こんにちは、ピゴスです!私は国産車の販売ディーラーで営業スタッフとして働いています。そこで「車を買おうかな?」と考え始めている方から、こんな話をよく聞きます…
「車って、買ってからも色々お金がかかるんですよね?」
おっしゃる通りです。購入してからが本番と言っても言い過ぎではないかもしれませんね(苦笑)
「そうだ、車を買うのやめよう!!」
おっと、そこのあなた、決断が速いのはすばらしいですが、ちょっと待ってくださいね!
早合点するのではなく、今回はテーマは普段の私の仕事の中では語りつくせないほど、丁寧に車を購入してから必要になってくるお金がどんなものかを伝えていきます!
これを読んでいただけると、自分が購入を検討している車の種類や使用環境によってどんなお金がかかるのかイメージを持つことができ、無理なく車の購入をするヒントになります。また、A車はこういうお金がかかるならB車にしようなんていう車選びにも役立つ内容となっておりますので、最後まで目を通していただけたら幸いです。
それでは車が好きな人もそうでない人も、素敵なカーライフにしていきましょう!!

車を買ってからどんなお金が必要??
車を購入し、納車するまでは色々とやることや考えることがありますが、納車された後はそんなにすることなんてありません。もちろん、車が大好きな人は「何かカスタムできないか?」、「汚れてきたから洗車をしよう」、中には買って早々「次の車を何にしようか?」なんて考えている人もいます。
でも大多数の人は、日々の通勤やレジャーで使い、それが当たり前になり、車が日常の足へと良い意味で溶け込んでいきます。
ただし、自分の生活に馴染んできた車も、維持するためのコストがかかっていることを忘れないでおきましょう。こういったコストを購入の前後で意識しておくと、
- 購入後に後悔しなくて済みます…自分の生活資金と照らし合わせて無理のない(負担に感じにくい)範囲で維持管理できます。
- 次に買う車を考えるときの目安になります…「今よりも維持費がかかるのか?かからないのか?」という視点を持つことができるようになります。
それでは、車の維持費を3つのパターンに分けて紹介していきます。
- 任意保険料
- 自動車税
- 定期点検整備費用(6ヶ月点検、12ヶ月点検)
- 車検費用(点検整備費用+自賠責保険料+重量税+印紙代)
- 燃料代(ガソリン代など)
- メンテナンス費用(消耗品交換)
- 洗車代
- 駐車場代
- 不慮の事故でかかる費用
ここから各項目について詳しく説明していきます…長くて読む時間がないぞという方は下記の予想比較をちょっと目を通すだけでもしていってください!
前提条件 22歳新卒の社会人がアパート一人暮らしで新車の軽自動車と普通車(1300㏄)を年10000㎞で10年間乗った時の維持費の予想比較
費用名 | 軽自動車 | 普通車 |
---|---|---|
任意保険料(10年間、途中で年齢条件変更) | 1,000,000円 | 1,100,000円 |
自動車税(10年間) | 108,000円 | 305,000円 |
点検整備費用(6ヶ月点検10回、12ヶ月点検5回) | 120,000円 | 160,000円 |
車検費用(車検整備代+諸費用4回) | 280,000円 | 400,000円 |
燃料代(レギュラーガソリン150円/L計算) | 850,000円 | 1,150,000円 |
メンテナンス費用(10年間で必要そうなもの) | 280,000円 | 370,000円 |
洗車代(月に2回洗車機で洗車、1回平均700円) | 168,000円 | 168,000円 |
駐車場代(毎月6000円) | 720,000円 | 720,000円 |
不慮の事故でかかる費用(Fバンパー交換を想定) | 60,000円 | 80,000円 |
10年間合計費用 | 3,586,000円 | 4,453,000円 |
年額費用 | 358,600円 | 445,300円 |
月額費用 | 29,883円 | 37108円 |
日額費用 | 982円 | 1220円 |
自分で計算してみて、10年間の維持費の合計金額に結構ビビっています(笑)でも一日1時間の時給ぐらいで「車を養っていけるん…なんとかなるかな?」とも思えたりもしました。
車は家族ッ!!維持することを養うとか言っちゃってます(笑)
そして、これはお若い方の10年間を想定していますので、途中で持ち家になり、駐車場代がかからなくなったり、保険料は30代の方ならもっとお安くなったりします。また、洗車はそんなにこまめにしないとか、走行距離が年5000㎞、なんて個人の要素でも大きく変わってきます。
また、この表から「どこの維持費を節約していくと効果的か?」ということが見えてきますね。このブログでは、そんなポイントを今後のテーマとしてお伝え続けていきたいと思います。
定期的にお金がかかるもの
任意保険料
