著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

🤔「もう9万キロ。アイシスって、何万キロまで乗れるんだろう」

😥「最近ちょっと調子が悪いところも出てきたし、次の車検でまとまった費用がかかりそう…」

🌀「いっそシエンタとかフリードに乗り替えたほうがいいのかな」

走行距離が伸びてくると、この先どこまで乗れるのかが気になってきますよね。

とくに車検が近づくと、修理代と買い替え費用を天秤にかけて、悩む方も多いと思います。

走行距離の数字を見ると、もうダメかもしれないと思えてきて、修理にお金をかけていいのか、決めきれなくなるのかもしれません。

先に、いちばん大事なことをお伝えします。

「何万キロで限界」という線は、じつはありません。

以前、9万キロを超えたアイシスにお乗りの方から、こんなご相談をいただきました。

✅ 結論からお伝えします

何万キロまで乗れるかは、距離では決まりません。

決めるのは、いま出ている不具合が、いくらで直るかです。

ですので、迷ったら、まずは修理の見積もりを取ってみてはいかがでしょうか。

そのとき、どこで取るかで金額が変わります。

そして買い替えを考えるなら、サイズを落とす前に1日だけ試す方法があります。

順番に見ていきましょう。

まずは、いただいたご相談です

車のことは、ほとんどわかってません。

現在の車はアイシスで、次の夏の車検で11年、93,000キロです。

車は移動手段と思っているので、見た目には全くこだわりはありません。

平日は通勤や子どもの送迎で、それぞれ片道15分程度。

週末は試合の送迎やレジャー、年3回の帰省は高速で片道約4時間です。

小学生なので、スライドドア希望。

試合の送迎時や帰省時は7人乗りたいので、シエンタかフリードかなと思っています。

新車を見に行ったら、今のアイシスより1.5倍以上高くてビックリしてます。

なので、中古車も考え始めました。

中古車は、どのように探したらいいのでしょうか。

基本的には、実物は見られないのでしょうか。

ネットで見て、お店で説明だけ聞いて、購入後にお取り寄せですか。

買い替えたい理由は3つです。

① ブレーキを離してもスーッと進まなくなってきた(なので急にアクセルを踏み込むみたいな感じに)。

② エアコンボタンのプラスチックが割れたので押しにくい。

③ カーナビの画面が時々上がらない。

これらを修理して乗った方がいいですか。

ご質問ありがとうございます。

11年、9万キロ。

いろいろなところに「お疲れサイン」が出てきているようですね。

順番にお答えしますね。

何万キロで限界、という線はありません

「10万キロが寿命」という言葉を、聞いたことがあるかもしれません。

これは、もうずいぶん前の話です。

いまの車は、きちんと整備されていれば20万キロ以上走ることもめずらしくありません。

その根拠と、「ここを超えたら買い替え」の判断基準は、こちらにまとめました👇

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ですので距離そのものより、いま出ている不具合がいくらで直るかで決めていきます。

