車検を通してから売る?先に売ってレンタカーでつなぐ?損得はほぼ引き分けでした

新しいお車の納車日が決まって、ほっとひと息。
ところが手帳を見ると、いまのお車の車検が、その前に切れてしまいます。
数えてみると、車検が切れるのは納車の2ヶ月ほど前です。
車検を通してから、新しい車が来たあとに売るか。
それとも車検の前に売ってしまって、2ヶ月をレンタカーでしのぐか。
どちらが損しないのか、調べるほどに分からなくなってきます。
✅ 結論からお伝えします
わずかに有利なのは「車検を通さずに、先に売る」ほうです。車検に払うはずだったお金を、そのままつなぎのレンタカー代に回せるからです。
ただ、その差は思っているほど大きくありません。査定が上がる場合もあれば、下がる場合もあって、相場は当日にならないと読めないからです。
ですから最後は、損得では決まりませんでした。決め手になるのは「売る日までに、どれだけのことが確定しているか」です。
どちらが損か、で調べ始めると答えがどんどん増えていくんですよね
でも今回は、損得の差より先に決まるものがありました
いただいたご相談
内容を編集して、ご紹介します。
現在、RAV4に乗っています。
ハイブリッドの4WDで、初度登録は2021年、走行距離は80,000キロです。
車検は5月26日まで、新しい車の納車は7月18日の予定です。
①5月に車検を受けて、7月に新車が来てから売る。
②車検の前に売って、7月まで月3万円のレンタカーを借りる。
どちらが支出が少なく、損なく売却できるでしょうか。
手間を考えると①のほうが楽です。
ですが、車検を過ぎると4年落ちでの売却になるので、どれくらい安くなってしまうのかが心配です。
この最後の一文が、ご相談者さまのいちばんの気がかりでした。
3年落ちと4年落ちで、そんなに差が出ないのなら①でいい。
つまり「どちらが得か」ではなく、「差が出ないなら楽なほうを選びたい」という温度感だったんです。
私の答えは「車検を通さずに売る」でした
どちらかと言えば損しない確率が高いのは②のほうだと、私はお答えしました。
車検を通して2ヶ月長く乗ることには、4つのリスクがあるからです。
予想外の出費が、この2ヶ月に出るかもしれません
乗っている限り、パンクや飛び石によるガラス交換は、ゼロにはできません。
車検そのものでも、交換が必要な部品が見つかれば、そのぶん費用は膨らみます。
あと2ヶ月で手放すと決まっている車に、その出費が出るのはもったいないところです。
3年で8万キロ。この方の2ヶ月は、重い
ご相談者さまは、3年ほどで80,000キロを走っておられました。
私が理由に挙げたのは、まさにここです。
「距離をかなり乗るようですので、その点でも2ヶ月の差で価値が変わってくる」とお伝えしました。
逆に言えば、この判断は「どれだけ走る方か」で傾きが変わります。
年に数千キロという乗り方の方なら、2ヶ月の差はほとんど出ないと思います。
万が一のとき、失うものが大きいのはどちらか
2ヶ月のあいだに、ぶつけてしまうことがあるかもしれません。
そのとき損害が大きいのは、レンタカーよりもご自分のお車のほうです。
価値が残っているお車だけに、傷ひとつでも査定に響いてしまいます。
4年目に入ると、査定の相場は下がっていきます
そして、ここが最初のご質問への答えになります。
私は「4年目に入り、査定相場が下がってしまう」とお伝えしました。
ただ、正直に申し上げると、それが金額でいくらになるかまでは、私にはお答えできませんでした。
相場は、実際にその時になってみないと分からないからです。
ですから、下がり幅を先に予想するより、実際に複数のお店に見てもらって数字を出すほうが確かです。
この話は、記事の後半でもう一度出てきます。
車検代を払わない分を、レンタカー代に回す
この二択は、こういう形に整理できます。
「車検に掛かる費用を払わない分を、レンタカー代の費用に充ててしまった方が、リスクを軽減しつつ、無駄なく売却できるのではないか」。
これが、私が②をおすすめした理由の中心です。
車検代は、払ったぶんがそのまま査定額に乗ってくるお金ではありません。
一方でレンタカー代は、払ったぶんがそのまま「車に乗れる期間」になります。
同じ金額でも、返ってくるものが違うんです。
売却とレンタカーは、じつは相性が良い組み合わせです。
良いタイミングで売り抜けられれば、1ヶ月ぶんのレンタカーを借りてもお釣りが来ることがあります。
それに、「いざとなれば借りられる」と知っているだけで、車のことで慌てる場面はずいぶん減ります。
長く借りると、思ったより安く上がることもありますよ。
先に売ってレンタカーでつなぐほうにも、リスクは5つあります
ここまで②を推してきましたが、②にも想定しておきたいことがあります。
私がお伝えしたのは、次の5つでした。
- 納期が伸びる:新しいお車の納車が、8月や9月にずれ込む可能性があります
- 慣れない車:乗り慣れていないレンタカーで、ぶつけてしまうことがあります
- 借りられない:月3万円で借りられると思っていた車が埋まっていたり、何らかの理由で借りられないことがあります
- 乗り心地の差:月3万円のレンタカーは、やはり価格なりです。いま乗っているお車と比べると、安全装備や快適さは落ちます
- お別れが早まる:大事にしてきたお車と過ごす時間が、2ヶ月短くなります
5つ目については、私自身「感情面で、さほど重要ではないですが」と前置きをしています。
それでも、書きました。
3年間、毎日のように走ってきた相棒です。
最後の2ヶ月を一緒に過ごせないことを、損得の表に載せない理由もないと思ったからです。
とはいえ「絶対に車検前」というほどでもありません