こちらの費用は22歳の方が新規で保険に加入したとして10年間、軽自動車の場合1,000,000円ぐらいを想定しています。
こちらは自賠責保険ではカバーしきれない事故での補償を補うための保険です。任意とはなっておりますが、公道を走るドライバーの責任として必ず加入しましょう。

この保険料は年払いもしくは月払いが選べます。
上記のブログテーマのように保険料を決める要素は多く、値段を一言ではお伝えしにくいですが、初めて加入する場合は保険料が高めになってしまいます。
保険料は同じ内容でも年齢が若いほど高く、等級(保険の割引率を決める要素)が低いほど高くなります。充実した保険内容で加入した場合のおおよその例です。
- 18歳~20歳の場合→月々20,000~30,000円 年間24万~36万円
- 21歳~26歳の場合→月々11,000~15,000円 年間13.2万~18万円
- 26歳以上の場合→月々7,000~10,000円 年間8.4万~12万円
このように一例ではありますが、それなりの額になってきます。もちろん、保険料を節約するテクニックなどがありますので、このブログではそのあたりに力を入れていきたいと考えています。
また保険のことについての個別に質問も承っております。もちろん、私から保険に加入してくださいなんてことはないので、お問い合わせかTwitterのDMからお気軽にご相談ください。
自動車税
こちらの費用は10年間、軽自動車の場合108,000円を想定しています。
自動車税は自治体によりますが、毎年4月~5月に支払いの時期がやってきます。
軽自動車は一律10800円(2022年現在)です。軽自動車貨物(軽トラックなど)は5000円というのもありますが、とりあえずこちらは覚えておかなくてもいいでしょう。
それ以外の車はエンジンの排気量というもので、自動車税が決まってきます。
排気量は車のカタログに載っておりますので、欲しい車の排気量というものは把握しておきましょう。2022年現在の排気量別の自動車税がこちらです。
1000㏄以下 | 25000円 |
1000㏄超~1500㏄以下 | 30500円 |
1500㏄超~2000㏄以下 | 36000円 |
2000㏄超~2500㏄以下 | 43500円 |
2500㏄超~3000㏄以下 | 50000円 |
実はまだまだ排気量が大きくなれば、もっと税額が高くなったり、購入する車の年式によっても税額が変わったきたり、電気自動車やハイブリッドカーなどには軽減税率(年度によってありません)が適用されたりなど、意外と複雑です。
私もすべてを把握しているわけではないですが、購入候補の車の税額だけでも調べておくといった感じです。ざっくりいうと軽自動車は安くて、それ以外は大きくて古い車ほど高いものだと思ってください。
定期点検整備費用
こちらの費用は10年間しっかりと点検を受けて、軽自動車の場合は120,000円ぐらいを想定しています。こちらの費用には点検時の交換部品の費用は含まれておりません(後述するメンテナンス費用の方に含めております)。
車を購入したら多くの方が受けているものが定期点検整備です。車を安心、安全に走らせていくために、プロの整備士の方の目でチェックをしてもらいます。
義務・強制ではないのですが、12ヶ月点検は法令でも定められている点検になります。「車のことは自分ではよく分からないので、どこかにお任せしたい」という方は、ディーラーにて点検整備を受けると比較的安定した品質のサービスを受けることができます。
とはいえ、お客様から頼まれなくてもディーラーで購入すると、定期点検をおすすめされることが多く、大きく分けて2つあります。
- 6ヶ月(半年)点検整備(5000~15000円ぐらいと車種により違います)
- 12ヶ月(1年)点検整備(10000~25000円ぐらいと車種により違います)
どこの時点から6ヶ月や12ヶ月なのかというと、車の車検証に記載されている初年度登録の月や車検の月を目安にしております。もちろん、目安なので好きな時に受けて良いのですが、車検の時期も含めて半年に一回、車をプロに見てもらうことで「安心して車に乗っていきましょう!」という点検サイクルです。
点検の費用は車の種類や大きさなどによって変わり、外見は同じようなメーカーの看板をかかげているディーラーだとしても販売会社が違うと費用も変わってきます。
また、ディーラーで点検整備を受ける際には、点検やその都度必要な消耗部品などがセットになったメンテナンスパック(整備パック)が用意されています。一個ずつ点検を受けるよりもパックに加入して点検を受ける方が損しない価格設定になっている場合が多いので、ディーラーで購入し、メンテナンスもディーラーにお任せするという場合はこちらへの加入がおおすすめです。
購入したい車の候補ができてきたら、車の見積りと一緒にこのメンテナンスパックの値段も教えていただきましょう。購入後もずっと必要となってくる費用なので、この値段に把握しておくことは重要です!
