著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

引っ越しが決まると、家のことや仕事のことで頭がいっぱいになります。

少し落ち着いたころに、ふと車のことが気になってきます。

いま乗っている車は、引っ越し先の暮らしに合っているだろうか。

合っていないなら、売ったほうがいいのだろうか。

でも、まだ新しい車を手放すのは、やっぱりもったいない気もする。

✅ 結論からお伝えします

暮らしが変わって車が合わなくなったのなら、売るのは十分ありだと思います。

ただし、順番があります。

次の車を決める前に、まず「いくらで売れるか」を知ってください。

手元にいくら残るかが分かって、はじめて次の車の予算が決まります。

そして離島や地方では、島内・地元だけで売らないでください。

買い手の数が、そのまま金額に出てしまいます。

いただいたご相談

実際にいただいたご相談を、ご紹介します。

(ご本人が特定されないよう、内容は編集してご紹介しています)

  • お車:現行のVOXYハイブリッド(2022年10月に新車で購入・走行11,500km・ローン完済)
  • ご家族:お子さんが3人
  • もう1台:軽自動車あり
  • ご事情:約1年後に地元へUターン。地元は離島で、高速道路がなく移動は島内のみ
  • お考え:VOXYを売って、6人乗りの中古車を100万円ほどで買えないか

売りたいと思われた理由は、4つでした。

  • 島で使うにはオーバースペック
  • お子さんが3人いるので、キャプテンシートは使いづらいしもったいない
  • 家計を見直して、贅沢品だと気づいた
  • 売って余った資金は、貯金や暮らしの備えに回したほうが価値が高いと感じる

そのうえで、こう書かれていました。

「もったいない気もするのですが、お金の使い方としてこの方が正解のような気がしています」

「この考え方は筋が悪いでしょうか?」

私のいつもの答えは、そのまま乗ってください、です

先に、私のいつもの答えをお伝えします。

車のご相談をいただいたとき、私はたいてい「いまの車をそのまま乗り続けてください」とお答えしています。

乗り替えるたびに、購入の諸費用と、手放すときの目減りが同時にかかるからです。

しかも今回のVOXYは、走行距離が1万kmちょっとです。

距離の少ない、これからいちばんいい時期に入る一台です。

普通に考えれば、手放すのはもったいない一台です。

それでも今回は、売ってもいいと思いました

それでも、このご相談には「売ってしまってもいいと思います」とお返事しました。

理由は、離島という条件です。

高速道路がなく、移動は島内だけ。

VOXYがいちばん得意な場面が、これから先ずっと来ません。

そのうえ、お子さんが3人いるのにキャプテンシートです。

真ん中に席がないので、3人が並んで座れません。

そして、もう1台の軽自動車があります。

大きい車が本当に要る日は、思っているより少ないかもしれません。

「オーバースペック」というご自身の言葉は、たぶん当たっています。

引っ越しで変わるのは、住所ではなく「車の使われ方」です

今回は離島でしたが、車の使われ方が大きく変わる引っ越し先は、ほかにもあります。

どこへ行く場合でも、見るところは同じです。

いまの車のいちばん得意な場面が、引っ越し先で来るかどうか。

これだけです。

① 離島や、公共交通の少ない地域へ

走る距離は短く、道は狭くなりがちです。

大きい車や、高速道路が得意な車ほど、活躍の場が減ります。

ただし車そのものは生活の必需品なので、手放すというより「暮らしに合う一台に替える」方向になります。

② 雪の多い地域へ

4WDやスタッドレスタイヤが、いきなり現実の話になります。

いまが2WDなら、乗り替えを検討する理由がはっきりあります。

そしてもうひとつ、大事なことがあります。

4WDや雪国向けの装備は、雪の降る地域では高く、降らない地域では安く見られます。

つまり同じ車でも、売る場所で金額が変わります。

引っ越しの前と後、どちらで売るほうが高いのかは、こちらにまとめています。

【引っ越しで車を売る】前後どちらが高い?地域と今がカギの売却タイミング引っ越しで車を手放すなら、査定額がピークの引っ越し前・早めがおすすめです。新古車や低走行、4WD・雪国仕様の車を高く売るコツ、売る場所とタイミングの考え方、AI査定の使い方まで、後悔しない売却の判断を正直に解説します。...

