著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

中古で買った軽自動車に、ETCが付いていなかった。

付けてもらおうと思って調べ始めたら、機種がいくつもあって、値段もばらばらでした。

お店に行けば教えてもらえるとは思うのですが、詳しくないので、勧められたものをそのまま買ってしまいそうです。

この不安は、車のことをよく知らないからではありません。

「何を見て決めればいいのか」を、誰も教えてくれないからです。

✅ 結論からお伝えします

ETCの後付けは、「車を買ったお店」でも「カー用品店」でも大丈夫です。

ディーラーの専門性までは、要りません。

ただ、本当に効いてくるのは「どこに頼むか」ではないと思っています。

「これがいいですよ」と言われたときに、もう一拍おけるかどうかです。

そのために要るのは知識ではなく、見積もりに並ぶのは3つだけだと知っておくことでした。

まずは、いただいたご相談です

車のことがよく分からないまま、中古の軽自動車に乗っています。

ETCがついていません。

つける方法としては、何がおすすめでしょうか。

 ①中古車を購入したところで依頼

 ②カー用品販売店で依頼

自分ではつけられそうにないです。

だいたいの予算相場も教えていただけると嬉しいです。

実は、この車は息子に譲ることになりそうです。

そのため、ETCとドライブレコーダーは、つけた状態で譲ろうと思っております。

最後の2行が、この記事にとって大事なところでした。

ご自身が使い続ける車ではなく、「これから人に渡す車」に付けるご相談だったんですね。

この違いで、選ぶ場所も、頼み方も、少しだけ変わってきます。

その前に。ETCは、付けなくてもいい場合があります

いきなり水を差すようですが、先にお伝えしておきたいことがあります。

高速道路をほとんど使わないのであれば、無理に付けなくても困りません

料金所には現金やクレジットカードで払えるレーンがありますので、通れなくなるわけではないんです。

ただ、ETCには割引の制度があります。

月に何度か高速に乗る方や、これから乗る機会が増えそうな方には、付けておく価値は十分にあります。

ご相談者さまの場合は、これから息子さんが乗る車でした。

「自分は使わないけれど、次に乗る人は使うかもしれない」——この場合は、付けておくほうが親切だと思います。

※ここは私の考えです。

※使う頻度はご家庭によって違いますので、まずは「年に何回くらい高速に乗るか」を思い浮かべてみてください。

どこに頼む? 買ったお店とカー用品店、どちらでも大丈夫です

ご自身での取り付けは難しいとのことでしたので、お店に依頼するかたちですね。

ご相談者さまが挙げていた2つ、どちらも良い選択肢です。

①中古車を買ったお店に頼む

すでにお付き合いがあるぶん、気軽に相談しやすいのが大きな利点です。

その車のことを分かってくれている安心感もあります。

購入のタイミングが近ければ、取り付け工賃を少しサービスしてくれることもあります。

一方で、カー用品の専門店ではありませんので、選べる機種が限られていることがあります。

そのお店の価格が基準になるため、他と比べにくいという面もあります。

②カー用品店に頼む

いろいろなメーカーのETC車載器(車に取り付ける、ETCの機械本体のことです)が並んでいて、機能と価格を見比べながら選べます。

本体価格も取り付け工賃も表示されているので、予算が立てやすいです。

キャンペーンで安くなっていることもあります。

弱点があるとすれば、初めて行くお店だと、誰に声を掛けていいか分からないところでしょうか。

入ったものの不安になって、何も買わずに帰ってきてしまう方も、けっこういらっしゃいます。

ディーラーの専門性までは、要りません

もう1つ、多くの方が思い浮かべるのがディーラーだと思います。

ここははっきりお伝えしておきます。

軽自動車へのETCの取り付けは、ディーラーの専門性が必要な作業ではありません

ディーラーが良くないという意味ではまったくなく、この作業では、その強みを使う場面がないということです。

選択肢は、少ないほうが決めやすいですから。

※電子的な装備が多い車や、カーナビと連動させたい場合は話が変わります。

※そのときは、購入したお店やディーラーに相談するほうが安心です。

ピゴス
ピゴス

軽自動車へのETC取り付けは、それほど難しい作業ではありません。