車検費用
こちらの費用(車検費用と車検時諸費用の合計)は10年間に4回必要となり、軽自動車の場合は280,000円ぐらいを想定しています。車検時の交換部品は除いており、そちらは後述のメンテナンス費用の方に含まれています。
車を維持していく上で、避けることのできないイベントが車検です。車検を受けることで車検証の有効期限が伸びて、引き続き公道を走ってよいという許可をもらうようなイメージです。車検を受けることを忘れてしまって車検が切れた状態で公道を走っている人がごく稀にいますが、車が危険な状態になってしまっている可能性も上がってしまいますし、警察にも捕まりますので要注意です。
必要なのは分かっていても、それなりにまとまった費用がかかることからも、車検の日が近づいてくるのを喜んでいる人はあまり見たことがありません(苦笑)
車検はみなさんが乗るであろう乗用車においては、軽自動車も普通車も同じスパンでやってきます。
新車として登録された日(ナンバープレートが発行された日)から初回車検は3年後、それ以降は2年ごとにやってきます。
車検の際に必要な主な費用はこちらです。
- 車検整備費用…車検時に行う点検整備の費用です。これも上記の定期点検費用などと同じく、車が大きいほど高い傾向にあります。また、お店などによって金額設定が異なるだけでなく整備技術や設備の充実や作業時間の速さなど、クオリティーも様々です。レストランのように味やサービスや雰囲気で判断しにくいのは難点ですが、値段に見合う対応をしてくれそうか、安心感や分かりやすい説明があるか?など事前に見積りなどをしてスタッフの対応と値段を比べてみると自分に合った相場観が養われ、良いお店を発見できてくるかと思います。
- 諸費用…車検時には検査員という車検に通らない箇所がないかチェックをするスタッフの作業に、検査費用がかかります。また、車検証を発行してくれる軽自動車協会や陸運支局に、車検に通った車の書類を持っていて新しい車検証などを受け取ってきてもらうための代行費用が必要になったりします。この辺りも、お店によって値段は変わってきます。稀に頂いてないお店もありますが、基本的には必要なものだと思っておきましょう。
- 自賠責保険料…車検時に更新になる保険料金。公道を走るうえでの最低限の補償内容の保険に加入します。死亡事故などが減ってきて、年々価格は下がってきている傾向にあります。
- 重量税…車の重さによって必要となってくる税金(車検時は次の車検までの2年分払います)。2022年現在ですと、軽自動車は一律6600円です。普通車は500㎏重くなるほどに税金も重くなり、車両重量1000㎏未満のコンパクトカーですと16400円、1000㎏以上ですと26400円、1500㎏以上ですと32800円となります。また、この税金も13年を超えると1.5倍ぐらいに高くなったり、環境負荷の少ない車は減税や免税になることもあります。減税などは打ち切られることもあるので、基本の税金はかかるだろうというぐらいの認識でいた方が良いかと思います。
- 印紙代や証紙代…車検の手続き書類に貼る印紙や証紙の費用です。手続き方法によって少し必要となってくる印紙や証紙の値段などは変わりますが1200円~ぐらいです。
- 交換部品費用(↓詳しくはメンテナンス費用の項目を参考↓)…車検整備と併せて行う、消耗品の交換や車検に通らない箇所の修理費用などです。車種によっても必要なものは変わってきますし、お店によって同じものの交換でも部品代や工賃も違うため、値段は変わってきます。また、予防整備を含めてどのあたりまでしっかり細かく整備するかにもよっても、作業内容が変わってきます。もし時間に余裕があるなら、車検の見積りを事前に数社お願いできると、値段の相場観やどこの整備工場でもオススメされる交換部品があることに気付くなど、参考になると思います。→TwitterのDMなどで、個人情報を伏せて見積りの画像などを送っていただきますと、「ぼったくりではないか?」など一応…国家一級整備士の私なりの意見も伝えることができますので、お気軽にどうぞ。
こんな感じで、車検には色々な費用が重なってかかってきます。色々な交換部品も含めると、軽自動車では8万~12万円ぐらい、普通車では10万~20万ぐらいと幅が広いです。もちろん修理内容やお店によっては、これよりも安かったり高かったりすることがあります。
この曖昧な「車検は高い」、「乗り続けるためには色々な費用がかかっても仕方がない」というイメージに便乗して、そんなに必要じゃないものをちゃっかり交換部品に入れていたり、よく分からない諸費用が入っていたりすることもあるので注意が必要です。必要なことを必要なだけやってくれるような信頼できるお店は安いだけのお店よりもすごく価値のあるお店になります。一緒に知識を付けて少しでも、そういったお店を見分けられるようにしていきましょう!