雪の多い地域では、下回りの錆の話もついてきます。

下回りの塗装が本当に必要かどうかは、こちらで境界線を整理しています。

【雪国の新常識】下回り塗装、思考停止でやってない?「必要 vs 不要」の境界線と対策雪国の下回り塗装、思考停止でやっていませんか?必要・不要の境界線と、費用対効果の高い定期的な水洗いを、整備士目線で、元ディーラー営業がプロの視点で整理します。...

③ 公共交通が発達した都市部へ

駐車場代が高く、電車で足りてしまう場面が増えます。

車に乗る回数そのものが減るので、維持費が一気に重く感じられます。

ここは乗り替えよりも、「そもそも持ち続けるか」から考えていい場面です。

手放すかどうかで迷っている方は、こちらもどうぞ。

【車持ちは読まないで⁉】車が邪魔に感じてくる?車を手放したい人の背中を押すための話車は「金食い虫」だけでなく「時間食い虫」でもあります。手放すか持ち続けるか迷う方へ、見落としがちな時間の負担を、元ディーラー営業が両論併記で整理。納得の選択を後押しします。...

④ 道が狭い、駐車場が小さい地域へ

毎日の駐車と、すれ違いのストレスが変わります。

年に数回の大きい日より、いつもの360日で選ぶほうが、暮らしは楽になります。

サイズの決め方は、こちらで詳しくお話ししています。

車のサイズ選びで後悔しないコツ|「年に数回の大きい日」より「いつもの360日」で決める「年に数回の大人数」で大きい車を選ぶ前に。車の大きさは「いちばん長いいつもの日常」で決めると後悔しません。維持費の差と借りる選択肢、大きい車が正解な人の見分け方まで、ご相談の実例で解説します。...

どのタイプでも、次にやることは同じです。

ただ、100万円で6人乗りを探すと、古い車になります

ここからは、実務の話です。

100万円で6人乗りを探すと、正直なところ、なかなか古い車が多くなります。

年式が古い車は、買ったあとの修理費が読みにくくなります。

そこで、ひとつだけコツがあります。

スライドドアを、候補から外してみてください。

スライドドアは人気があるぶん、中古の値段がなかなか下がりません。

同じ100万円でも、スライドドアをやめれば、もっと程度の良い6人乗り(7人乗り)が買える可能性が高くなります。

電動スライドは、故障したときの修理も安くありません。

私自身、5年乗ったスライドドアの軽から、スライドドアのない軽に乗り替えたのですが、普通のドアでもなんとかなっています。

もちろん、これはあくまで私の場合の話です。

100万円という予算で何が買えるのか、そして総額表示のあとにいくらかかるのかは、こちらで詳しく書いています。

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そして、引っ越し先で乗る車を新しく買うときには、「どこで買って、どうやって運ぶか」も決めることになります。

その順番と、費用の見方はこちらでお話ししています。

転勤まで1ヶ月、車はどうする?買って運ぶかレンタカーでつなぐかは陸送費で決まります転勤まで1ヶ月で車を決めなければならない方へ。いまの場所で見て買って運ぶか、向こうでレンタカーでつないで探すか。ご相談者さまの陸送費の見積もりは15万円で、私の答えはそこで変わりました。順番と決め手をお話しします。...

