著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

👨「信頼して車検をお願いしたのに、戻ってきた愛車に身に覚えのない傷がついていた…」

👨「お店は謝ってくれたけれど、その後の対応にどうしても納得がいかない…」

もし、こんな事態に陥ってしまったら、冷静でいるのは難しいですよね。

大切にしている愛車なら、なおさらです。

でも、ここで感情的になってしまうと、かえって損をしてしまうこともあります。

この記事では、万が一のときに泣き寝入りせず、きちんと対処するための具体的な方法を、整備の現場にいた私の経験も交えてお伝えします。

読む時間がないな、という方は、記事の概要を動画でも解説しています👇

✅ 結論:3つの鉄則で、愛車と心を守る

預けた車を、お店のミスで傷つけられてしまった——。

そんなときの対処は、次の3つが基本です。

①まずは冷静に、現状の証拠を「写真やメモ」でしっかり記録する。

②勝手な修理はさせず、「信頼できる別の工場」でやり直す(費用は原因を作った業者に請求)。

③高額な慰謝料は現実的に難しいけれど、「弁護士費用特約」が交渉の切り札になることもあります。

実際にあった、悲しいご相談

まずは、読者の方からいただいたご相談を共有させてください。

決して、他人事ではないはずです。

🔶 預けた先
車検(ディーラーに委託する点検あり)で、1週間ほど入庫。

🔶 起きたこと
受け取り時に「移動中に擦ってしまった」と謝罪。

連絡がないまま、勝手に板金塗装がされていた。

🔶 仕上がり
塗装まわりに磨き傷が残り、元の傷も消えきっていない。

ボンネットやドアには新たな線傷まで。

🔶 お店の対応
指摘すると、謝罪もなく「磨いてみます」と勝手に作業。

窓口は新人さんで平謝りだが、会社への不信感が拭えない。

🔶 お気持ち
初めての輸入車で、とても大切にしていたので、精神的なショックも大きい。

🔶 ご質問
修理費用の負担はもちろん、慰謝料などは請求できる?

ピゴス
ピゴス

読んでいるだけで、胸が締めつけられます

大切にしている愛車ほど、この辛さは痛いほど分かります😢

でも大丈夫、ここから、やるべきことを一つずつ整理していきましょうね

まず、業者の対応の「問題点」を整理しよう

今回のケース、なぜここまで不信感を抱いてしまったのか。

それは、業者さんの対応に、いくつかの問題が重なっていたからです。

  1. 報告・相談なしに、勝手に修理したこと。傷つけた事実を正直に話したのは良いのですが、どう直すかをお客様に相談せず作業を進めたのが、最大の問題です。
  2. その修理が、不完全だったこと。急いで作業した結果、磨き傷が残るなど、お世辞にもプロの仕事とは言えない仕上がりでした。
  3. 誠意が感じられない対応だったこと。新たな傷の指摘に、謝罪もなく作業を始める——これでは、不信感が増すばかりです。

もし同じ状況になったら、まずは感情的にならず、この問題点を冷静に相手へ伝えることが大切です。

泣き寝入りしないための、具体的な3ステップ

では、実際にトラブルへ巻き込まれたとき、取るべき行動を3つのステップで解説します。

🔸 その①:現状の証拠を、あらゆる角度から記録する

まず何よりも先に、これ以上、車に触らせないこと。そして、現状の証拠を写真や動画で記録してください。

  • 傷をつけられた箇所のアップ写真
  • 修理が不完全な箇所のアップ写真
  • 車全体の写真(傷の位置関係がわかるように)
  • 担当者とのやり取りのメモ(日時・担当者名・会話内容など)

