中古車選びでディーラーと大手販売店を使う際の注意点を解説

中古車は、どこで買うかで当たり外れが変わる——そう感じている方は多いと思います。
ディーラー系にするか、大手の販売店にするか、迷いますよね。
この記事では車種選びや取り寄せの手順は別の記事に譲り、「どこで買うか」の判断軸にしぼってお話しします。
元ディーラー営業の私が、それぞれの仕組みと、知っておくと安心なポイントをお話しします。
中古車選びに慣れていない方には、私はディーラー系の認定中古車をおすすめしています。
理由は安さではなく、「保証」と「困ったときに診てもらえること」がセットになっているからです。
ディーラーで嫌な思いをされたとのことですが、合わなかったのは会社全体ではなく、その担当者や店舗かもしれません。
担当や店舗は変えられますし、すでに信頼できると感じるお店があるなら、そこを選ぶのも十分にありですよ。
ご相談内容
いただいたご相談内容です(内容を編集して掲載しています)。
新型ノアの納車直前に、ディーラーへの不信感から契約をキャンセルし、中古車を探すことにしました。
希望はノアやヴォクシーで、10年ほど乗り続けたいと考えています。
5年落ち・走行5万km以下・8人乗りで、予算は270万円あたりで探そうと思っています。
ただ、中古車なので「当たり外れ」が心配で、どこで買うかが重要だと感じています。
信頼できる販売会社から買いたいのですが、大手に対する不信感を抱いている自分もいます。
いっぽうで、以前ある販売店で査定を受けたとき、とても丁寧に対応してもらい、査定内容もしっかり説明してくれました。
必要以上の高値を出さないという姿勢にも魅力を感じ、そこも候補の1つです。
ほかに、メーカー系列の販売会社も選択肢に入っています。
中古車販売会社の情報や評判、購入時の注意点があれば教えてください。
ご質問ありがとうございます。
納車直前でのキャンセル、さぞ気持ちの整理が大変だったと思います。
それでも、納得できないまま進めなかったのは、私は良い判断だったと思いますよ。
その経験があるからこそ、「どこで買うか」を慎重に考えていらっしゃるんですね。
「どこで買うか」より先に決めたいこと
お店の話に入る前に、ひとつだけ順番のお願いです。
中古車選びは、車両価格ではなく「総予算」から決めていくと、あとがラクになります。
車両本体のほかに、諸費用や税金、納車後のタイヤや消耗品まで含めて、いくらまで出せるか。
その枠を先に決めてから、車を絞り込んでいく形です。
たとえば270万円という数字も、車両価格なのか、諸費用まで含めた総額なのかで、選べる車がかなり変わります。
10年乗るおつもりなら、なおさら購入時の総額と、その後の維持費をセットで考えたいところですね。
総予算の具体的な決め方は、購入費と維持費を見える化するシート付きでこちらにまとめています。
私がディーラー系の認定中古車をすすめる、3つの理由
そのうえで、なぜ私がディーラー系をすすめるのかをお話ししますね。
理由は3つあります。
①納車前にプロの点検を通っていること
中古車の中身は、よほど詳しくないと良し悪しの判断がつきません。
その難しい部分を、お店側が一度通してくれているのは心強いところです。
とはいえ、プロの点検でも分からない不具合が潜んでいる可能性はあります。
だからこそ、次の保証が効いてきます。
②保証が付いていること
多くの認定中古車には、1年間の保証が追加料金なしで付いています。
ただし、年式の古い車などは保証のない形で売られることもあります。
保証の有無と期間、そしてどこまでが対象かは車両ごとに違うので、そこは必ず確認しておきたいですね。
これがあると、買って数か月で高額な修理が必要になる、という金銭的なリスクを避けられます。
③価格が適正であること
メーカーの看板を背負っている分、質の高い中古車を手厚い保証で販売してくれる傾向があります。
最安ではないことがほとんどですが、その代わり相場から大きく外れにくいんです。
つまり、良し悪しの判断が難しい中古車選びの難易度を、お店側が下げてくれているんですね。
認定中古車から探すとよい理由は、こちらの記事で5つに分けてくわしくお話ししています。
認定中古車の値段には、点検と保証の分がちゃんと入っています
『割高』ではなく『難しさを肩代わりしてもらう料金』だと考えると、納得しやすいですよ
ディーラー以外のお店で、知っておきたいこと
いっぽうで、ディーラー以外の販売店を選ぶときに、知っておいてほしいことがあります。
ひとつは、保証の期間が短めのことが多いということ。
そしてもうひとつが、中古車であることの不安から、高額な延長保証をすすめられやすい傾向があることです。
保証料に見合わないケースも多いので、ここは冷静に判断したいところですね。
延長保証やメンテナンスパックに入るべきかどうかの判断軸は、こちらの記事でくわしくお話ししています。
もうひとつは、故障したときの診断や修理の技術に、お店によってバラつきがあることです。
原因が分からず「ディーラーで診てもらってください」と言われてしまうこともあるんです。
ここが少し悩ましいところで、ディーラーは限られた人数で最大限の対応をするために予約制で動いていて、直近の予約はなかなか取れません。
さらに、自分のお店で買ってくれたお客様を優先する傾向もあります。
つまり、価格が安く見えても、困ったときに時間を失うことがある、ということですね。