「初めてで詳しくないんです」と正直に伝えれば、お店の方も丁寧に教えてくれます。

安心してお任せして大丈夫ですよ😊

見積もりに並ぶのは、3つだけです

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

ETCの取り付けでかかるお金は、次の3つに分かれます。

この3つを知っているだけで、見積もりを見たときに「これは何の値段だろう」と迷わなくなります。

①ETC車載器の本体代

機械そのものの値段です。

機能によって、価格には幅があります。

②取り付け工賃

車載器を取り付けて、配線をするための作業費です。

車種や取り付け場所によって、多少変わります。

③セットアップ費用

これがETCならではの費用です。

ETCを使うには、その車の情報(ナンバープレートや車種など)を機械に読み込ませる「セットアップ」という作業が必要になります。

そのための費用です。

見積もりをもらったら、この3つが入っているか、それぞれいくらかを見てください。

それだけで、こちらから聞ける状態になります。

💡 お店に行く前に、無料でできること

カー用品店のサイトには、本体・工賃・セットアップを含んだ「コミコミ価格」が載っていることがあります。

先にそれを見ておくと、だいたいの相場感がつかめます。

そのうえでお店に行って聞いてみる。

ここまでは、1円もかかりません

人に譲る車なら、もう一手間あります

ご相談者さまのように、あとで名義が変わる予定がある場合です。

セットアップは「車の登録」であって、カードの登録ではありません。

ですので、ETCカードは別の方のものでも使えます。

ただ、車の所有者が変わって、そのままETCを使い続けるときは、「再セットアップ」をするのが一般的です。

罰則があるわけではないので、されないまま乗られていることも実際には多いです。

ですが、割引のサービスを使うことを考えても、名義が変わったらお願いしておくほうが、あとがすっきりします。

取り付けを頼むときに、「このあと名義が変わる予定です」と一言そえておくと話が早いです。

※お店によっては、そもそもセットアップの設備がないこともあります。

※取り付けを頼む前に、できるかどうかを確認しておくと安心です。

本体は、シンプルなもので十分です

お店に行くと、いろいろな機種が並んでいて迷います。

でも、ここは安心してください。

メーカーで、ゲートの通過性能は変わりません

ETCの役目は、料金所をスムーズに通ることです。

そして、メーカーによってゲートの通過性能に差はありません

音声の案内と、カードの有効期限の案内。

この2つがあれば、ほとんどの場合は足ります。

「高いほうが良いもの」とは限らないのがETCなんです。

実際、ご相談のときにも、本体・工賃・セットアップを含んだ総額で1万5千円ほどのベーシックなタイプが挙がっていました。

※これはご相談当時に、カー用品店のサイトに出ていた「コミコミ価格」の一例です。

※お店や時期、車種によって変わりますので、いまの金額はご自身の見積もりで総額をご確認ください。

「ETC2.0」が効くのは、こういう方です

調べ始めると目に入るのが「ETC2.0」です。

従来のETCに、いくつかの仕組みが足されたものだと思ってください。

  • 一部の有料道路で、料金が割引になる(圏央道など)
  • 渋滞を避ける案内や、災害の情報を受け取れる(対応するカーナビが必要です)
  • 決められたインターチェンジで一度降りて、また同じところから乗ったときに、初乗り料金が二重にかからない

3つ目は、途中でトイレ休憩や買い物に寄っても、料金で損をしない仕組みです。

判断はシンプルで、割引の対象になる道路を、ふだんからよく使うかどうかです。

よく使うなら、検討する価値があります。

そうでなければ、従来のETCで十分だと思います。

価格差はお店や機種によりますが、使わない機能にお金を払うのは、もったいないですから。

取り付け位置は、作業が始まる前に決めます

見落とされがちなのが、車載器をどこに付けるかです。

一度付けると簡単には動かせないので、ここは先に決めておきたいところです。

おすすめの場所

  • 運転席の足元まわり(右下など)……もっともよくある場所です。操作はしにくいですが、目立たず、運転の邪魔になりません
  • グローブボックスの中……見た目がすっきりします。カードの盗難防止にもなります。ただし、カードの抜き差しは少し手間です

