北関東でオールシーズンタイヤは使える? 雪が積もる日より「朝に凍る日」で選ぶ

夏タイヤも冬タイヤも、同じ時期に交換のしるしが出てしまった。
タイヤは4本そろえるだけでも安くない買い物なので、2組ぶんの出費がいっぺんに来ると、思わずため息が出た方もいると思います。
いっそオールシーズンタイヤ1組にまとめれば安く済むのでは、と考える一方で、年に何回か雪が積もる北関東で本当に大丈夫なのかも、気になるところです。
今回は、北関東にお住まいの方からのご相談です。
北関東でオールシーズンタイヤが使えるかは、雪が積もる日の数より、冬の朝に凍った道を走るかどうかで決まります。
北関東は、雪が積もる日は年に数日なのに、朝に氷点下になる日は年に50〜70日ほどある地域です。
朝早く出かける日が多いならスタッドレスタイヤ、凍った朝は乗らずに済むならオールシーズンタイヤ1組にまとめるのも選択肢です。
雪や凍った道を夏タイヤのまま走るのは、北関東の3県とも決まりで認められていません。
タイヤは、ネットで相場を見てから、付けてもらうまでの総額で比べるのが、損しない買い方です。
まずは、いただいたご相談です
まずは、今回いただいたご相談の内容です。
車はデミオで、9年目になります。
タイヤが夏用も冬用も交換サイン(溝が無くなるしるし)が出ているので、交換しようと思っています。
そこで、2つお聞きしたいです。
- どこで買うのが安いか(ネットか、専門店か)
- オールシーズンタイヤはコスパが良いのか
北関東に住んでいて、年に何回か雪は積もります。
ご相談をいただいたのは、2023年の4月です。
オールシーズンタイヤが使えるかは「冬の朝、凍った道を走るか」で決まります
先に正直にお伝えすると、私は雪国に住んでいて、冬はもれなくスタッドレスタイヤを履くので、オールシーズンタイヤを自分の車で履いたことはありません。
そのうえで、最近いただいた同じようなご相談には、まずこうお聞きしました。
お住まいの地域で、朝の凍結した道を走る場面が、どれくらいあるでしょうか?
オールシーズンタイヤは、夏タイヤとスタッドレスタイヤの「ちょうど間」にあるタイヤです。
積もりはじめの雪やシャーベット状の雪なら走れますが、凍った路面では、スタッドレスタイヤに及びません。
積もる雪は少なくても、夜や早朝に少し降った雪や雨が凍るような地域なら、私はオールシーズンタイヤをおすすめしていません。
踏み固められた雪と凍った路面の違いを、実際に何年も使っている整備士さんの話から確かめたい方は、こちらをどうぞ👇
北関東は、雪の日が少なく、氷点下の朝が多い
北関東の冬が、朝に凍りやすい地域なのかどうか、気象庁の平年値で確かめてみました。
北関東の3つの県庁所在地、水戸・宇都宮・前橋で、雪が1cm以上積もっている日は、年に4〜7日ほどです。
一方で、朝の最低気温が0℃を下回る日は、水戸で年に69日、宇都宮で73日、前橋で46日あります。
1月だけで見ると、水戸と宇都宮では、ひと月のうち24〜25日が氷点下の朝です。
※気象庁の平年値(1991〜2020年)より(2026年10月に確認)。
ご相談者さまの「年に何回か雪は積もります」は、数字のとおりです。
ただ、北関東で迷いやすいのは、雪の回数より、朝の冷え込みのほうです。
氷点下の朝が多いということは、前の日の雪どけの水や雨が、朝のうちに凍る機会も多いということです。
同じ北関東でも、山に近い地域は雪の量がまるで違うので、お住まいに近い観測地点の数字を、気象庁のサイトで見てみてはいかがでしょうか。
今回は、古い冬タイヤを「お守り」に残せません
迷ったときの試し方として、私は以前、古い冬タイヤを捨てずに置いておき、まずオールシーズンタイヤを履いてみる方法をお伝えしたことがあります。
不安を感じたら、古い冬タイヤに戻せば済むからです。
ただ、今回のご相談では、冬タイヤにも交換サインが出ていました。
