著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

こんにちは、ピゴスです🐧

先日、こんなご相談をいただきました。

「ディーラーから、エンジンの修理も必要だから車検で100万円かかると言われました…」

そこから始まったやり取りの結末は、

別のお店で見てもらったら、約10万円で済みました。

差額、約90万円です。

「そんなことある?」と思いますよね。

あるんです。

そして、これは特別な話ではありません

この記事では、この実話をもとに、高額な修理見積もりが来たときに損しないための3つのステップを、車に詳しくない方にも分かるようにお話しします。

✅ 結論からお伝えします

高額な修理見積もりが来たら、

①その場で決めない

②不調があるか確認する

③別のお店でもう一度見てもらう(セカンドオピニオン)

セカンドオピニオンは「安くなる魔法」ではなく、「納得して、適正な価格を払う」ための手順です。

実際にあった「約100万円の見積もりが約10万円になった」お話と一緒にご紹介します。

まず、実際にあったお話です

実際にあったお話:ディーラーの修理見積もり約100万円がセカンドオピニオンで約10万円になるまでの流れ

ご相談者さまの車は、2015年式のSUV。

新車で買って、ディーラーでメンテナンスをしながら、大切に乗ってこられた車です。

車検が近づいてディーラーに見てもらったところ、こう言われました。

「エアコンのガス漏れと、エンジン本体のオイル漏れがあります。オイル漏れは箇所が多く、エンジンを取り外しての作業になるので、修理に60〜70万円。その他のエアコン修理や消耗品交換、車検費用と合わせると約100万円です」

約100万円…

さすがに高いということで、ご相談者さまは中古車への乗り替えを考え始めて、私のところへご相談に来られました。

ここで、私はまず3つだけ確認させていただきました。

「何が悪いと言われていますか?」(→上記の説明)

「普段乗っていて、不調はありますか?」(→違和感はなし

エアコンも問題なく効いていると思っていた)

「修理が安く済むなら、乗り続けたいですか?」(→はい

…ちょっと引っかかりますよね。

普段まったく不調がないのに、エンジンを降ろすほどの大修理?

正直に言うと、この時点で私は「100万円の修理が必要なほど、オイル漏れがひどいわけではないんじゃないかな?」と想像していました。

そこで、ディーラーの言うことをそのまま受け取って乗り替えを進めるのではなく、別のお店でもう一度見てもらうこと(セカンドオピニオン)をおすすめしました。

ご相談者さまが向かったのは、お住まいの地域にあった信頼できる整備工場です。

数日後、ご報告が来ました。

「ディーラーに言われたようなオイル漏れは見当たらないそうです。車検も受けられることになりました。見積もり、約10万円でした」

約100万円が、約10万円。

ピゴス

ご相談者さまの「信頼できる車屋さんが近くにあるのは本当に有り難いですね」という言葉が、忘れられません

私も、心からそう思います🐧

なぜ、90万円も差が出るのか?

「ディーラーが嘘をついたの?」と思うかもしれません。

ここは、丁寧にお話しさせてください。

私は元々ディーラーで働いていた人間で、ディーラーのメンテナンス技術は今でも高く買っています

そして、長く付き合う先としてディーラーを、このブログの他の記事でもオススメしています。

その上で、修理の見積もりには同じ車でも金額が大きく変わる理由が2つあります。

理由①:診断する人のスキルや判断基準が違う

車の診断は、人間の医療と同じで「診る人」によって見立てが変わります

たとえば「エンジンがガクガクする」という同じ症状でも…

✅A工場:「エンジン交換で50万円です」

✅B工場:「プラグ交換だけで大丈夫。1万円です」

これは極端な例ですが、実際にこれくらいの幅が出ることがあります。

また、ディーラーは車検の基準が厳しめで、「完璧に直す」前提の見積もりになりやすい傾向もあります。

「最高の状態に戻す」ためには正しい見積もりでも、「あと数年、安全に乗れればいい」という持ち主の希望とは、ズレてしまうことがあるんですね。

理由②:お店側の事情が入ることもある

そして、残念ながら…お店によっては「そろそろ乗り替えませんか」という気持ちが見積もりに乗ってしまうことも、ゼロではありません。

ユーザーさんからしたら、高い修理見積もりを見せられたら、「直すより買い替えかな…」って思っちゃいますよね。

今回はこのケースのように感じます。

ただ、ここで強くお伝えしたいのは、

こういう人(営業、整備士)や会社ばかりでは、決してないということです。

誠実に診てくれるディーラーも、整備工場も、たくさんあります。

だからこそ、1枚の見積もりだけで決めずに、確かめる手順を持っておくことが大切なんです。

高い見積もりが、本当に誠実な見積もりということもありますからね…

高額見積もりが来たときの、3つのステップ

高額な修理見積もりが来たときの3つのステップ:その場で決めない・事実を確認する・セカンドオピニオン

STEP1:その場で決めない(「検討します」と持ち帰る)

一番大事で、一番簡単なステップです。

高額な見積もりを出されると、その場の空気で「じゃあお願いします…」と言いたくなります。

でも、「検討します」と持ち帰るのは、まったく失礼なことではありません

車を預けている最中に電話で言われた場合でも、「一度確認して折り返します」でOKです。

金額が大きいほど、考える時間を取りましょう。

STEP2:事実を確認する(3つの質問)

持ち帰ったら、事実を整理します。

私がご相談で必ず聞く3つの質問を、そのまま自分に聞いてみてください。

「何が悪いと言われた?」(部品名・症状・金額の内訳)

「普段乗っていて、不調はある?」(音・振動・警告灯・効きの悪さ)

