【もう入ってしまった方へ】ディーラーのメンテナンスパックは損?車検代は別にかかるの?

新車を買うとき、ディーラーで「お得ですよ」と言われて、ついメンテナンスパックに入った。
でも後になって、「本当にお得だったのかな? ユーザー車検の方が、ずっと安く済んだんじゃ…」と不安になる。
電卓を叩いてみると、たしかに自分でやったほうが安く見える。
しかも車検のときには、また別にお金がいるらしい。
いまさら聞けないし、契約書を読み返しても、よく分からない。
結論から言うと——大丈夫です、損はしていません。
その理由を、実際の数字と、お店とのつきあい方の本音も交えてお伝えしますね。
ディーラーのメンテナンスパックは、「損」ではありません。
むしろ、「安心」と「手間削減」を買う、合理的で賢い選択です。
ただし、車検の日には税金や自賠責保険などが別にかかります(パック代に含まれているのは、多くの場合、整備の費用のほうです)。
大事なのは、「損しない」=「一番安い」ではないということ。
あなたの価値観で選べばOKですよ😊
動画でも解説しています。
読む時間がないなという方は、こちらもどうぞ↓
ご相談内容
いただいたご相談内容です(内容を編集して掲載しています)。
ダイハツのディーラーで、安心パックのようなものに入ってしまいました。
でも結局は、車検代は払うと思うのです。
少しは安いのかも…?
あまり考えずにGOしてしまったのが心残りで、ちゃんと理解してからつければよかったです。
「ユーザー車検を受けた方が良かったのでは?」とも思います。
損しているかどうか、教えてください。
ご質問ありがとうございます。
契約した後に「これで本当に良かったのかな?」と不安になるお気持ち、よく分かります。
でも、ご安心ください。
メンテナンスパックは「損」じゃない。「安心」と「手間削減」を買う賢い選択
車の知識に自信がなかったり、日々のメンテナンスに手間や時間をかけたくない、と感じている方にとって、メンテナンスパックに加入したことは、決して損ではありません。
むしろ、将来の安心感と、貴重な時間を「買う」という、とても合理的な選択だと、私は思います。
なお、この商品はお店によって「メンテナンスパック」「安心パック」「メンテナンスプログラム」など呼び方がさまざまですが、中身はだいたい同じものだと思っていただいて大丈夫です。
一つひとつ「得か損か」を計算すると、かえって迷子になります
ご相談者さまのように、パック代と車検代を切り分けて、どちらが安いかを計算する。
これは、まじめで真剣な方ほどやることです。
そのうえで私がいつもお伝えしているのは、その計算をいったん置いてみてください、ということなんです。
車検やメンテナンスパックを、一つひとつ「得か損か」と切り分けて計算しはじめると、かえって迷子になってしまいます。
見るところは、2つだけで十分です。
- 支払いの「トータル」が、いくらになるか
- 長い目で見て、損をしていないか
この2つで納得できるなら、それが正解です。
私も、32万円の車を買った翌月に、14万円の車検を受けました
参考までに、私自身の話をします。
32万円で中古の軽自動車を買って、その翌月に14万円かけて車検を取ったことがあります。
数字だけ見れば、買った直後に、車両価格の半分近くを追加で払ったことになります。
そのときどう考えたかというと——「最初からしっかり整備された、車検付きの46万円の車を買ったようなもの」と思うことにしたんです。
そうやってシンプルに考えると、気持ちがすごく楽になりました。
今回のご相談も同じで、「車両価格+パック代で、これから数年ぶんのカーライフを買った」と考えてみてください。
あくまで私の考え方ですが、この見方に変えるだけで、迷いはずいぶん減ると思います。
「損しない」は「一番安い」とイコールではない
純粋な金額だけを見れば、ユーザー車検を受けて、必要な整備だけを行う方が、支払うお金は安く済みます。
でも「損しないカーライフ」を考えたとき、お金以外のコストも忘れてはいけません。
それは、「手間」「時間」「知識を覚える労力」、そして「困ったときに自分で調べる時間」です。
メンテナンスパックは、費用はかかりますが、この見えないコストを、まるごとプロに肩代わりしてもらうサービスなんです。