今回の3つを、1つずつ見てみましょう。

① ブレーキを離しても進まない・アクセルで急発進する

発進のもたつきは、トランスミッション(変速機)まわりでも、ブレーキまわりでも、おそらく修理で直ると思います。

不具合の中身によっては数十万円かかることもありますが、意外と安く直ることもあります。

ただ、診てみないと分からないところです。

つまりここがいくらかで、この先が決まるということですね。

② エアコンのボタンが割れて押しにくい

ボタンだけの交換で済むこともあれば、ユニットごとになることもあります。

中古部品で、うまく対応してもらえることもあるので、一度ディーラーなどに相談してみるといいですね。

③ カーナビの画面が上がらない

正直に申し上げると、ナビの修理はお金がかかります。

ただ、ナビとして使いたいだけなら、スマホで代用できます。

無料のアプリでも、到着予想の時間はかなり正確です。

ピゴス
ピゴス

私は面倒なので、メーターの邪魔にならないところにスマホを立てかけています

据え付けのナビは音楽用に使って、道案内はスマホ、という形でも十分にやっていけますよ

つまり、③は直さないという選択ができるということです。

無理に高額な修理をする必要はありません。

ナビを直さずにスマホで道案内をするなら、ひとつだけ知っておいてほしいことがあります。

スマホのGoogleマップは、あなたの車の大きさを知らないので、狭い道を案内することがあるんです。

その理由と、スマホのままで狭い道を避ける方法は、こちらの記事にまとめました👇

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修理見積もりは、どこで取るかで金額が変わります

ここが、あまり知られていないところだと思います。

修理の見積もりは、その車をたくさん整備してきたメーカーのディーラーにお願いするのがおすすめです。

今回ならトヨタですね。

なぜ、買取と販売がメインのお店ではないのか

ひとことで言うと、餅は餅屋です。

私もディーラー勤めの整備士だったころは、そのメーカーの車の情報や、整備のコツ、弱いところを把握していました。

逆に、ほかのメーカーの車のことは、資格があっても基本的なことしか知りませんでした。

10万円の車検代をいただいても、10万円ぶんの価値をお返しできる自信がなかったので、ほかのメーカーの車は、申し訳なくて、正直お受けしたくなかったくらいです。

今回のような原因のはっきりしない不具合ほど、その車をたくさん整備してきたディーラーのほうが、合格点を取りやすい選択肢になります。

また、買取と販売がメインの大きなお店は、整備を自社でやらず、外注に出すことがあります。

間に1社入るぶん、同じ修理でも割高になる可能性があるんですね。

これは、そのお店が悪いという話ではありません。

得意なことが違う、というだけです。

※お店の体制は会社ごとに違いますので、あくまで傾向のお話です。

お付き合いのないディーラーでも、大丈夫です

これまで行ったことがないディーラーでも、問題ありません。

事前に電話で「点検と見積もりをお願いしたい」と伝えれば、新規でも受け付けてもらえます。

お付き合いのないディーラーなら、見積もりだけでなく、こちらから先に「12ヶ月点検」をお願いして、気になる不具合も一緒に見てもらうのも手です。

12ヶ月点検は、法律で決められている、1年ごとの点検のことです。

そのほうが、ディーラーさんも気持ちよく仕事をしてくれるとは思います。

お店を味方につける、先行投資にもなります。

そのとき、こう添えてみてはいかがでしょうか。

すぐに乗り替えるつもりはないので、あと2〜4年くらい乗るための修理見積もりをください。

ナビはスマホで代用するので、修理は不要です。

この2つを先に言っておくと、いま必要な整備にしぼった見積もりが出やすくなります。

ブレーキまわりは車を預けないと分からないこともあるので、代車を借りられる日で予約しておくと安心です。

そして、出てきた金額を見てから決めます。

ここまでなら直して乗る、これを超えたら買い替える。

先に線を引いておくと、迷いがぐっと減りますよ。

はじめてのお店と、長くいいお付き合いをしていくコツは、こちらにまとめています👇

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サイズを落とす前に、1日だけ試す方法があります

ここからは、買い替えを考える場合のお話です。

アイシスは、シエンタやフリードより一回り大きなミニバンです。

ですので、乗り替えるとサイズが下がります。

ここで確かめておきたいことが、2つあります。

  • 7人乗せたときに、荷物が積めるか(人は乗れても、荷物やお土産、買い物したものが積みきれないというお話は、たまに聞きます)
  • 3列目に座る人の疲れ方(運転席や助手席は快適でも、3列目はまた違います。酔いやすいお子さんや、同じ体勢がつらい方がいるなら、なおさらです)