冬用のタイヤは、溝が新品の半分より減ったら、冬用としては使わないよう、タイヤの業界団体が案内しています。
※日本自動車タイヤ協会「冬道走行とタイヤ」より(2026年10月に確認)。
古い冬タイヤを「お守り」に残せないので、この冬をどのタイヤで迎えるかは、いま決めることになります。
選び方は、次の3つです。
- 夏タイヤとスタッドレスタイヤを1組ずつ
- オールシーズンタイヤを1組
- 夏タイヤを1組だけにして、雪や凍った朝は乗らない
① 冬の朝に走るなら、夏タイヤとスタッドレスタイヤ
朝早くの通勤がある方や、坂道の多い所にお住まいの方は、2組をそろえておくのが安心です。
冬タイヤはやはり雪と氷に強いので、自分が困らないだけでなく、ほかの方に迷惑をかけてしまうことも避けられます。
② 凍った朝に乗らずに済むなら、オールシーズンタイヤ
日が昇ってから走ることが多く、雪や凍った朝は乗らずに済む方なら、オールシーズンタイヤで十分こなせると思います。
年2回の履き替えの手間も、外したタイヤの置き場所も、いらなくなります。
オールシーズンタイヤと一言でいっても、夏タイヤ寄りのものから冬タイヤ寄りのものまであるので、メーカーの説明で、雪の上での性能を確かめておくと安心です。
高速道路の会社も、冬の高速道路では、オールシーズンタイヤの中でも雪の結晶の形をした「スノーフレークマーク」の付いたものを、全部の車輪に付けるよう案内しています。
※NEXCO西日本「冬用タイヤ」・日本自動車タイヤ協会「冬道走行とタイヤ」より(2026年10月に確認・大雪のときの「チェーン規制」の区間では、冬用タイヤでもチェーンが要ります)。
凍った路面にも一歩踏み込んだ、新しい世代のオールシーズンタイヤのお話は、こちらでしています👇
③ 凍った朝は乗らないと決められるなら、夏タイヤだけ
ご相談者さまは、ほかの方の答えを読んで、「最近の雪の振り方ならゆっくりでなんとかなる気もしてます」ともおっしゃっていました。
はっきりお伝えすると、雪の積もった道や凍った道を、夏タイヤのままゆっくり走るのはやめておきましょう。
夏タイヤは冷たい路面だとグリップが落ちますし、北関東の3県とも、雪や凍った道では冬用タイヤかチェーンなどの滑り止めをする決まりになっています。
※茨城県・栃木県・群馬県の道路交通法施行細則より(日本自動車タイヤ協会と栃木県・群馬県の公式サイトで2026年10月に確認・違反すると反則金の対象です)。
でも、慌てて2組をそろえなくても大丈夫です。
雪の予報の日や凍った朝は乗らない、と決めておけるなら、夏タイヤ1組で冬を越すという考え方もあります。
その日の通勤や買い物を車なしで済ませる方法を、先に決めておけるかどうかが、夏タイヤだけにするときの条件です。
毎朝の通勤で車を使う方には、向いていない選び方です。
3つで迷ったら、安全な側を選んで大丈夫です。
迷われるようでしたら、安全側に倒す(スタッドレスにする)というのも、まったく間違っていません😊
お金は「1組か2組か」より「何年もつか」で比べる
もう1つの気になるところ、オールシーズンタイヤのコスパです。
いま両方が替えどきなら、最初の出費は、1組で済むオールシーズンタイヤのほうが軽く済みます。
ただ、1年中同じタイヤで走るので、夏タイヤより早く減ることがあります。
2組なら、夏と冬で走る距離を分け合うぶん1組ずつは長くもちますが、年2回の履き替えの工賃と、外したタイヤの置き場所がかかります。
どちらが得かは、オールシーズンタイヤが冬用として何年もつかで変わります。
長い目で見たお金が2組を買うのと同じくらいに収まるなら、お金の面ではほぼ互角で、差がはっきり出るのは、履き替えの手間と置き場所のほうです。
15年で計算してみた例はこちらです👇
オールシーズンタイヤは何年で替えるのか、冬用として使える目安を、ダンロップのシンクロウェザーを例にこちらでまとめています👇
タイヤはどこで買うと安い?