もちろん、ディーラー以外がだめという話ではありません。
街の小さな車屋さんは、薄利で頑張っていることも多く、程度の良い車を意外と安く売っていることもあります。
アットホームで、ディーラーとはまた違う良さにつながることもあるんですよ。
ただ、そういうお店を自分で見つけるのは、なかなか難しいのが正直なところです。
ですので、ご縁がないうちから小さなお店を探し回るのは、あまりおすすめしていません。
大手のお店で、よく耳にする声かけ
また、テレビCMをしているような大手の販売店では、こんな声かけをよく耳にします。
- 「今日なら、この値段で」
- 「コーティングをサービスします」
- 「午後にはこの車に商談が入りそうで」
- 「保証を付けてくれたら、この値段」
- 「明日にはなくなってしまうかも」
これは、悪意があるというより、そういう販売スタイルなのだと思います。
表示価格は安く見えても、長期で金利の高いローンや、高い延長保証料、それほど重要ではないオプションで利益を確保していく形ですね。
ビジネスとして間違ったことではありませんし、そこで働く方も一生懸命です。
ただ、こちらが知らずに乗ってしまうと、総額がふくらみます。
急かす言葉が出てきたら、「一度持ち帰って考えます」と伝えるだけで大丈夫ですよ。
サービスや条件を提示されたときは、こんなふうに返してみてください。
- コーティングなどを付けてくれると言われたら=「その分を値引きに回してもらえませんか」
- 保証を付ける条件で安くなると言われたら=「保証を付けない場合の総額も出してもらえますか」
大切なのは、値引き額ではなく、最終的に支払う総額で比べることです。
それでも「あのお店が良かった」なら、その感覚も正解
ここで、冒頭でお伝えした話に戻ります。
ご相談者さんは、ディーラーで納得できずにキャンセルされたご経験があります。
ただ、合わなかったのは会社全体ではなく、その担当者や、その店舗だったのかもしれません。
担当者は変えてもらえますし、同じメーカーでも販売会社が違えば雰囲気はまるで変わります。
ですので、ディーラーという選択肢を、この一度で消してしまわなくても大丈夫ですよ。
いっぽうで、査定のときに丁寧に説明してくれて、必要以上の高値を出さなかったお店。
その姿勢に魅力を感じたのなら、それはご自身が肌で感じ取った、確かな判断材料です。
すでに信頼できると感じるお店があるなら、そこで買うのも十分にありだと私は思います。
そこで、おすすめしたい進め方があります。
両方のお店に行って、「買ったあとのこと」を聞き比べてみてください。
聞くのは、次の2つで十分です。
- 点検や修理は、どこでやってもらえるのか(自分のお店で診てもらえるのか)
- 保証は何年・何kmまでで、どこまでが対象になるのか
見るポイントは、答えの中身です。
自分のお店で診断から修理まで対応できると答えてくれるなら、困ったときに頼れる可能性が高いです。
逆に、「不具合が出たらメーカーのディーラーへ」という答えなら、そのときに時間がかかるかもしれない、と見込んでおきましょう。
どちらが良い悪いではなく、買ったあとの景色が見えていれば、納得して選べます。
お店や担当者との付き合い方、担当を変えたいときの伝え方は、こちらの記事にまとめています。
どこで買うにしても——必ず実車を見てから
最後に、これだけは共通のお願いです。
認定中古車であっても、実車を確認してから購入を決めてください。
車の知識がなくても大丈夫です。
外装や内装の気になる傷、そして車内の匂いは、誰でも気づくことができます。
気になるかどうかは、その人の価値観次第ですから、自分の目で見極めることが大切なんですね。
もし気になるところが見つかったら、それは値段交渉の材料になります。
伝え方は、お願いベースがおすすめです。
- 「値段は変わらなくていいので、ここを直してもらえませんか」
- 「このままで構わないので、少し値引きしてもらえませんか」
責めるのではなく相談する形にすると、お店の方も動きやすくなりますよ。
遠方にある気になる車を、近くのお店に取り寄せてもらう方法は、こちらの記事でお話ししています。
まとめ
最後に、中古車をどこで買うかを考えるときのポイントを整理します。
- 車両価格ではなく「総予算」から決める
- 慣れていないならディーラー系=点検・保証・適正価格で難易度が下がる
- ディーラー以外は保証が短めで、困ったときに診てもらえるかも確認したい
- 急かす言葉や条件付きの値引きが出たら、総額で比べて一度持ち帰る
- 信頼できると感じたお店があるなら、そこを選ぶのも正解
- 迷ったら「買ったあとのこと」を聞き比べて決める
- どこで買うにしても、実車を見てから決める
中古車選びで大切なのは、どこで買うかを当てることではありません。
買ったあとも安心して相談できる相手を見つけることだと、私は思っています。
納車直前にキャンセルできたのは、ご自身の感覚を信じられたということです
その感覚は、きっと良いお店選びにも効いてきますよ🐧
中古車販売店選びで疑問や不安ある場合は、「X」「お問い合わせ」「コメント欄」などでお気軽にご相談ください。
このブログ「ぺんぎんカーライフ」では、損しないカーライフを送るための記事をまとめています。
中古車の選び方や維持費をゼロから整理したい方は、こちらの教科書ページもどうぞ。
それでは、損しないカーライフをお過ごしください










