車上荒らしで窓を割られた|車両保険なしは自費が基本。でも先に確かめてほしい保障の話

車に戻ったら、助手席の窓が割られていた——。
車上荒らしは、お金の被害だけでなく、気持ちのほうが深く傷つくできごとだと思います。
しかも自分の車の修理代を出す保険(車両保険)に入っていないと、保険会社に相談しても力になれないと言われてしまう。
この記事では、元1級整備士の私が、この状況で確かめられることと、ガラスをどこで直すかをお伝えします。
まずは、ご家族が無事で本当によかったです。
そのうえで、正直に申し上げると、お金が全部戻ってくる方法はなかなかありません。
ただ、確かめておく価値のあることは、いくつかあります。
先に正直にお伝えすると、管理会社さんの保険と、修理費の金額は、私にはお答えできません。
その代わり、お渡しできることがあります。
車両保険に入っていない場合、ガラスの修理費は自己負担になるのが基本です。
ただ、お車をディーラーのクレジットで購入されている場合、盗難やいたずらの保障が付いていて、一部を負担してもらえることがあります。
相場はお伝えできない代わりに、見積書のどこを見ればいいかをお渡しします。
直し先は「保障が使えるかどうか」で変わります。
いただいたご相談
今回は、こんなご相談をいただきました(内容を編集して掲載しています)。
本日、家族がアパートの駐車場で車上荒らしに遭いました。
免許証などが入ったバッグが持って行かれ、助手席側の窓が割られていました。
現在、警察に対応してもらっています。
今後の適切な対応について、いくつか質問させてください。
- アパートの管理会社は、駐車場で車上荒らしが起きた際の保険などを掛けていないものでしょうか(現在、管理会社に問い合わせ中です)
- 車両保険に加入していないため、保険会社からは「お力になれません」と言われましたが、ガラスの修理費などは全額自費になりますか
- 助手席のドアガラス(車種はトヨタ)を修理する際の相場と、おすすめの預け先はどこでしょうか(ディーラーか町工場かなど)
大変な状況のなか、ご家族のために動かれているのですね。
3つのご質問の前に、1つだけ確かめさせてください。
そのバッグに、車のスペアキーや車検証は入っていませんでしたか。
もし入っていたなら、車そのものが狙われる可能性が残りますので、いま対応してくださっている警察の方にその点も伝えてください。
免許証の再発行についても、まさに今その警察の方がいちばん詳しいので、その場で聞いてしまうのが早いです。
それでは、3つのご質問に順番に、正直にお答えします。
① 管理会社の保険については、正直、私には分かりません
いきなり期待を裏切るようで申し訳ないのですが、ここは私の専門の外です。
アパートの管理会社さんがどんな保険に入っていて、駐車場での被害がどこまで対象になるのか。
これは契約の中身によって変わるところなので、知ったかぶりでお答えするのがいちばん危ないと思っています。
そして、すでに管理会社に問い合わせ中とのことですよね。
それが、いちばん確実で正しい進め方です。
私から付け加えられることがあるとすれば、聞くときに被害の状況をできるだけ具体的に伝えることくらいでしょうか。
警察に届けた日時や、届出の受理番号、被害に遭った日時と場所、盗まれたものと壊された箇所など。
材料が多いほど、管理会社さんも調べやすくなります。
そして、もし管理会社さんの答えが「対象外」だった場合の話が、次の②になります。
② 車両保険がないと、自費になるのが基本です。ただ、確かめてほしいことがあります
はい、車両保険に入っていなければ、修理費は自己負担になるのが基本です。
保険会社さんの「お力になれません」は、意地悪ではなく、そういう契約だから、ということになります。
ただ、そこで終わらせる前に、確かめてほしいことがあります。
いちばん確かめてほしいのは、お車をディーラーのクレジットで購入されているかどうかです。
ディーラーでクレジット契約を組んでいると、ローンにセットで、場合によっては盗難やいたずらの保障が付いていて、一部を負担してもらえることがあります。
あまり知られていない話だと思います。
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
契約したお店に電話して、「クレジットに、盗難やいたずらの保障は付いていますか」と聞いてみてください。
お手元にクレジットの契約書の控えがあれば、それを見ながらだと早いです。
※付いているかどうかは契約の内容によって変わりますので、必ずご自身の契約先でご確認ください
もう1つ、やっておきたいのがドライブレコーダーです。
もし搭載されているなら、その映像を警察に提供してみてください。
犯人の特定につながる可能性があります。
そして、もし犯人が捕まって、その方から支払いを受けられれば、賠償される事例もあります。
可能性としては、正直かなり低いです。
期待しすぎないほうがいいですが、ゼロではない、という話です。
③ 相場は一概に言えません。代わりに、見積書の見方をお渡しします
ここからは、保障が使えず、自費で直す場合の話として読んでください。
そのうえで、正直にお伝えします。
「トヨタ車ならいくら」とは、私には言えません。
同じトヨタでも車種が違えばガラスの形も大きさも違いますし、お店によっても変わってくるからです。
しかも、割れたのがサイドガラス(ドアガラス)なら、フロントとは構造が違うことが多く、費用も変わってきます。
フロントは2枚のガラスを貼り合わせた「合わせガラス」ですが、サイドは1枚もののことが多いんです。
割れたときに粒状に砕けていたなら、そのタイプになります。
では、見積書のどこを見るか。
- 工賃の時間単価=工賃は「時間単価×作業時間」で決まります(一般の整備工場で8,000〜10,000円、ディーラーで10,000〜16,000円あたりが目安です)