「次の点検いつだっけ?」と気にしなくていいし、困ったときに顔見知りの担当へ気軽に相談できる。
この安心こそ、メンテナンスパックの最大の価値だと思っています。
実際の数字で見てみましょう(ダイハツ車の例)
ご相談のダイハツ車(ワンダフルサポートなど)の場合、メンテナンスパックありの2年間(車検1回・点検3回・オイル交換など)は、特に問題がなければ9〜10万円ほどです。
一方、ユーザー車検で2年間を最低限の費用で済ませると、こうなります。
- 車検の法定費用など:約3万円
- オイル交換4回:約2万円
- ブレーキ液の交換など:約7,000円
- 合計:約6万円弱
これに加えて、何かあったときに自分で解決する「時間」と「知識」が、少し必要になります。
とはいえ、最初のうちはそんなに壊れないので、大丈夫ですけどね(笑)。
9〜10万円に入っているもの、入っていないもの
ここで、ご相談者さまがいちばん気にされていたことに答えます。
「パックに車検代は含まれていないってことですよね?」
半分そのとおりで、半分ちがいます。
メンテナンスパックに含まれているのは、多くの場合、車検のときの整備の費用と、基本的な交換部品です。
一方、車検の日に別で必要になるのは、こちらです。
- 重量税・自賠責保険・印紙代といった法定費用
- 車検を代行してもらう手数料
- 追加の整備が必要になったときの、その費用
つまり、「車検代をもう一度まるごと払う」わけではありません。
でも、「車検の日は、財布から一切お金が出ない」わけでもないんです。
ここを勘違いしたまま車検の日を迎えると、「話がちがう」と感じてしまいます。
ただし、どこまで含まれるかは商品によって差があります。
契約書やパンフレットの「含まれるもの」「含まれないもの」の欄を、一度だけ見てみてください。
見当たらなければ、担当の方に「車検のときは、あといくら用意しておけばいいですか?」と聞いてしまうのが早いです。
「点検3回」の中身は、法定点検と半年点検です
ついでに、「点検3回」が何を指すのかにも触れておきます。
車の定期点検は、大きく3つに分かれます。
- 車検:法律で決まっている検査。整備の費用のほかに、重量税や自賠責保険もこのときに払います
- 法定点検(1年点検・12ヶ月点検):これも法律上の義務です。受けるとフロントガラスの左上に、丸いステッカーを貼ってもらえます
- 半年点検:パックに入っていると、半年ごとに付いてくることが多いものです。1年点検より、見る箇所は少なめです
2年のパックに「点検3回」とあるのは、この1年点検と半年点検を合わせた回数のことです。
ちなみに法定点検は義務なのですが、罰則がないため、受けずに乗っている方もいるのが現状です。
ただ、不具合が早く見つかれば、軽い修理で済むこともあります。
車検まで気づかないと、大きな故障になっていることもあります。
人の体と同じで、早めに見つけたほうが、結局は安く済むことが多いです。
差額は、月にすると1,250〜1,700円ほど
差額は、2年で約3〜4万円。
月にすると、1,250〜1,700円ほどです。
この金額で、点検の案内も、困ったときに顔見知りの担当へ相談できる安心も手に入る、と思えば、決して損ではないと感じられるのではないでしょうか。
この差額で「何を買っているか」、安くすると「何を失い得るか」——中身をとことん分解した研究記事も書きました👇
🔧 ピゴスより:カーライフを安くする「秘伝」は、すすめられたときの、ひと言
どちらの道を選んでも、整備のたびに「これも交換しておきましょう」と、余計な商品をすすめられる場面があります。そこで要る・要らないを落ち着いて分けられることこそ、カーライフを安く済ませる「秘伝」です。
意外かもしれませんが、忙しいディーラーは、余計なものをすすめる暇がなかったり、利益も十分に出ているので、必死に売り込んでこないことが多いんです。
むしろ気をつけたいのは、時間に余裕のあるお店(ディーラーでも同じです)。迷ったら「これは今すぐ必要ですか?」と一言聞いてみてください。それだけで、余計な出費はかなり防げますよ。
すすめられた項目を、その場で仕分けて断れた方の実例(タイヤ交換の見積書)は、こちらでお話ししています。
点検を受けても、壊れなくなるわけではありません
