【車検後に異音が出る原因TOP3】実はある「整備の副作用」の見極め方

しっかり車検を受けたばかりなのに、走り出すと「ミシミシ」と異音がする——。
🤔「もしかして、整備が雑だったのかな…?」
🤔「ガソリンスタンドの車検、大丈夫だったのかな…また点検してもらうべき?」
そんな不安を感じている方に向けて、今回は車検後に異音が出る原因と、その時の一番賢い動き方を、元1級整備士の目線でお伝えします。
車検のあとに出てくる異音の多くは、「整備が雑だった」からではなく、むしろ「しっかり整備したからこそ」起きる副作用のケースが多いです。
これは1級自動車整備士としての現場感覚です(もちろん、まれにミスのこともありますが…)。
まずは車検を受けた工場に、感謝を添えて相談するのが第一歩。
点検の副作用なら、無償で直してもらえることも少なくありません。

きっかけは、読者の方からのご相談
まずは、今回いただいたご相談です(内容は編集して掲載しています)。
🔶 症状:
車を走り出すと「ミシミシ」と、何かがひっかかるような音がする。
10秒くらい走ると止まる。
信号などで止まってまた走り出すと、同じように10秒くらい鳴る
🔶 車検:
2ヶ月くらい前にガソリンスタンドで済ませたばかり
🔶 不安:
ガソリンスタンドの車検で大丈夫だったのかな…と不安。
また点検してもらうのがいい?
🔶 ご質問:
こういう不備が出たとき、どうすればいい?
ご質問ありがとうございます。
しっかり車検を受けたのに異音が出ると、不安になりますよね。
でも落ち着いて大丈夫。
原因を一緒に見ていきましょう。
🔧 車検後に異音が出る原因TOP3(現場あるある)
車検直後に異音が出るケースで、現場で最もよく見るのは、次の3つです。
① ブレーキの引きずり・鳴き(清掃・グリスアップの副作用)
車検では、ブレーキを分解清掃してグリスアップします。
このとき、シム(金属板)の建付けが数ミリずれたり、パッドの角がローターの「段付き」に干渉し始めたりすると、走行中に「キー」や「シャー」という音が出ることがあります。
特に、車検まで鳴きがなかった車が車検直後に鳴き始めた場合は、この可能性が高いです。
② 足回りブッシュの「馴染み」によるキシミ
車検時の下回り洗浄や防錆塗装のときに、乾いたゴムブッシュに溶剤が付いたり、ジャッキアップで足回りが大きく伸び切ったりします。
すると、ブッシュの硬化が表面化して、接地後の走行時に「ミシミシ」という音として現れることが多いんです。
③ 内装・アンダーカバー類のクリップ留め忘れ
最近の車は、静粛性や空力のためにアンダーカバーが大きくなっています。
点検で外したカバーのクリップが1箇所浮いているだけでも、走行風や振動で「カタカタ」と鳴ります。
これは整備工場に戻って留め直してもらうだけで解決し、費用もかからないケースが多いので、まずは気軽に相談してみてください。
💰 「ミシミシ」「キシミ」系の原因部位と修理費用
この手の音の多くは、「ゴムと金属の摩擦」から生まれます。
代表的な原因部位と、費用の目安を整理します。
① スタビライザーブッシュ(最有力候補)
- 部位:車体のロール(傾き)を抑える棒を支えるゴム
- 症状:ゴムが硬化して棒との間に隙間ができ、段差で「ミシミシ」と鳴る
- 費用:部品代 1,000〜3,000円 + 工賃 5,000〜10,000円ほど
- 一般的な乗用車で多く、重心の高いミニバンは特に出やすい
② ロアアームブッシュ
- 部位:タイヤを支える根本の大きなゴム
- 症状:ここが切れると「ギシギシ」という大きな音になる
- 費用:ブッシュのみ交換なら2〜3万円/アーム丸ごと交換なら片側4〜8万円ほど
③ ドアチェッカー・ウェザーストリップ
- 部位:ドアの縁のゴム、またはドアの開閉を保持する金具
- 症状:走行中にボディがわずかにねじれる際、ゴムが擦れて鳴る。意外とこれが多い
- 費用:数千円ほど(シリコンスプレーを塗るだけなら0円〜のことも)
🔍 整備工場に伝えるときの3つのポイント
整備工場に「ミシミシ音がする」とだけ伝えても、原因特定に時間がかかってしまいます。
次の3点をメモしておくと、診断が圧倒的に早く、正確になりますよ。
① 音の再現性(いつ、どんな時に鳴るか)
- 走り出した瞬間だけ/段差を越える時/ハンドルを切った時/ブレーキを踏んだ時…
- 再現性が高いほど、整備士は試運転ですぐ確認できるので、原因特定が早くなる
② 音の場所(車のどの方向から聞こえるか)
