法人の車もネット保険にできる?数は少ないけれど、探し方はあります

個人で持っている車の保険は、ネットで見積もりを取ってみたら、思っていたより安くなった。
だったら、仕事で使っている会社名義の車も、同じようにできるのではないか。
そう思って調べはじめると、出てくるのは「法人はネット保険に入れないことが多い」という話ばかりです。
かといって、いま払っている保険料が高いのか安いのかも、比べたことがないので分かりません。
毎日の仕事に欠かせない車だからこそ、下手に触って失敗したくない。
そんな、手が止まってしまうところからのご相談をいただきました。
事業で使う車の保険も、ネット型に切り替えられることはあります。
ただし、受け入れてくれる会社の数は、個人のときよりずっと少ないです。
そのうえで、値段より先に決めていただきたいことがあります。
それが「何に備えたいか」です。
ここが決まっていないと、いくら見積もりを並べても選べません。
探すときは、法人向けの一括見積もりという入口があります。
まず並べてみて、そこからご自分の物差しで絞っていけば大丈夫です。
今回いただいたご相談
まずは、いただいたご相談の内容です(編集して掲載しています)。
はじめまして。
よろしくお願いします。
現在の自動車保険:
代理店型の自動車保険に入っていますご相談の内容:
法人所有の車両を使って、フードデリバリーなどの配達業務をしていますこの車の自動車保険を、ネット型の保険に変更したいと考えています
個人で使う車の保険の見直しについては理解できたのですが、法人所有で事業に使う場合は話が変わるのかなと思い、ご相談しました
いま候補に考えているネット型の保険がひとつあるのですが、法人所有の車の見直しで「それならこの保険がおすすめだよ」というものがあれば教えていただきたいです
車両情報:
- 車種: ニッサン モコ
- ナンバー: 黒ナンバー(事業用)
- 年式: 平成20年7月登録
ご相談ありがとうございます。
個人の保険の見直しを終えたあとで、「事業用は話が変わるのでは」とご自分で気づかれている。
ここで一度立ち止まれる方は、そう多くありません。
いただいたご質問を、ふたつに整理させてください。
ひとつめは「法人の車でも、ネット型の保険に入れるのか」。
ふたつめは「入れるとして、どこを選べばいいのか」です。
順番にお答えしていきますね。
ご自分の車の保険を見直して、次は仕事の車、という流れ、すごくいいですね
ただ、法人の車は少しだけルールが違うので、ここで手が止まる方が本当に多いんです
つまずきやすい所から、ひとつずつほどいていきましょう
なぜ、法人だと選べる数が少ないのか
先に、いちばん知りたいところからお答えします。
法人名義の車でも、ネット型の保険に入れることはあります。
ただ、個人のときのように、どこでも好きに選べるわけではありません。
ネット型の保険会社の中には、そもそも法人の契約を受け付けていないところがあるからです。
これは会社ごとの方針なので、良し悪しの話ではありません。
個人の契約に絞ったほうが、手続きも保険料の計算もシンプルになる、という事情があるのだと思います。
ですので、「法人だから安い保険には入れない」のではなく、「入れる会社を探す手間が、個人より少しかかる」と考えていただくのが実際に近いです。
あくまで私の感覚ですが、法人名義というだけで、保険はどうしても不利な側に置かれがちだと感じています。
みんなが入っている安いネット型の保険が使いにくく、大手の代理店型に落ち着きやすいからです。
もしこれから事業用の車を増やすご予定があるなら、「個人で買って、一部を経費に入れる」という持ち方もあります。
ただ、こちらは税金がどうなるかまで関わってきますので、保険だけで決められる話ではありません。
候補の会社が「法人を扱っているか」を、いちばん先に確かめる
ここでひとつ、先にお願いしたいことがあります。
補償の中身や保険料を細かく見比べるより先に、「その会社は、法人の契約を扱っていますか」と確かめてください。
取り扱いは会社ごとに違いますし、時期によって変わることもあります。
ですので、この記事で「あの会社は法人を扱っていません」と決めつけることはしません。
いま候補にしている会社の公式サイトか、問い合わせ窓口で聞いてしまうのが、いちばん早いです。
