ドライブレコーダーの駐車監視機能は必要?バッテリーへの影響

駐車場に戻ったら、知らないうちにドアの横に線が入っていた。
想像しただけで、いやな気持ちになりますよね。
とめているあいだも録画してくれる機能があるなら、付けておきたくなります。
ところが調べてみると、駐車監視を使うとバッテリーが上がる、という話が出てきます。
かと思えば、製品の説明には電圧が下がったら自動で止まります、とも書いてある。
じゃあ大丈夫なのか、それともやっぱり負担がかかるのか。
🤔「そもそもこの機能、本当に必要なのかな…?」
先にお伝えすると、どちらの話も嘘ではありません。
見ている使い方が違うだけなんです。
今回は、駐車監視でできること・できないことと、バッテリーへの影響を、元1級整備士の私からお伝えします。
結論からいうと、バッテリーへの負担はかかります。
電圧が下がったら止まる機能は、減っていくのを止めるものではなく、上がりきってしまう手前で手を引くためのものだからです。
ただ、買い物や送り迎えのあいだといった短い時間なら、それほど心配はいりません。
困りやすいのは、一日中とめる・バッテリーがもう弱っている・毎回の走行が短い、この条件が重なったときです。
そのうえで、付けるかどうかは「何が心配なのか」で決まります。
数十分から数時間の当て逃げが心配なら、駐車監視は向いています。
半日以上とめておく場所での車上荒らしが心配なら、駐車監視だけでは力不足になりやすいです。
両方心配な場合は、駐車監視は短い時間の担当と割り切って、長い時間はとめる場所と補償で手当てするのがおすすめですよ。
ご質問
いただいたご相談内容です(内容を一部編集して掲載しています)
質問させてください🙇♀️
ドライブレコーダーの駐車監視機能について教えていただきたいです
調べてみると、駐車監視を使用すると車のバッテリーが上がるという意見が見られます
今検討しているユピテルの駐車監視機能には、
「エンジンOFF後に電源を供給して駐車中の記録を行います。また、あらかじめ設定したバッテリー電圧を下回ると、車両バッテリーからの電源供給が自動的に停止し、バッテリー上がりを抑えます」
と記載されています。
このような機能があっても、駐車監視を使うことでバッテリーが上がったり、車に負担がかかることがあるのでしょうか?
また、そもそも駐車監視機能が本当に必要なのか悩んでいます
駐車監視は「防犯カメラ」ではありません
ご質問ありがとうございます、まずこの機能が何をするものなのかを整理させてください。
「駐車監視」という言葉の響きから、お家に付ける防犯カメラのようなものをイメージされる方は多いと思います。
ただ、この機能が得意にしている場面は、もう少し限られているんです。
駐車監視が想定しているのは、買い物や送り迎えのあいだといった、「短い時間」の録画です。
一日中、あるいは何日にもわたって見張り続けることは、はじめから想定されていないものがほとんどです。
理由はシンプルで、エンジンが止まっているあいだ、車は電気を作れないからです。
使えるのは、バッテリーに残っている分だけ。
だから長く見張ろうとするほど、その残りを削っていくことになります。
🔶 できること
買い物中の当て逃げや、隣の車のドアが当たった瞬間。
こういう短い時間の出来事は、残せる可能性が高いです。
ただし、動きや衝撃を感じてから録りはじめる方式のものもあるので、当たった瞬間そのものが欠けることはあります。
それでも、ナンバーが読み取れていれば、警察に届け出て相手が分かることがあります。
相手が分かれば、相手の保険で直してもらえる可能性が出てきます。
逆に相手が分からないままだと、ご自身の保険を使うか、自費で直すことになりやすいです。
この差が、駐車監視のいちばん大きな価値だと思っています。
なお、とめているあいだに何かあったときは、その日のうちに本体で確認する習慣をつけておいてください。
衝撃を感じたときの記録は別のフォルダに分けて保存される機種が多いのですが、気づかずにいると新しい録画で上書きされてしまうことがあります。
🔶 できないこと(正直なところ)
一方で、車ごと持って行かれてしまう盗難には、力になりにくいです。
ドライブレコーダーも車の中にあるので、一緒になくなってしまうからです。
また、映像が残っていても、そこから相手が分かるとはかぎりません。
暗い場所では映りが弱くなりますし、ナンバーまで読み取れるかどうかは条件次第です。
ここは期待しすぎないほうが、あとでがっかりせずに済むと思いますよ。
なお、撮った映像をその場でネット上に預けるタイプもあります。
本体ごとなくなっても映像が残るので、盗難のほうが心配な方は調べてみる価値はあります。
そもそもドライブレコーダー自体を付けるかどうかで迷われている場合は、本当に役立つ場面をこちらでまとめています。
