当て逃げされた車、直さないのもアリ? バンパーの傷は錆びないので急がなくて大丈夫です

駐車場に戻ったら、車に見覚えのない傷がついている。
まわりを見ても、誰もいません。
自分でぶつけたわけでもないのに、直すお金だけが自分にのしかかってくる。
納得がいかなくて当然です。
しかも、そのまま何ヶ月も、直すでも直さないでもない時間だけが過ぎていきます。
まず、バンパーの傷なら錆びる心配はありません。
急がなくて大丈夫です。
直し方は、直さない・自分で目立たなくする・板金塗装の専門店に直接頼む、の3つです。
専門店に直接というのは、あいだにお店が入ると外注の手数料が乗るからです。
そして、当て逃げで車両保険を使うと、保険料が上がります。
バンパーくらいの金額なら、自腹のほうが安く済むことが多いです。
いただいたご相談
実際にいただいたご相談を、ご紹介します。
(ご本人が特定されないよう、内容は編集してご紹介しています)
- 先月、当て逃げをされてしまった
- 車屋さんで見てもらったら「ざっくりですが、バンパー交換で約6万円」と言われた
- 塗装の見積もりも出してもらおうとしたら、見積もりだけだと、出た金額の何%かを見積もり費用として払うことになると言われ、出してもらわなかった
- 運転するのに支障はないので、たまに忘れているくらい
- それでも、塗装か何か手は打たないと、とは思っている
お気持ち、とてもよく分かります。
ご自分は何も悪くないのに、お金と手間だけがやってくるんですから。
まず、バンパーの傷は錆びません
いちばん先に、これをお伝えします。
バンパーは樹脂でできているので、傷がついても錆びてきません。
錆びるのは、ボディの鉄板に傷が入って、下地の金属が出てしまった場合です。
バンパーの側面が擦れているだけなら、そこには当たりません。
つまり、放っておいても悪化していくものではない、ということです。
急いで決めなくて大丈夫ですよ。
直さないと錆びていくのでは、と心配されている方が多いんです
バンパーの傷なら、その心配はいりません
まず一度、肩の力を抜いてくださいね
直し方は、3つあります
① 直さない
いちばん最初に置いておきたい選択肢です。
側面が擦れているだけなら、機能の上では問題ありません。
費用は一切かかりません。
条件はひとつだけで、当て逃げされたときの気持ちや、周りからの見た目が気にならないことです。
もし気にならないのであれば、余計なお金を使わずに済みます。
不運ではあったけれど、壊されずに済んだ、という受け取り方もできます。
② 自分で目立たなくする
カー用品店で研磨剤とスプレー缶を買って、自分で手を入れる方法です。
車の色には決まった品番があるので、少し磨いて同じ色のスプレーを軽く吹くだけでも、ぐっと目立たなくなります。
ただし、塗らないところを新聞などで養生する手間があります。
風のない日を選ばないと、近所のお車に飛んでしまうこともあります。
用品を選ぶときは、必ずお店のスタッフさんに相談してください。
そのうえで、難しそうだと感じたら、やめておいていいと思います。
傷や凹みを直すのは、思っている以上に職人の仕事です。
なお、傷ではなく凹みの場合は、吸盤で引っ張るタイプの道具も市販されています。
ただ、こちらは整備士仲間でも使っている人をあまり見かけません。
その理由と、直す・直さないの考え方は、こちらでお話ししています。
③ 板金塗装の専門店に、直接お願いする
しっかり直したいなら、これがいちばん無駄がありません。
理由は、あいだにお店が入ると外注になるからです。
整備が中心の車屋さんやディーラーは、板金塗装を自社でやっていないことがあります。
その場合は専門店に外注するので、そのぶんの手数料が乗ります。
最初から専門店に直接持ち込めば、その手数料はかかりません。
探すときは「板金修理」「ボディリペア」といった言葉で、お近くのお店を調べてみてください。
ただし、お店によって腕にも値段にも差があります。
ですので、安さだけで選ばないでください。
とくに色が特殊な車や、修理が大がかりになりそうなときは、話が変わります。
純正のデータで色を合わせてもらえるディーラーに、手数料を払ってでもお願いする価値があります。
