【20年落ちハイラックス】売る?乗り続ける? どちらの道も「この車が分かる相手」しだい
20年連れ添った愛車を、手放すか、乗り続けるか。
これは、損得の数字だけでは決められない、本当に悩ましい問いですよね。
私も、こういうご相談をいただくたびに、ご相談者さんと一緒に悩みます。
しかも今回は、その愛車が、いま動いていません。
車検が切れたまま、家に置いてある一台です。
【ご相談内容】
20年以上前の年式のトヨタ ハイラックスを所有しています。
主人の趣味で買った車で、いまは乗っておらず、車検も切れている状態です。
売ってしまおうかと思うのですが、けっこう気に入っている車なので悩んでいます。
ハイラックスは人気があって比較的高く売れると聞きますが、これから電気自動車(EV)の時代になると、古いガソリン車は価値が下がって売れなくなってしまうのでしょうか?
それと、私の車が10月に車検切れなので、私がハイラックスに乗ろうかとも考えています。
✅ 結論:「売る」も「乗り続ける」も正解。どちらの道も、決め手は「この車が分かる相手」です
金銭的な合理性を重視するなら売却、愛着や趣味としての価値を重視するなら乗り続ける――どちらも立派な選択です。
そのうえで知っておいていただきたいのは、この手の車は車の値段そのものが減りにくいということ。減っていくのは、持っている間に毎年出ていくお金のほうです。
売ると決めたなら、一般の買取店と専門店・輸出業者とで査定額は大きく変わります。乗り続けると決めたなら、部品が出にくくなったときに頼れる相手が要ります。どちらにしても、この車の価値が分かる相手に出会えるかどうか——そこが分かれ目になります。
動画でも解説しています。
読むより観たいという方は、こちらもどうぞ↓
EV時代でも、尖った個性の車は生き残る
ご心配されている「EV時代になったら、古いガソリン車は売れなくなるのでは」という不安、すごく分かります。
たしかに、電気自動車やハイブリッドが主流に向かっていく雰囲気はあります。
でも私は、ガソリン車もまだまだ活躍していくと考えています。
国として完全に禁止でもされない限り、趣味の領域で愛される「尖った個性のある車」は、むしろ生き残っていくと思うんです。
正直に言えば、「ただ古いだけの大衆車」は、値落ちが避けにくい面もあります。
でも、ハイラックスのように丈夫で個性があって、走行距離が少なめなら、これからむしろ価値が見直される可能性も十分にあると、私は見ています。
20年も大切にされて、次はご家族が乗ろうかとまで考えてもらえるなんて、このハイラックスは幸せ者ですね😊
20年目に、減るお金と減らないお金
ここまで読んで、あれ?と思われた方もいるかもしれません。
値落ちしにくいのなら、慌てて売らなくてもいいのでは、と。
そのとおりです。
車にかかるお金には、減りにくいものと、時間とともに出ていくものの2つがあります。
減りにくいのは、車そのものの値段です。
ハイラックスのような車は、ここがとても強い。
時間とともに出ていくのは、持っている間に毎年かかるお金のほうです。
- 税金:新規登録から13年を超えると、自動車税や重量税が少し重くなります(重課)
- 燃費:近年の車と比べると、燃費は劣る場合が多いです
- メンテナンス費用:年式が古くなると部品の劣化や故障のリスクが高まり、修理代が高くつくことがあります。生産終了の部品は入手が難しい場合もあります
つまり、この車を売るかどうかを考えるとき、今売らないと値段が落ちてしまう、という焦りは、あまり要りません。
考えるのは、これから何年乗るつもりで、その間に毎年いくら出ていくか、のほうです。
この2つを分けて見られるようになると、判断がずいぶん軽くなると思います。
ちなみに、同じ20年落ちでも、ごく一般的な大衆車であれば、私は廃車の買取サービスをおすすめすることがあります。
あちらは値段が固定で、3万円から5万円ほど、という世界です。
でも、ハイラックスのような車をそこに出してしまうのは、正直もったいないと思っています。
そこが、この一台の強みだからです。
判断軸はシンプル。金銭面なら売却、気持ちなら乗り続ける