「電圧が下がったら止まる」の本当の意味|バッテリーは減ってから止まります
ここからが、ご質問のいちばん知りたいところですね。
はじめに、「電圧」という言葉だけ整理させてください。
むずかしく考えなくて大丈夫で、バッテリーの元気さを示す数字だと思ってください。
電気を使うと下がり、走って充電すると戻る。
スマートフォンの残量表示に近いものだと考えていただくと、このあとの話が分かりやすくなります。
そのうえで、設定した電圧を下回ると電源の供給を止める機能。
これは本当に付いていますし、ありがたい機能です。
じつはメーカーの説明も「抑えます」という書き方をしていて、ここがとても正直なところなんです。
この機能が止めてくれるのは、上がりきってしまうことのほうです。
減っていくこと自体が止まるわけではない、というのが、私がお伝えしておきたいところなんです。
止まる電圧はだいたい11.8Vから12.0Vあたりに設定されていることが多く、このときのバッテリーは、満タンから見ると3割を切っているくらいのイメージです。
エンジンをかける力はまだ残していますが、余裕たっぷりの状態ではありません。
出先でエンジンがかからない、という事態は避けたいですから、ここは知っておいて損はないと思います。
じつは私自身、お客様に駐車監視のご説明をするとき、この電圧の話をうやむやにしてしまっていたことがあります
バッテリーを守ってくれる機能ですよ、と言いたくなるんですよね
でも正確には、守るのではなく、上がりきる前に手を引く機能なんです
ここはうやむやにせず、はっきりお伝えしたほうがいいなと思っています
🔶 止まる電圧は、自分で選べます
この止まる電圧は、多くの機種で数段階から選べるようになっています。
低めにすると長く録画できますが、そのぶん深く減ります。
高めにすると録画できる時間は短くなりますが、バッテリーは深く減りません。
私の感覚では、まずはいちばん高めの設定から試してみるのが無難だと思います。
🔶 バッテリーが弱る、というのは
バッテリーには、少し困った性質があります。
深く減らしてしまうと、そのあと充電しても、元の元気には戻りにくいんです。
一度で壊れてしまうわけではありませんが、減ったまま長く放置すると戻りにくくなりますし、これを繰り返すと寿命がじわじわ縮んでいきます。
ちなみに、駐車監視を付けていなくても、車は時計や防犯のためにわずかな電気を使い続けています。
駐車監視は、その上乗せぶんだと思っていただくと、イメージしやすいかもしれません。
🔶 とくに気をつけたい乗り方と車
近所の買い物や送り迎えが中心で、一回の走行が短い。
この乗り方は、走っている時間が短いぶん、充電が追いつきにくくなります。
そこに駐車監視が加わると、減る一方になりやすいんです。
ハイブリッド車も気にかけたいところです。
ハイブリッド車には、走るための大きな電池とは別に、車のシステムを立ち上げたり電装品を動かしたりするための小さなバッテリーが積まれていて、駐車監視が使うのはこちらのほうです。
小さめのものが多いので、同じように電気を使っても、電圧が落ちるのは早くなりやすいんですね。
アイドリングストップが付いている車は、理由が少し違います。
こちらは専用のバッテリーが必要で、値段も通常より高めです。
弱らせてしまうと、交換のときの出費がそのまま大きくなってしまいます。
説明書に「長期間乗らないときは駐車監視を切ってください」といった注意が書かれているのも、こういう理由からなんです。
旅行や出張で1週間まるまる乗らない、というときは、素直に切っておくのが安心ですよ。
切り方は機種によって違いますが、本体のメニューで駐車監視をOFFにする、配線に付いているスイッチを切る、といった方法が一般的です。
ここは取り付けのときに、「長く乗らないときはどうやって切ればいいですか」とひと言聞いておくと、あとで迷わずに済みますよ。
🔶 では、使えば毎回上がってしまうのか
ここまで読むと、怖くなってしまったかもしれません。
ですが、使えば毎回上がってしまう、というわけでもないんです。
バッテリーが元気で、週に一度は30分ほど走る乗り方をされていて、駐車監視を使うのが買い物や送り迎えのあいだ。
この条件がそろっていれば、設定した電圧まで落ちる前に、エンジンをかけて充電できていることがほとんどです。
困りやすいのは、バッテリーがもう弱っている・毎回の走行が10分ほど・一晩や数日つけっぱなし、こういう条件が重なったときなんですね。
つまり、メーカーの説明も、ネットで見かける上がるという話も、どちらも嘘ではありません。
見ている使い方が違うだけなんです。
実際にどのくらいの出費になるのかは、アイドリングストップが付いたマツダのCX-5を例に、ディーラー・カー用品店・持ち込みの費用を並べてこちらにまとめています。
駐車監視の電源の取り方3つ|バッテリーへの負担はどれだけ変わる?
