ディーラーより安くて満足できる車検はどこ?選び方と注意点

車検の時期が近づくと、「ディーラーは高いから、ほかで受けようかな」と考えますよね。
でも、車検専門店に修理工場、ユーザー車検と選択肢は多く、どこが安くて満足できるのか、なかなか分かりません。
整備の現場にいた元整備士の私が、正直にお答えします。
まず正直に言うと、ディーラー車検は比較的高めです。
ただ、大事なのは「価格」ではなく「価値」で判断すること。
そして、どのお店が合うかはご自身の経験や感覚に左右される部分が大きく、万人におすすめできるお店は、正直、私にもありません。
だからこそ相見積もりなのですが、あなたの時間もタダではないんです。
そのあたりの現実的な線引きと、私のおすすめの進め方をお話ししますね。
ひとつだけ、先にお伝えしておきます。
この記事は「まだ、かかりつけと呼べるお店が決まっていない方が、その1軒を決めるまで」のお話です。
すでに何年もお世話になっているお店があって、そこに不満がないのであれば、そこから安いお店を探し直す必要はありません。
相見積もりは「1軒を決めるため」に使うもので、「せっかく育てた関係を、毎回リセットするため」のものではないと私は思っています。
ご相談内容
いただいたご相談内容です(内容を編集して掲載しています)。
マツダ プレマシーに乗っています。
車検の時期なので、どこで車検を受けるか検討しています。
これまではディーラー車検でしたが、私が乗るようになってからは、変えようと思っています。
ディーラー車検は高いイメージがあり、ディーラー以外での車検を考えています。
ディーラー以外だと、車検専門店や自動車修理工場、ユーザー車検など、さまざまな選択肢があります。
価格と品質のバランスを取った車検を望む場合(高すぎず安すぎず、品質は重視したい)、どういった所で受けるのが良いでしょうか。
また、どこにするか決める際は、どういった手順で決めるとよいでしょうか。
ネットで情報を見る限りでは、複数社に車検見積もりを取って進めていこうと思っています。
ご質問ありがとうございます。
はじめての車検で、どう進めればいいか迷いますよね。
ディーラー車検が比較的高いのは、確かにそのとおりだと思います。
ただ、注意していただきたいのは、「価格」ではなく「価値」で判断するという点なんです。
じつは「ここです」と言えるお店が、私にもありません
いきなり白状しますが、価格と品質のバランスが良いお店を、私は「ここです」と挙げることができません。
無責任に聞こえたら申し訳ないのですが、これはご自身の経験や感覚に左右される部分が、とても大きいからです。
たとえば、同じチェーン店でも、県が違う、店舗が違う、同じ店舗でも見積もりをする人が違う。
それだけで、車検の見積もり金額は変わってきます。
さらに、年数が経っている車ほど、その差は広がる傾向があります。
差が生まれる理由は、だいたいこの3つです。
- 壊れる前に交換しておく「予防整備」を、どこまで見積もりに入れるか
- 不具合をしっかり見つけて、見積もりに反映できるか
- そのお店が、どこまで先回りして整備を提案する方針か
3つ目については、少し補足させてください。
提案の多い少ないは、方針の違いであって、良し悪しではありません。
お店も、利益が出なければ整備士さんを育てることも、設備を保つこともできないからです。
だからこそ見ておきたいのは、「なぜこの整備が必要なのか」を説明してくれるお店かどうか。
この見極め方は、あとの手順でも使いますので、覚えておいてくださいね。
相見積もりで手に入るのは、金額だけじゃない
そんな中で、できるだけ品質が高く、価格の安いお店を選ぶとなれば、ご質問者さんがお考えのとおり、相見積もりを取っていくに限ります。
いろいろな所に出すと、どこでも必ず勧められるものと、そうでないものが出てきます。
すると、だんだんと自分の車に必要な作業が分かってくるんです。
そして、値段の相場も見えてきます。
さらに、人の対応も見ることができます。
整備の技術力までは分かりませんが、気持ちの良い対応をしてくれるお店かどうかは、はっきり分かってきますよ。
相見積もりの回数を重ねるほど、ご自身の経験値がたまっていきます。
見積もりに並んだ「安心コース」のような追加パックが本当に必要かどうかは、こちらの記事で1項目ずつ見ています。
ただし——あなたの時間も「タダ」ではありません
ここで、正直にお伝えしたいことがあります。
相見積もりは正しい方法ですが、ご質問者さんの時間も「タダ」ではありません。
車が大好きな私ですら、受けるか受けないか分からない車検の見積もりを、あちこちで出してもらうのは、なかなかシンドイものがあります。
正直に言うと、良い感じだったら1〜2回で決めちゃいます。
せっかく時間をさいて見積もってくれたのに、何社も断るのは申し訳ないですしね。
そこで考えたいのが、その労力を掛けて「いくら」安くなるのか、ということです。
もし差が1〜2万円なら、休みの日をもっと有意義に使ったほうがいいかもしれません。
5万円変わるなら、考えてみても良いと思います。
もちろん、ここは人によって感じ方が違うところです。
車検の相見積もりは、安くなった金額と、使った休日を並べて考えてほしいんです
それだけ、あなたの1日には価値がありますからね