可能なら相手方にも立ち会ってもらい、「この傷のことで話し合っている」という認識を共有しながら記録できるとベストです。

これは、後々の「言った・言わない」のトラブルを防ぐために、とても重要です👍

🔸 その②:修理のやり直しと費用負担を、書面で約束する

次に、今後の対応について話し合います。

ポイントは、「この不完全な修理では納得できないので、信頼できる別の工場で直したい。その費用は、全額そちらで負担してほしい」という意思を、はっきり伝えることです。

そして、口約束で終わらせず、合意した内容は必ず書面に残してもらいましょう。

一筆もらっておくだけで、後のトラブルがぐっと減ります。

🔸 その③:「慰謝料」の現実と、交渉の切り札

「大切な愛車を傷つけられた精神的な苦痛に、慰謝料は請求できないの?」

そう思うのが、自然な気持ちですよね。

ここで、整備の現場を見てきた立場から、正直にお伝えします。

板金塗装は、どんなに腕の良いプロが手をかけても、100%元どおりにするのは、じつは難しいものです。

外部からの被害で、ディーラーでの板金・コーティングの再施工・代車費用まで含めて数十万円かかり、それでも仕上がりのツヤが完全には元に戻らなかった…というケースも、実際にあります。

そして残念ながら、こうした作業ミスのケースで、修理費用とは別に高額な慰謝料を受け取るのは、現実的にはかなり難しいのが実情です。

多くの場合は、菓子折りなどの「お詫びの品」で収まることがほとんどなんですね。

そこで知っておくと心強いのが、自動車保険に付いていることがある「弁護士費用特約」です。

これは交通事故だけでなく、今回のような「車のトラブル」で弁護士に相談する費用を、保険会社が負担してくれるというもの。

もし交渉がこじれたら、個人で戦うのではなく、「弁護士特約を使って、専門家に相談することも考えています」と伝えるだけで、相手の対応が軟らかくなることもあります。

まずは、ご自身の自動車保険の契約内容を、一度確認してみてくださいね😊

まとめ:悔しい経験を、次のご縁のきっかけに

最後に、大事なポイントをもう一度おさらいします。

  1. まずは冷静に。現状の証拠を、写真やメモで徹底的に記録する。
  2. 勝手な修理はさせず、「別の信頼できる工場で直し、費用は全額負担してもらう」ことを書面で約束させる。
  3. 高額な慰謝料は難しいが、「弁護士費用特約」が交渉の切り札になることも。

そして何より大切なのは、不信感を抱いた業者とは縁を切り、あなたが心から信頼できる新しいパートナー(整備工場やディーラー)を見つけることです。

愛車が再びキレイな姿に戻ることが、きっと一番の心の癒やしになるはずです。

ピゴス
ピゴス

悔しい気持ちは、当然のものです

でも、どうか負けないでくださいね

この経験が、あなたの愛車を本当に大切にしてくれる、新しいパートナーと出会うきっかけになりますように🐧

信頼できる「かかりつけの車屋さん」の見つけ方・付き合い方は、こちらでくわしくお話ししています。

【元ディーラー営業の本音】試乗・商談・担当変更で「気まずくならない」立ち回りガイド 🤔「気になる車があるけど、試乗だけで行くのって迷惑かな…」😟「担当の営業マンと相性が合わない…でも『担当変えて』なんて気まずくて言えな...

「弁護士費用特約」やもらい事故の初動など、車のトラブル対応はこちらも参考にどうぞ。

【慌てないで】事故で「損する人・しない人」元営業が教える“正しい初動”と弁護士特約事故で損する人としない人の差は『初動』と『備え』。もらい事故で自分の保険会社が交渉できない理由、弁護士特約の使いどころ、事故直後にやることを、元ディーラー営業×保険のプロが実例で解説します。...

車検やお店とのトラブルで疑問や不安ある場合は、「X」「お問い合わせ」「コメント欄」などでお気軽にご相談ください。

車のこと全般を、はじめから整理したい方は、こちらの「車の教科書」ページもどうぞ。

【はじめに】損しないカーライフの歩き方|6つの章でわかる車の教科書車の維持費・選び方・買い方・保険・売却までを6つの章で整理した入門まとめ。元1級整備士×元ディーラー営業のピゴスが、20以上の記事で損しないカーライフへの歩き方を案内します。困った時に戻れる入口ページです。...
ABOUT ME
ピゴス
ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、コメント欄や「X」などでいつでもメッセージを承っております。お気軽にどうぞ!