もう1つのご質問、どこで買うと安いかについてです。
タイヤの買い方に、どなたにも当てはまる正解はありませんが、私がおすすめしているのは次の3つです。
① まずネットで、付けてもらうまでの総額を見る
最初に、ネットで同じサイズのタイヤの相場を見てみます。
私がよく使っているのは、「タイヤフッド」という、ネットでタイヤを選んで買い、近くのお店での取り付けまで予約できるサービスです。
タイヤ代に、工賃、空気を入れるバルブの交換代、古いタイヤの処分料まで入った総額が、買う前に分かります。
最安値ではありませんが、手間の少なさと値段の安さを、いい塩梅で両方取れるサービスです。
そのまま買ってもいいですし、ほかのお店と比べるときの物差しとして使うのもおすすめです。
使い方は、画像付きでこちらにまとめています👇
② 相談しながら選ぶなら、タイヤの専門店
車にあまり詳しくなく、相談しながら選びたい方には、タイヤの専門店がおすすめです。
たとえば全国にお店がある「タイヤのフジ」は、明瞭会計で、価格の点でも80点が取れるお店だと思っていて、私も活用しています。
近くのお店に最初から行って、サイズなどを間違いのないように頼めるのも、お店で買う安心です。
③ 比べるのは、付けてもらうまでの総額
ネットで安く買えても、持ち込みでの取り付けは、工賃が高くなるお店もありますし、受け付けていないお店もあります。
自分で買ったタイヤを持ち込むなら、先に「持ち込みでの交換はできますか?おいくらですか?」と聞いておくと安心です。
比べるときは、組み替えの工賃やバランス取り、バルブの交換代、古いタイヤの処分料まで入っているかも、あわせて見ておきたいところです。
私自身も、ディーラーさんより安ければタイヤの専門店を使い、浮いた分は、また何かの機会にディーラーさんに還元すればいいと考えています。
お店ごとの差が1〜2万円なら、タイヤを5年使うとして、1年あたり2,000〜4,000円です。
ちょっとした手間で安くなるなら安さを、手間をかけたくないなら近さと安心を選ぶ、くらいの気持ちでいいと思います。
まとめ
- 北関東は、雪が積もる日は年に数日・朝に氷点下になる日は年に50〜70日ほど
- オールシーズンタイヤが使えるかは、雪の回数より「冬の朝、凍った道を走るか」で決まる
- 冬の朝に走るならスタッドレスタイヤ、凍った朝に乗らずに済むならオールシーズンタイヤ1組も選択肢
- 雪や凍った道を夏タイヤのまま走るのは、北関東の3県とも決まりで認められていない
- お金の損得は、オールシーズンタイヤが冬用として何年もつかで決まる
- タイヤは、ネットで相場を見て、付けてもらうまでの総額で比べる
当時、ご相談者さまは、ほかの方の答えを読んで「オールシーズン良さそうですね!」とお返事をくださっていました。
今あらためてお答えするなら、選ぶ前に、冬の朝に車で出かける日がどれくらいあるかを、思い浮かべてみてはいかがでしょうか、とお伝えしたいと思います。
この記事で解決しなかったことがあれば、このページ下の「コメント欄」からお気軽にどうぞ。
ニックネームもメールアドレスも要りません。
最新記事のアップも「X」でお伝えしておりますので、よろしければフォローよろしくお願いいたします。
車のこと全般を、はじめから順番に整理したい方は、こちらの教科書ページもどうぞ👇














「これってどうなんだろう」が残っていたら、ここに書いてください。
ニックネームもメールアドレスも要りません。本文だけで送れます。
うまく言葉にできなくても大丈夫です。私が読んで、お返事します。
お返事は、このページのコメント欄に書きますので、また見に来てくださいね。
※ 車種や金額など、ご自身が特定されそうな情報は書かないでくださいね。