著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

しっかり車検を受けたばかりなのに、走り出すと「ミシミシ」と異音がする——。

🤔「もしかして、整備が雑だったのかな…?」

🤔「ガソリンスタンドの車検、大丈夫だったのかな…また点検してもらうべき?」

そんな不安を感じている方に向けて、今回は車検後に異音が出る原因と、その時の一番賢い動き方を、元1級整備士の目線でお伝えします。

✅ 結論からお伝えします

車検のあとに出てくる異音の多くは、「整備が雑だった」からではなく、むしろ「しっかり整備したからこそ」起きる副作用のケースが多いです。

これは1級自動車整備士としての現場感覚です(もちろん、まれにミスのこともありますが…)。

まずは車検を受けた工場に、感謝を添えて相談するのが第一歩。

点検の副作用なら、無償で直してもらえることも少なくありません。

ピゴスの結論インフォグラフィック:【車検後に異音が出る原因TOP3】実はある「整備の副作用」の見極め方

きっかけは、読者の方からのご相談

まずは、今回いただいたご相談です(内容は編集して掲載しています)。

🔶 症状:
車を走り出すと「ミシミシ」と、何かがひっかかるような音がする。

10秒くらい走ると止まる。

信号などで止まってまた走り出すと、同じように10秒くらい鳴る

🔶 車検:
2ヶ月くらい前にガソリンスタンドで済ませたばかり

🔶 不安:
ガソリンスタンドの車検で大丈夫だったのかな…と不安。

また点検してもらうのがいい?

🔶 ご質問:
こういう不備が出たとき、どうすればいい?

ご質問ありがとうございます。

しっかり車検を受けたのに異音が出ると、不安になりますよね。

でも落ち着いて大丈夫。

原因を一緒に見ていきましょう。

🔧 車検後に異音が出る原因TOP3(現場あるある)

車検直後に異音が出るケースで、現場で最もよく見るのは、次の3つです。

① ブレーキの引きずり・鳴き(清掃・グリスアップの副作用)

車検では、ブレーキを分解清掃してグリスアップします。

このとき、シム(金属板)の建付けが数ミリずれたり、パッドの角がローターの「段付き」に干渉し始めたりすると、走行中に「キー」「シャー」という音が出ることがあります。

特に、車検まで鳴きがなかった車が車検直後に鳴き始めた場合は、この可能性が高いです。

② 足回りブッシュの「馴染み」によるキシミ

車検時の下回り洗浄や防錆塗装のときに、乾いたゴムブッシュに溶剤が付いたり、ジャッキアップで足回りが大きく伸び切ったりします。

すると、ブッシュの硬化が表面化して、接地後の走行時に「ミシミシ」という音として現れることが多いんです。

③ 内装・アンダーカバー類のクリップ留め忘れ

最近の車は、静粛性や空力のためにアンダーカバーが大きくなっています。

点検で外したカバーのクリップが1箇所浮いているだけでも、走行風や振動で「カタカタ」と鳴ります。

これは整備工場に戻って留め直してもらうだけで解決し、費用もかからないケースが多いので、まずは気軽に相談してみてください。

💰 「ミシミシ」「キシミ」系の原因部位と修理費用

この手の音の多くは、「ゴムと金属の摩擦」から生まれます。

代表的な原因部位と、費用の目安を整理します。

① スタビライザーブッシュ(最有力候補)

  • 部位:車体のロール(傾き)を抑える棒を支えるゴム
  • 症状:ゴムが硬化して棒との間に隙間ができ、段差で「ミシミシ」と鳴る
  • 費用:部品代 1,000〜3,000円 + 工賃 5,000〜10,000円ほど
  • 一般的な乗用車で多く、重心の高いミニバンは特に出やすい

② ロアアームブッシュ

  • 部位:タイヤを支える根本の大きなゴム
  • 症状:ここが切れると「ギシギシ」という大きな音になる
  • 費用:ブッシュのみ交換なら2〜3万円/アーム丸ごと交換なら片側4〜8万円ほど

③ ドアチェッカー・ウェザーストリップ

  • 部位:ドアの縁のゴム、またはドアの開閉を保持する金具
  • 症状:走行中にボディがわずかにねじれる際、ゴムが擦れて鳴る。意外とこれが多い
  • 費用:数千円ほど(シリコンスプレーを塗るだけなら0円〜のことも)

🔍 整備工場に伝えるときの3つのポイント

整備工場に「ミシミシ音がする」とだけ伝えても、原因特定に時間がかかってしまいます。

次の3点をメモしておくと、診断が圧倒的に早く、正確になりますよ。

① 音の再現性(いつ、どんな時に鳴るか)

