著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

車検の見積もりに出てくる「シャーシブラック塗装」「シャシブラック」とも呼ばれます)。

「これ、本当にやった方がいいの?」と疑問に思ったことはありませんか?

特に雪国にお住まいの方にとって、サビ対策は気になるテーマですよね。

実は私自身も、愛車にシャーシブラック塗装を施工した経験がありますし、お客様へ提案する側にいたこともあります。

その両方を経験したからこそ言えるのは、シャーシブラックは「お守り」くらいの効果しかない、ということです。

今回は、その理由と、本当に効果のあるサビ対策をお伝えします。

✅ 結論からお伝えします

シャーシブラック塗装は、ほとんどの人には必須ではありません。

正直なところ”気休め”になりがちなので、車検で勧められても即決しなくて大丈夫です。

本気でサビ対策をするなら、「こまめな下回り洗浄」「本格的な防錆塗装」の方が効果的ですよ😊

きっかけは読者の方からのご質問

今回のテーマは、読者の方からの「これって本当に必要なの?」というご質問がきっかけです。

車検時の追加整備、特に「下回りの錆止め」については、多くの方がその必要性について悩まれています。

「整備工場に勧められたけど、断っていいものか分からない…」という声は本当に多いです。

現場目線の立場からお答えします。

そもそも、何のための塗装なのか

ピゴス(元1級整備士)の結論:車検のシャーシブラック塗装はほとんどの人に必須じゃない(5,000〜10,000円・効果の持続は半年ほど)。ただし不要なのは見栄えの黒塗装だけで、サビ対策まで後回しにしない。効くのは下回り洗浄(1回300〜500円・冬は月1回ほど・融雪剤の道を走ったあと)と本格的な防錆塗装(3〜8万円・持続3〜5年・錆びる前に)の2つ

まず、この塗装が何のためのものかを、先にお伝えします。

雪国にお住まいの方が、車検の際に整備工場から提案される「シャーシブラック塗装」

これは、多くの場合、本格的なサビ対策として必須のものではありません。

その主な目的は、実は「防錆」よりも、「見た目をキレイに見せること」にあるのです。

ですから、もしあなたが「とにかくサビを防ぎたい!」と強く願うのであれば、シャーシブラック塗装は、残念ながらその期待に十分応えられる選択肢とは言えません。

実際、私がディーラーで働いていた頃も、シャーシブラックを積極的におすすめするディーラーではありませんでした。

それは「なくても車の寿命に大きな影響がない」と、現場で感じていたからです。

なぜシャーシブラックが「気休め」にしかならないのか?

では、なぜ私が「必須ではない」と考えるのでしょうか?

「錆止め塗装」と聞くと、とても効果がありそうに思えますよね。

しかし、車検時に行われる安価なシャーシブラック塗装には、いくつかの限界があるのです。

効果が長持ちしない

シャーシブラックで使われるのは、比較的安価で乾燥の早い黒い塗料です。

車の下回りは、走行中に小石が当たったり、水や泥、冬場は融雪剤にさらされたりと、とても過酷な環境です。

そのため、この薄い塗膜は、時間が経つと簡単に剥がれてしまいます。

次の車検を迎える頃には塗装が部分的に剥がれ、効果が薄れていることも珍しくありません。

これでは、長期的な防錆効果は期待できませんよね。

「お化粧」のようなもの

シャーシブラック塗装は、下回り全体を隙間なく厚い膜で覆うような本格的なものではありません。

多くの場合、目につきやすい部分を中心にスプレーし、元々あった表面的なサビを隠して、黒々とキレイに見せる、という側面が強いのです。

もちろん、一時的に空気に触れるのを防ぐ効果はありますが、それは「お化粧」のようなもの。

根本的なサビ対策とは言い難いのが正直なところです。

もうひとつ、あまり知られていないことがあります。

塗る場所も、錆びたところで走行に困らないところであることが多いんです。

スプレーをかけやすくて、下から覗いたときに目につく場所——つまり「黒くすると見栄えが良くなる場所」が中心になります。

本当に守りたいのは、そういう場所ではないんですよね。

もっと効果的な方法がある

後ほど詳しくご紹介しますが、シャーシブラック塗装よりも効果的で、しかもお金がかからないサビ対策は存在します。

私自身、愛車にシャーシブラックを施工した経験がありますが、正直なところ効果は限定的でした。

その後は、もっとシンプルで効果的な方法に切り替えています。

「見た目」のため?それとも「本気の防錆」?

