著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

中古車は、どこで買うかで当たり外れが変わる——そう感じている方は多いと思います。

ディーラー系にするか、大手の販売店にするか、迷いますよね。

この記事では車種選びや取り寄せの手順は別の記事に譲り、「どこで買うか」の判断軸にしぼってお話しします。

元ディーラー営業の私が、それぞれの仕組みと、知っておくと安心なポイントをお話しします。

✅ 結論からお伝えします

中古車選びに慣れていない方には、私はディーラー系の認定中古車をおすすめしています。

理由は安さではなく、「保証」「困ったときに診てもらえること」がセットになっているからです。

ディーラーで嫌な思いをされたとのことですが、合わなかったのは会社全体ではなく、その担当者や店舗かもしれません。

担当や店舗は変えられますし、すでに信頼できると感じるお店があるなら、そこを選ぶのも十分にありですよ。

ご相談内容

いただいたご相談内容です(内容を編集して掲載しています)。

新型ノアの納車直前に、ディーラーへの不信感から契約をキャンセルし、中古車を探すことにしました。

希望はノアやヴォクシーで、10年ほど乗り続けたいと考えています。

5年落ち・走行5万km以下・8人乗りで、予算は270万円あたりで探そうと思っています。

ただ、中古車なので「当たり外れ」が心配で、どこで買うかが重要だと感じています。

信頼できる販売会社から買いたいのですが、大手に対する不信感を抱いている自分もいます。

いっぽうで、以前ある販売店で査定を受けたとき、とても丁寧に対応してもらい、査定内容もしっかり説明してくれました。

必要以上の高値を出さないという姿勢にも魅力を感じ、そこも候補の1つです。

ほかに、メーカー系列の販売会社も選択肢に入っています。

中古車販売会社の情報や評判、購入時の注意点があれば教えてください。

ご質問ありがとうございます。

納車直前でのキャンセル、さぞ気持ちの整理が大変だったと思います。

それでも、納得できないまま進めなかったのは、私は良い判断だったと思いますよ。

その経験があるからこそ、「どこで買うか」を慎重に考えていらっしゃるんですね。

「どこで買うか」より先に決めたいこと

お店の話に入る前に、ひとつだけ順番のお願いです。

中古車選びは、車両価格ではなく「総予算」から決めていくと、あとがラクになります。

車両本体のほかに、諸費用や税金、納車後のタイヤや消耗品まで含めて、いくらまで出せるか。

その枠を先に決めてから、車を絞り込んでいく形です。

たとえば270万円という数字も、車両価格なのか、諸費用まで含めた総額なのかで、選べる車がかなり変わります。

10年乗るおつもりなら、なおさら購入時の総額と、その後の維持費をセットで考えたいところですね。

総予算の具体的な決め方は、購入費と維持費を見える化するシート付きでこちらにまとめています。

【まずはマネするだけ!】「スプシ付き」車購入の失敗しない予算の決め方を解説車の予算、何となくで決めていませんか?購入費+維持費を見える化するスプレッドシート付きで、失敗しない予算の決め方を、元ディーラー営業×元1級整備士が紹介します。...