  • 走り出した瞬間だけ/段差を越える時/ハンドルを切った時/ブレーキを踏んだ時…
  • 再現性が高いほど、整備士は試運転ですぐ確認できるので、原因特定が早くなる

② 音の場所(車のどの方向から聞こえるか)

  • 運転席側/助手席側/前方/後方/足下/天井付近
  • どちら側・どの高さで鳴っているかで、絞り込める部位が大きく変わる

③ 車検前との比較(いつから鳴り出したか)

  • 車検前から鳴っていた/車検直後から鳴り始めた/数日経ってから鳴り出した
  • 「車検直後」なら、上記TOP3の副作用の可能性が大きく、場合によっては無償で直してもらえることもある

🤔 「様子見でOK」と「すぐプロへ」の境界

異音には、「今すぐ診てもらうべき音」「しばらく様子見でOKな音」があります。

境界線を整理しておきますね。

🚨 すぐにプロへ(放置は厳禁)

  • ブレーキ時に必ず「ギーッ」「ゴーッ」:パッドが限界を超え、金属が露出している可能性
  • ハンドルを切った時の「ゴリゴリ」「カクカク」:ドライブシャフトやタイロッドの損傷の可能性
  • 走行中の「ガラガラ」「ドスドス」:足回り部品が脱落寸前の可能性

🟡 まずは車検をお願いした整備工場へ相談(様子見OK)

  • 段差を越える時の「ミシミシ」「キシキシ」
  • 低速走行時の「カタカタ」
  • ドア開閉時の「ギシッ」

これらは、まず車検を受けた整備工場に相談するのが一番です。

点検や車検の副作用で起きている場合、無償で直してもらえることもあります。

泣き寝入りしたり、ずっと気にしながら乗ったりせず、まずは相談してみてください。

今回のように「走り出しに鳴る」場合は、タイヤ関連やブレーキ関連が関係している可能性もありますね。

この方へのお答え:まず車検した工場へ、感謝を添えて

今回のケースでは、まずは車検をしてもらったガソリンスタンドに、見てもらいに行くのが良いと思います。

車検を出しているお店ですから、悪いようにはされないはずです。

ここで一つ、伝え方のコツがあります。

「車検に出したあとから鳴り始めた」とストレートに言うと、相手には”疑っている”ように聞こえてしまうことがあるんです。

車検との因果関係は、まだ分からないわけですからね。

相手も一生懸命やった結果だったり、たまたま車検後に出ただけ、ということもあります。

まずは車検への感謝を伝えて、「またお力を借りてもいいですか?」と謙虚に相談する。

そのほうが相手のやる気を引き出せて、いい結果につながりやすいですよ。

もし、それでも原因が分からなかったり、対応に誠意を感じられなかった場合は、次にディーラーへ持ち込む——この順番がおすすめです。

ピゴス
ピゴス

整備士も人間なので、頭ごなしに責められるより、感謝を添えて頼まれる方が力になりたくなるものです

「味方につける」くらいの気持ちで相談すると、驚くほどスムーズに進むこともありますよ

整備士とユーザーが気持ちよく付き合うコツは、こちらでもお話ししています。

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📊 費用・依頼先の目安

参考までに、点検・車検の依頼先ごとの特徴と、車検費用の目安をまとめておきます。

依頼先費用目安特徴
ディーラー7万〜15万円安心感◎ 代車あり
カー用品店5万〜10万円手軽 部品豊富
車検専門店4万〜8万円格安 最短60分
  • 車検費用の目安は、軽自動車で約5万〜8万円、普通車で約7万〜15万円。
  • 法定費用(自賠責・重量税・印紙代)だけでも、軽自動車で約2.7万円、普通車で約4.5万〜7万円かかります。
  • 車検は新車購入から3年後、それ以降は2年ごとに受ける義務があります。

※上記はあくまで一般的な目安です。車種・年式・地域・依頼先によって金額は変わりますので、必ず見積もりを取って確認しましょう。

まとめ:車検後の異音は、まず「相談」から

最後に、今日のポイントを整理します。

  • 車検後の異音は、「整備したからこその副作用」であることが多い。
  • 「音の再現性・場所・いつから鳴るか」をメモしておくと、診断がぐっと早くなる。
  • ミシミシ・カタカタ系はまず相談でOK。ブレーキやハンドルの重い異音はすぐプロへ。
  • まずは車検した工場へ、感謝を添えて相談。副作用なら無償で直ることも。
ピゴス
ピゴス

異音は不安ですが、多くはちゃんと原因があって、直せるものです

一人で抱え込まず、信頼できる工場に、気持ちよく相談してみてくださいね

「相談できるかかりつけの工場」を持つ大切さは、私の実践メンテとしてこちらにまとめています。

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ピゴス
ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、コメント欄や「X」などでいつでもメッセージを承っております。お気軽にどうぞ!