ここまで「安心が買える」と書いてきましたが、正直にお伝えしておきたいことがあります。
点検を受けたからといって、車が壊れなくなるわけではありません。
受けたその日から、調子が良くなるわけでもありません。
整備をしてきた側の人間として、ここははっきり書いておきます。
では、何のために受けるのか。
私の答えは、「いざというときに、本気で面倒を見てもらえるから」です。
壊れたときだけ来る人と、いつも来ている人
お店の側から見ると、この2人はまったく違って見えます。
壊れたときだけ来る人よりも、いつも点検に来てくれる人に親身になる。
これは良い悪いの話ではなく、人情だと思います。
ですから私は、「困ったときだけ行く」よりも、「頼りたいなら、困る前から行く」ほうをおすすめしています。
こちらから先に足を運んでいた方ほど、こういう場面でちゃんと返ってくるものです。
メンテナンスパックは、その「通う理由」を先に買っておく仕組みでもあるんです。
これで壊れなくなるなら、こんなに楽なことはないんですけどね(笑)
それでも私が同じところに通うのをすすめるのは、いざというときに本気で見てもらえるからです。
先に足を運んでおくことが、あとで効いてくるんです。
整備士も人間です。だから「履歴が残る」ことに意味がある
もうひとつ、お伝えしておきたいことがあります。
整備士も人間ですから、優秀な人と、まだそうではない人がいます。
ミスだって、たまにはあります。
それでも私が1ヶ所に集約することをすすめるのは、誰がどのように整備したかの履歴が残るからです。
履歴が残っていれば、万が一のときに、再修理などの面倒も見てもらいやすくなります。
交換したばかりの部品を、また見積もりに入れられてしまうムダも減ります。
不具合が出たときも、履歴から原因を絞り込めるぶん、解決までが早いです。
とくに数の少ない車ほど、その車の情報が集まっているところのほうが、無駄のない整備を受けやすくなります。
メンテナンスパックは、この履歴を1ヶ所にまとめてくれる仕組みでもあります。
もちろん、ディーラーなら何でも安心、という話ではありません。
担当の方によって感じ方は変わりますし、会社の方針で、それほど必要でないものをすすめられることもあります。
言われるがまま、何でもかんでも交換する必要はありません。
必要なものを、必要なときに。
それだけで十分です。
私自身がふだん何をやって、何をやっていないのかは、こちらにまとめています。
メンテナンスパック vs ユーザー車検、向いているのはどっち?
メンテナンスパックの価値は、車に詳しくなくても、プロの目で見てもらった状態で乗り続けられること。
そしてまとめて先に払っておくタイプが多いので、あとから急な出費が出にくく、維持費の見通しが立てやすいというメリットもあります。
一方、ユーザー車検は費用をぐっと抑えられます。
そのかわり、平日に時間を作って陸運局へ行くことと、消耗品の交換時期を自分で判断することが、自分の側に乗ってきます。
そこで、こう考えると分かりやすいです。
- 手軽さと安心感を重視するなら → ディーラーのメンテナンスパック。「車のことはよく分からないし、面倒はプロに任せて安心して乗りたい」という方に最適です
- コスト最優先で、手間を惜しまないなら → ユーザー車検。「メンテナンスも趣味の一環」「自分で調べて安く済ませるのが楽しい」という方に向いています
ユーザー車検は、思っているほど怖くありません
ここで、ユーザー車検について誤解されがちなことを、ひとつ書いておきます。
「車をいじれる人じゃないと無理でしょう?」と思われがちですが、そんなことはありません。
検査ラインの上では、簡単な操作をしながら車を前に進めていくだけです。
そこで慌てなければ、大丈夫です。
戸惑っていると、たいていその場にいる検査員の方が、助けに来てくれます。
女性で挑戦されている方も、意外といらっしゃるそうですよ。
正直に言うと、私も「スラスラ全部できます」というほどではなく、一緒に悩みながらやるレベルです。
それでも通れるくらいには、やさしくできています。
ただ、検査ラインには一人でしか乗れません
ただ、ひとつだけ知っておいてほしいことがあります。
誰かに付き添ってもらえるのは、書類の手続きまでです。
