のフロント窓だけ貼ったのですけれど、ものすごく効果を実感しました。
もっと早く貼ればよかった・・・
前の席の左右の窓は、運転している自分に日が当たる窓です。
前の席の窓に自分で貼る場合は、車検の前にお店で透過率を測ってもらうと安心です。
63,000円をかける価値があるか
2024年の夏の別のご相談では、ディーラーで見積もりを取ると、前の席まわりのIRカットのフィルムが63,000円でした。
運転席と助手席の窓をUVカットだけにすると、16,500円だったそうです。
私の答えは、「63,000円は得られる効果に対して高いと思います」でした。
お店の値付けの話ではありません。
払うお金に対して、得られる涼しさが小さいという意味です。
私なら暑さはエアコンの温度や風量で何とか耐えて、サイドのUVカットだけにします、ともお答えしました。
乗る時間や時間帯で、フィルムが必要かどうかは変わります。
1日じゅう運転するお仕事で、お昼ごろにいちばん走るのなら、検討の余地があります。
その方は、数える前に「数値で選ぶ日焼け止め選び感覚だったかもしれません」と書かれていました。
そのあとご自分で数えてみると、「一週間で平均すると、日光にさらされるのは1時間弱でした」。
結局、運転席と助手席の窓のUVカットだけを、ディーラーにお願いすることにされています。
それでも暑さに耐えられないときは、飛び石でガラスを替えてくれるガラス修理の専門店に頼む手もあります。
フィルムの施工を得意にしているお店も多いからです。
フィルムは職人技なので、私なら施工の実績がある専門店に頼みます。
※金額は2024年夏のディーラーの見積もりです(お店や車種によって変わります)
ガラス屋さんとディーラーで、ガラスの値段が変わる仕組みは、飛び石のご相談の記事にまとめています👇
換気扇とポータブル電源、ソーラーパネルの考え方
窓を3cm開けた車でも、45℃でした
太陽光で動く換気扇は、車内の熱い空気を外へ出して、入れ替える道具です。
空気の入れ替えの目安になるのが、さきほどのJAFのテストの、窓を3cm開けて停めた車です。
対策なしの車よりは下がったものの、車内のいちばん高い温度は45℃でした。
JAFは、窓開けでも人や動物が耐えられない温度になる、とまとめています。
熱に弱い物を守るには、空気の入れ替えだけでは足りないと考えたほうがよさそうです。
ポータブル電源は、暑い日の車内に置いたままにしない
ご相談の3つ目でいちばん心配されていたのが、35度の真夏日に破裂しないかでした。
このご心配は、当たっています。
NITE(製品評価技術基盤機構)は、リチウムイオン電池が高温で発熱や破裂・発火を起こすおそれがあるとしています。
そのうえで、暑い日の車内に放置しないよう呼びかけています。
2023年8月には、車の中に置いたモバイルバッテリーが焼ける火災も起きています。
※NITE「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご用心」2025年6月26日・Jackery「Jackeryポータブル電源の温度範囲」「ポータブル電源の車内放置はNG!」(2026年10月に確認)
お持ちのポータブル電源の取扱説明書には、使える温度の範囲が書いてあります。
電気ケトルのために欲しいのなら、使う日だけ積んで降りるときに一緒に降ろす形にすれば、暑さの心配とは切り離せます。
ソーラーパネルは、壊れたときの直し先が読めない
4つ目のソーラーパネルは、取り付けの費用だけでなく、付けたあとが心配だとお答えしました。
お仕事でガンガン使う車だと、故障したときに、また費用がかさみます。
ほとんど見かけない仕組みなので、直すノウハウが出回っているのか、すぐに直せるのかが読めません。
お仕事の車との相性がいまひとつに感じた、というのが当時の私の答えです。
ご相談者さまも、業務用の車としてそういうリスクはなるべく避けたい、とお返事をくださいました。
どこまでやるかは、誰のためかで決まります
このご相談で、私は答えのあとに1つ質問をお返ししました。
「停車中の暑さを低減したいのは、ドライバーのためですか?それとも、運ぶ商品のためですか?」
お返事は、まずはお仕事で運ぶ品物のためで、前の席の左右の窓は少しご自分のためというものでした。
自分が乗るときの暑さだけなら、ドアの開け閉めとエアコンで冷ませば済みます。
でも、停めているあいだも車に残る品物は、エアコンが止まると守れません。
品物のためなら、日陰を探すことや後ろの窓を板で覆うことのように、日を直接当てない工夫が先に来ます。
もう1つの物差しが、日に当たる時間です。
さきほどの63,000円の方のように、数えてみると思ったより短いこともあります。
ふつうに暑さをやり過ごすだけなら、何もしないという答えもあります。
暑いとは言え、真夏の日中の数時間と限られます
無理せず、エアコンもしっかり使いましょう
まとめ
- 停めているあいだの車内は、サンシェードを付けても50℃まで上がる(JAF)
- いちばん効くのは、日陰に停めること(日なた53℃・日陰33℃)
- 乗るときは、ドアを開け閉めして熱気を逃がし、エアコンをかけて走り出す
- フィルムは走っているあいだに効く・IRカットを選ぶ・前の席の窓は透過率70%以上
- ポータブル電源は、暑い日の車内に置いたままにしない
- ソーラーパネルは、壊れたときの直し先が読めない
どこまでやるかは、誰のためか、日に当たるのが何時間かで決めると迷いにくくなります。
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