「安く済むなら乗り続けたい? それともちょうど乗り替えたいタイミングなのか?」

ポイントは2つ目です。

普段まったく不調がないのに、大きな修理を提案されているなら、それは「もう一度確かめる価値がある」サインです。

(もちろん、不調がなくても本当に危ない故障はあります。

だからこそ次のステップです)

STEP3:セカンドオピニオン(別のお店でもう一度見てもらう)

人間の医療で大きな手術を勧められたら、別の病院の意見も聞くことが大切なんて聞きますよね。

車も同じです。

高額な修理、違和感のある見積もりは、別のお店でもう一度診てもらいましょう。

今回の実話では、これで約90万円の差が見つかりました。

診てもらう先は、

✅別会社の同メーカーのディーラー(例えば、架空の名前ですが、北トヨタ販売株式会社の北店で100万円の見積もりなら、母体が違う南トヨタ販売株式会社の南店で見積もりを取るといったイメージです)

✅地域の整備工場

がおすすめです。

※診断やお見積もりが有料の場合もあります

私が実践しているメンテナンスの考え方は、こちらの記事で詳しくお話ししています👇

【ディーラーは正解⁉︎】車に詳しくない人にもオススメ!私の実践メンテナンス、4つの特徴車に詳しくなくても大丈夫。元1級整備士×元ディーラー営業が実践する、損しないメンテナンスの4つのコツを紹介。価格より価値で選び、車屋さんを味方につける考え方が身につきます。...

大事な注意:セカンドオピニオンは「安くなる魔法」ではありません

セカンドオピニオンは安くなる魔法ではない:診断が変わったケースと同じ診断だったケースの対比

ここ、誤解してほしくないところです。

以前、こんなご相談もありました。

走行中に不調が出て、最初のお店で「CVT(変速機)の交換で約48万円」と言われた方。

セカンドオピニオンとして別のお店(ディーラー)でも診てもらった結果…

「やはりCVTの交換が必要」という、同じ診断でした。

「なんだ、意味なかったの?」

いいえ、大アリです。

2つのお店が同じ診断なら、その修理は本当に必要だという可能性が高いということ。

この方は、金額に納得して、次の判断(直すか・乗り替えるか)に進めました。

セカンドオピニオンの目的は、値切ることでも、お店を疑うことでもありません。

「納得して、適正な価格を払う」ための手順です。

安くなればラッキー、同じ診断なら安心して払える。

どちらに転んでも、損はありません。

ちなみに、「直すより乗り替え」を考えるときは、乗り替えそのものにも諸費用という大きなお金がかかることを忘れないでくださいね。

長く乗るか乗り替えるか、判断の材料はこちらの記事にまとめています👇

【えっ!?】車は10年10万kmで寿命?車屋さんは言いづらい『本当の判断基準』 🥲「うちの車、もう10年・10万km。そろそろ寿命かな…」😂「車屋さんで『そろそろ買い替えどき』って言われた」🤔「周りも乗り替えてるし...

そもそも高額見積もりに出会わないための「予防」

高額見積もりの予防はかかりつけの車屋さん:整備の履歴が1ヶ所にたまる・関係ができている・まず電話できる相手がいる

最後に、予防のお話です。

実は、普段からかかりつけの車屋さんと関係を築いておくと、そもそも違和感のある見積もりに出会う確率がグッと下がります

今回のケースは「その信頼を裏切られてしまった」と言えるので、何とも歯切れが悪いのですが、関係性が築けていないと、もっとそういった足元を見られる可能性が増えてきます。

なので、私のスタンスは変わりません。

あくまで個人の見解ですが、

✅整備の履歴が1ヶ所にたまる→車の状態を分かった上で提案してくれる

✅関係ができている→「この人に変な提案はできない」が自然に働く

✅困ったときに、まず電話できる相手がいる→焦って決めなくて済む

今回のご相談者さまも、「今までディーラーとガソリンスタンドしか行ったことがなかった」とおっしゃっていました。

初めての整備工場は勇気がいりますよね。

でも、車検や小さな整備からで大丈夫です。

「この人なら任せられる」というお店を1軒、少しずつ見つけていきましょう。

車屋さんとの付き合い方は、こちらの記事で詳しくお話ししています👇

【元ディーラー営業の本音】試乗・商談・担当変更で「気まずくならない」立ち回りガイド 🤔「気になる車があるけど、試乗だけで行くのって迷惑かな…」😟「担当の営業マンと相性が合わない…でも『担当変えて』なんて気まずくて言えな...
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まとめ:見積もり1枚で、決めなくていい

今日のお話をまとめます。

✅高額な修理見積もりは、診断する人のスキルやお店の事情で大きく変わることがある(実話:約100万円→約10万円)

✅来たときの3ステップ=①その場で決めない ②事実を確認する(不調ある?)③セカンドオピニオン

✅セカンドオピニオンは「安くなる魔法」ではなく「納得して払う」ための手順(同じ診断なら、それは本当に必要な修理)

✅予防はかかりつけの車屋さん

そして、今回のご相談者さまを見ていて、私が一番お伝えしたかったのはこれです。

1人で抱えて、焦って決めなくていい。

高額な見積もりを前に、その場で決めてしまって後悔する方が、本当に多いんです。

誰かに聞く。

もう1軒で診てもらう。

その一歩が、あなたの家計と愛車を守ります。

ピゴス

私も、あなたのカーライフのセカンドオピニオンになります🐧

🔰車の知識をゼロから整理したい方は、20記事以上を6つの章にまとめた教科書ページもどうぞ👇

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ピゴス
ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、コメント欄や「X」などでいつでもメッセージを承っております。お気軽にどうぞ!