中古ミニバンで後悔する人の共通点|車ではなく「買い方」で決まります

事故のあと、車がなくなる。
保険の手続きをしながら、通勤や送り迎えの段取りを考えて、そのあいだに次の車も探さなければいけません。
代車を借りていれば、返す日も近づいてきます。
家族の人数を考えるとミニバンだけれど、新車に手が届く状況ではない。
中古車のニュースを思い出すと、それはそれで不安になる。
こういうとき、いちばん足りていないのは、じつはお金ではなく時間です。
中古のミニバンで後悔された方のお話を伺っていると、原因は車そのものより「買い方」にあることがほとんどです。
ミニバンは人気があるぶん中古も割高で、同じ予算だと、ほかのジャンルより古めの1台になりやすい傾向があります。
そこに「時間がない」が重なると、実車を見る回数もお店を見極める余裕も減っていきます。
ですので、車を探し始める前に「急がなくていい状態」を作ってください。
そのうえで、車に詳しくない方は、ディーラーの認定中古車から探すのが無難です。
いただいたご相談
まずは、いただいたご相談です。
先月、車で事故を起こしてしまい、家族と話し合って中古車を買って乗り換える予定です。
車種はヴォクシーのようなミニバンで考えています。
中古車というと、当時ニュースになっていた販売店の件もあり、買ってからすぐに故障してしまうのではないかなどの不安要素があります。
本当は新車を買うことができたら良いのですが、買えるほどのお金がない状況です。
中古車を買う際に気をつける点や、どの販売店で買うのが良いのかを教えていただきたいです。
まずは、お怪我などありませんでしたでしょうか
事故のあとは手続きも段取りも一度に来るので、本当にお疲れになると思います
ご相談の中身は2つですね。
中古車で気をつけること。
そして、どの販売店で買えばいいか。
ただ、その前にお伝えしておきたいことがあります。
ミニバンには「人気だから、中古が割高」という宿命があります
ミニバンは、手放すときに高く売れる車です。
これは持っている方にとってはありがたい話なのですが、買う側から見ると裏返しになります。
高く売れる車は、中古の値段も高いままだからです。
ですので、中古のミニバンは基本的に割高で、お買い得な1台を引き当てる難易度が高いんです。
その極端な例が、10年落ちでも250万円の見積もりが出るアルファードです。
値段の理由と、買う前に確かめておきたいことは、10年落ち低走行アルファードは「買い」? 高いのには理由がありますで整理しています。
これは私が以前からお伝えしてきたことで、正直に申し上げると、中古のミニバンをあまり強くはおすすめしていません。
もちろん、これは私の見方です。
ただ、事実としてはっきりしていることがひとつあります。
同じ予算を出しても、ミニバンだとほかのジャンルより年式が古く、走行距離の多い1台になりやすい、ということです。
つまり、車が悪いのではなく、予算に対して背伸びした1台になりやすい。
ここが、後悔の大きな入口だと感じています。
もうひとつ、ミニバンならではの、あとから来る出費もあります。
電動のスライドドアです。
お子さんの乗り降りにも荷物の積み下ろしにも本当に助かる装備なのですが、年数が経つとワイヤーが切れて動かなくなることがあります。
壊れたときにどうするかは、こちらでお話ししています。
それでも、ミニバンにしかない良さがあります
では、ミニバンはやめたほうがいいのか。
そういう話ではありません。
足元の広さは、やはりミニバン系ならではです。
室内の高さがあることも、乗ったときの開放感や気持ちよさにつながります。
この開放感は、ご家族が乗ったときにいちばん喜ばれるところなんですよね。
お子さんの成長やご家族の暮らし方に寄り添って選ぶなら、ミニバンには確かな魅力があります。
お伝えしたいのは、やめましょうということではなくて、割高だと知ったうえで選んでくださいということです。
知らずに買って「思ったより古い車だった」と感じるのと、分かって選ぶのとでは、あとの気持ちがまるで違います。
後悔しやすいのは「時間がないとき」です
もうひとつ、後悔のもとになりやすいものがあります。
それが時間です。
事故や故障で急に車がなくなると、次の車を探す時間がほとんどありません。
代車の返却日、通勤、送り迎え。
締め切りに追われながら選ぶことになります。
そうなると、こういうことが起きます。
- 実車を見に行く回数が減って、写真と条件だけで決めてしまう
- お店の雰囲気や担当の方をじっくり見る余裕がなくなる
- 候補が少ないので、予算を上げて手を打ってしまう
- 疲れてきて、最後は「もう、これでいいか」になる
どれも、あとから振り返ると「あのとき急いでいなければ」と思うところばかりなんです。
しかも、事故のときはすぐに代車が用意できるとも限りません。
どの車屋さんも代車の数には限りがあって、常に足りない状態で回しているからです。
中古車は、同じ車種でも1台ずつ状態が違います
その違いを見分けるには、結局のところ数を見て比べるしかないんですよね
まず、急がなくていい状態を作る
ですので、最初にやっていただきたいのは車探しではありません。
しばらく困らない足を確保して、急がなくていい状態を作ることです。
方法は大きく2つあります。
ひとつは、自動車保険のレンタカー特約です。
事故のときに使えて、レンタカーが自宅まで届き、翌日から動けます。
しかも、この特約を使っても更新時の保険料は上がりません。
ご自身の保険に付いているかどうか、まず確認してみてください。
ただし注意点があって、「故障」では使えないことが多いんです。