大切なのは、「自分は何のためにお金を払うのか」を明確にすることです。

目的によって、選ぶべき対策は変わります。

「見た目をキレイにしたい」なら、数千円のシャーシブラック塗装で満足感が得られるかもしれません。

車検の時に下回りがサビで茶色いより、黒々としていた方が気持ち良いですよね。

しかし「本気でサビを防ぎたい」なら、シャーシブラックでは不十分。

もっと効果的な方法にお金を使った方が、結果的に「損しない」選択になります。

本気のサビ対策、おすすめは2つ

おすすめ対策①:最強のコスパ!「こまめな下回り洗浄」

車のサビの最大の原因は、何と言っても冬場の「融雪剤(塩化カルシウムなど)」です。

つまり、この塩分を塗装面に長期間付着させたままにしないことが、最も効果的なサビ対策なのです。

冬場、融雪剤が撒かれた道路を走行した後は、コイン洗車場の高圧洗浄機や、ご自宅の散水ホースなどで、定期的に下回りを水で洗い流す習慣をつけましょう。

これだけで、サビの進行を大幅に抑えることができます。

一番安上がりで、一番効果的な方法です!

そして、ここが大事なところなのですが——大事なのは「頻度」より「タイミング」です。

サビの原因は雪そのものではなく、融雪剤の塩分

ですから、いちばん効くのは融雪剤がまかれた道を走ったあとです。

目安としては、冬は月1回ほど。

そのうえで、塩がついたまま1ヶ月以上そのままにしない——ここだけ守れば、だいぶ違ってきます。

そして春になって融雪剤が終わったら、一度だけ入念に

これで冬にたまった分をリセットできます。

やり方は、コイン洗車場でもいいですし、洗車機の「下回り洗浄」オプションでも大丈夫ですよ。

私も雪国在住なので、冬場は定期的に下回り洗浄をしています。

正直、これだけでもシャーシブラック塗装を毎回やるよりずっと効果的だと実感しています。

冬タイヤへの交換時期も、下回りの状態チェックのチャンスです。

整備士さんに頼んで、タイヤ交換のタイミングで足元をのぞかせてもらったり、スマホで数枚写真を撮って見せてもらうと、サビの進行具合が分かりやすいですよ。

ちょっと話は変わりますが、タイヤ交換時に新品タイヤへの交換をオススメされた方は、こちらもぜひチェックしてみてください。

知っているのと、知らないのとでは、変わってくるカーライフの知識の1つです。

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おすすめ対策②:手間をかけたくない人の「本格的な防錆塗装」

「こまめに洗車なんて、面倒だよ!」という方には、こちら。

シャーシブラックとは違う、「ノックスドール」や「スリーラスター」といった、厚いゴム系の塗膜を形成する本格的な防錆塗装を施工する方法です。

これは、サビが発生する前の「新車時」に行うのが最も効果的です。

費用は数万円〜と高価ですが、一度施工すれば数年間は安心感が続きます。

ただし、その車を10年以内に手放す予定なら不要かもしれません。

車の使用年数も考慮して検討しましょう。

そしてもうひとつ、大事なコツがあります。

やるなら「錆びる前に」です。

すでに錆が出てから厚い膜で覆っても、その錆を中に閉じ込めてしまうことになります。

ちなみに、洗浄と本格防錆は、どちらか一方を選ぶものでもありません。

両方やれれば、いちばん強いです。

そのうえで、手間をかけられないという方は、お住まいの環境を考えて、錆びる前にガッチリした錆止めをやっておく——それも損はしない選び方だと思います。

なお、業者さんに頼むのではなく、ご自身の手で塗ってみたいという方もいらっしゃると思います。

実際に挑戦された方の記録を、こちらにまとめました。

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雪国の方へ:「必須ではない」のは、見栄えの黒塗装のことです

ここで、ひとつだけ但し書きをさせてください。

この記事で「必須ではありません」と言っているのは、あくまで車検のときに勧められる、見栄えのための黒塗装のことです。

豪雪地や、融雪剤をたくさんまく地域で効いてくる本気の防錆とは、まったく別のものです。

「シャーシブラックは不要」という言葉だけを持ち帰って、下回りのサビ対策そのものを後回しにしてしまう——これがいちばんもったいないパターンだと思っています。

雪国にお住まいなら、洗浄か、本格防錆か、その両方か

どれかは、やっておいてください。

シャーシブラックが「向いている人」は?