私がディーラー系の認定中古車をすすめる、3つの理由

そのうえで、なぜ私がディーラー系をすすめるのかをお話ししますね。

理由は3つあります。

①納車前にプロの点検を通っていること

中古車の中身は、よほど詳しくないと良し悪しの判断がつきません。

その難しい部分を、お店側が一度通してくれているのは心強いところです。

とはいえ、プロの点検でも分からない不具合が潜んでいる可能性はあります。

だからこそ、次の保証が効いてきます。

②保証が付いていること

多くの認定中古車には、1年間の保証が追加料金なしで付いています。

ただし、年式の古い車などは保証のない形で売られることもあります。

保証の有無と期間、そしてどこまでが対象かは車両ごとに違うので、そこは必ず確認しておきたいですね。

これがあると、買って数か月で高額な修理が必要になる、という金銭的なリスクを避けられます。

③価格が適正であること

メーカーの看板を背負っている分、質の高い中古車を手厚い保証で販売してくれる傾向があります。

最安ではないことがほとんどですが、その代わり相場から大きく外れにくいんです。

つまり、良し悪しの判断が難しい中古車選びの難易度を、お店側が下げてくれているんですね。

認定中古車から探すとよい理由は、こちらの記事で5つに分けてくわしくお話ししています。

【慌てて決めちゃダメっ!】中古車を買うならまずはここから探そう!中古車選びはまずディーラーの認定中古車から。品質・保証・適正価格など、慌てて決める前に知っておきたい5つの理由を、元ディーラー営業×元1級整備士が解説します。...
ピゴス
ピゴス

認定中古車の値段には、点検と保証の分がちゃんと入っています

『割高』ではなく『難しさを肩代わりしてもらう料金』だと考えると、納得しやすいですよ

ディーラー以外のお店で、知っておきたいこと

いっぽうで、ディーラー以外の販売店を選ぶときに、知っておいてほしいことがあります。

ひとつは、保証の期間が短めのことが多いということ。

そしてもうひとつが、中古車であることの不安から、高額な延長保証をすすめられやすい傾向があることです。

保証料に見合わないケースも多いので、ここは冷静に判断したいところですね。

延長保証やメンテナンスパックに入るべきかどうかの判断軸は、こちらの記事でくわしくお話ししています。

【入ってよかった!?】メンテパック・延長保証は「いらない」?新車・中古車、損しない判断軸メンテパックや延長保証は『いらない』?元整備士×ディーラー営業が、新車と中古で答えが違う理由と価格と価値で見極める判断軸を解説。損しない選び方をピゴスがお伝えします。...

もうひとつは、故障したときの診断や修理の技術に、お店によってバラつきがあることです。

原因が分からず「ディーラーで診てもらってください」と言われてしまうこともあるんです。

ここが少し悩ましいところで、ディーラーは限られた人数で最大限の対応をするために予約制で動いていて、直近の予約はなかなか取れません。

さらに、自分のお店で買ってくれたお客様を優先する傾向もあります。

つまり、価格が安く見えても、困ったときに時間を失うことがある、ということですね。

もちろん、ディーラー以外がだめという話ではありません。

街の小さな車屋さんは、薄利で頑張っていることも多く、程度の良い車を意外と安く売っていることもあります。

アットホームで、ディーラーとはまた違う良さにつながることもあるんですよ。

ただ、そういうお店を自分で見つけるのは、なかなか難しいのが正直なところです。

ですので、ご縁がないうちから小さなお店を探し回るのは、あまりおすすめしていません。

大手のお店で、よく耳にする声かけ

また、テレビCMをしているような大手の販売店では、こんな声かけをよく耳にします。

  • 「今日なら、この値段で」
  • 「コーティングをサービスします」
  • 「午後にはこの車に商談が入りそうで」
  • 「保証を付けてくれたら、この値段」
  • 「明日にはなくなってしまうかも」

これは、悪意があるというより、そういう販売スタイルなのだと思います。

表示価格は安く見えても、長期で金利の高いローンや、高い延長保証料、それほど重要ではないオプションで利益を確保していく形ですね。

ビジネスとして間違ったことではありませんし、そこで働く方も一生懸命です。

ただ、こちらが知らずに乗ってしまうと、総額がふくらみます。

急かす言葉が出てきたら、「一度持ち帰って考えます」と伝えるだけで大丈夫ですよ。

サービスや条件を提示されたときは、こんなふうに返してみてください。

  • コーティングなどを付けてくれると言われたら=「その分を値引きに回してもらえませんか」
  • 保証を付ける条件で安くなると言われたら=「保証を付けない場合の総額も出してもらえますか」