今回のようにバンパーの側面が擦れている、という規模なら、専門店に直接で十分だと思います。
だからこそ、次の話が効いてきます。
「見積もりだけで費用がかかる」と言われたら
ご相談のなかで、いちばん引っかかったのがここでした。
見積もりを出してもらうだけで、その金額の何%かを払う。
それを聞いて、見積もりをもらうのをやめてしまわれたんですよね。
私の考えをお伝えします。
有料になるかどうかは、見積もりにかかる手間の大きさで決まります。
外から見て分かる範囲の概算なら、たいてい無料で出してもらえます。
実際、今回も「ざっくりバンパー交換で約6万円」という金額は、もう受け取っておられますよね。
有料になってくるのは、そこから先です。
部品を外して中まで確認したり、必要な部品を一点一点拾って詳細な見積書を作るとなると、板金の見積もりはかなりの労力になります。
そこまでやるとなれば、費用をいただくお店があるのも自然なことです。
そして板金屋さんもディーラーの窓口も、詳細な見積もりは「直す前提」で作るもの、という感覚を持っています。
ですので、比べたい段階では概算で聞けば大丈夫です。
「まずは概算で見てもらえますか」と伝えれば、2軒でも3軒でも金額を聞けます。
詳細な見積もりは、どこで直すかを決めてからで間に合いますよ。
見積もりが妥当かどうかの見方は、こちらでも整理しています。
車両保険は、使わないほうが安く済むことがあります
当て逃げは、ぶつけた相手が分かりません。
そのため車両保険を使うと、自分でぶつけた事故と同じ扱いになります。
つまり、次の更新から保険料が上がります。
バンパー交換くらいの金額だと、上がった保険料の合計のほうが、修理代より高くなることがよくあります。
少額の修理を自腹で払う方が多いのは、これが理由です。
どれくらい上がるのか、免責はどう考えるのかは、こちらで詳しく書いています。
正直なところ、この仕組みは理不尽です。
でも、考えてもイライラするだけなんですよね。
飛び石や動物の飛び出しと同じで、時々あるものだと思って、心穏やかに消化するのがおすすめです。
とはいえ、こういうことがあった後は、いまの保険で大丈夫かなと気になるものです。
今回は使わない、という結論でも、それは変わりません。
今日決める必要は、まったくありません。
💡 いまの保険と、並べてみる 複数社の見積もりがまとめて届くので、いまの保険料が高いのか安いのかが分かります。
保険の見直しの進め方そのものは、こちらにまとめています。
まとめ
- バンパーの傷は錆びません。急いで決めなくて大丈夫です
- 直し方は3つ=直さない/自分で目立たなくする/板金塗装の専門店に直接
- 専門店に直接持ち込むのは、あいだにお店が入ると外注の手数料が乗るから
- 比べる段階は「概算」で聞けば大丈夫(詳細な見積もりは労力がかかるので、直すと決めてからで間に合います)
- 当て逃げで車両保険を使うと保険料が上がる。バンパーくらいなら自腹のほうが安く済むことが多い
- 直さないという選択も、立派な選択です
ご相談者さまの、その後
このご相談には、続きがありました。
いちばん印象に残ったのが、この一行です。
「①の直さないというのは驚きでした」
そして、こう続きます。
「サビでボロボロになってしまわないかちょっと心配だったので、あまり選択肢に入ってませんでした」
直さないという道が見えていなかったのは、錆が怖かったからだったんですね。
セルフリペアについても、こう書いてくださいました。
「職場の人にもタッチペンでいいんではないかと言われてました。本格的にやるのは難しいと感じていました」
この感覚は、正しいと思います。
できるかどうか分からないことを、無理にやらなくていいんです
直さないという選択肢が増えただけでも、ずいぶん気が楽になりますよね
そのうえで決めれば、それがいちばんいい答えですよ
当て逃げは、本当に理不尽です。
でも、直すか直さないかを決めるのは、こちらの自由です。
壊されずに済んだ、と思えるなら、そのままでも大丈夫。
気になるなら、専門店で金額だけ聞いてみてください🐧
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