レンタカー特約について、詳しくはこちらにまとめています。
もうひとつが、格安レンタカーです。
中古車を使っているぶん料金が抑えられていて、1日数千円、月にすると3万円から5万円ほどで借りられるお店があります。
この選択肢を知っているだけで、車探しの焦り方がまったく変わります。
「見つかるまで借りればいい」と思えるからです。
予算が届かないなら、いったんミニバンでなくてもいい
時間ができたら、次は予算の話です。
乗る人数にもよりますが、数年はコンパクトカーでコストを下げて、そのあいだに貯金していくという進め方もあります。
お子さんが小さいうちは、まだ乗る人数も荷物も少ないことが多いですから。
数年後、本当に必要になったときに、あらためてミニバンを選べばいいんです。
そのころには予算も増えていて、いまより新しい1台に手が届くかもしれません。
私が車選びでいつもお伝えしているのは、予算 → 使い方 → 必要な最小のサイズという順番です。
欲しい車種から入ると、予算のほうが引っ張られていきます。
車なしの状態からミニバンを検討された方のご相談には、こちらでお答えしています。
そもそも自分にはどんな車が合うのか、というところから整理したい方は、こちらもどうぞ。
買うなら、どこで買うか
ここからは、ご相談の本題です。
私がおすすめしているのは、ディーラーの中古車、とくに認定中古車です。
大手の中古車店も一般の中古車店も、評価や対応はお店ごとにさまざまです。
その中である程度の満足点を取ろうとすると、全国どこでも品質が安定しているのがディーラーになります。
保証の期間が長いことや、買ったあとも相談しやすいことも大きいですね。
認定中古車は少し高く見えますが、その差額で買っているものがあります。
出どころと、整備の履歴と、保証です。
言い換えると、当たり外れの幅を小さくするための料金なんです。
とくに、車に詳しくない状態で急いで探すときほど、この幅の小ささが効いてきます。
認定中古車をおすすめする理由は、こちらにまとめました。
もちろん、ディーラー以外がだめという話ではありません。
良いお店はどこの町にもありますし、私も何軒も知っています。
ディーラー以外で買うときは、車の程度と保証の内容を、遠慮せずしっかり確認させてもらってください。
保証の短いお車を扱っているお店ほど、そこを埋める商品を用意しておくのは、商売としてごく自然なことです。
お店が意地悪をしているわけではないので、必要かどうかだけ静かに切り分ければ大丈夫です。
いま乗っているお車より小さいミニバンに替える場合は、もうひとつ確かめ方があります。
レンタカーで1日だけ借りて、実際に人数分で長距離を走ってみる方法です👇
見に行ったら、ここだけは自分の目で
どこで買うにしても、実車は必ず見に行ってください。
というのも、匂いや内装は、写真に写らないからです。
しかもこのあたりは、買ったあとで直しにくい所ばかりなんですよね。
見に行ったときに確かめてほしいのは、この4つです。
- 匂い:エアコンを作動させたまま、しばらく座ってみてください。前のオーナーの生活の匂いは、なかなか消えません
- 内装のくたびれ具合:シートやハンドルの擦れ方は、走行距離の数字より正直です
- 整備の記録簿:オイル交換が続けてされているかを見てください。ここが抜けている車は要注意です
- 試乗:短くてもいいので、実際に動かしてみてください。異音や、まっすぐ走るかどうかが分かります
修復歴についても触れておきますね。
骨格まで修理した履歴のある車は、走りや安全性に影響が残っていることがあります。
ただ、修復歴があるからすべてだめということでもありません。
車に詳しくない状態で見極めるのが難しいので、迷ったら修復歴なしの車から探す、というくらいで大丈夫です。
ディーラーや販売店では、第三者の鑑定書が付いている車も多く並んでいますよ。
中古車を見るときのポイントは、こちらでもまとめています。
まとめ
今回のポイントを整理しますね。
- ミニバンは高く売れるぶん中古も割高。同じ予算だと、古めの1台になりやすい
- それでも足元の広さと室内の高さは、ミニバンならでは。割高だと知ったうえで選ぶ
- 後悔しやすいのは「時間がないとき」。急いで決めると、見る回数も見極めも減る
- まずレンタカー特約か格安レンタカーで足を確保して、急がなくていい状態を作る
- 予算が届かないなら、数年はコンパクトカーで貯金してから、という進め方もある
- 買うなら、車に詳しくないほど認定中古車。差額は当たり外れの幅を小さくする料金
- 実車は必ず見に行く。匂い・内装・整備の記録・試乗の4つを自分の目で
事故のあとは、どうしても急いでしまいます。
でも、ここで1ヶ月ゆっくり探せるようにしておくことが、この先何年ぶんもの満足に変わります。
ご相談者さまの、その後
このご相談のあと、ご相談者さまからこうお返事をいただきました。
ありがとうございます!
ご紹介いただいた記事も元にして、検討してみます!
短いお返事でしたが、私はここに安心しました。
事故の直後という、つい急いでしまいそうなタイミングです。
そこで「検討してみます」と言えるということは、すでに急ぐのをやめられているということですから。
中古車選びで効くのは、実は知識よりもこの姿勢のほうなんです。
急がないというのは、何もしないことではありません
足を確保して、じっくり選べる状態を自分で作るという、とても能動的な一手だと思っています
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