【安さだけが正義⁉】整備士もユーザーも愛車も幸せになる『三方よし』のメンテナンス哲学

🤔「車検、5万円も安いって、本当…」
😟「整備費、ちょっと高くない?少しでも値切れる?」
🥲「あの車屋さん、なんか感じ悪かった…」
そんな風に、車屋さんとの距離を感じていませんか?
結論からお伝えします。
車屋さんは、あなたの敵じゃありません。むしろ、損しないカーライフの一番の味方です。
ただ、業界には「安さが正義」という空気が長年あって、ユーザーも整備士もお互い不幸になりやすい構造があるんです。
でも…
👩🏻「車のメンテナンスって、できるだけ安い所に出せたら嬉しいな?」
…何となく、そう思ってしまいたくなる気持ち分かります
しかし、そんな方にこそ、この記事を読んでいただきたいです。
実は、「安さだけでメンテナンス先を選ぶ」ことには、あまり知られていないリスクがあるんです。
そして逆に、適正な費用をしっかり払って丁寧にメンテナンスすることが、結果的に一番おトクで、一番幸せなカーライフにつながるということを、この記事でお伝えしたいと思っています。
私もみなさんから質問をいただく中で、
👦🏻「車検、一番安い所に出したほうがいいですよね?」
👩🏻「ディーラーは高いから、他のところを探しています」
👦🏻「ネットで安い整備工場を見つけたんですが、大丈夫でしょうか?」
というご相談をよくいただきます。
お気持ちはとてもよく分かります!少しでも節約したいですよね😊
でも、この記事を読んでいただくことで、以下のようなメリットがあります。
・純正部品を使うことの安心感と、その理由が分かる
・「安いメンテナンス」のリスクを具体的に知ることができる
・長期保有で整備費の元を取る考え方が身につく
・整備業界の現状を知り、支払いへの考え方が変わる
・愛車・整備士さん・自分自身、みんなが幸せになるカーライフのコツが分かる
それでは、5つのポイントに分けてお伝えしていきます💪
そして、1級整備士として12,000台以上を整備し、ディーラー営業として500台以上を販売してきた立場からハッキリ言わせてください。
メンテナンスは「安さ」じゃなく「価値」で選ぶことが大事です。
そして、そこには近江商人の経営哲学「三方よし」=売り手よし・買い手よし・世間よしがそのまま当てはまります。
この記事では、「整備士・ユーザー・愛車(世の中の車達)」の三者みんなが幸せになるメンテナンスの考え方を、業界の本音とあわせて解説します。

ポイント①:メーカー純正部品の信頼性を知ろう
メンテナンスの話をするとき、まず押さえてほしいのが「純正部品」と「社外部品」の違いです。

純正部品の3つのメリット

純正部品には、こういうメリットがあります。
- 品質保証:メーカーの厳しい品質基準をクリアし、保証付きで安心
- 専用設計:その車種ごとに最適化された設計と、完璧なフィット感
- 保証の対象:不具合時にメーカー保証や正規ルートでのサポートが受けられる
メーカーが何年もかけて開発し、何万kmもテストしてきた部品なので、やはり信頼性が違います。
例えば、エンジンオイル1つとっても、メーカーが「この車にはこのオイルが最適です」と指定しているものがあります。
これは、エンジンの内部構造や使用環境を熟知した上で、最も性能を発揮できるように選ばれたオイルなんです。
社外品の使いどころ
ただ、「全部純正じゃないとダメ」というわけでもありません。
社外部品は価格が安いというメリットがあり、たとえばタイヤなどはコスパの良い純正採用以外のタイヤがたくさんあります。
一方で、社外品には品質にばらつきがあること、サイズが微妙に合わなかったり、耐久性に差が出たりするリスクもあります。
部品ごとの判断軸
私のおすすめは、「安全性や寿命に直結する部品は純正、コスパで選んでもOKな部品は社外もアリ」という使い分けです。
- 純正推奨:エンジンオイル・ミッション系オイル・エンジン内部部品・ブレーキ関連・電装系・サスペンション
- 社外もアリ:タイヤ・ワイパー・エアコンフィルター
ポイント②:「適当なメンテナンス」に潜む3つのリスク
「メンテは安く済ませたい」という気持ち、すごく分かります。
でも、「安さ」だけで選ぶと、結局高くつくケースが本当に多いんです。