カタログの数字を見ても、ここは分かりません。

そこで、私がおすすめしている方法があります。

ピゴス
ピゴス

1度、購入を考えている車種をレンタカーで借りて、7人で長距離を走ってみるのがおすすめです

泊まりの旅行だとレンタカー代がかさむので、朝から晩までの日帰りで十分です

パワーは足りるか、狭い道は走りやすいか、後ろの席から不満は出ないか、乗り降りはしやすいか。一日でぜんぶ分かりますよ

百聞は一見にしかず、です。

レンタカー代は、たとえばシエンタなら、朝から晩まで借りて1万円ほどです。

※トヨタレンタカー公式の、シエンタなどのクラスを12時間借りる料金です(9,900円から・車種を指定するときは2,200円を追加・2026年10月に確認)。

気分転換も兼ねて試してみると、安心して、楽しい車選びができますよ。

そもそも、7人で乗るのは年に何回ですか

私は最初のお返事で、「7人で乗る機会が意外とあって、荷物もそこそこ積むのでは」と想像して、大きめの車をおすすめしていました。

すると、こんなお返事をいただきました。

車に家族以外が乗ることは、あまりないと思います。

年に7〜8回くらいでしょうか。

なので普段は1〜4人です。

この数字が出てくると、話が進めやすくなります。

年に7〜8回が近場なら、コンパクトミニバンでも十分にこなせます。

でも、その7〜8回に片道4時間の帰省が入っているなら、話は変わってきます。

だからこそ、一度レンタカーで試してみてほしいんですね。

このご相談者さまからは、あとで、こんなお返事もいただきました。

7人と書いてしまってましたが、7人はたぶんなくて6人。

行き先は近場の食事とか、最大1時間くらい(平均30分くらい)の試合会場とかで、そんなに長距離ではないです。

行き先が近場なら、シエンタやフリードでも、十分にこなせそうですね。

もし試してみて「やっぱり狭い」となったら、もう一度アイシスや、セレナ・ステップワゴン・ノア・ヴォクシーといった同じくらいの広さの車を選ぶほうが、満足度は高いと思います。

反対に、狭いと感じるのが年に数回の遠出のときだけなら、その日だけ大きめの車を借りる、という手もあります。

アイシスは、少し古くはなりますが、人気の車種ではないぶん、中古車の値段が手ごろです。

個人的には、ちょうど良いサイズの「隠れた名車」だと思っていて、復活してほしいくらいです。

そして、大きなお金を出すのに勇気がいるなら。

お子さんが小学校を卒業するくらいまで、いまのアイシスに乗り続けるのも、立派な選択です。

乗り続けながら、次の車をゆっくり探すこともできます。

調べているうちに、欲しい車の相場の感覚がだんだん分かってきますし、ある日突然、色やグレード、値段がバッチリの掘り出し物が現れることもあります。

これだと思う1台に出会えたら、そこで決めるのもいいと思います。

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もし買い替えるなら、どこで探す?

では、買い替えると決めた場合の探し方です。

本命は、ディーラーの認定中古車

認定中古車は、メーカー系のディーラーが点検・整備をして、保証を付けて売っている中古車のことです。

車にくわしくない方には、ここがいちばん安心です。

「トヨタ認定中古車」「Honda認定中古車」といったメーカー公式のサイトで、車種・お住まいの地域・予算で絞り込めます。

保証が付いていますし、気になる箇所を相談すれば点検してもらえます。

認定中古車をおすすめする理由は、こちらにまとめています👇

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実物は、近くのお店で見られます

ネットに載っている車は、あくまでそのお店の在庫です。

気になる1台が見つかったら、その車を扱っている会社の、家から近いお店に行ってみてはいかがでしょうか。

同じ会社のお店どうしなら、たいていは取り寄せてもらえます。

ただ、同じメーカーの看板でも、地域によっては、いくつかの別の会社に分かれています。

別の会社のお店からの取り寄せは難しく、できても陸送費(車をお店まで運ぶ費用)がかかります。

ですので、足を運べる範囲でしぼって探すのが現実的です。

安い買い物ではないので、買う前に、実物はご自身の目で確かめておくと安心です。

実際の検索画面を使った探し方は、こちらにまとめました👇

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シエンタ・フリードを選ぶときの3つ

  • 世代=どちらも複数の世代が中古で出ています。コスト重視なら、古い世代の新しめの1台という選び方もあります
  • ガソリン車かハイブリッド車か=ハイブリッドは、新車の値段で35〜40万円ほど高めです。年間に走る距離と、その値段の差で決めるのがおすすめです
  • 何人乗りにするか=5人乗りは荷室を広く使えます。フリードには、2列目が1人ずつの座席(キャプテンシート)になった6人乗りもあります。何人で乗る機会が年に何回あるかで考えます