等級を宙に浮かせないよう、進める順番だけ気をつける
もうひとつ、大事なことがあります。
いま積み上げてきた等級が、乗り換えのときに引き継げない恐れがある、ということです。
等級は、無事故で何年も走ってきた積み重ねそのものです。
保険料が安くなる仕組みでもあるので、ここを落としてしまうと、せっかく安いネット型に移っても割高になりかねません。
引き継げるかどうかの条件も、必要な書類も、保険会社ごとに違います。
ですので、名義や契約を動かす前に、いまの保険会社に事情を説明して確かめておいてください。
先に動かしてしまうと、あとから戻せません。
この順番については、別の記事で詳しくお話ししています👇
値段より先に決めるのは「何に備えたいか」
ふたつめのご質問、「どこを選べばいいのか」に移ります。
ここで、正直にお伝えしたいことがあります。
「ここが絶対におすすめです」という1社は、存在しません。
意地悪で言っているのではないんです。
保険料は、車種・お住まいの地域・年齢・等級・補償の中身など、いろいろな要素を各社が独自に組み合わせて決めています。
ですから、同じ条件でも、人によって安く出てくる会社がまったく変わります。
「みんなにとって安い会社」は、ないんですね。
だからこそ、先に決めていただきたいのが「何に備えたいか」です。
値段をいちばんに置くのか。
それとも、いざというときに動いてくれることを置くのか。
ここが決まると、並んだ見積もりの中から選べるようになります。
逆に言うと、ここが決まっていないから、どれも同じに見えて決めきれないんです。
値段をいちばんに置くと決めたなら、そのときは思い切ってよいと思います。
対人と対物を無制限にしたうえでなら、あとは保険料の安さで選んでも、大きく失敗することはありません。
対人・対物の無制限だけは、公道を走る責任として外さないでくださいね。
ここは、法人でも個人でも変わりません。
仕事で使う車は、「止まった日」から考える
そのうえで、今回のご相談にだけ当てはまる話をさせてください。
ご相談者さまの車は、平成20年に登録された軽自動車です。
その車で、毎日配達に出ておられます。
つまり、この車が止まった日は、仕事も止まってしまうということです。
私が「値段の前に、何に備えたいか」とお伝えしたのは、ここが理由です。
もう少しだけ、お付き合いください。
私が保険の見直しでいちばん大事だと思っているのは、正しく入ることと、無駄を省くことです。
そしてこの「無駄」には、お金だけでなく、管理の手間や、余計な心配ごとも含まれると思っています。
仕事で使う車なら、そこに「時間単価」という物差しも加わります。
そうやって考えると、代理店型のほうが高くても、そちらのほうがいいという結論になる方も出てきます。
保険料が年に数千円安くなっても、仕事が数日止まってしまったら、差し引きはどうでしょうか
もちろん、逆に何事もなければ安いほうが得です
ただ、仕事に使う車のときだけは、この天秤を一度かけてみてほしいんです
ここでひとつ、見落とされやすい落とし穴があります。
ネット型の保険にもレンタカーを借りられる特約が付いていることがありますが、「事故のときだけ」という条件になっていることが多いんです。
つまり、故障で動かなくなってレッカーされた場合は、対象外になることがあります。
一方、代理店型の保険には、故障のときもカバーしてくれるプランがあります。
この差は、普段はまったく気になりません。
気になるのは、動かなくなった朝だけです。
見積もりを取るときに、この2つだけ聞いてください
とはいえ、どの会社のどの商品にその特約が付くかは、私からは言い切れません。
会社によっても、契約の内容によっても違うからです。
ですので、カタログの一般論より、見積もりのときにご自分で聞いてしまうのがいちばん確かです。
聞くのは、この2つだけです。
- 「レンタカーの特約は、故障のときも使えますか」
- 「ロードサービスは、どこまで運んでもらえますか」
この2つの答えが揃えば、あとは保険料の安さで選んで大丈夫だと、私は思っています。
もし、どちらもネット型では難しいという答えだったとき。
そのときは、保険を厚くする以外の逃げ道も用意できます。
近くの格安レンタカーを、あらかじめ調べておくという手です。