不定期にお金がかかるもの
燃料代
こちらの費用は10年間100,000㎞走行し、レギュラーガソリンを給油した場合、軽自動車で850,000円ぐらいを想定しています。軽自動車の燃費は約リッターあたり18㎞走行、レギュラーガソリンはリッター150円で計算しています。
車を走らせるために必要な燃料の費用です。主な燃料としては
- ガソリン…現在乗用車では一番多く使われている最もポピュラーな燃料です。レギュラーとハイオクに分かれていて、車によってどちらかを指定されています。輸入車と国産車でも高性能な車にはハイオクが指定されていることが多く、レギュラーガソリンよりも1リッターあたり10~12円ほど高いです。
- 軽油(ディーゼル)…日本の乗用車では使われている車はなくなっていましたが、環境対応されたクリーンディーゼル車が輸入車や一部国産車で販売されるようになってきて、最近はこの燃料を給油する車のユーザーも増えてきました。ガソリンよりも1リッターあたり20~30円ぐらい安いのも魅力的です。
- 電気…燃料とは言わないかもしれませんが、車の蓄電池に電気を貯めて走る電気自動車やガソリンでも貯めた電気でも走れるプラグインハイブリッド車などがあります。一般的に同じ距離を走るのであれば、ガソリンよりも電気代の方が安いのですが、各家庭の電力契約や外出先などにある急速充電器などによっても値段が違うので、「どのようにして電気を蓄えながら車を使っていくか?」という所も重要となってきます。
このように、車によって必要な燃料は変わってきます。そして、当たり前ですが、通勤やレジャーなどの使用で走行距離が多いほど、必要な燃料代も高くなります。
そこで、燃料代だけで見たら軽油や電気は有利なのですが、ガソリンを使用する車は、それらの車と比べて車の値段がもともと安い傾向にあります。そこで、たくさん距離を乗らない人はトータルコストで見たら、ガソリン車が一番お得という場合も多いです。
こういった所からも、車の購入費用と維持費としての燃料代のバランスは車選びにおいて重要になります。個人的には、トータルコストも重要ですが、日々の燃費が良い方が購入してからの満足度が高いです。
「遠出してすごく燃費が良い!」「給油する回数が少ない!」なんて言うのは、「イイ車買ったなぁ」と日々体感できます。燃費は車の性能の中でも、数少ない数値化されて、分かるものだからこそです。
メンテナンス費用(消耗品交換費用)
こちらの費用は10年間の費用は軽自動車で280,000円ぐらいを想定しています。下記で紹介する重要部品の他に、車を快適に走らせるためのワイパーゴムの交換やエアコンフィルターの交換、鍵の電池交換なども含んでおります。
車を長く乗っていくと必ず交換しなくてはならないオイルや部品が出てきます。それを怠ってしまうと、安全に走れなくなってきてしまったり、重大な故障につながり路上で止まってしまったりしてしまいます。
車の修理費が発生したり、自分の時間を失ったりするだけならまだよいのですが、周囲の人をケガさせたり、足止めしてしまったりするのは、避けたい所ですよね。
今回は定期的に交換が必要になるもので、かつ怠ると重大な故障につながる恐れのあるものをピックアップして紹介していきましょう。
エンジンオイル
エンジンを潤滑している重要なオイルです。交換しないとエンジンが壊れて、車が動かなくなったり、多額の修理費がかかります。
最悪、これさえ定期的に交換していれば何とかなるなんて雑なメンテナンスがばれるほど、大事な定期交換オイルです。
実際には、かなり奥が深く、どんな車に乗っているかによって交換の頻度は大きく変わり、さらに車の使い方や乗る距離や使用期間などによっても交換のサイクルは変わってきます。軽自動車は交換サイクルは比較的に早く半年ごとや5000㎞以内がオススメされることも多いです。普通車は1年1万㎞ごとぐらいが目安の場合がありますが、輸入車などはそれ以上という場合もあります。
諸説ありますが、まずは説明書に記載されてるサイクルで行ったり、ディーラーの整備パックのおすすめタイミングにお任せして交換していきましょう。
費用は3000~15000円ほどで、車が大きく高性能になるほど金額も高くなる傾向です。
エンジンオイルエレメント(オイルフィルター)
潤滑しているエンジンオイルはそのままではどんどん汚れてしまうので、オイルのフィルターを通りながら不純物をろ過しています。これを交換しないとオイルの汚れが取り切れなくなり、潤滑不良でエンジンが壊れてしまう恐れがあります。
オイルエレメントはエンジンオイル交換2回に1回の交換を推奨されていたり、オイル交換サイクルが1万㎞以上の車ではオイル交換と同時交換がオススメされている場合などがあります。この部品もディーラーの整備パックに付帯されていることが多いので、加入している方はお任せでも大丈夫です。
ブレーキフルード