リスク①:小さな不具合が「大きな故障」に化ける
これが整備士として一番声を大にしてお伝えしたいところです。

たとえばエンジンオイル。
- 定期的なオイル交換:年2回で約1〜2万円(安心のコスト)
- オイル交換をサボってエンジン故障:修理費50万円以上
その差、実に50倍以上です。
私もディーラー時代に経験しました。「2年以上オイル交換していない」というお客さまの車を見たら、エンジンが焼き付いていて、エンジン交換に50万円。
「オイル交換代をケチったら、車の心臓部が止まった」という、笑えない話です。
リスク②:DIYの落とし穴
「YouTubeで見たから、自分でできるかも」と思ってDIYに挑戦する方もいらっしゃいます。
これも気をつけてほしくて、実際にあった事例で言うと:
- タイヤ交換を自分でやって、ジャッキが外れて車体落下
- → ボディ修理40万円
数千円のタイヤ交換代を浮かせようとして、40万円飛んだケースです。
軽い整備(ワイパー・ライトバルブ・洗車)も侮るなかれで、一つひとつに整備や作業にコツがあります。
整備士さんが繰り返しやってきているからこそ簡単に見えるが、簡単そうに見える作業でも注意は必要です。
それが車を持ち上げる作業や、ブレーキ・電装系のような安全に関わる作業は、なおさらプロに任せるという考え方が大切になります。
車が好きで趣味で行うことは自己責任ですが、安く済ませようという理由であれば、結局高く付く恐れもあるので、個人的にはオススメしません。
リスク③:整備履歴がバラバラだと「無駄な出費」が増える

「今回はA工場が安いから」「次回はB工場のクーポン使おう」と毎回違う工場に出すと、整備履歴がバラバラになります。
すると:
- 前回どこで何を交換したか分からない
- バッテリーやオイルフィルターを二重に交換してしまう
- 結果、無駄な出費が増える
1ヶ所の「かかりつけ工場」にまとめるだけで、データが蓄積されて、最適なタイミングで交換できるようになります。
リスク④:責任の所在が分からなくなる
これは私の別の記事でも触れていますが、複数の工場で作業すると、万が一ミスがあった場合に「どこで誰が原因か」を特定できなくなることがあります。
リスク⑤:安すぎる部品で「危険な状態」に
最後にもう一つ、整備士目線で見過ごせないのが安すぎる部品のリスクです。
たとえば激安のブレーキパッド。安いからと使ったら、パッドが破損して異音が出るような危険な状態になったケースもあります。
ブレーキは命に直結する部品です。
ここをケチってしまうのは、要注意です。
ポイント③:長く乗れば、整備費は”元が取れる”
「メンテナンスにお金をかけると、損するんじゃないか…」と思う方も多いかもしれません。
でも、長く乗ることを前提にすれば、メンテ費は十分に元が取れます。
そもそも車を所有するということは、お金がかかることなんです😅

5年乗り換え vs 10年乗り続け
200万円の車を例に、ざっくり比較してみましょう。
| 比較項目 | 5年で乗り換え | 10年乗り続け |
|---|---|---|
| 車両代 | 新車購入費が多い | 初期投資を10年で分割 |
| メンテナンス費 | 初期コストは低い | 後半に車検・修理費が増える |
| 下取り価格 | 高値で売れる(5年後) | 安値で売れる(10年後) |
| 年間平均コスト | 35万円 | 27万円 |
10年乗ったほうが、年間で約8万円もお得になる計算です。
長期保有で「貯める力」を伸ばす