この「時間の価値」で考えると、ご相談にあったユーザー車検についてもお答えできます。
ユーザー車検は、費用だけを見れば確かにいちばん安く上がります。
ただ、平日に休みを取って運輸支局へ行き、整備の要否も自分で判断することになります。
車の知識にまだ不安があるうちは、浮いた金額よりも、時間と心配のほうが大きくなりやすいと私は思います。
ユーザー車検とディーラーの整備パックを、費用・手間・安心の3つで比べた記事もあります。
品質は、最後は「信頼して頼む」しかない
もうひとつ、正直にお話ししておきたいことがあります。
整備の品質は、どれだけ努力しても、自分が相手以上に車に詳しくないと見えてきません。
しかも、実際に作業してもらわないと分からない部分がほとんどです。
そこはもう、信頼して頼むしかないんですね。
だからこそ、もし品質を重視されるなら、「ディーラー車検」が無難な答えになります。
その道の専門家だからです。
マツダのお店で、マツダ車ばかりを整備している人の経験値は、やはり凄いものがあります。
もちろん、その中でもバラつきや、ハズレがないとは言いません。
それでも、確率としては安心して任せやすい選択だと思います。
もうひとつの価値——整備の履歴が残るということ
見落とされがちですが、車検にはもうひとつ大きな価値があります。
車検を受けると、そのとき大きな故障がなくても、そのお店には整備を受けた履歴が残ります。
すると、次に何か壊れたとき、その履歴を元に原因を探れるんです。
さらに、その後の対応も「お付き合いのあるお客様」として、じつは陰で優遇されていることがあります。
これはディーラーに限った話ではなく、町の整備工場でも同じです。
価値を感じて毎回来てくれる方には、良くしたいと思うものなんですよ。
だから私は、安さを追って毎回お店を変えるより、「ここ」と決めた1か所に履歴を積んでいくほうが、長い目では得だと考えています。
整備を1か所にまとめる考え方は、私自身が実践しているメンテナンスの話としてこちらにまとめています。
すでに同じお店に何年も通っていて、今回だけ相見積もりを取ろうか迷っている、という方はこちらもどうぞ。
9年目のデミオの車検で、まったく同じお悩みをいただいたときのお返事です。
私のおすすめの進め方(2ステップ)
ここまでを踏まえて、私のおすすめをまとめてみます。
①まずは、これまで受けてきたディーラーで見積もりをもらう
今までせっかくディーラーで受けて、信頼を積み上げてきたのであれば、まずはそこで見積もりをもらってみてください。
内容と金額に納得できたなら、そのまま受けるのがいちばんシンプルです。
なお、見積もりだけをもらって持ち帰るのは、ごく普通のことですよ。
気に病まず、「一度検討します」と伝えれば大丈夫です。
②納得できなければ、その見積もりを持って相見積もりへ
金額にまだ納得がいかない、あるいはお店の対応に満足できないようであれば、次のステップです。
ディーラーの見積もりを元に、どのくらい違うのか、妥当な整備なのかを、ほかのお店に見てもらいましょう。
行き先は、車検専門店でも、町の整備工場でも構いません。
先ほどお伝えしたとおり、業態よりもお店ごとの差のほうが大きいからです。
選ぶ基準は、「なぜこの整備が必要なのか」を、こちらが分かる言葉で説明してくれるかどうか。
じつはディーラーの見積もりを見せると、ほかのお店の見積もりの精度も上がります。
お医者さんで言うところの、セカンドオピニオンやサードオピニオンですね。
回るのは1〜2社で十分だと思います。
それ以上に増やすほど、先ほどの「時間の価値」のほうが重くなってきます。
ひとつだけ注意点があるとすれば、動き出す時期です。
車検の満了日ぎりぎりでは、比べる余裕がなくなってしまいます。
1〜2か月ほど前から動き始めると、落ち着いて選べますよ。
集めた見積もりをどう見比べるかは、年数の経った車の実例でくわしくお話ししています。
同じ項目どうしを並べる、というひと手間の話です。
まとめ
最後に、車検選びのポイントを整理します。
- ディーラー車検が高めなのは事実だが、判断の軸は「価格」ではなく「価値」
- 同じチェーンでも地域・店舗・担当者で金額は変わる=私にも「ここです」とは言い切れない
- 相見積もりで分かるのは、必要な作業・相場・お店の対応
- かけた労力で「いくら」安くなるかを考える=あなたの1日にも価値がある
- 品質重視ならディーラー車検が無難=専門家の経験値と、整備履歴が残る価値
- 進め方は、まずディーラーで見積もり→納得できなければ、それを持って1〜2社へ
車検は、ただ安く済ませるための手続きではありません。
これから何年か、大切な人を乗せて走る車を、誰と一緒に守っていくかを決める機会でもあります。
金額の安さだけでなく、気持ちの良い対応をしてくれるかどうかも見てほしいんです
そういうお店に出会えたら、カーライフはぐっと気楽になりますよ🐧
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このブログ「ぺんぎんカーライフ」では、損しないカーライフを送るための記事をまとめています。
車の維持費や整備との付き合い方をゼロから整理したい方は、こちらの教科書ページもどうぞ。
それでは、損しないカーライフをお過ごしください