では、シャーシブラック塗装は全く意味がないのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。

「機能的な防錆効果はそこまで期待しないけど、車検の時に下回りが黒々としていた方が気持ち良い」「見た目をキレイに保ちたい」という方にとっては、数千円〜1万円程度の費用で満足感を得られる、選択肢です。

愛車の防錆対策チェックリスト

あなたに合った対策を見つけるためのチェックリストを用意しました。

  • 雪国・沿岸部にお住まいですか? → 下回り洗浄は必須レベル
  • 車を10年以上乗る予定ですか? → 本格的な防錆塗装(ノックスドール等)を検討
  • 車検ごとにキレイな見た目を保ちたい? → シャーシブラックでOK
  • とにかくコストを抑えたい? → 下回り洗浄だけでも十分効果あり

📊 シャーシブラックの費用は? 3つの選択肢の目安

シャーシブラック・本格防錆塗装・下回り洗浄、3つの選択肢を比べるときの参考の数字です。

  • シャーシブラック塗装:車検時に5,000円〜10,000円程度。効果の持続期間は半年程度が目安
  • 本格防錆塗装(ノックスドール・スリーラスター等):30,000円〜80,000円程度。新車時の施工が最も効果的で、持続期間は3〜5年程度
  • 下回り洗浄:コイン洗車場で300円〜500円程度。冬は月1回ほど+融雪剤の道を走ったあと
  • 融雪剤による塩害は、北海道・東北・北陸・甲信越など降雪地域では特に深刻。沿岸部も潮風によるサビリスクがあります

※上記はあくまで一般的な目安です。

車種・地域・施工業者によって金額は異なりますので、必ず見積もりを取って確認しましょう。

車のメンテナンスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

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まとめ:車検時の追加整備、言われるがままは「損」のもと!

車検の見積もりに出てくる「シャーシブラック塗装」

最後にポイントをおさらいします。

  1. シャーシブラック塗装は「見た目をキレイにする」のが主な目的。本格的な防錆効果は限定的
  2. ⚠️ ただし「必須ではない」のは見栄えの黒塗装のこと。雪国なら、洗浄か本格防錆か、その両方か——どれかはやっておく
  3. 本気のサビ対策なら、「こまめな下回り洗浄」が最もコスパが良い
  4. 手間をかけたくないなら、ノックスドール等の「本格防錆塗装」を新車時に検討
  5. 整備工場に勧められても、自分の目的に合っているかを確認してから判断しよう
  6. 車検時の追加整備は「言われるがまま」ではなく、「自分で判断する力」を持つことが大切

この「自分で判断する力」は、車検のときだけでなく、ふだんのオイル交換でも役に立ちます。

「安い」の裏側を知っておくと、ここでも損を防げますよ。

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ちなみに…今の車、いくらで売れるか知っていますか?

車検時などに下回りの錆を指摘されたタイミングで「このまま乗り続けるか、買い替えるか」を考える方もいらっしゃるかと思います。

もし買い替えを検討するなら、まず愛車の価値を最大化しておくのが、損しないカーライフの基本です

私がおすすめしているMOTA車買取なら、電話ラッシュなしで最大20社の査定額を比較できます。

ただし、相手の買取店さんも本気で手間暇をかけて査定してくれます。

「売る」と決めてから活用するのが、お互い本気で高い買取額を引き出すコツです。

まだ決めかねている方には、AIで簡単に相場を調べる方法もお伝えしています。

詳しくはこちらの記事をチェックしてみてください。

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ピゴス
ピゴス

車検の見積もりって、言われるがまま「はい」と言ってしまいがちですよね。

でも、ひとつひとつの項目を「本当に自分に必要か?」と考えるだけで、無駄な出費をグッと減らせます。

この記事が、そのきっかけになれば嬉しいです!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

みなさんのカーライフがより良いものになることを願っています。

車の維持費を賢く抑えるコツは「車選びから!」

興味がありましたら、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

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ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、記事の下のコメント欄でいつでも承っております。ニックネームもメールアドレスも要りませんので、お気軽にどうぞ!