ブレーキペダルを踏んだ力を実際にタイヤを止めているブレーキまで伝達している特殊な液体です。これの交換を怠ると、ブレーキの効きが著しく低下する場面に遭遇したり、ブレーキ機構を錆びさせて、効きが悪くなったり、それを修理するための費用がかかったりします。
車検ごとの交換などがオススメされている場合が多いです。1度ぐらい交換してもしなくても、体感は少ないものですが、確実に車をむしばんでいきますので、しっかりと交換しましょう。
ブレーキパッド
ブレーキを踏んで、タイヤの回転を止めているのがブレーキパッドです。ブレーキをかければかけるほど減っていってしまします。交換しないと、ブレーキが効かなくなり大変危険です。
それを防ぐためにブレーキパッドが減ってくると、ブレーキを使うたびにキーキーと音が鳴る仕組みが付いています。交換タイミングはその音が鳴る前ぐらいになりまして、使用方法によっても変わりますし、車は重くて高性能なほど早くブレーキパッドが減る傾向があります。
重要な部品なので、12ヶ月点検や車検では必ず減り具合をチェックします。次の点検や車検まで持ちそうにない場合は整備士からおすすめされますので、素直に交換しましょう。
冷却水(LLC=ロングライフクーラント)
車のエンジンの内部の冷却通路を循環し、エンジン本体やエンジンオイルの温度を一定に保っています。交換を怠ると、冷却性能が下がり、オーバーヒートというものを発生することがあります。するとエンジンルームから急に蒸気が噴き出して車が止まってしまったり、熱くなりすぎたことによってエンジンの重大な故障につながってしまったりします。
交換の頻度は車種によって大きく変わり、車検ごとに推奨されている場合もあれば、7年や10万㎞以上などかなり高寿命なものもあります。メーカーの説明書などのおすすめ頻度は確認して必要ないのに車検ごと交換してしまわないようにしましょう。
ただし、実際には冷却水の漏れや冷やす機構の故障などで、オーバーヒートする場合も多いので、交換は不要でも冷却水周りの定期点検は必要です。
バッテリー
エンジンをかけるための電気を蓄えている蓄電池です。エンジンがかかった後は、エンジンについている発電機で、エンジンをかけるために使った電気を充電されています。また、発電機と協調制御されながら、ナビなどのオーディオ、ヘッドライト、メーター類などの電装部品に電気を供給しています。
長年使用していると、電気を貯められる量が少なくなり、いずれエンジンをかけるだけの力を発揮できなくなってしまいます。
時間に余裕があるときならよいですが、大事な一日の始まりなどに車のエンジンが急にかからないというのは、かなり焦ってしまうものです。そうならないためにも、定期的な交換が必要になります。
車の使用方法や車種によっても違いますが、予防として3~5年ぐらいを目安に交換されることが望ましいです。
タイヤ
エンジンで作ったエネルギーを路面に伝えて、車を動かすために必要な大事な部品です。しっかり曲がるのも、しっかり止まるのも特殊なゴムで出来ているタイヤが優秀に仕事をしてくれてこそ力を発揮します。
乗用車の新車にはサマータイヤ(夏タイヤ、ラジアルタイヤ)と呼ばれる燃費が良く、雨の日にも強いタイヤが付いてきます。それとは別に、降雪地域などでは冬に装着するスタッドレスタイヤ(冬タイヤ、スノータイヤ)と呼ばれる雪や氷の路面に適応できるタイヤを準備する必要があります。
どちらのタイヤも路面と設置している部分には特殊な溝が刻まれていて、これによって様々な天候でも安全に走れたり、燃費が良く走れたり、静かに走れたりします。
しかし、走れば走るほど、止まれば止まるほど、曲がれば曲がるほど、この溝は削れて減っていきます。一般的にはスタッドレスタイヤの方が路面と設置しているゴムの面が柔らかく減りやすい傾向にあります。
この溝の少なくなってきた時がタイヤの交換の目安になります。残り1.6㎜を切ると車検にも通らなくなりますが、この状態ではかなり性能の低下が見られますので、そうなる前に交換がオススメです。
タイヤや車の種類にもよりますが、夏タイヤは2万~4万㎞、冬タイヤは1.5万㎞~3万㎞に一回は交換が必要になってくるケースが多いです。また冬タイヤは特に使用年数による性能の劣化が早いので、あまり乗らなくも5年に一度は交換がオススメな場合もあります。
タイヤの交換は4本で数万円~10万円を超える場合もあり高額であるので、気軽に交換できるものではなく、溝だけが交換の目安ではないので、コストに見合った適切な交換時期を見極めることはプロの整備士でも意見が分かれたり、かなり難しくなります。
それぞれの人によって違う、車、使い方、年間の走行距離、お住いの地域、それとタイヤの現状などで、総合的に判断します。私の見解でよろしければいつでも喜んでお伝えしたいところですが、タイヤの現状は写真だけなどでは判断しづらいので、やはり難しいものがあります。
スパークプラグ
