所有者が会社名義の車は売却できる?必要な3つの書類と、自分で集めなくていい理由

前に勤めていた会社から、車を買いました。
あれから何年か経って、いまは別の仕事をしています。
車検が近づいてきたので、そろそろこの車を手放そう。
そう思って書類を確認したら、「所有者」の欄が、いまもその会社の名前のままでした。
支払いは、とっくに終わっている。
車検も自動車税も、ずっとご自分で納めてきた。
それなのに、この車を自分の判断で売っていいのかどうかが分からない。
そして、気が重いのはたぶん、手続きそのものよりも。
辞めた会社に、もう一度連絡をしなければいけないのかもしれない、というほうだと思います。
その気の重さ、よく分かります
先にお伝えしますね
前の会社にご自分から連絡するところは、飛ばしてしまって大丈夫ですよ🐧
所有者の欄が会社の名前になっていても、その車は売れます。
必要になるのは、会社が出す3つの紙です。
ただ、その紙のやりとりは、買取店さんが代わりに引き受けてくれることが多いんですね。
ですから、順番としては、査定のほうが先で構いません。
今回いただいたご相談
以下のようなご相談をいただきました(内容を編集して掲載しています)。
車検を前に、いま使っている車を売却したいと考えています。
購入の際に、当時勤めていた会社から購入しました。
その際に、所有者が会社のままになっています。
使用者は私なので、車検も税金も納めています。
上記の場合、売却は可能でしょうか。
売却するためには、どのようにしたらよろしいでしょうか。
正直、次に購入の予定はなく、処分が目的です。
ご質問ありがとうございます。
「売れるのかどうか」と「どう進めればいいのか」、順番にお答えしていきますね。
なぜ、会社の名前のままでも売れるのか
まず、ご心配のところからお答えします。
売れます。
車検証には「所有者」と「使用者」という、2つの欄があります。
所有者は、書類の上でその車を持っている人、または会社。
使用者は、実際にその車に乗って、車検を通したり税金を納めたりしている人です。
ご相談者さまは、この「使用者」のほうにあたります。
何年も車検を通して、自動車税も納めてこられました。
それでも所有者が会社のままになっているのは、多くの場合、買ったときの支払い方に理由があります。
会社を通して分割で支払う形にすると、支払いが終わるまで名義を会社側に置いておくことがあるんです。
そして支払いが終わっても、名義は自動では戻りません。
じつは私はこのご相談を読んだとき、「前にお勤めだったのは、自動車販売店ではありませんか」とお尋ねしました。
車を扱う会社なら、社員向けにこういう買い方を用意していることがあるからです。
この見立てが当たっていたかどうかは、記事の最後でお伝えしますね。
ちなみに、所有者が「買ったお店の名前」のままになっているご相談も、同じくらいよくいただきます。
名義が戻っていない仕組みそのものは、こちらで詳しくお話ししています。
会社からいただく書類は、3つです
売るときに必要になるのは、その会社が出す3つの書類です。
- 委任状
- 譲渡証明書
- 印鑑証明書
名前だけ並ぶと身構えてしまいますが、やっていることはとてもシンプルです。
3つまとめて言うと、「この車を手放して構いません」ということを、会社が書面ではっきり示すもの。
それだけです。
委任状は、「手続きをお任せします」という紙。
譲渡証明書は、「この車を譲ります」という紙。
印鑑証明書は、押してある印鑑がたしかにその会社のものだ、と公的に証明する紙です。
ここに書いたのは普通車の場合で、軽自動車だと必要な書類が少し変わります。
その違いは、ご家族の車を売るときの話としてこちらで整理しています。
もうひとつ、車検証の住所が引っ越し前のままという場合も、書類が少し増えます。
こちらも売れなくなるわけではありませんので、あわせてどうぞ👇
その3つを、ご自分で集めに行く必要はありません
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
いま並べた3つは、たしかに会社から出してもらう必要があります。
でも、その会社に連絡をして、書類を送ってもらって、という部分をご自分でやらなくていいことが多いんです。
売却先の買取店さんが、あなたに代わって取り寄せてくれる。
これが、実際にはよくある進み方です。
なぜ、買取店さんが代わりに動いてくれるのか
「そんなに親切にしてくれるものだろうか」と思われるかもしれません。
理由は、はっきりしています。
その書類が揃わないと、買取店さんもその車を買えないからです。
車を買い取って、整備をして、次のお客さまにお渡しする。
それが買取店さんのお仕事ですが、名義がきれいに移らなければ、次の方に渡すことができません。
つまり書類を揃えることは、売る方のための手間である以上に、買取店さんご自身の仕事でもあるんです。
お願いして動いてもらう、という関係ではありません。
お互いに必要なことを、得意なほうが引き受ける。
そう思っていただいて大丈夫です。
ひとつだけ、正直にお伝えしておきますね。
書類には会社の実印が必要ですから、その会社へは、買取店さんのほうから連絡がいくことになります。
会社がまったく関わらずに終わる、というわけではありません。
ただ、それはあなたが電話をかけて、事情を説明して、頭を下げる連絡ではないんです。
「この車の書類をお願いします」という、会社と会社のあいだの事務のやりとりになります。
同じ「連絡」でも、中身はまるで別物なんですね。
査定のときに伝えるのは、この一言だけ
では、ご自分では何をすればいいのか。
査定に来ていただいたときに、こう伝えるだけです。
