スペーシアの2回目の車検、オイル交換だけ先に外で安く済ませるのは得?

車検の案内が届いた。
しばらくして、ディーラーの担当者さんから電話がかかってくる。
「メンテナンスパックはどうされますか」。
前回も入ったけれど、決して安い金額ではありませんでした。
ふと、こう思いませんか。
オイル交換くらいなら、近くのカー用品店で先に安く済ませてから持っていけば、少しは安く上がるんじゃないか——。
その作戦は、たしかに一理あります。
ただ私の答えは、「そのままディーラーのメンテナンスパックで受けてしまう」のがおすすめです。
オイル交換の代金だけを見れば、外のお店のほうが安いことはあります。
でもそこに、「2つのお店を回る時間」と、「どんなオイルが入るのか分からない」という新しい心配が乗ってきます。
この2つを足すと、浮いたはずの差額は、たいてい返ってこないんです。
車のことをあれこれ考えるのが好き、というわけでないなら、任せてしまって、空いた時間を別のことに使うほうが、得られるものは大きいと思います。
あくまで、私の考えですが。
いただいたご相談
スペーシアにお乗りの方から、ご質問をいただきました。
スペーシアの二回目の車検が、3月にあり、ディーラーで、メンテナンスパックをと。
担当者から連絡あり、
事前にカー用品店に持ち込んでオイル交換等をして、持ち込もうと思っているのですが、高くつくでしょうか?
無知なのですみません。
ちなみに前回は56,000円のメンテナンスパックにはいってました。
まず、無知だなんて、とんでもないです。
案内をそのまま受けずに、いったん立ち止まって「これは得なんだろうか」と考えられたわけですから。
前回の金額まで覚えていらっしゃるのも、比べる材料をちゃんと持っているということです。
この一手間があるかないかで、車にかかるお金はずいぶん変わってきます
だから、まずはそこから一緒に見ていきますね
私の答えは「そのままパックで受けてください」でした
このときお返ししたのは、こういう内容でした。
結論から行きますと、素直にディーラーのメンテナンスパックに入っておいた方が良いと思います。
ディーラーを活用するのであれば、基本的にメンテナンスパックで受けた方がお得感があります。
理由は、大きく2つです。
差額よりも、2つのお店を回る時間のほうがもったいない
カー用品店とディーラーの、オイル交換代金の差。
たしかに差はあります。
ただ、そこに2つのお店へ行く手間暇が乗ってきます。
その差額と手間暇を並べると、「時間のほうがもったいない」という結果になると考えています。
車検の前後は、ただでさえ用事が増える時期です。
書類を用意して、予約を取って、車を預けて、引き取りに行く。
そこにもう1軒、予約と往復が増えるわけです。
もうひとつ、新しい心配ごとが増えます
カー用品店で、どんなオイルを入れるのか。
スペーシアに合ったオイルを入れてもらえるのか。
こういった、いままで無かった悩みの種が新しく生まれます。
安く済んだはずなのに、「あれで良かったんだろうか」という気持ちが残る。
これが、じつはいちばんもったいないところだと思っています。
外に出していい作業には、条件があります
誤解のないようにお伝えしておくと、私は「全部ディーラーで」と言いたいわけではありません。
私がいつもお伝えしているのは、点検も車検も、消耗品の交換も、決めた1か所に集めておきましょう、ということです。
そのうえで、外に出したほうが安く済む作業も、ちゃんとあります。
タイヤの新品交換、ガラスの修理と交換、それとボディの板金塗装。
この3つです。
この3つが例外になる理由
では、なぜこの3つだけが例外なのか。
「作業の中身が確定していて、同じものを比べられる」からです。
同じ銘柄の同じサイズのタイヤなら、どこで組んでもそのタイヤです。
ガラスも板金も、やることがはっきりしています。
だから、価格だけで選んでも失うものがありません。
タイヤ交換で、どこにお金をかけてどこを削るかは、こちらでお話ししています。
オイルは、その条件から外れます
ところがオイル交換は、この条件に当てはまりません。
同じ「オイル交換」という名前でも、中に入るものが同じとは限らないからです。
銘柄も、粘度も、規格も、お店によって違います。
つまり、比べているつもりで、同じものを比べられていない。
安くなった代わりに、「何が入ったのか確かめられない」が残るわけです。
カー用品店が悪い、という話ではまったくありません。
タイヤはむしろ、私もカー用品店をおすすめしています。
良いか悪いかではなく、「比べられる作業かどうか」で分けている、ということなんです。
なお、お店に頼まずに「オイルだけ自分で買って持ち込む」という方法もあります。
そちらが本当に安くなるのかは、別のご相談で詳しくお話ししました。
純正オイルは、なぜ高品質なのに高くないのか
エンジンオイルは、車にとってとても大事な部品です。
人間でいえば血液のようなもので、ここさえ守っていれば、エンジンは想像以上に長持ちしてくれます。
エンジンは、そのオイルで走る前提で設計されています
自動車のエンジン設計は、純正オイルの使用を前提に作られています。
純正オイルは、長い開発期間と、膨大な実験データの上にできあがったものです。
本来は、かなり高品質なものなんですね。
全国のディーラーで使うから、価格を抑えられます
それだけのものが、なぜディーラーで普通の値段で入るのか。
全国のディーラーで使われるので、大量に作ることで価格を抑えられているからです。
もし小さなオイルメーカーが、スペーシアのエンジンだけに狙いを定めたオイルを開発したとしたら。
ディーラーの何倍も高いオイルになると思います。
純正オイル、侮るなかれです(侮ってはないと思いますが…)。
安いオイルが壊すわけではありません
念のため、はっきりさせておきます。
他のオイルを使ったからといって、簡単に壊れたりするものではありません。