- 運転席側/助手席側/前方/後方/足下/天井付近
- どちら側・どの高さで鳴っているかで、絞り込める部位が大きく変わる
③ 車検前との比較(いつから鳴り出したか)
- 車検前から鳴っていた/車検直後から鳴り始めた/数日経ってから鳴り出した
- 「車検直後」なら、上記TOP3の副作用の可能性が大きく、場合によっては無償で直してもらえることもある
🤔 「様子見でOK」と「すぐプロへ」の境界
異音には、「今すぐ診てもらうべき音」と「しばらく様子見でOKな音」があります。
境界線を整理しておきますね。
🚨 すぐにプロへ(放置は厳禁)
- ブレーキ時に必ず「ギーッ」「ゴーッ」:パッドが限界を超え、金属が露出している可能性
- ハンドルを切った時の「ゴリゴリ」「カクカク」:ドライブシャフトやタイロッドの損傷の可能性
- 走行中の「ガラガラ」「ドスドス」:足回り部品が脱落寸前の可能性
🟡 まずは車検をお願いした整備工場へ相談(様子見OK)
- 段差を越える時の「ミシミシ」「キシキシ」
- 低速走行時の「カタカタ」
- ドア開閉時の「ギシッ」
これらは、まず車検を受けた整備工場に相談するのが一番です。
点検や車検の副作用で起きている場合、無償で直してもらえることもあります。
泣き寝入りしたり、ずっと気にしながら乗ったりせず、まずは相談してみてください。
今回のように「走り出しに鳴る」場合は、タイヤ関連やブレーキ関連が関係している可能性もありますね。
この方へのお答え:まず車検した工場へ、感謝を添えて
今回のケースでは、まずは車検をしてもらったガソリンスタンドに、見てもらいに行くのが良いと思います。
車検を出しているお店ですから、悪いようにはされないはずです。
ここで一つ、伝え方のコツがあります。
「車検に出したあとから鳴り始めた」とストレートに言うと、相手には”疑っている”ように聞こえてしまうことがあるんです。
車検との因果関係は、まだ分からないわけですからね。
相手も一生懸命やった結果だったり、たまたま車検後に出ただけ、ということもあります。
まずは車検への感謝を伝えて、「またお力を借りてもいいですか?」と謙虚に相談する。
そのほうが相手のやる気を引き出せて、いい結果につながりやすいですよ。
もし、それでも原因が分からなかったり、対応に誠意を感じられなかった場合は、次にディーラーへ持ち込む——この順番がおすすめです。
整備士も人間なので、頭ごなしに責められるより、感謝を添えて頼まれる方が力になりたくなるものです
「味方につける」くらいの気持ちで相談すると、驚くほどスムーズに進むこともありますよ
整備士とユーザーが気持ちよく付き合うコツは、こちらでもお話ししています。
📊 費用・依頼先の目安
参考までに、点検・車検の依頼先ごとの特徴と、車検費用の目安をまとめておきます。
| 依頼先 | 費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ディーラー | 7万〜15万円 | 安心感◎ 代車あり |
| カー用品店 | 5万〜10万円 | 手軽 部品豊富 |
| 車検専門店 | 4万〜8万円 | 格安 最短60分 |
- 車検費用の目安は、軽自動車で約5万〜8万円、普通車で約7万〜15万円。
- 法定費用(自賠責・重量税・印紙代)だけでも、軽自動車で約2.7万円、普通車で約4.5万〜7万円かかります。
- 車検は新車購入から3年後、それ以降は2年ごとに受ける義務があります。
※上記はあくまで一般的な目安です。車種・年式・地域・依頼先によって金額は変わりますので、必ず見積もりを取って確認しましょう。
まとめ:車検後の異音は、まず「相談」から
最後に、今日のポイントを整理します。
- 車検後の異音は、「整備したからこその副作用」であることが多い。
- 「音の再現性・場所・いつから鳴るか」をメモしておくと、診断がぐっと早くなる。
- ミシミシ・カタカタ系はまず相談でOK。ブレーキやハンドルの重い異音はすぐプロへ。
- まずは車検した工場へ、感謝を添えて相談。副作用なら無償で直ることも。
異音は不安ですが、多くはちゃんと原因があって、直せるものです
一人で抱え込まず、信頼できる工場に、気持ちよく相談してみてくださいね
「相談できるかかりつけの工場」を持つ大切さは、私の実践メンテとしてこちらにまとめています。
車のこと全体をゼロから整理したい方は、車の教科書ページもどうぞ。
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