大切なのは、値引き額ではなく、最終的に支払う総額で比べることです。

それでも「あのお店が良かった」なら、その感覚も正解

ここで、冒頭でお伝えした話に戻ります。

ご相談者さんは、ディーラーで納得できずにキャンセルされたご経験があります。

ただ、合わなかったのは会社全体ではなく、その担当者や、その店舗だったのかもしれません。

担当者は変えてもらえますし、同じメーカーでも販売会社が違えば雰囲気はまるで変わります。

ですので、ディーラーという選択肢を、この一度で消してしまわなくても大丈夫ですよ。

いっぽうで、査定のときに丁寧に説明してくれて、必要以上の高値を出さなかったお店。

その姿勢に魅力を感じたのなら、それはご自身が肌で感じ取った、確かな判断材料です。

すでに信頼できると感じるお店があるなら、そこで買うのも十分にありだと私は思います。

そこで、おすすめしたい進め方があります。

両方のお店に行って、「買ったあとのこと」を聞き比べてみてください。

聞くのは、次の2つで十分です。

  • 点検や修理は、どこでやってもらえるのか(自分のお店で診てもらえるのか)
  • 保証は何年・何kmまでで、どこまでが対象になるのか

見るポイントは、答えの中身です。

自分のお店で診断から修理まで対応できると答えてくれるなら、困ったときに頼れる可能性が高いです。

逆に、「不具合が出たらメーカーのディーラーへ」という答えなら、そのときに時間がかかるかもしれない、と見込んでおきましょう。

どちらが良い悪いではなく、買ったあとの景色が見えていれば、納得して選べます。

お店や担当者との付き合い方、担当を変えたいときの伝え方は、こちらの記事にまとめています。

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どこで買うにしても——必ず実車を見てから

最後に、これだけは共通のお願いです。

認定中古車であっても、実車を確認してから購入を決めてください。

車の知識がなくても大丈夫です。

外装や内装の気になる傷、そして車内の匂いは、誰でも気づくことができます。

気になるかどうかは、その人の価値観次第ですから、自分の目で見極めることが大切なんですね。

もし気になるところが見つかったら、それは値段交渉の材料になります。

伝え方は、お願いベースがおすすめです。

  • 「値段は変わらなくていいので、ここを直してもらえませんか」
  • 「このままで構わないので、少し値引きしてもらえませんか」

責めるのではなく相談する形にすると、お店の方も動きやすくなりますよ。

遠方にある気になる車を、近くのお店に取り寄せてもらう方法は、こちらの記事でお話ししています。

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まとめ

最後に、中古車をどこで買うかを考えるときのポイントを整理します。

  • 車両価格ではなく「総予算」から決める
  • 慣れていないならディーラー系=点検・保証・適正価格で難易度が下がる
  • ディーラー以外は保証が短めで、困ったときに診てもらえるかも確認したい
  • 急かす言葉や条件付きの値引きが出たら、総額で比べて一度持ち帰る
  • 信頼できると感じたお店があるなら、そこを選ぶのも正解
  • 迷ったら「買ったあとのこと」を聞き比べて決める
  • どこで買うにしても、実車を見てから決める

中古車選びで大切なのは、どこで買うかを当てることではありません。

買ったあとも安心して相談できる相手を見つけることだと、私は思っています。

ピゴス
ピゴス

納車直前にキャンセルできたのは、ご自身の感覚を信じられたということです

その感覚は、きっと良いお店選びにも効いてきますよ🐧

中古車販売店選びで疑問や不安ある場合は、「X」「お問い合わせ」「コメント欄」などでお気軽にご相談ください。

このブログ「ぺんぎんカーライフ」では、損しないカーライフを送るための記事をまとめています。

中古車の選び方や維持費をゼロから整理したい方は、こちらの教科書ページもどうぞ。

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それでは、損しないカーライフをお過ごしください

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ピゴス
ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、コメント欄や「X」などでいつでもメッセージを承っております。お気軽にどうぞ!