著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

🤔「ドライブレコーダーが6万円、バックカメラが3万円。どちらも付けたほうがいいと言われたのですが……」

車そのものを決めて、ほっと一息ついたころ。

最後にやってくるのが、この装備の話です。

2つ合わせて、9万円。

高い気もするけれど、安全にかかわるものなら、削るところではない気もする。

断る理由も、付ける理由も、まだ自分の中にありません。

ピゴス
ピゴス

今回のご相談で、私が心を動かされたのは装備の話ではありませんでした

これまでは、よく分からないからと、すすめられるまま買ってきた

でも今回は、考えてから決めたい

その一歩を踏み出した方からのご質問だったんです🐧

✅ 結論からお伝えします

限られた予算でどちらかを選ぶなら、私はバックカメラのほうを先に付けます。

出番の数が、まるで違うからです。

ただし、映すための画面がすでにあること。

ここが条件になります。

ドライブレコーダーは、急いで決めなくても大丈夫です。

とはいえ、付けなくていいと申し上げているわけではありません。

どちらも、あとから付けられる装備です。

その場で決める必要は、まったくありません。

今回いただいたご相談

22歳です。

平成28年式のスズキ スペーシアを、中古で購入しました。

オプションとして、ドライブレコーダー(バックカメラがついていないので、デジタルインナーミラーのタイプで6万円)と、バックカメラ(3万円)をすすめられています。

今までは、車のことがよく分からないのを理由に、すすめられるものは購入していました。

ですが今回は、必要かどうか考えてから購入したいと思い、質問させていただきます。

ドライブレコーダーのレンタルがあると知り、加入予定の保険会社にも確認しましたが、ありませんでした。

ご自身で調べて、加入予定の保険会社にまで問い合わせておられます。

ここまでされている方に、あったほうがいいですよ、とだけ返すのは失礼だと思いました。

ですので、私ならどう考えるかを、順番にお話しさせてください。

なぜ、私ならバックカメラを先に付けるのか

もう少し踏み込んで申し上げると、私ならドライブレコーダーは付けずに、バックカメラだけにします。

バックカメラは、お金を払う価値がある装備だと思っています。

理由は、大きく3つあります。

出番の数が、まるで違います

バックカメラは、車庫入れのたびに使います。

週に何度も、日によっては1日に何度も、あの画面を見ることになります。

一方でドライブレコーダーの映像を見返す日は、おそらく来ません。

来ないほうがいい、とも言えます。

同じお金を出すなら、私は先に、毎日のほうを買います。

装備を選ぶときに、私が最初に見るところです。

カメラだけでは、映りません

ここは、正直にお伝えしておきます。

私がバックカメラを推すのは、映すための画面がすでにある場合の話です。

カメラは、単体では何も映してくれません。

カーナビやディスプレイオーディオといった画面があって、はじめて後ろが見えます。

もし画面のない車で、カメラのために画面から買うとなると、話はまるで変わってきます。

近所しか乗らないのに、バックカメラのためだけに、あるいはみんなが付けているからと、立派なカーナビを付けておられる方をよくお見かけします。

あくまで私の感覚ですが、あれは少しもったいないなと思っています。

我が家には7インチと9インチのカーナビがありますが、道案内も、音楽も、後ろの映像も、7インチで困ったことは一度もありません。

画面の大きさは、私にとっては浪費のポイントです。

3万円のバックカメラに価値があるのは、映すところが、もうそこにあるからなんですね。

カメラが守ってくれる範囲は、思ったより狭いです

ここは大きく見せないように書いておきます。

バックカメラや、まわりがぐるりと見えるカメラの映像がきれいな車は、使いこなせば本当に便利です。

駐車のときのセンサーの精度が高く、数も多い車は、ぶつけにくいとも感じます。

ただ、これで防げるのは小さな自損事故です。

大きな衝突事故や、人身の事故を防ぎたいとなると、いまのところは運転する本人の意識や技術のほうが、はるかに影響が大きいです。

ですから、カメラを付けたから安全になった、とは思わないでいただきたいのです。

壁と、ポールと、後ろに置いてあったものから、車と気持ちを守ってくれるもの。

私は、そのくらいの装備だと受け止めています。

ドライブレコーダーが、いらないという意味ではありません

ここまで読むと、私があの装備を否定しているように見えるかもしれません。

そうではないんです。

録画が助けてくれる、というのは事実です。

そのうえで私は、あれは起きる確率が小さくて、起きたときの損失も小さいことに備える道具だと思っています。

保証や特約を見るときと、同じ考え方です。

確率は小さくても、起きたら大きく困ること。

たとえば人にケガをさせてしまう事故には、しっかりお金をかけます。

確率も損失も小さいものは、掛けるより手元に貯めておく。

装備やオプションを見るとき、私はいつもこの2つを分けています。

それに加えて、この装備は一度買って終わりではありません。

壊れれば買い替えですし、車を乗り換えるときにも、外して付け替えるか、新しく買うかの費用がかかります。

とはいえ、ここまではあくまで私の考え方です。