では、それでも付けたいと思われた場合の話です。
じつは駐車監視は、電源をどこから取るかで、バッテリーへの負担が大きく変わります。
大きく3つあります。
| 電源の取り方 | 駐車監視ができるか | 車のバッテリーへの負担 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| シガーソケットに挿す | エンジンを切ると電気も切れる車種が多く、できないことがある | ほとんどかからない(そもそも動かないため) | 本体の代金だけ |
| 車の電源から配線してもらう(直結) | できる(駐車監視用の専用ケーブルやユニットが必要) | かかる。電圧やタイマーで止める設定にしておくのが前提 | 工賃で5千円から2万円ほど |
| 専用の外部バッテリーを使う | できる | とめているあいだはかからない。ただし走行中に車から充電するタイプが多い | 機器の代金で数万円ほど |
※金額はあくまで一般的な目安で、車種・機種・お店によって変わりますので、実際の費用は見積もりでご確認ください
シガーソケットに挿すタイプは、手軽さでいえばこれがいちばんかなと思います。
なお、車種によっては、エンジンを切ってもソケットに電気が来ていることがあります。
この場合は録画自体はできてしまうのですが、バッテリーが減っても止まってくれないことがあるので、かえって注意が必要です。
配線してもらう場合は、駐車監視用の専用ケーブルやユニットを一緒に使うのが一般的です。
このケーブルには、電圧で止める設定のほかに、6時間や12時間といった時間で止めるタイマーが付いているものが多いんです。
私の感覚では、電圧よりもこのタイマーのほうが、バッテリーを守る意味では頼りになります。
そして外部バッテリーというのは、ドライブレコーダー専用の予備の電池のことです。
お弁当箱を少し大きくしたくらいの箱で、シートの下や荷室の隅に積んでおくものが多いですね。
とめているあいだはそこから電気を使うので、車のバッテリーには手をつけません。
ただし、走っているあいだに車の電気で充電するタイプが多いので、短い距離しか乗らない方は、そのぶんも見ておいたほうがいいです。
満充電で十数時間から数十時間ほどもつものが中心で、一晩とめておく使い方にも向いています。
置き場所やご予算しだいでは、配線してもらったうえで電圧とタイマーの設定をきちんとしておく、という選び方でも十分だと思いますよ。
取り付けをお願いする前に、次の3つを聞いてみてください。
① 駐車監視を使いたいのですが、この車だとどの取り方になりますか?
② 車のバッテリーへの負担は、どのくらいになりそうですか?
③ ついでに、今のバッテリーの状態も見てもらえますか?