- 部品は純正(メーカーの正規品)か、それ以外か=それ以外の選択肢があるか聞くと、金額が変わることがあります
- 「諸費用一式」=中身が書かれていなければ、何が含まれるか聞いてみてください
この3つを聞くだけで、言い値をそのまま飲む形にはなりません。
そして、2〜3社で見積もりを取れば、「あなたの車の相場」はご自身で作れます。
私がお伝えできない相場を、いちばん正確に知れる方法がこれです。
部品の選び方は、こちらでもう少し詳しくお話ししています。
ただ、軽自動車のフロントガラスの記事ですので、金額はそのまま当てはまりません。
むしろ、同じガラスでもここまで変わるという例として見ていただけたらと思います。
記事の後半に「サイド・リアガラスは?」という項目もありますので、そこと見積書の見方だけ、持ち帰ってみてください。
④ 直し先は「保障が使えるかどうか」で変わります
ここは、②でお伝えしたディーラーの保障が使えるかどうかで変わります。
もしディーラーの保障が使えるなら、ディーラーにお任せするのがいちばんラクだと思います。
その場合はガラスも純正部品での対応になることが多く、手続きごとお任せできます。
負担が減るなら、手間をかけない道を選んでいいと私は思います。
一方、全額自費になるのであれば、話は変わります。
私は普段、整備は信頼できる1か所にまとめることをおすすめしています。
ただ、ガラスは、その数少ない例外なんです。
というのも、メンテナンス中心の整備工場の場合、ガラスの作業を専門業者さんに外注することが多いからです。
つまり、仲介の手数料が乗ってきます。
ただ、これは中抜きという話ではありません。
手配や引き取り、直したあとの窓口まで引き受けてもらえる手間賃だと私は思っています。
整備工場さんもディーラーさんも、悪いという話ではまったくなくて、仕組みの話です。
そのうえで、自費で直すなら「お住まいの地域名+自動車ガラス修理」で検索して、専門店に直接頼むと、安くなることがあります。
※どれくらい安くなるかはお店や車種によって変わりますので、いくつか見積もりを取って比べてみてください
ディーラーにも概算を聞いてみて、金額があまり変わらないようなら、窓口がいつも通りのディーラーにお任せするのも十分アリです。
代車を用意してもらえることもありますし、どちらも味方です。
こういう選択肢もある、という話で、必ずこうしてください、という話ではありません。
こちらもフロントガラスのご相談ですが、ディーラーと専門店のどちらに頼むかという考え方は、ドアガラスでも同じです。
⑤ 車両保険がなくて悔やまれるのは、こういうときだと私は思っています
最後に、いちばんお伝えしたいことを書かせてください。
先にお伝えしておくと、これは「入っておけばよかったのに」という話ではありません。
私は普段、車両保険は外せる家計を目指しましょう、という考え方をよくお話ししています。
自分でぶつけた、自分が加害者になった——こういうときは、正直、諦めもつきます。
自然災害も、避けようがありません。
でも、車両保険がなくて本当に悔やまれるのは、3つだけだと思っているんです。
- 当て逃げされたとき
- 相手が無保険だったとき
- 盗難や車上荒らしに遭ったとき
共通しているのは、相手の悪意です。
自分は何も悪くないのに、一方的にやられた。
この3つだけは、お金が戻ってきても、気持ちがなかなか癒えません。
だからこそ、せめてお金の面だけでも癒せるように、というのが車両保険のいちばんの出番だと私は思っています。
「自分が要らないと言ってしまったから」と、悔やまれているかもしれません。
でも、そのときの判断が間違っていたわけではないんです。
あなたのせいでは、まったくありません。
悪いのは、盗んだ人です。
そのうえで、次の更新のときに考えられる道は、大きく2つあります。
1つは、車両保険で備えること。
もう1つは、諦めのつく車に乗ることです。
もし同じことがまた起きても、金額として飲み込める範囲の車にしておく、という考え方になります。
保険料を払い続けない代わりに、そのときの出費は自分で持つ。
どちらも立派な正解で、私はどちらかを押しつけるつもりはありません。
ただ、今回のような思いをされた後なら、一度だけ考えてみる価値はあると思います。
車両保険そのものの考え方は、こちらにまとめています。
ただ、今すぐ読まれなくて大丈夫です。
少し長めですし、盗難そのものの話ではなく、そもそも車両保険とは何かを根っこからお話ししたものですので。
気持ちが落ち着かれて、次の更新が近づいたときにでも、どうぞ。
まとめ
車上荒らしで窓を割られてしまったときの動き方を、整理します。
- まずディーラーのクレジット契約に、盗難やいたずらの保障がないか確認してください(一部を負担してもらえることがあります)
- ドライブレコーダーがあれば、映像を警察に提供してみてください
- 車両保険がなければ、修理費は自己負担が基本です
- 相場は一概に言えません(見積書は工賃の時間単価・部品・諸費用一式を確認し、2〜3社で比べてください)
- 直し先は、保障が使えるならディーラー/自費ならガラス専門店に直接
- 管理会社の保険は、私には分かりません(問い合わせ中とのことで、それがいちばん確実です)
割られた窓は、直せます。
でも今は、まず落ち着かれるのがいちばんです。
ご家族が早く安心して過ごせるよう、願っています。
車上荒らしの被害で疑問や不安ある場合は、「X」「お問い合わせ」「コメント欄」などでお気軽にご相談ください。
最新記事のアップもXでお伝えしておりますので、よろしければフォローよろしくお願いいたします。
このブログ「ぺんぎんカーライフ」では、質問の回答だけでなく、損しないカーライフを送るための記事を書いております。
車のことをゼロから順番に整理したい方は、こちらの教科書ページからどうぞ。
それでは、損しないカーライフをお過ごしください