車に求める安心感は、人によって違います。

録画されているというだけで運転が落ち着く方もいますし、何かあったときの手立てとして持っておきたいというお気持ちも、私にはよく分かります。

そう感じる方は、付けたほうがいいと思います。

そのときは、前だけを撮るシンプルなものにする、という選び方もあります。

後ろも、駐車中も、と欲しくなるほど、金額は上がっていきます。

まずは前だけ。

そう決めておくだけでも、ずいぶん抑えられますよ。

どんな場面で本当に助けてくれるのかを、3つに絞ってまとめた記事があります。

付けるかどうかを考えるときは、こちらのほうが材料になるはずです。

読んでみて、自分にはこの場面がありそうだと思えたのなら、それが付ける理由になります。

【必要?不要?】ドラレコ「損しない」答えは「本当に役立つ3つの場面」にあり!ドラレコは必要?不要?事故で「自分は悪くない」を証明できる3つの場面と、実はつけすぎると損な理由、失敗しない選び方まで、元整備士が本音で整理しました。...

同じ9万円を、どこに置くか

では、付けないと決めたぶんのお金はどうするか。

ひとつは、そのまま手元に残しておくことです。

貯めておけば、装備に限らず、車で困ったことのどれにでも使えます。

もうひとつ、お伝えしておきたい考え方があります。

先に断っておくと、これは私がおすすめしているわけではありません。

ただ、同じお金を保険のほうに回すと、録画よりもずっと広い範囲のトラブルに、確実にお金が出ます。

もちろん、契約した補償の範囲での話です。

ネット型の保険で、車両保険を付けるという選択です。

ドライブレコーダーは映像を残してくれますが、お金は出しません。

車両保険は映像は残りませんが、お金が出ます。

自分は何に備えたいのかを突き詰めていくと、この差は思っているより大きいです。

それでも、おすすめとまでは言えない理由

車両保険は、年齢や等級によって保険料の上がり方がまるで違います。

今回のご相談者さまは22歳です。

お若い方はどうしても保険料が高くなりますから、車両保険を足したときの負担も、その分だけ重くなります。

ちなみに私の年齢と等級だと、車両保険を付けても付けなくても、1年で1万円ぐらいしか変わりません。

ただしこれは、掛け方を少し工夫して、リスクをいくらか自分で持つ形にしたうえでの、私の場合の金額です。

同じ計算が、そのまま22歳の方に当てはまるわけではありません。

ですから車両保険にしましょう、ではなく、どちらが自分に合うかをご自身の見積もりで確かめてみてください、というのが正直なところです。

ピゴス
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装備を足すか、保険を足すか、それとも貯めておくか

順番はどれでもよくて、大事なのは、自分が何に備えたいのかを先に決めることです

そこさえ決まっていれば、すすめられても迷わなくなりますよ🐧

保険会社が貸してくれるタイプは、ある会社とない会社があります

ご相談者さまは、保険会社が貸し出してくれるドライブレコーダーがあると知って、加入予定の会社にわざわざ確認されていました。

そして、その会社にはありませんでした。

これは、調べ方がまずかったわけではありません。

このサービスは、扱っている会社と、扱っていない会社があります。

しかも、無料でついてくるものではありません。

月々の使用料と、最初の取り付け費用がかかります。

ですから、あるかないかだけでなく、いくらかかるのかまで聞いたうえで、買う場合と比べていただくのがいいと思います。

もうひとつだけ。

この装備が欲しいから、という理由だけで保険会社を選ぶのは、順番が逆になってしまいます。

保険は、まず補償の中身で選ぶもの。

付いてくるサービスは、そのあとで見るおまけだと思っています。

デジタルインナーミラーのタイプは、バックカメラの代わりになりますか

今回すすめられていたのは、ルームミラーそのものが画面になっている種類でした。

後ろのカメラの映像が、そこに映ります。

後席に人が乗っていても、荷物を積み上げていても、後ろが見える。

これは、たしかに便利です。

ただ、バックカメラの代わりになるかというと、なりにくいのではないかなと心配しています。

後ろの真下が、見えにくいからです。

車庫入れで知りたいのは、後ろを走る車ではありません。

あと何センチで壁に当たるのか、輪止めはどこか、という足元の情報です。

そこは、バンパーの近くに付くバックカメラのほうがずっと得意です。

似ているようで、見ている場所が違うんですね。

同じ名前でも、新車のカタログにあるものは別の話です

ややこしいのですが、新車のカタログに並んでいるほうは、別のものとして考えてください。

あちらはメーカーオプションで、あとから付けられないことがほとんどです。

あとから変えられないものは、迷ったら付けておく。

あとからでも変えられるものは、急がなくていい。

私は、この物差しで分けています。

今回の6万円のほうは、後付けできる装備です。

ですので、急がなくていいほうに入ります。

あとから付けられない純正のものについては、こちらで詳しくお話ししています。

メーカーオプションのデジタルインナーミラーは必要?判断基準 新車を買うとき、カタログを眺めながら頭を悩ませるのが、数々の「メーカーオプション」ですよね。 その中でも、最近多くの人が「これっ...