「車検証の所有者が、前に勤めていた会社の名前になっています」
これで十分です。
買取店さんは買取のプロですから、車検証を見れば所有者の欄は必ず確認します。
そのうえで、いまどういう状況なのかを聞き取って、必要な書類と段取りを説明してくれます。
隠す必要は、まったくありません。
むしろ、最初に言ってしまったほうが話は早いです。
書類をそろえるより先に、査定でいい理由
順番で迷われる方が多いところなので、はっきり書いておきますね。
書類を全部そろえてから査定へ、ではありません。
先に査定を受けて、そのときに相談してしまって構いません。
書類の取り寄せには、時間がかかることがあります。
その待ち時間のあいだ、査定が止まってしまうのはもったいないです。
先に金額を知っておけば、「この金額なら手放そう」と決めてから書類を動かせます。
逆に、書類だけ先に集めて、思ったより安かった、では手間だけが残ってしまいます。
私自身が売る側だったとしても、書類を先回りしては集めないと思います。
支払いが残っていても、売れます
ここまでは、支払いが終わっている前提でお話ししてきました。
まだ残っている場合はどうか。
この場合も売れます。
条件は、次の2つのうちどちらかを満たすことです。
- 売るまでに、残りを払い終えている
- 今回の売却の代金で、残りを払い終える
大事なのは、2つめのほうです。
いま手元にまとまったお金がなくても、売った代金でそのまま残りを清算できます。
「先に全部払わないと売れない」と思って諦めてしまう方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。
残っているぶんが買取額より少なければ、差額は手元に戻ってきます。
逆に、買取額より残りのほうが多いときは、その差を用意する必要があります。
残っているお金と車を、どう整理して進めるか。
その手順は、こちらでまとめてお話ししています。
もし「うちでは買えません」と言われたときは
最後に、よくご心配になるところにも触れておきますね。
持って行って断られたら、どうしよう。
もしそうなったとしても、そのときは理由を教えてもらえます。
さきほどお伝えしたとおり、買取店さんは書類が揃わなければ買えません。
だから「これは買えない」と判断したときには、どこが引っかかっているのか、どうすれば進められるのかまで、たいてい一緒に教えてくれます。
黙って追い返されることは、まずありません。
それに、お店によって得意なこと、不慣れなことがあります。
1社で難しいと言われても、それがこのお車の答えとは限りません。
会社がもう無くなっている、名前が変わっている、といった事情がある場合も同じです。
私がここで「その場合はこうです」と決めつけて書くよりも、いまの状況を見てもらったうえで教えてもらうほうが、ずっと確かだと思います。
まとめ
今回のご相談のポイントを、整理しておきますね。
- 所有者が会社の名前でも、車は売れます
- 必要なのは、会社が出す3つの書類(委任状・譲渡証明書・印鑑証明書)です
- その取り寄せは、買取店さんが代わりに引き受けてくれることが多いです
- 査定のときに「所有者が前に勤めていた会社です」と伝えるだけで大丈夫です
- 書類より先に、査定を受けてしまって構いません
- 支払いが残っていても、売った代金で清算する形で売れます
名義のことは、車を売るときのつまずきポイントの中でも、とても多いところです。
つまり、買取店さんにとっては見慣れた話でもあります。
ここまでで、「売れるのかどうか」の心配は、ほどけたと思います。
そのうえで、いくらになるのかは、お店によってけっこう変わります。
1社だけだと、その金額が高いのか安いのかを比べようがありません。
今日決める必要は、まったくありません。
金額を見てから、ゆっくり考えていただいて大丈夫です。
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ご相談者さまの、その後
このご相談のあと、ご相談者さまからご報告をいただきました。
その点が心配だったので、スッキリしました
車は一旦前の会社が買取りして、会社から分割で購入しました
支払いは全て終わっています
さきほどお話しした「会社を通して分割で支払う形」が、まさにこれでした。
所有者の欄が会社のままだった理由も、これではっきりしたことになります。
ただ、そのあとに、こんな一言が添えられていました。
かなりぼったくられましたが・・・
この一行を読んで、少し考えました。
そのときの金額が本当に高かったのかどうかは、私には分かりません。
社員向けの買い方は、条件も車の状態もそれぞれで、外から見て良し悪しを言える話ではないと思っています。
それでも、そう感じたまま何年も乗ってこられたことは、事実です。
ひとつだけ、お伝えしたいことがあります。
買ったときの金額は、もう動きません。
けれど、手放すときの金額は、これから決まります。
同じ1台でも、見るお店が変われば金額は変わります。
そこは、いまからでも間に合うところです。
過ぎたことを取り返しましょう、という話ではありません。
ただ、最後にきちんと比べてあげることが、その車と何年も付き合ってきた方にできる、いちばん静かな仕上げだと思っています。
ご相談者さまは、最後にこう結んでいらっしゃいました。
売却に向けて進みたいと思います
心配ごとがひとつほどけると、人は動けるようになります。
あの会社にもう一度、という気の重さだけは、持って行かなくて大丈夫です
そこは買取店さんのお仕事の側にありますからね🐧
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