そのうえで、私の考えはシンプルです。
金銭面を大切にするなら、売却してお乗り替え。
思い出や楽しさといった気持ちを大切にするなら、乗り続ける。
なぜこう考えるのか、理由をお伝えします。
1.金銭面で見ると、売却が合理的
さきほどの「毎年出ていくお金」を、いま止められるのが売却です。
税金も、燃料代も、これから来るであろう修理代も、手放した瞬間からゼロになります。
そのうえ、まだ値段が付くうちに現金に換えられます。
金銭面をいちばん大切にするなら、これが素直な選択です。
売却を決めた場合は、必ず複数の買取業者に見積もりを依頼(相見積もり)してください。
2.気持ちで見ると、乗り続けるのも素晴らしい
「お金には代えられない価値がある」と感じているなら、無理に手放す必要はありません。
- 愛着と思い出:長年連れ添った愛車に詰まった思い出は、お金では測れません
- 趣味としての楽しみ:ハイラックスでしか味わえない運転の楽しさやカスタムの喜びは、何物にも代えがたいものです
- 将来的な価値:状態良く維持された希少車は、将来ヴィンテージとして価値が上がる可能性もゼロではありません(ただし過度な期待は禁物。維持費の方が高くつくケースがほとんどです)
3.乗り続けるなら知っておきたい「日常の足としての現実」
ここが、今回のご相談の核心でした。
じつはこの方、ご自分の車の車検が数か月後に切れるので、そのタイミングでハイラックスに乗ろうかと考えておられたんです。
眠っていた趣味の一台を、日常の足に格上げする、という案ですね。
気持ちはとてもよく分かります。
ただ、もしハイラックス1台をメインの車として毎日使うなら、正直に言って、少しハードな道のりが待っています。
急な故障でしばらく乗れなくなったり、部品の調達に時間がかかったり。
趣味性が高い一台ほど、日常の「安心の足」としては、心もとない場面が出てきます。
ポイントは、ほかにいつでも乗れる車があるかどうかです。
もう1台あるなら、ハイラックスは趣味の相棒として存分に楽しめます。
でも、これ1台に毎日頼るとなると、万が一の不便さと維持費の高さから、よほど好きでないと持ち続けるのは大変かもしれません。
だから、日常の足がほかにないなら、お乗り替えをおすすめしています。
逆に、その手間さえ楽しめるくらい愛情を注げるなら、いずれ資産になるかもしれませんし、乗り続けることを私は心から応援します。
もし乗り続けるなら、維持費を少しでも軽くする工夫も大切です。
新規登録から13年を超えた古い車こそ、保険料を「本人・配偶者限定」などで見直すと、負担をぐっと抑えられますよ。
乗り続けるなら、頼み先が変わります
もうひとつ、乗り続けると決めたときに、先にお伝えしておきたいことがあります。
20年ものの車は、どこに頼むかが、少しずつ変わっていきます。
純正の部品があるうちは、ディーラーがとても心強い相手です。
その車のことをよく知っていますし、部品も早く届きます。
ただ、正直に言うと、その部品が出なくなってしまうと、そういうトラブルに精通した方は少なくなっていく——というのが、私の感覚です。
これは、悪気があるとか、冷たいということでは、まったくありません。
お店も商売ですから、なかなか見つからない部品を探し回って得られる小さな利益よりも、新しいお車をご提案するほうが、自然な流れになります。
相手もボランティアではないので、何日もかけて部品を探し回るほどの時間は、なかなか取れないんですね。
では、どうするか。
その年式の車を、いまも扱っているお店を探すんです。
古い車を専門に扱っている車屋さんは、そういう年式の一台に愛を注いでいます。
同じトラブルをすでに経験していて、良い知恵を持っていることも多いんです。
お住まいの地域で「車種名 専門店」のように検索して、何軒か回ってみる。
もう少し乗りたいと思っているなら、やってみる価値は十分にあります。
そしてこれは、じつは売るときの話とまったく同じです。
この車の価値が分かる相手を、どれだけ早く見つけておけるか。
乗り続ける道でも、売る道でも、結局そこが分かれ目になります。