答えが返ってきたら、こう受け止めてみてください。
①で、この車はシガーソケットだと切れるので配線になります、と言われたら。
車のバッテリーを使う方法になるので、②と③も続けて聞いておくと安心です。
①で、配線でも外部バッテリーでも選べます、と言われたら。
長い時間もカバーしたいなら外部バッテリー、買い物のあいだだけなら配線、というふうに選び分けられます。
③で、まだ元気ですよ、と言われたら。
そのまま進めていただいて大丈夫だと思います。
③で、そろそろ弱ってきていますね、と言われたら。
先に交換してから駐車監視を付けるか、車のバッテリーを使わない外部バッテリーにするか、このどちらかをおすすめします。
弱ったバッテリーに駐車監視を足すのが、いちばん困る組み合わせなんです。
🔶 もうひとつ、忘れられがちなこと
駐車監視を使うと、SDカードの傷みが早くなります。
エンジンを切っているあいだも書き込み続けるので、そのぶんカードを使う時間が長くなるからです。
カードが傷むと、気づかないうちに録画が止まっていた、ということが起こります。
いざというときに残っていなかった、というのがいちばん残念なので、3つだけ習慣にしておいてください。
ひとつは、「高耐久」と書かれたドライブレコーダー用のカードを選ぶこと。
もうひとつは、2〜3か月に一度、本体のメニューからフォーマットすること。
そして、半年から1年を目安に新しいカードに替えることです。
あわせて、録画のしかたの設定も見ておいてください。
ずっと録り続ける設定より、衝撃を感じたときだけ録る設定のほうが、バッテリーの減りはゆるやかになります。
当て逃げやドアパンチが心配なだけなら、こちらで足りることが多いですよ。
駐車監視のための配線や外部バッテリーは別として、本体と取り付けそのものがどこでいくらぐらいかかるのかは、こちらでまとめています。
駐車監視が必要な人・いらない人|「何が心配なのか」で決まります
最後に、いちばんお伝えしたいことです。
駐車監視が必要かどうかは、機能の性能ではなく、ご自身が「何を心配しているのか」で決まります。
ここを、とめている時間で分けてみてください。
🔶 ① 数十分から3時間くらい(買い物・送り迎え・食事)
駐車監視が想定している時間帯です。
この心配なら、向いています。
バッテリーへの負担も、長い時間見張り続けるのに比べればずっと軽くて済みます。
🔶 ② 半日から一晩以上(通勤先の駐車場・夜間の自宅・数日の外出)
この時間帯は、車のバッテリーから電源を取る場合、毎日続けると充電が追いつかなくなりやすいです。
また、さきほどお伝えしたとおり、映像が残っても相手までたどり着けるとはかぎりません。
私の感覚では、この心配に対しては、駐車監視だけでは力不足になりやすいと思います。
こちらの心配が強い場合は、とめる場所を見直したり、万一のときにどこまで補償されるのかを、ご加入の保険会社や代理店さんに先に確かめておくほうが、効き目があると思いますよ。
なお、実際に車上荒らしに遭ってしまったあと、修理代が自費になるのか、それとも負担してもらえる保障があるのかについては、こちらでお話ししています。
🔶 ③「両方心配です」という場合
じつは、いちばん多いのがこのパターンだと思います。
その場合は、どちらか一方を選ぶのではなく、順番で考えてみてください。
まず、②の長い時間は駐車監視では守りきれないので、とめる場所と補償でカバーする。
そのうえで、①の短い時間を駐車監視でカバーする。
つまり、駐車監視は①専用の道具として付けて、②は別の方法で手当てする、という分け方です。
どうしても②も駐車監視でカバーしたい場合は、車のバッテリーではなく外部バッテリーを使う方法になります。
🔶 それでも迷ったら
私は、こういう装備を考えるときは、「起きる可能性」と「起きたときの金額」を並べて考えるようにしています。
当て逃げの傷を自費で直すと、数万円から十数万円かかることがあります。
並べる相手の金額も、目安をお伝えしておきますね。
駐車監視に対応したドライブレコーダー本体で、2万円台から4万円台くらい。
駐車監視用に配線してもらう工賃で、5千円から2万円くらい。
専用の外部バッテリーを足すなら、さらに数万円ほど。
つまり、配線でお願いする場合は本体込みで3万円前後から、外部バッテリーまで含めると6万円前後から、というイメージになります。
そのうえで、あくまで私の勝手な考えですが、お金の計算だけで決めなくてもいいと思っています。
付けておくと安心して眠れる、という気持ちの価値も、立派な理由です。
逆に、うちは屋根付きの駐車場だから要らないかな、という判断も、まったく問題ありません。
どちらを選んでも間違いではないので、ご自身の心配に合うほうを選んでいただければと思います。
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装備の話は、あれもこれもと足していくと、きりがありません。
自分が何を心配しているのかがはっきりすると、足すものも、足さなくていいものも、自然と見えてきますよ。