長期保有のメリットは大きく6つあります。
- 乗り換え回数が減る = 購入費が減る
- 初期費用を長期で分割できる
- 高額支出のチャンスを逃せる
- 定期点検・オイル交換で長寿命化
- 消耗部品の計画的な交換で大故障を防ぐ
- 安心と安全を継続できる
これって、車を大切にして長く乗ることが、そのまま「カーライフのコストを抑える力」になるということなんです。
12,000台整備して見てきた現実
私自身、整備士としてたくさんの車を見てきましたが、ちゃんとメンテをしてきた車は、本当に20年・30万kmと走ります。
逆に、メンテをサボってきた車は、早いと5年〜7年で大きな故障を起こすことすらあります。
「メンテに払うお金」と「乗り換えに払うお金」を比べたら、メンテに払うほうが圧倒的に少ないんです。
ポイント④:整備士さんに「しっかり払う」が業界を良くする
ここからは、ちょっと業界寄りの話をさせてください。
実は、自動車整備業界は深刻な人手不足に直面しています。
その背景には、整備士さんの待遇問題があります。

整備士の年収のリアル
データで見ると、
- 全業種の平均年収:約460万円
- 自動車整備士の平均年収:約390万円
- 待遇格差:約70万円
実際に現場で見てきた感覚で言うと、
- 若手の整備士:地域によりますが、300〜400万円ぐらいが多いのが現実
- 中堅の整備士:500万円を超えたら良い方
- 管理職:それ以上稼げるが、実際に手を動かさなくなる
国家資格を持って、お客さまの命を預かる仕事なのに、これだけの待遇格差があるんです。
しかも、管理職に昇進すれば現場から優秀な人がいなくなるという構造もあって、整備士不足はなかなか深刻です。
なぜ待遇が上がらないのか?「価格至上主義の悪循環」

この問題の根っこには、「ユーザーが安さを要求する → 工場が価格競争で値下げする → 整備士の給料が下がる → 優秀な人材が辞める → 整備の質が下がる→適当な整備にお金を払いたくない」という負のサイクルがあります。
これって誰も得していません。
業界全体が消耗していくだけです。
「適正価格」を払うと好循環に変わる

逆に、ユーザーが適正価格をしっかり払うと、こんな好循環が生まれます。
- 整備士の待遇改善 → モチベーションUP
- 優秀な人材が集まる
- 技術の継承が進む
- サービスの価値UP
- 顧客の安心感UP
- Win-Win-Winの実現
「適正な金額を、気持ちよく払う」こと。これが、業界全体を良くする最大の方法なんです。
キレイ事に聞こえるかもしれませんが、まず愛車のために、自分からこの循環の起点になりませんか?
きっと、より豊かなカーライフが送れると信じています!
ポイント⑤:整備士もユーザーも愛車も幸せになる「三方よし」のカーライフ
ここまで読んでくださった方には、もう答えが見えていると思います。
近江商人の経営哲学「三方よし」=売り手よし・買い手よし・世間よしを、カーライフに当てはめてみましょう。