特約の話と、代車をどう確保するかの話は、こちらでまとめています👇
正直に言うと、私も法人の保険をネットで契約したことがありません
ここまで書いておいて申し訳ないのですが、白状させてください。
私自身は、法人の自動車保険をネットで契約した経験がありません。
ですので、この記事で「この会社がおすすめです」と書くことはしません。
使ったことのないものを勧めるのは、私の役目ではないと思っています。
そして、法人や税金の細かいルールも、私の専門ではありません。
そこは、税理士さんや保険の担当者の方に確かめてくださいね。
かわりに私からお伝えできるのは、「どう探すか」と「並んだあと、どこを見るか」です。
ここから先は、その話をさせてください。
法人向けの一括見積もりで、まず並べてみる
個人の保険で使われているネットの一括見積もりサイトには、法人版が用意されているものがあります。
こちらです👇
ここで見積もりを取ると、法人を受け入れてくれる会社の名前が、まとめて並びます。
1社ずつサイトを回って「法人はできますか」と確かめていく手間が、まるごと省けるということです。
なお、事業で車を何台かお持ちの方には、もうひとつ段取りがあります。
まずは1台だけ、この一括見積もりで取ってみてください。
そこで法人を扱ってくれる会社が見つかったら、残りの車は、その会社のホームページから直接見積もりを取っていけば大丈夫です。
毎回この入口を通らなくても、1社見つかれば、そこから広げられるということですね。
そうやって入り方が80点になったら、あとは安心して、事業のほうに集中してしまいましょう。
そして、もうひとつ大きいのが、いまの保険料が高いのか安いのかが、はじめて分かることです。
一括見積もりは、安い会社を見つける道具というより、「ご自分の相場」を知る道具だと私は思っています。
進め方の流れは、個人のときとほとんど同じです。
手順はこちらを参考にしてみてください👇
名前が並んだあと、どこを見るか
見積もりが並ぶと、金額の差ばかりに目がいきます。
見ていただきたいのは、先ほどの2つです。
入りたい補償が付けられるか。
そして、ロードサービスがどこまで手厚いか。
あとは、正直なところ、値段が8割くらいの決め手という感覚で選んでいただいて大丈夫です。
細かいところまで見比べたくなりますが、そこで疲れてしまって、結局そのまま更新してしまうのがいちばんもったいないんです。
なお、法人名義の車では、保険の被保険者をご自分にするか、法人にするかで使い勝手が変わることもあります。
その判断はこちらでお話ししています👇
まとめ:決めるのは「1社」ではなく「選び方」
最後に、今日から動ける形で整理しておきますね。
- 法人名義でも、ネット型の保険に入れることは「ある」。ただし個人より選べる数は少ない
- 細かく比べる前に、候補の会社が「法人を扱っているか」を確かめる
- 名義や契約を動かす前に、いまの保険会社へ「等級は引き継げますか」と確かめる(順番を逆にしない)
- 値段より先に「何に備えたいか」を決める。仕事の車なら「止まった日」から考える
- 法人向けの一括見積もりで並べて、「入りたい補償があるか」と「ロードサービス」の2つで絞る
- 対人・対物の無制限だけは、外さない
「ここが絶対におすすめ」という会社は、やっぱりありません。
でも、「ご自分にとって、いちばん納得できる会社」なら、きっと見つかります。
そのための物差しが、今日お伝えした2つです。
ご相談者さまの、その後
このご相談には、続きがあります。
法人の一括見積りやってみます
ご自分の会社の名義で車を持っている方もいらっしゃると思うので、しっかり調べて報告したいなと思います
最初にいただいたご相談は、「それならこの保険がおすすめだよ、というものがあれば教えてほしい」でした。
それが、「自分で調べて、報告したい」に変わっています。
お渡しできたのは、おすすめの1社ではありませんでした。
探し方のほうだったんですね。
そして、その探し方はきっと、同じように法人で車を持たれている方の役にも立つはずです。
ご自分の見直しが、誰かのための調べものに変わっていく。
こういうご報告をいただけるのが、私はいちばん嬉しいです🐧
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