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
私はご相談者さまに、こうお伝えしました。
「実際にその時になってみないと相場観は分かりませんし、車検を取って間もないということで多少査定アップする場合もありますので、絶対に車検前に売却が良いというほどでもありません」。
車検を通したばかりのお車は、次に乗る方から見れば、しばらく車検の心配がいらないお車です。
そのぶん査定が少し上がることは、実際にあります。
反対に、車検の残りが少ないお車は、買取店さんにとっては手間が増える1台でもあります。
自社で車検を通して販売するお店なら別ですが、そのままオークションに出す場合は、手間を小さくしたいからです。
つまり、上がる理由も下がる理由も両方あって、どちらに転ぶかは当日にならないと分かりません。
車検前に売ると査定はどうなるのか、もう少し詳しくはこちらでお話ししています。
もうひとつ、お伝えしておきたいことがあります。
車検は「合格ラインを満たしているか」の確認であって、その車が元気かどうかを保証するものではありません。
ですから「車検を通したから調子の良い車です」という売り方も、本当のところはできないんです。
この点も、車検代がまるごと査定に乗ってこない理由のひとつだと、私は思っています。
決め手は、その日までに「確定」をどれだけ増やせるか
では、何で決めればいいのか。
私がお伝えしたのは、次の3つを先に確かめておくことでした。
- レンタカーが、その期間ちゃんと予約できるか(借りたい時期に空きがあるかを、いまのうちに聞いておく)
- 新しいお車が生産の段取りに入っていて、納期が遅れる心配はないか(担当の方に確認しておく)
- 万が一遅れたとき、約束の日以降は代車を貸してもらえるか(先に一言お願いしておく)
この3つが埋まるほど、②は現実的な選択になっていきます。
逆に、ひとつも確かめないまま先に売ってしまうと、②は不安の多い選択になります。
ここで、少しだけ性格の違う話をさせてください。
レンタカーの予約は「仕組み」が用意してくれる確実さです。
お店の代車は「空いていれば貸します」という、人の融通です。
どちらが上ということではなく、性格が違います。
確実さは仕組みに、融通は人にお願いする。
この2つを両方そろえておくと、納期が動いても慌てずにすみますよ。
売ると決まったあとの、申し込みから引き渡しまでの流れはこちらでまとめています。
反対に、車のない期間をつくらずに乗り換えたい方は、こちらの考え方が合うと思います。
そして、車検を通してから売っても、先に売ってつないでも、最後にやることは同じです。
1社だけで決めずに、複数のお店に見てもらうことです。
売る月を1ヶ月ずらすことよりも、こちらのほうが手取りへの影響はずっと大きくなります。
申し込むタイミングだけ、ひとつコツがあります。
一括査定の概算額はおよそ1週間が目安なので、引き渡せる日がだいたい見えてから申し込むと、そのまま話が進みます。
実際に使われた方の体験談も置いておきますね。
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それでも半々なら、気持ちのいいほうを選んでいい
ここまで並べたうえで、私はご相談者さまにこうお伝えしました。
「個人的にはどちらを選んでも大きな差はないように感じます」。
「それぞれのリスクを踏まえながら、ご家族が気持ちよくカーライフを過ごせるほうを選択していただいた方が、正解となるような気がします」。
あくまで私の感覚ですが、数万円の差を詰めるために2ヶ月そわそわして過ごすくらいなら、納得して選んだほうが、あとに残るものは大きいと思っています。
手間が少ないほうが助かるご家庭もあります。
少しでも手取りを増やしたいご家庭もあります。
どちらも正解です。
損得がほぼ引き分けのときは、決め方を変えていいと思っています
ご家族が気持ちよく過ごせるほうを選んでください
まとめ
今回のご相談のポイントを整理します。
- わずかに有利なのは「車検を通さずに、先に売る」。車検に払うはずだったお金を、つなぎのレンタカー代に回せます
- ただし「絶対に車検前」ではありません。車検を通したばかりで査定が少し上がることもあり、相場は当日まで読めません
- 走る距離が多い方ほど、先に売るほうへ傾きます。年に数千キロという乗り方なら、2ヶ月の差はほとんど出ません
- 先に売るなら「レンタカーの空き」「新車の納期」「遅れたときの代車」の3つを先に確かめておく
- どちらを選んでも、最後は1社で決めずに複数社で比べる。申し込みは、引き渡せる日が見えてから
損得だけで決めようとすると、この二択はいつまでも決まりません。
確定できることを増やして、それでも半々なら、気持ちのいいほうを選んでくださいね。
ご相談者さまの、その後
このご相談のあと、ご相談者さまからお返事をいただきました。
確かに挙げていただいたリスクがあるなと思いました。
最終的には自分で判断することだと思いますが、どのように考えたら良いかが分かりました。
ご回答を踏まえてもう少し考えてみようと思います。
ですが、①②どちらにせよ納得のいく、後悔しない選択ができそうです。
「どちらが得ですか」と聞きに来られた方が、「どちらにせよ後悔しない」と言って帰っていかれました。
私がお渡しできたのは、答えではなく、考える順番だけです。
迷っている時間が長いほど、決めたあとの後悔は小さくなるのかもしれません。
この一言をいただけたときは、本当にうれしかったです。
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