エンジン内に噴射されたガソリンに爆発のきっかけを作る火花が、このスパークプラグの先端でつくられます。(軽油で走るクリーンディーゼル車にはこの機構、部品はありませんので、交換の必要もありません。)
この部品の交換を怠ると、ガソリンがきれいに燃えてくれないため、エンジンのかかりが悪くなったり、加速不良が起きます。また、燃えないガソリンがそのまま排気管から排出されますので、排気ガスを浄化している触媒というものを劣化させたり、環境負荷の高い蒸発したガソリンを大気に開放してしまうことになります。
触媒が劣化してしまった場合、排気ガスがきれいにできないことをセンサーが検知して、警告灯が付き、マフラー(排気ガスを出す排気管、触媒もついています)の交換を促される場合があります。
近年スパークプラグの先端の素材は改良が進み、長寿命化された車が多くなってきました。
従来は2万㎞に一回と言われていた時代もありましたが、最近では5万㎞~10万㎞に一回という車も増えてきました。かなり幅があるのは、小さいエンジンの軽自動車などは比較的に交換サイクルが短く、大きいエンジンの方が交換サイクルが長い傾向にあるからです。
またハイブリッドカーは電気の力で走っている時間があり、その間スパークプラグは動いていないので、寿命はさらに長くなります。
取扱説明書にその車ごとの交換の目安の距離が書いてありますが、使用環境の中で渋滞がすごく多い方などは距離が短くても寿命が早めにやってくることもありますので、プロの整備士の経験からの判断を参考にしていただくことも重要です。
オートマトランスミッションオイル(ATF、CVTF)
AT=オートマチックトランスミッション…通称オートマと呼んでいる、エンジンでつくった力を効率よくタイヤに伝えるための変速機という機構が付いております。
一般的なイメージでは自分でクラッチとシフトレバーを動かして運転するMT=マニュアルトランスミッション(通称マニュアル)対して、勝手にそのクラッチやシフトレバーの操作を自動(オート)でやってくれる車のことをオートマと呼んでいます。
厳密にはオートで運転してくれるための機構として、AT(オートマチックトランスミッション)、CVT(コンティニュアスリーバリアブルトランスミッション)DCT(デュアルクラッチトランスミッション)などがありますが、覚えなくても結構です(笑)
覚えておくべきは「こういった機構のオイル交換も必要ですよ」ということを頭の片隅に入れておいてください。ATのオイルがATF、CVTのオイルがCVTFで、Fはフルードです。フルードとはいってもオイルです。どちらの名称で伝えても、整備士には伝わります。
これらのオイルが劣化してくると、燃費が悪くなったり、運転がギクシャクしてきたりします。それでも交換せずにいるといずれ、機械を壊してしまい、走行不能に陥る危険性があります。
交換のサイクルは取扱説明書に記載されていますが、エンジンオイルとは違ってかなり長寿命です。一般的にはCVTFの方がシビアな傾向があるかと思います。交換サイクルの早い車や予防の観点からは2万㎞~3㎞ぐらいの場合もありますが、一般的には5万㎞前後や10万㎞前後を推奨している車が多いです。中にはメンテナンスフリーとしている車もあります。
補器ベルト
補器ベルトは1~3本ついており、エンジンで作ったエネルギーの一部を利用して、車の電装部品とバッテリーに電力を供給している発電機を動かしたり、エアコンの機構を動かしたり、最近は電動化されてきましたがパワーステアリング(ハンドル操作をアシストする装置)の機構を動かしたり、エンジンの冷却水を循環する機構を動かしたり、しています。
劣化したり、ベルトの張りが緩んだりすると、雨の日や走り始め、アイドリング時など、キュルキュルと特徴的な音がします。これは回転しているベルトが滑っていることによる音であり、滑るとベルトは削れるのでより劣化が早まってしまいます。
「もしこの音かも?」と思ったら、ベルトの張りや劣化具合を相談してみましょう。
そのまま放置していると最悪の場合は切れてしまいます。エアコンが効かないぐらいならまだ良いのですが、発電不良や冷却水の循環不良は走行不能の原因にもなりますので、注意が必要です。
交換の目安は以前、数万キロ数年だった時代もありましたが、近年の車はこの目安が年々長くなってきており10年10万㎞以上という車がほとんどです。ベルトの数も1本だけの車も増え、張り具合は自動調整で、ほぼメンテナンスフリーという場合もあります。
洗車代
こちらの費用は個人の価値観によって大きく変わりますが、洗車機を使って月に2回洗車をした場合に、10年間で168,000円かかると想定しています。
洗車機はガソリンスタンドや専門のコイン洗車場などにあり、ただの水洗いなどですと一回300円ぐらいの相場かと思います。しかし、汚れがひどい場合のオプションやボディの水弾き(撥水)を求める場合のオプション、下回り洗浄のオプションなどもありますので、平均1回い800円として想定しています。