じつは私、オイルは好きなほうでして、これまで色々なものを入れてきました
粘度などの決まりさえ守っていれば、安いオイルでも壊れたことはありませんでした
ただ、最近は燃焼したオイルが排気管の触媒に影響を与えることもあるため、使えるオイルの種類は前より限られてきています。
つまり、安いものを使うなら、使うなりのコツと工夫が要るということです。
そのあたりは、「車好きが自己責任で楽しむところ」だと思っています。
車のことはそんなに得意ではない、という場合であれば。
ちょっとの節約のために、わざわざリスクを取りに行く必要はないと考えています。
ちなみに軽自動車は、小さなエンジンで距離を走るぶん、オイルへの負担は大きめだと考えています。
スペーシアなら、なおさら適したオイルで、決まった時期に替えておきたいところですね。
オイル交換そのものの考え方は、こちらにまとめています。
ディーラーが「無難」な理由と、その弱点
ここまで読むと、ディーラーを持ち上げすぎに聞こえるかもしれません。
そうならないように、良いところと、そうでないところの両方を置いておきます。
仕組みが作る安心=誰に当たっても、ほぼ一定
ディーラーの安心は、「仕組み」が作っています。
メーカーのマニュアル、研修、設備、純正部品、そしてメーカー直の情報網。
これらが支えているので、担当が誰に変わっても、出てくるものが大きくはブレません。
当たり外れの幅が小さい、ということです。
だから価格を見るときも、「高いか安いか」ではなく「その差額で何を買っているのか」で見ると、納得しやすくなります。
その差額の中身は、こちらで分解しています。
それでも、弱点はあります
とはいえ、ディーラーが万能というわけでもありません。
私が思う弱点は、4つあります。
- 担当してくださる方によって、対応に「ばらつき」はあります
- 会社員としての立場があるので、動ける範囲に限りがあります
- 新人の整備士さんも、一定数いらっしゃいます
- 小回りは、街の整備工場さんほど効きません
ですから「無難」であって、「絶対にここ」ということではありません。
もしすでに、なんでも相談できる車屋さんに出会えているなら、そちらに任せるほうが良い結果になることもあります。
人が作る安心は、良い方に出会えたとき、仕組みを超えてきますからね。
そもそも車検をどこで受けるかから迷っている方は、こちらでお話ししています。
1か所にまとめると、履歴が資産になります
パックに入っておくと、もうひとつ良いことがあります。
整備の履歴が、1か所に残っていくことです。
これは地味ですが、長く乗るほど効いてきます。
- ムダな重複交換が防げます。替えたばかりの部品が、また見積もりに載ることがなくなります
- もし作業のミスがあっても、話が早いです。ここでしか触っていない、と言えるからです
- 長く通っていると、困ったときに優先して見てもらえることがあります
安さを求めてお店を渡り歩くと、この履歴が分断されてしまいます。
どのお店も、その車の全体を知らない状態になってしまうんですね。
もちろん、1回外に出したくらいで、すべてが分断されるわけではありません。
ただオイル交換は、その履歴のいちばん土台になる部分でもあるんです。
前回のパックと比べるなら、この3つを聞いてみてください
前回56,000円のパックに入られていたのなら、比べる材料はもう手元にあります。
担当者さんに聞いてみるとよいのは、この3つです。
- 今回はいくらか
- その中に、何が何回ぶん含まれているか(点検・オイル交換・そのほかの作業)
- 前回と、中身がどこか変わっているか
金額だけを並べても、比べたことにはなりません。
「同じ中身で、いくら違うのか」まで確かめて、はじめて判断ができます。
もうひとつ、5年目の車検なら見ておきたいものがあります。
変速機の油(スペーシアならCVTフルード)が、そのパックに入っているかどうかです。
ここは、長く乗るつもりなら大事にしたい油でして、交換の目安も車によって違います。
お店に聞くときの、たった1つの質問はこちらでお話ししています。
まとめ
2回目の車検で、メンテナンスパックに入るかどうか。
考える順番を、並べておきます。
- オイル交換だけ外で安く済ませる作戦は、「差額」より「2つのお店を回る時間」のほうが大きくなりやすい
- 外に出して得なのは、タイヤ・ガラス・板金。中身が確定していて、同じものを比べられるから
- オイルは「何が入ったのか確かめられない」が残るので、その条件から外れる
- 純正オイルは、エンジンの設計の前提。全国で使われるから、高品質でも値段が抑えられている
- 安いオイルが壊すわけではない。ただしコツと工夫が要るので、詳しくないならリスクを取りに行かなくていい
- ディーラーの安心は「仕組み」が作る。ただし弱点も4つある=「無難」であって「絶対」ではない
- 前回と比べるときは「同じ中身で、いくら違うか」まで聞く
車検は、2年に一度しか来ません。
だからこそ、そのたびに悩むより、任せられる場所をひとつ決めておくほうが、結局は楽になります。
車のことをあれこれ考えるのが好きな方なら、自分で組み立てていくのも楽しいと思います。
でも、そうでないのなら。
安心して長く乗れるところに任せてしまって、空いた時間を別のことに使う。
浮いたはずの差額より、そちらのほうがきっと大きいというのが、私の考えです。
最後に、少し長い記事になりますが、私なりのメンテナンスとの付き合い方について、記事を書いております
「安心してディーラーに任せようと思えるようになった」、「こういったときは他のお店を使えばよいのかと分かった、マネしてみます」など感想もいただいております
良かったらご覧になってみてください
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