そもそも、はじめから付いている車を選ぶという手もあります

これは、次のお車を選ぶときの話になります。

中古車であれば、画面とカメラがはじめから付いている個体は、けっこうあります。

そういう1台を選べると、その装備の分だけ、あとから足す費用が要らなくなります。

私が中古車を紹介するときも、まっさきに見るのはそこです。

まっさらな未使用車には、こうしたものが付いていないことが多いんですね。

ですので、登録から1〜2年、走行1万キロ以内といった、いわゆるちょい乗りの中古車も候補に入れてみてください。

もちろん、ちょうどよさそうな1台に画面が付いていなかったのなら、後付けでもまったく問題ありません。

どちらを選ぶにしても、総額で安いほうでいいと思います。

付けるなら、どこで頼むか

ここからは、ご相談者さまのように、車を買うのと同時にすすめられている場合の話です。

私のおすすめは、購入したお店にまとめてお願いすることです。

通販で本体を買って、取り付けだけ別のところに頼む方法もあります。

費用を抑える工夫としては、悪くありません。

そのうえで、3つだけ考えていただけたらと思います。

仕上がりは、付ける人の腕しだいです

配線をどれだけきれいに隠せるかは、作業する方の技術によるところが大きいです。

外の取り付け業者さんでも、腕のいい方ならきれいに仕上がります。

ただ、当たり外れがあります。

買ったお店に頼めば、その車種を分かっている人が作業してくれるので、仕上がりは一定以上になります。

いちばん大事なのは、困った日の窓口です

車を買ったお店、機械を買ったお店、取り付けたお店。

全部ばらばらだと、何かあったときに、どこの責任なのかがはっきりしなくなります。

たとえば取り付けたあとで、電気系統の調子がおかしくなったとします。

車の問題なのか、機械の問題なのか、取り付けの問題なのか。

お店どうしで、話が行ったり来たりしてしまうことがあるんです。

買ったお店にまとめておけば、窓口はひとつです。

何かあっても、あそこに相談すればいい。

この安心は、思っているよりずっと大きいです。

整備は1か所に集めておくといいですよ、といつもお伝えしているのと、まったく同じ話ですね。

差額は、思っているほど大きくないことが多いです

機種にこだわりがないのであれば、お店がすすめてくるもので十分だと思います。

通販で買って持ち込む場合との差額は、1〜2万円くらいのことが多いです。

その差で窓口がひとつになるのなら、私はまとめるほうを選びます。

逆に、このメーカーのこの機種がどうしても欲しい、というこだわりがあるのなら、通販で買って持ち込むのもありです。

そのときは、持ち込みの取り付けを受けてもらえるかどうかを、先に聞いておいてくださいね。

いまのお車にあとから付ける場合の、頼み先と費用の目安はこちらにまとめています。

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まとめ

  • 限られた予算で片方を選ぶなら、私はバックカメラのほうを先に付けます
  • ただし、映すための画面がすでにあることが条件です
  • カメラで防げるのは小さな自損事故。付けたから安全になった、とは考えないでください
  • ドライブレコーダーは、確率も損失も小さいことへの備え。急いで決めなくても大丈夫です
  • ただし、いらないという意味ではありません。録画されている安心がほしい方は、付けてください
  • 保険会社が貸してくれるタイプは、ある会社とない会社があります。金額まで聞いたうえで比べてください
  • ルームミラーが画面になるタイプは、後ろの真下が見えにくいので、バックカメラの代わりにはなりにくいです
  • 次のお車では、画面とカメラが付いている1台も候補に入れてみてください
  • 付けるなら、買ったお店にまとめると、困った日の窓口がひとつで済みます

9万円をどうするかに、決まった正解はありません。

ただ、すすめられたからではなく、自分はこれに備えたいから、で決められたのなら。

金額がいくらであっても、それは損をしていない買い物だと私は思います。

ご相談者さまの、その後

このご相談には、短いお返事をいただきました。

ご丁寧にご説明ありがとうございます。

よく読んで実践してみます。

付けます、とも、やめます、とも書かれていません。

それでも私は、これでよかったと思っています。

よく分からないから言われたものを買う、から、読んで、自分で決める、へ。

変わったのは9万円の使い道ではなく、決め方のほうでした。

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ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、コメント欄や「X」などでいつでもメッセージを承っております。お気軽にどうぞ!