著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

いい車を、いい条件で契約できた。

その嬉しさの中で、ひとつだけ引っかかることがある——納車される車が、スタッドレスタイヤを履いたままだということ。

試しに「スタッドレス 夏 履いてもいい?」で検索すると、不安をあおる記事や動画がずらり。

でもお店の人は「実際、よくやってますよ」と言う。

いったい、どちらを信じればいいのでしょうか。

ピゴス
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ご契約おめでとうございます!私も雪国に住んでいるので、この悩みは毎年の恒例行事です!私の考えを正直にお話ししますね

✅ 結論からお伝えします

夏になってもスタッドレスのまま走り続けるのは、おすすめしません。

付いてきたスタッドレスが新しいなら、冬用として大切に残し、夏用の夏タイヤを用意する。

古いなら、お店の提案に乗って夏タイヤに変えてもらい、冬までに冬タイヤを新調する。

どちらの場合でも、答えは「夏は夏タイヤ」です。

実際にいただいたご相談

以下のようなご相談をいただきました(内容を編集して掲載しています)。

昨日、いい車をいい条件で契約することができました♪

ただ、タイヤのことが気になっています。

  • 購入した中古車がスタッドレスを履いている。次の冬まで履き潰してもいいのか?
  • お店側は「不安なら、新品ではないが夏タイヤに変えるよ」と言ってくれている
  • 夏タイヤのほうが寿命が長いし、よりお得なのは夏タイヤ?
  • そもそも中古車購入後のタイヤ交換って、どのくらいでするもの?

納車予定は2月中旬です。

雪国住まいなので、3月中旬ごろまではスタッドレスを履きたいと思っています。

「スタッドレス 夏 履いてもいい?」などで調べると、かなりの数、不安な記事や動画が出てきます。

お店側は「実際よくやってますよ」「でも気になるなら変えます」と言っています。

暖冬で雪もほとんど降ってないしなーーーと迷っています。

納車の喜びと、タイヤの迷い。

このご相談に、当時の私はこうお答えしました。

なぜ「夏もスタッドレスのまま」をおすすめしないのか

はっきりお伝えします。

夏に冬タイヤで走るというのは、危険です。

スタッドレスは、雪や氷をつかむために柔らかいゴムで作られています。

熱いアスファルトに対応していないタイヤで走るのは、例えるなら、真夏にスノーブーツで過ごすようなものなんですね。

高速道路や、急ブレーキのタイミングでリスクを伴いますし、大雨などもスリップしやすく苦手です。

一方で、お店の「実際、よくやってますよ」も嘘ではありません。

緊急時以外は普通に走れてしまうので、ついつい夏も冬タイヤで走るという人は、実際に多いのです。

住宅街しか走らないのであれば、まぁいいかもしれません。

しかし——。

緊急時に、ぶつからずに停まれるか、停まれないか。

その瀬戸際で、大きな差になってきます。

普段の走りに問題がないことと、いざという時に止まれることは、別の話なんです。

答えはシンプル。付いてきたスタッドレスが「新しいか、古いか」

では、どうするか。

当時の回答でお伝えした、2つの分かれ道です。

① スタッドレスが新しいなら——冬用に残して、夏タイヤを用意する

まだ新しい冬タイヤなら、それを3月中旬まで履いて、夏に新品(もしくは良品の中古)の夏タイヤのホイールセットを買います。

スタッドレスは処分せず、次の冬のために保管しておきましょう。

② スタッドレスが古いなら——お店の提案に乗って、冬までに冬タイヤを新調する

古い冬タイヤなら、お店に夏タイヤへ変えてもらいましょう。

そして、雪がない時期のうちに、新品(もしくは良品の中古)の冬タイヤホイールセットを購入して備えます。

古いスタッドレスは、たとえ溝が残っていても、冬の性能が落ちてきます。

あくまで私の感覚ですが、5年ぐらい経過したものは、溝がたっぷりでも性能は落ちてしまうと考えておいた方が安心です。

「新しいか、古いか」の見方

見るところは2つだけです。

製造時期:タイヤの側面に刻印された4桁の数字で分かります(例えば「2521」なら、2021年の25週目=6月ごろの製造です)。

溝の減り:スタッドレスには、溝が新品の約50%まで減ると現れる「プラットホーム」というサインがあります(側面の⇧マークの延長線上にあります)。

これが出たら、冬タイヤとしては卒業です。

そして、いちばん間違いがないのは、納車前にお店で一緒に現物を見てもらうことです。

「このスタッドレス、次の冬も使えそうですか?」と聞けば、答えと一緒に、あなたの意向も伝わります。

ちなみに「中古車を買ったら、タイヤはどのくらいで交換するものですか」というご質問も、あわせていただいていました。

これも、年数で決まるものではありません。

いま見た2つ——溝の残りと製造時期——で判断するのは、夏タイヤでも同じです。

納車のときに一緒に見てもらえば、次に換える時期の見当もつきますよ。

タイヤの数万円は、「安全」に払うお金

「夏タイヤを買うと数万円か…」と、ためらう気持ちはよく分かります。

でも、当時の回答で、私はこうお伝えしました。

もし車両保険を付けていなかったり、大切な人が一緒に乗っていたり、他の人に迷惑を掛けたくないのであれば、自分でできる安全の確保はした方が良い。

他人は変えられませんが、自分でできることはやって、安心して乗れる環境をつくる。

せっかく新しく出会えた車に、気持ち良く家族を守ってもらえるように心がけることは、数万円かけても決して価値のないことだとは思いません。

なお、タイヤ代を賢く抑える方法はあります。

新品タイヤの購入は、ネット通販やカー用品店、タイヤ専門店を価格重視で選んでも品質の差は小さい、数少ない「お得にしてよい作業」です。

どこで買うのがよいかは、こちらで詳しくお話ししています👇

タイヤはどこで買うのが正解?製造年の古いタイヤを避ける方法タイヤをどこで買うか迷ったら。ディーラー・ガソリンスタンド・カー用品店・ネット購入の選び方、在庫タイヤの製造年を4桁の刻印で自分で確認する方法、そして「あと何年その車に乗るか」で決める判断軸を、元整備士がやさしく解説します。...

まとめ

  1. 夏になってもスタッドレスのまま走り続けるのは、おすすめしない(普段は走れても、緊急時に停まれるかの瀬戸際で大きな差が出る)
  2. 新しいスタッドレスなら——冬用に残して保管し、夏用の夏タイヤ(新品か良品の中古)を用意する
  3. 古いスタッドレスなら——お店の提案に乗って夏タイヤに変えてもらい、冬までに冬タイヤを新調する
  4. 新しい・古いは、側面の4桁刻印とプラットホームで確認——迷ったら、納車前にお店で一緒に現物を見てもらう
  5. タイヤの数万円は、家族と自分の安全に払うお金——買うときはネット通販や専門店を価格重視で選んでOK

ご相談者さまの、その後

このやりとりのあと、ご相談者さまはこう返してくださいました。

「やはり夏に冬タイヤを履くのは怖いので、夏タイヤに変えてもらおうと思います」

不安な記事と、お店の「よくやってますよ」の間で揺れていた迷いが、ご自身の言葉で着地した瞬間でした。

ピゴス
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ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、コメント欄や「X」などでいつでもメッセージを承っております。お気軽にどうぞ!