避けたい場所

  • 運転の操作の邪魔になるところ(膝が当たるなど)
  • エアバッグが開く範囲
  • カードの抜き差しが、極端にしにくいところ

ここで思い出していただきたいのが、「これから乗るのは誰か」です。

ご相談者さまの車は、息子さんに譲る予定でした。

ご本人にちょうどよい位置でも、体格の違う方が乗ると膝が当たってしまうことがあります。

実際にご相談のときも、ここが真っ先に挙がっていました。

「どこに付けますか?」と、先に聞いていいんです

お店では、「この辺りに付けますね」と声を掛けてもらえることが多いです。

ただ、混んでいる日などは、そのまま作業が始まってしまうこともあります。

ですので、預ける前に「どこに付ける予定ですか?」と聞いておく

これだけで、あとから困ることがぐっと減ります。

聞きにくいことでも、失礼なことでもありません。

お店の方も、先に言ってもらえたほうが助かるはずです。

ドライブレコーダーも考えているなら、同じ日に頼んでください

ご相談者さまは、ETCと一緒にドライブレコーダーの取り付けも考えていらっしゃいました。

もし同じようにお考えなら、別々の日に頼まず、同じ日にまとめてお願いするほうがいいです。

内張りを外す作業が重なるので、まとめたほうが作業としては安く済みます

お店に行く回数も、車を預ける回数も、1回で終わります。

それに、あとで不具合が出たときの相談先が1か所にまとまります。

配線の取り回しなのか、機械そのものなのか、もともと車にあったことなのか。

別々のお店で頼むと、この切り分けが難しくなってしまうんです。

ドライブレコーダーの選び方は、こちらでくわしくお話ししています。

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まとめ

  • 取り付けは「買ったお店」「カー用品店」のどちらでも大丈夫。ディーラーの専門性までは要りません(電子装備の多い車や、カーナビと連動させる場合は別です)
  • 高速をほとんど使わないなら、無理に付けなくても困りません。現金やクレジットカードのレーンも使えます
  • 見積もりに並ぶのは「本体代」「工賃」「セットアップ費用」の3つ。この3つを見るだけで、聞ける状態になります
  • 本体はシンプルな機能で十分。メーカーによる通過性能の差はありません
  • 「ETC2.0」は、割引の対象になる道路をよく使う方だけ検討すれば大丈夫です
  • 取り付け位置は、預ける前に「どこに付けますか?」と聞いておく
  • 人に譲る予定があるなら、名義が変わったあとの「再セットアップ」を一言そえておく
  • ドライブレコーダーも考えているなら、同じ日にまとめて頼むほうが安く済みます

ETCが付くと、料金所で止まらずに済みます。

小さなことのようですが、荷物を探したり、窓を開けたりする手間がなくなるのは、思ったより気持ちがいいものです。

ご相談者さまの、その後

このあと、ご相談者さまからこんなお返事をいただきました。

もし、私がわからないままお店に行き、「これがいいですよ」と言われたら「それでお願いします」と何も疑うことなく、購入してしまうと思います。

ネットやサイトで見る時も、どの商品も悪いことは書いていないので、安すぎず、高すぎず、ちょうどいい値段のものをなんとなく買ってしまったと思います。

吟味した上で購入したいと思います。

しばらくして、もう一度こう書いてくださいました。

以前のわたしなら、「最新」「半額」「取り付け簡単」だけで、電話して購入。

購入後、「ん?保証?」「どうやって使うの?」など、無駄遣いになることが度々。

かつ、繰り返しておりました。

聞く人がいないから、買ってみないとわからない、という判断。

「聞く人がいないから、買ってみないとわからない」

この一行が、ずっと心に残っています。

これは、この方が不注意だったという話ではまったくありません。

商品の説明には、悪いことは書いてありません。

お店の方も、良かれと思って勧めてくださいます。

だから、判断する材料が手元にないと、値段の真ん中あたりを選ぶしかなくなるんですね。

今回お伝えしたことは、ETCの知識としては、たいしたものではありません。

費用は3つに分かれていること。

メーカーで性能は変わらないこと。

ETC2.0は、使う人だけでいいこと。

取り付け位置は、先に聞いていいこと。

でも、この4つを知っているだけで、「これがいいですよ」と言われたときに、もう一拍おけるようになります。

その一拍が、「なんとなく買ってしまった」を防いでくれます。

ETCは、その一拍を試してみるのに、ちょうどいい大きさの買い物だと思います。

ピゴス
ピゴス

分からないことを分からないと言えるのは、弱さではありません。

むしろ、そこから始めた方のほうが、結果的に良い買い物をされているように感じます。

迷ったら、遠慮なく聞いてくださいね😊

ETCの取り付けで疑問や不安ある場合は、このページ下の「コメント欄」からお気軽にどうぞ(ニックネームもメールアドレスも要りません)。

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ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、記事の下のコメント欄でいつでも承っております。ニックネームもメールアドレスも要りませんので、お気軽にどうぞ!