※新車の値段の差は、トヨタとホンダの公式サイトで、同じグレード・同じ乗車定員の2WDどうしを比べたものです(シエンタ約35〜38万円・フリード約40万円・2026年10月に確認)。

※中古車では、年式や走行距離で差が変わります。

参考までに、このご相談のときに調べた金額を載せておきます。

ホンダの認定中古車サイトで、ご相談者さまのお住まいの県に絞ると、フリードは18台、いちばん安いもので179万円台でした。

※2022年12月時点で、ホンダの認定中古車サイトを、ご相談者さまのお住まいの県に絞って検索した結果です。

※在庫も相場も動きますので、いまの金額は、ご自身で検索して確かめてみてはいかがでしょうか。

新車が、いまのアイシスを買ったときの1.5倍以上だったことに驚かれた、とのことでしたが、中古でもそれなりの金額にはなります。

だからこそ、修理代と並べてから決めることに意味があるんですね。

中古車の購入先、3つのタイプ

買い替える場合の参考に、購入先のタイプをまとめておきます。

購入先価格安心度
ディーラー認定中古車やや高め◎ 保証充実
中古車販売店お手頃○ 店による
ネットだけで買う安いこともある△ 実車を確かめにくい

※あくまで一般的な傾向で、お店によって違いはあります。

まとめ:距離ではなく、見積もりで決める

  • 「何万キロで限界」という線はありません=決めるのは、いまの不具合がいくらで直るか
  • 修理見積もりはそのメーカーのディーラーで(その車の弱いところを知っているので、原因のはっきりしない不具合ほど頼りになります)
  • 「あと2〜4年くらい乗るための見積もりを」と先に伝える。ナビは直さない選択もあります
  • 出てきた金額を見て、ここまでなら直す、超えたら買い替えると線を引く
  • サイズを落とすなら、レンタカーで1日試す(7人乗せて、荷物を積んで、長距離を)
  • 7人で乗るのは年に何回か、その何回が近場か遠出か、を先に数える
  • 買い替えるならディーラーの認定中古車を中心に、足を運べる範囲で

走行距離の数字は、あと何年乗れるかを決めていません。

決めるのは、目の前の見積もりです。

焦らず、一歩ずつ確かめていきましょう。

ご相談者さまの、その後

このご相談には、続きがありました。

年が明けて、ご家族のご意向で、やはり買い替えることに決められました。

そして、フリードの中古車を見に行かれます。

そのお店で言われたアイシスの下取りは、5万円でした。

「下取りの前に、査定してもらったほうがいいでしょうか」というご質問もいただきました。

私からは、買取店で査定を受けるのは基本です、とお返事しました。

そのうえで、「ほかのお店の買取がこの金額だったので、下取りもこの金額になるなら決めます」という条件を、お店に出してみてもいいと思います、とお伝えしました。

その日の夜には、こう教えてくださいました。

ネット限定車、取り寄せてみることができるそうでお願いしました。

これが良さそうだったら決めようかと思ってます。

ちなみにアイシスの買取査定をしてきたら、13万円と言われました。

※2023年1月時点の査定額で、即決を条件とした金額です。

そして1月の半ばに、ホンダのディーラーで、中古のフリードをご契約されました。

ご契約のご報告には、「行動力とリサーチ力の賜物です」とお返事しました。

納車のあとには、こんなご報告もいただきました。

下取りも買取査定に出していたので、その価格で下取りしてもらえることになり、よかったです。

11年で9万キロのアイシスでも、はじめに言われた下取りの5万円が、13万円になったということです。

「もう価値はない」と思い込んで、そのまま下取りに出す前に、一度は査定を受けてみる。

その金額を、次の車を買うお店に伝えてみる。

それだけで、最後に手元に残るお金が変わります。

このとき、同じ「G」なのに値段が23万円ちがった3台を、どう見比べてフリードを選ばれたのかは、こちらでお話ししています👇

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ABOUT ME
ピゴス
ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、記事の下のコメント欄でいつでも承っております。ニックネームもメールアドレスも要りませんので、お気軽にどうぞ!