🔧 整備士さん(工場)にとっての「よし」(売り手よし)
- 適正な対価で、丁寧な仕事に集中できる
- 定期的に来てくれる顧客がいて、経営が安定する
- 顧客の車を継続的に把握できるから、的確な提案ができる
- 技術が正当に評価されて、モチベーションが上がる
😊 ユーザーにとっての「よし」(買い手よし)
- 車が長持ちして、トータルコストが下がる
- 信頼できるプロに任せられて、悩みから解放される
- 「かかりつけ車屋さん」の安心感が手に入る
- 車のことを考える時間が減って、他のことに集中できる
🚗 愛車(世の中の車達)にとっての「よし」(世間よし)
- 純正部品で適切なメンテをしてもらえる
- 本来の性能を維持し、長期間良いコンディションを保てる
- 突発的な故障リスクが減り、長く活躍できる
- 愛車だけでなく、街を走る車たち全体のコンディションが底上げされる→安全安心につながる
🐧 私が見てきた「三方よし」のリアル
ここで、整備士時代に経験したかかりつけ車屋さんの威力をお話しします。
【ケース①:日頃から関係性のあるお客さま】
普段から点検・車検をすべてお任せいただいているお客さまが、ある日路上でエンジントラブルを起こしました。
連絡をもらってすぐに積載車で駆けつけて、工場に引き上げて、修理してご納車——1日のうちにすべて完了しました。
しっかりメンテナンスをしていても、突然の故障はつきものです。
そういうときに、日頃の関係性があるからこそ素早く対応できる——むしろ、「何とかしてあげたくなる」んです。
【ケース②:関係性がないお客さま】
逆に、関係性がある車屋さんがなく突然のトラブルが起きたケースだと…
- 整備工場の受け入れ先がなかなか決まらず、たらい回しにされる
- 修理完了まで時間が取られる
- 足元を見られて、修理費の見積もりが高額になってしまう(いつもこないんだから、この機会にガッツリ請求しよう…)
これ、現場ではよくある話です。
「かかりつけ」かどうかで、結果が天と地ほど違います。
よく整備工場の塩対応について、SNSに憤りをぶつけている投稿を拝見しますが、一部は普段からの関係性ができていないなど、ユーザーにも原因があると私は見ています
もちろん、誰にでも優しくできたら何よりですが、人と人ですので、うまくいかないことはあります
また、それと同時に悪循環で車業界のサービスの質の低下が、ユーザーさんの怒りを買ってしまうという側面も否定しきれません
三方よしの好循環ストーリー
最後に、私が伝えたい三方よしのストーリーを整理します。
📍 ユーザーが点検・車検でしっかり入庫する ↓ 💰 整備工場さんが儲かる ↓ 👨🔧 良い人材が集まる ↓ ✨ 良いサービスが提供できる ↓ 😊 同じお金を払うのでも、ユーザーはより良いサービスを受けられる ↓ 🚗 愛車はベストな状態を保てる ↓ 📈 長く乗れる → トータルのカーライフコストが下がる
これが、「三方よし」の好循環です。
誰かだけが得して誰かが損する、ではなく、みんなが少しずつ幸せになる——これが、損しないカーライフの本当の姿だと、私は思っています。
まとめ:金額じゃなく「価値」で判断するカーライフへ
長くお付き合いいただきありがとうございました。
最後に、この記事の5つのポイントを整理します。

今日のポイント
✅ 純正部品の信頼性:安心・安全。車の性能を維持
✅ 適当なメンテのリスク:故障の増加。修理費用が高騰
✅ 長期保有で元が取れる:燃費向上、車の寿命延長、長期的な節約
✅ 整備士さんに適正価格を払う:質の高いサービス、技術への対価
✅ 三方よしのカーライフ:整備士・ユーザー・愛車(世の中の車達)、みんながハッピー
「車屋さんは味方」という前提に立つと、すべてが変わる
最初に書いた通り、車屋さんはあなたの敵じゃありません。
「安さ」だけを基準に値切ったり、毎回違う工場に出したり、整備明細書を見ずにお金を払ったりすると、巡り巡って結局自分が損するだけです。
でも、「適正な金額を、気持ちよく払う」——その姿勢でかかりつけの車屋さんと付き合っていくと、
- 愛車が長く元気に走る
- 整備士さんが丁寧に仕事してくれる
- あなたのカーライフのコストも下がる
みんなが少しずつ幸せになるんです。
もし「大切なお金の使い方」を考えるなら、ぜひ「その支払いが誰かの幸せにつながっているか」という視点も加えてみてください。
これが、本当の意味での「賢いお金の使い方」だと、私は思います。
関連記事
私のメンテナンス哲学・実践編
適当メンテで損したくない方へ
- オイル交換「100円」の罠。「損しない」品質・費用・お店選びの真実
- 【知れば得する!?】エンジンオイル交換の重要性と失敗しない交換のノウハウ!
- 純正部品はディーラーとネット通販どちらが安い?損しない購入法
長期保有・乗り換え判断の話
急なトラブル時の判断
💡 今日のひとこと
「安さ」でなく「価値」で判断する。それが、整備士もユーザーも愛車(世の中の車達)も幸せになる『三方よし』のカーライフ哲学です🐧