このぐらい洗車をする人というのは、どちらかというと少数派かと思いますので、なかなか意識が高く小奇麗に車を維持されているイメージです。
ディーラーで働いている私のイメージですと、半年に一回の点検の時に行われる洗車のみという人も多いです。
また逆に、洗車屋さんに手洗いを毎回しっかりと頼んでいる方、自分の家の庭でこまめに洗っている方などもいらっしゃいます。
この洗車に関しては自己満足の部分もありますので、「洗車をしないとまずい!」ということはないのですが、実は良い面もあります。
- 洗車後に拭き上げをするので、ボディの傷による錆びを早く発見することができたり、エンジンルームやタイヤなどの異変に気付いたりすることがあります。
- 下回り洗浄をすることで、錆びの原因になる融雪剤を落とすことができ、錆びによる排気管の修理や下回りの修理のリスクを軽減できる
- 半分迷信かもしれませんが、事故のリスクが減ります。車を綺麗に大切にしていると、自然と運転にも気を使ったり、車を汚したくないので悪天候の日のお出かけを控えたり、ちょっと意識のバイアスがかかることで、確率が減ると考えられます。とはいえ、どうしようもない時はどうしようもないですが…大事にしていることが車にも伝わってくれたら嬉しいです♪
ちなみに私は洗車大好きです!汚れた状態から洗車して綺麗に見違える状態になる感覚がたまりません。私にとって車は宝物ですので、綺麗に輝いてるだけで幸せなんですね☆あと、日常運動しない私にとっては、ちょうどいい有酸素運動です(笑)
個人的には、自分達の命を乗せて走っている車ですので、たまには洗って、大切に乗っていただけたら良いのかなと思います。
そして、大切に乗っている車は、買取などをする私たちにとってもすぐにそのことが伝わってきます。きれいなだけで次の販売のしやすさにもつながりますので、リセールアップも期待できることもメリットでしたね♪
お金がかかる場合があるもの
駐車場代
アパートなどの駐車場や近隣の月極駐車場を借りている場合などに発生します。私の住む近隣の地域では6000円ぐらいの相場なので、それで10年間利用したとすると、720,000円です。
この費用は自宅に駐車場がある場合などは必要なくなりますし、住む地域によってはかなり相場も違うかと思います。
この費用があまりにも自分にとって高すぎる場合には、本当に車の購入すべきか再検討が必要です。高い地域は交通の便が良かったり、カーシェアリングなどが充実していたりする場合も多いので、そちらを上手く利用するというのもありでしょう。
しかし、車の良さは思い立った時にすぐに乗れることがメリットですので、駐車場が安くなるからと言って徒歩5分以上かけて歩いていく駐車場を借りるというのもあまりオススメはしていません。
買い物をすれば、重い荷物を持って歩かなければいけないですし、雨や雪が降ると手間がされに増えてしまいます。せっかく買った車に乗ることが面倒になってしまってはもったいないですよね。
どうしても家の近くが空いていない場合は仕方がありませんが、近くが空いた時に管理会社などに相談できるように目星は付けておきましょう。そして、考えようによっては運動にもなりますし、駐車場代安く済むかもしれませんし、気楽にいきましょう(笑)さっきと言っていることが違いますが、メリットとデメリットは表裏一体かと思います。
不慮の事故でかかる費用
10年間、車を乗っていたら多かれ少なかれ、大なり小なり、不慮の事故があります。だいたいはうっかり自分でぶつけてしまうかドアパンチ(隣の車にドアをぶつけられる)、飛び石、釘を踏んでパンクが多いです。一例ですが、軽自動車のフロントバンパー交換、ドアパンチ修理などですと、60,000円が想定できます。
しかし、こういった突然の出来事での出費の予想をするのは不可能です。運転の得意不得意もありますし、運の要素もあります。
そこで、出費の波風を抑えるためには自動車保険の任意保険にて、車両保険に入りましょうということになります。車両保険は簡単に言うと「自分が原因で車をぶつけてしまっても、自分の車の修理費を保険でまかなえる」というものです。
単純にこの保険に入ることだけがすべて大正解とは言えないのですが、事故において自分の車の修理費用が補償されるというのは心強いものがあります。
ただし、自動車保険を使ってしまうと、次回保険を更新するときに保険料が上がってしまいます。それでも、保険料アップは10万円前後の場合が多いです。何十万~何百万円の損害額を被ることから比べると、十分にリスクの軽減にはつながります。
まとめ
今回は原稿用紙35枚分にあたる超大作になってしまいました。じっくりと読んでいただいた方も、興味がある所を上手に目を通していただいた方も、お疲れ様です!本当にありがとうございます!!