ディーラーと整備工場、それぞれの得意なことは、こちらで詳しくお話ししています👇
売却するなら:相見積もりは必須。怖いのは「納得して安く売らされる」こと
売却を決めたら、少しでも高く、そして納得して手放すために、相見積もりは必須です。
趣味性の高い車は、どう売るか(どんな相手に売るか)で値段が大きく変わるので、ちょっとしたテクニックが要ります。
- 一般的な中古車買取店:通常の相場に基づいて査定します
- SUV・ピックアップトラック専門店:車種の価値をよく理解しており、高値が付く可能性があります
- 旧車・ヴィンテージカー専門店:年式や希少性を評価してくれる可能性があります
- 海外輸出に強い業者:ハイラックスは海外でも人気が高いため、輸出ルートを持つ業者が高値を提示する場合があります
なぜ価格差が出るかというと、業者ごとに「その車をどう再販するか」の戦略と得意分野が違うからです。
正直に言ってしまうと、この手の車はここが一番おすすめです、という決め打ちができないんです。
お店によって、買取額にかなりの偏りが出てしまうからです。
ですので、相見積もりが要る、というより、相見積もりでしか答えが出ない、と言ったほうが近いかもしれません。
🔧 ピゴスより:いちばん怖いのは「納得して安く売らされる」こと
古い車を売るとき、いちばん怖いのは、安く買い叩かれることです。しかも厄介なのは、売る私たちが「なるほど」と納得してしまうような説明を、上手にされることなんです。
「意外と高く買ってもらえたかも?」と思える、絶妙なラインで攻めてくることもあります。
だからこそ、1社で決めないこと。複数の業者に当てて「その車を本当に欲しい相手」に出会えるかどうかで、結果は数十万円単位で変わります。売るのに慣れていなければ、決める前に一度、私にも声をかけてくださいね。
ちなみに、車検が切れて動かせないままでも、売るのに支障はありません。
買取店さんの査定は出張が基本なので、車は置いたまま、自宅まで見に来てもらえます。
引き渡しのときも積載車で運んでもらえるので、自走できなくても大丈夫ですよ。
一括査定は便利ですが、たくさんの業者さんから一斉に電話が来るのが煩わしい、という方もいます。
電話ラッシュを抑えつつ、この車を高く買いたいと思っているお店を絞り込めるサービスがあります。
ただ、申し込むと、買取店の担当者さんが実際に動きます。
ですので、売ると心が決まってからお使いください。
逆に言えば、使うだけでこの車を高く買いたいお店を、ふるいにかけられるということでもあります。
💡 売ると決めた方へ >>MOTAで無料査定してみる
まだ迷っている段階なら、申し込む前に、この車にどれくらいの値段が付きそうかを知っておくところから始めてください。
査定のときは、「この車がいかに大切にされてきたか」を伝えるのも有効です(整備記録簿やカスタム内容など)。
複数の買取店に同時に査定してもらい、最高額を引き出す「一発勝負」の具体的な進め方は、こちらでくわしく解説しています。
値段の考え方は、こちらにまとめています👇
まとめ:あなたとご家族の笑顔がある限り、どれも正解
ハイラックスを手放すか、乗り続けるか。
この問いに、唯一の正解はありません。
- 金銭的な負担を減らして、新しいカーライフに進みたい → 売却
- 維持費やリスクを理解したうえで、愛車との時間を大切にしたい → 乗り続ける
- 焦る理由は車の値段ではなく、毎年出ていくお金のほう
- どちらの道でも、決め手はこの車が分かる相手に出会えるか
どちらを選んでも、あなた自身、そしてご家族の笑顔がある限り、私はどれも正解だと思っています。
ご家族と話し合いながら、一番納得できる答えを見つけられますように。
そして、迷ったときはいつでも、この「ぺんぎんカーライフ」に声をかけてくださいね。
旧車を専門店で売る・大切に乗り継ぐという観点では、こちらの記事も参考になります。
車のこと全体をゼロから整理したい方は、車の教科書ページもどうぞ。
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