順番は、まず「いくらで売れるか」

ここが、いちばん大事なところです。

次の車を探す前に、まずVOXYがいくらで売れるかを把握してください。

順番が逆になると、予算が決まらないまま車を探すことになります。

幸い、現行のVOXYハイブリッドは中古市場でとても人気があります。

走行距離も1万kmちょっとですから、高い金額が期待できます。

その金額が分かって、はじめて「乗り替えても損は少ない」かどうかが判断できます。

損失が少ないと分かれば、中古車への乗り替えも十分ありだと思います。

🔧 ピゴスより:離島の車は「本土で売る」のが鉄則です

離島は買取業者の数がどうしても限られるので、島内だけで売ろうとすると、相場より安く見られてしまいがちです。おすすめは、一括査定で本土の業者にも声をかけること。フェリーでの陸送費はかかりますが、それ以上に査定額が伸びるケースが多いんです。特にVOXYハイブリッドのような人気車は、本土の需要をうまく取り込むと、ぐっと高く売れますよ。

一括査定の使い方は、画像つきでこちらにまとめています。

【電話ラッシュなし】車を売りたい人は必見!80点は取れる方法を画像付きで解説電話ラッシュなしで車を高く売る方法を元1級整備士×元ディーラー営業が画像付きで解説。MOTA一括査定で80点を取る売却の手順とコツを業界目線で紹介します。...

実際に使った方の体験談も、こちらにあります。

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引っ越しまで1年あるなら、いま慌てて決める必要はありません。

この記事の結論も、決めることではなく、まず金額を知ることでした。

引っ越しまで時間があるうちは、業者さんを呼ばずに調べられる「AI査定」で見当をつけておくのがおすすめです。

MOTAの査定額は「提示から約1週間」が目安なので、申し込みは売る時期が固まってからのほうが活きます。

💡 今の車、いくらで売れる? MOTA車買取なら電話ラッシュなしで最大20社の査定額がわかります。>>MOTAで無料査定してみる

本土に戻る可能性があるなら、乗り続けるのもありです

最後に、逆の選択肢も置いておきます。

またいつか本土に戻ってくることも考えられるなら、VOXYをそのまま持っているのもありだと思います。

広い車内も、高速道路での安定感も、本土に戻ればまた活きてきます。

一度手放すと、同じ条件の車を買い直すのは、思っているより大変です。

ここはどちらが正解というより、これからの暮らしがどちらに近いかで決まります。

まとめ

  • 私のいつもの答えは「そのまま乗ってください」。乗り替えるたびに諸費用と目減りが同時にかかるからです
  • でも暮らしが変わって、その車のいちばん得意な場面が来なくなるなら、売るのは十分あり
  • 順番は、まず「いくらで売れるか」。手元に残る額が分かって、はじめて次の予算が決まります
  • 離島や地方では、島内・地元だけで売らない(買い手の数が、そのまま金額に出ます)
  • 100万円で6人乗りを探すなら、スライドドアを外すと程度が上がります
  • 本土に戻る可能性があるなら、そのまま乗り続けるのもあり

ご相談者さまの、その後

このご相談には、続きがありました。

「いくらで売却できるかと、次の車を探してみて、よく考えたいと思います」

決めるのではなく、まず調べる。

いちばんいい進み方だと思います。

ピゴス
ピゴス

もったいない気もする、というのは正直なお気持ちですよね

でも、ご自分で いまの暮らしには合っていない と気づけたことのほうが大きいです

そこに気づけた方の判断は、たいてい間違っていませんよ

「この考え方は筋が悪いでしょうか」と書かれていました。

筋は、悪くないです。

車を選ぶ基準が、値段や人気ではなく、ご自身の暮らしになっているからです。

あとは金額を知って、そこから決めるだけですよ🐧

離島の車選びで疑問や不安ある場合は、「X」「お問い合わせ」「コメント欄」などでお気軽にご相談ください。

最新記事のアップもXでお伝えしておりますので、よろしければフォローよろしくお願いいたします

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ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、コメント欄や「X」などでいつでもメッセージを承っております。お気軽にどうぞ!