それではおさらいになります。車にかかる費用は次の3パターンになります。
- 任意保険料
- 自動車税
- 定期点検整備費用(6ヶ月点検、12ヶ月点検)
- 車検費用(点検整備費用+自賠責保険料+重量税+印紙代)
こちらは車を買う前からだいたいの予想が付く費用ですね。最低限、ここの部分は車を買う前に頭に入れておきましょう。
- 燃料代(ガソリン代など)
- メンテナンス費用(消耗品交換)
- 洗車代
こちらは車を買って実際に維持をしてみないとなかなか分かりにくい部分です。修理の費用などは車によっても特徴があるので、詳しくないとなかなかイメージはしづらいと思います。せめて購入しようとしている車のディーラーのメンテナンスパックの費用や車検の費用などを聞いておきましょう。
多かれ少なかれこういった費用はかかるので、第一候補と第二候補の車を比べたり、欲しい車と今乗っている車(家族の使っている車)などと比べたりして、自分が許容できる維持費の範囲か確認しましょう。例えば、言い方は悪いですが、「自分より安月給の兄が車を維持できている…それなら兄よりマシな月給の自分も維持できるかな?」などという考え方も目安にもなります。
- 駐車場代
- 不慮の事故でかかる費用
駐車場代が必要な場合はお金の面だけでなく、立地も大事です。私は同じアパートの敷地内ですが、徒歩50秒ぐらいのちょっと遠い駐車位置から、玄関目の前の徒歩10秒の駐車位置に変わりました。たったこれだけの差ですが、すごく快適になりました。買ってきた重い灯油を運ぶとき、車についたら車の鍵を忘れたと家に戻るときなど、気楽でしたね(笑)
不慮の事故は当然一回ぐらいはあるものだと思って、ちゃんと貯金で賄えるようにしたり、自動車保険を充実させて補償を受けられたりできるようにしましょう。逆に、それができないぐらい切羽つまっているのであれば、今買おうとしている車はまだ時期尚早ということになります。たくさん良い車はありますので、焦らず他の候補も含めて、考えてみましょう。車種選択についても、ピゴスは喜んで相談に乗ります♪
色々と一気に伝えてしまったので、逆に不安になってしまった方もいるかもしれませんが、10年間で手取り300万円なら3000万円稼げます。「ずっと持ち続けて払い続けなさい」というものでもないので、いつでも手放せるという気楽さも大事です。何とでもなります。きっとこのブログを読んでくれる勉強熱心なあなたなら、稼ぎは車を維持しながらもっと増えることでしょうし、節約するテクニックも学んでいけると思います。鬼に金棒、虎に翼です☆
このブログの一番冒頭で「やっぱり、車を買うのやめよう。」と悩んでいたみなさん。
最後に声を出して言っていただきたい言葉があります。
「そうだ、車を買おう!!」
声に出すだけで楽しくなってきましたね!納車後のできること考えるとワクワクしますね!

私もこの言葉を書いてたらまた車欲しくなっちゃいました(笑)
それでは損しないカーライフをお過ごしください。 ピゴス
最新記事のアップをお伝えしておりますので、ぜひTwitterのフォローよろしくお願いいたします。フォロワーの方はDMにて相談も承れます。
こちらのブログのコメント欄、お問い合わせフォームからのご質問、メッセージなどもお気軽にいただけたら嬉しく思います!
はじめまして!
とても参考になりました😊
これからも有益な記事を楽しみにしてます!
コメントありがとうございます!!
とても励みになります。
有益な記事が掛けるように心がけて参ります。