肝心の検査ラインを通る作業は、車に一人しか乗れません。
つまり、いちばん緊張するところは、どうしても自分ひとりになります。
ここが、ユーザー車検の本当の「手間」だと私は思っています。
金額の差より、ここを引き受けられそうかどうかで決めたほうが、あとで後悔しにくいです。
物差しは「安いかどうか」ではなく「これからもその店で見てもらうか」
もう少し踏み込んだ物差しを、お伝えします。
メンテナンスパックが向いているかどうかは、この2つでほぼ決まります。
- これからも、その店で見てもらうつもりがあるか(先に払うぶん割安になっている商品が多いからです)
- 任せたいタイプか、自分で管理できるタイプか
1つ目がノーなら、先に払うメリットは薄くなります。
2つ目で「自分で管理するのは、正直むずかしい」と感じるなら、パックはよく効きます。
逆に、「点検の時期は自分で覚えていられる」「調べるのがむしろ好き」という方なら、ユーザー車検は立派な武器になります。
なお、こうした商品は、車を買うタイミングだからこそ良い条件をつけてもらえる面があります。
あとから単体で申し込んで値引きしてもらえることは、まずありません。
ユーザー車検で自分で管理していくなら、急に故障したときディーラーと整備工場のどちらへ持ち込むかも、知っておくと安心です。
「やっぱりユーザー車検に」と思っても、方向転換できます
実は、メンテナンスパックは車検の前に解約すると、その分でユーザー車検の費用をまかなえることが多いです。
だから「やっぱり自分でやってみようかな」と思っても、方向転換はできます。
ただ、解約ありきで入るものではありません。
「合わなかったら抜けられる」と知っておくだけで、いまの不安はずいぶん軽くなると思います。
ちなみに、もしお車がターボ付きのグレードなら、オイル交換は5,000kmに1回がおすすめです。
ターボが付いていない車なら、10,000kmくらいまでは大丈夫なことが多いです。
高速道路をよく使う方はオイルへの負担が少ないので、そこまで神経質にならなくても大丈夫ですよ。
ただ、目安はメーカーや車種で違いますので、取扱説明書やメンテナンスノートに書かれている数字が正解だと思ってください。
ちなみに、「オイル交換が100円のお店でやれば、もっと安く済むのでは」と考える方もいらっしゃいます。
その値段がどうやって成り立っているのかを、整備士の目で分解してみた記事がこちらです👇
あまり距離を乗らないなら、ディーラーの点検を半年に1回受けておくだけでも、長く大切に乗ることに役立ちますよ。
「ユーザー車検に挑戦してみようかな」と思ったら、つまずきやすい重量税納付書の入手場所と書き方を、こちらでどうぞ📝
あなたの選択は、間違いじゃありません
ディーラーのメンテナンスパックに加入したという選択は、決して損ではありません。
「安心感」と「自分の時間」を、月々1,250〜1,700円ほどで買った、と考えることができるのです。
困ったときに行く場所に、顔見知りの担当がいてくれる。
これは、思っている以上に大きな安心ですので、どうぞ自信を持ってくださいね。
まとめ:「損」の形は人それぞれ。あなたの「価値」で選ぼう
- メンテナンスパックは、費用はかかるが「安心・手軽・まかせられる」という大きな価値がある
- パック代に含まれるのは整備の費用。車検の日には、重量税や自賠責保険などが別にかかることが多い
- ユーザー車検は、費用は安いが「手間・時間・知識」を自分で持つことになる(検査ラインは一人で通ります)
- 「損しない」とは、必ずしも「一番安い」ことではない
- 決め手は金額よりも、「これからもその店で見てもらうか」と「任せたいタイプか」
- あなたが「安心」や「自分の時間」に価値を感じるなら、メンテナンスパックを選んだことは大正解
どちらを選んでも、大切に長く乗れるように、いつでも相談に乗ります。
あまり考えずに決めてしまった、と思っていらっしゃるかもしれません。
でも、車のことがよく分からない状態で、まず任せられる先を確保した。
それは、けっこう良い一手目だったと思いますよ。
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それでは、損しないカーライフをお過ごしください













