著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

中古車の値引き交渉って、そもそもできるのか。

できるとしても、どう切り出せばいいのか、迷いますよね。

車の販売と整備、両方の現場にいた私が、中古車の値引きの「仕組み」から、交渉の進め方まで正直にお伝えします。

✅ 結論からお伝えします

スズキ アルトのような中古車で、大きな値引きを引き出すのは、正直むずかしいことが多いです。

中古車は一台ごとに利益の幅が決まっていて、新車のように大きく崩せないからなんですね。

ご相談の81万円という価格そのものは、年式や走行距離を考えると、相場から大きく外れてはいなさそうですよ。

だからこそ、本体価格だけを見るのではなく、複数の車を見積もりで並べて、いちばん気に入った一台から交渉するのがおすすめです。

値引きそのものより、タイヤやバッテリーといった「サービス」で歩み寄ってもらうほうが、気持ちよくまとまりやすいですよ。

ご相談内容

いただいたご相談内容です(内容を編集して掲載しています)。

現在、スズキ アルト、ダイハツ ミライース、ホンダ フィットの中古車について、3つの販売店と交渉を進めています。

そもそも、中古車に値引き交渉は可能なのでしょうか。

本日、アルトの販売店から「現金一括での支払いだと値引きは難しい」との回答をもらいました。

この場合、もう一度交渉してみるべきか、それとも提示された金額を受け入れるべきか、正直迷っています。

ちなみにアルトは、グレードがL 4WD、年式は令和3年、走行距離は1万キロ、修復歴なしで、保証やオプションはすべて外して81万円です。

この価格が妥当かどうかも分からず、ぜひご意見をいただけると助かります。

ご質問ありがとうございます。

複数の車を並べて検討されているのは、とても良い進め方ですよ。

まずは残りの2台の見積もりもそろえて、条件を比べたうえで、いちばん気に入った車から交渉していきましょう。

順番に、値引きの仕組みから、価格の見方、交渉のコツまでお話ししていきますね。

そもそもどの車を選ぶか、という一歩手前で迷っている方は、こちらの記事もどうぞ。

北海道でおすすめの軽自動車は?普通車も含めた選び方を解説北海道で予算180万円の車選び。元整備士のピゴスが、コスト重視のスズキ アルトやダイハツ ミライース、長距離ならコンパクトカー、雪道の4WDとスタッドレスまで、軽と普通車の両面からやさしく解説します。...

そもそも中古車の値引きは、なぜ難しいのか

まず知っておいてほしいのが、中古車の値引きが難しいのには、ちゃんとした理由があるということです。

新車とちがって、中古車は一台ごとに利益の幅が、お店や相場である程度決まっています。

その車を仕入れて、点検して、店頭に並べるまでにかかった費用がありますから、本体価格だけを大きく削るのは難しいんですね。

多くのお店では、オプションや保証、点検パックなどを付けていただいたうえで、その分の利益を少し削って本体価格を下げる、という形をとっています。

つまり、車両本体だけで、しかも初めてのお客様となると、値引きの「財源」がなく、大きな値引きは期待しにくいということです。

ですので、アルトの販売店から「現金一括だと値引きは難しい」と言われたのも、意地悪をされたわけではありません。

中古車の仕組みのうえで、正直に答えてくださっているだけなんですね。

ピゴス
ピゴス

『現金一括だと難しい』と言われると、なんだか突き放された気がして戸惑いますよね

でも、これは駆け引きではなく、中古車の仕組みを正直に話してくれているだけなんです

81万円は妥当?「総額」と「相場」で見る

次に、いちばん気になっておられる、81万円という価格が妥当かどうかについてです。

正直にお伝えすると、いただいた情報だけでは、ズバリ「安い」とも「高い」とも言い切れません。

ただ、令和3年式で1万キロ、修復歴なしのスズキ アルトということであれば、相場から大きく外れてはいなさそうです。

私も参考までに、同じくらいの年式・走行距離・エリアで、中古車の情報サイトを見てみたところ、おおよそ同じ価格帯の車が見つかりました。

ですので、特別に高いわけではなさそうです。

ただ、アルトはもともとの車両価格が安い車種なので、価格の幅そのものが狭い、という点は知っておいてくださいね。

もう一つ大切なのが、本体価格だけでなく、税金や登録の費用まで含めた「総額」で比べることです。

本体が数万円安くても、諸費用がその分高ければ、最終的な支払いは変わらない、ということもよくあります。

候補の車すべてを、本体価格ではなく総額で並べてみると、どの車が本当にお得か、はっきり見えてきますよ。

掘り出し物をねらって探しつづけるより、相場のなかで状態の良い一台を、納得して選ぶ。

それが、いちばん損をしない中古車の買い方だと、私は考えています。

契約前に確認しておきたいポイント

価格の見当がついたら、契約の前に、車そのものの状態も確認しておきましょう。

とくにアルトについては、まだ分かっていない情報がいくつかあります。

次のような点は、最終的に契約する前に、チェックしておくと安心ですよ。

  • 車検の残り期間(残りが短いと、その分の費用がかかります)
  • タイヤの残り溝(すり減っていると、早めに交換が必要です)
  • バッテリーなどの消耗品の状態
  • ボディの傷や、エアコンの効き、車内のタバコの臭いなど

とくに、車内の臭いやエアコンの効きといった部分は、買ってからでは直しにくいところです。

数字のスペックだけでは分からない部分なので、できれば実際に乗り込んで、ご自身の目と鼻で確かめておくと安心ですよ。

もう一つ、販売店がスズキのディーラーか、一般の中古車販売店かによっても、価格の傾向は変わります。

ディーラーの中古車は、保証やアフターが手厚いぶん、価格はやや高めになりやすいです。

どちらが良い・悪いということではなく、安心をどこまで求めるかで、選び方が変わってくるんですね。

中古車をディーラーと販売店のどちらで買うか、迷ったときはこちらの記事が参考になります。

中古車はディーラーと販売店どちらが正解?取り寄せ購入も解説中古車はディーラーの認定中古車と一般の販売店どちらが正解か、県外の車の取り寄せまで、元ディーラー営業のピゴスが解説。メリット比較・お店訪問のコツ・買わなきゃ不安への答えまで、やさしくまとめました。...

値引きより「サービス」で歩み寄ってもらう交渉のコツ

では、実際にどう交渉を進めていくか、具体的な手順をお伝えします。

  1. 候補の車すべての見積もりを、総額でそろえて確認する
  2. いちばん気に入った車に、順位をつける
  3. 第一候補のお店に、ほかの車も検討していることを正直に伝える
  4. そのうえで、購入を前向きに考えていることを伝え、何かできることはないか相談してみる

このとき、本体価格の値引きを正面から求めるより、「サービス」でお願いするほうが、お店も歩み寄りやすくなります。

たとえば、タイヤの溝が少なければ新品に交換してもらう、バッテリーが古ければ新しくしてもらう、といったお願いです。

車検の残りが少ないなら、車検を新しく取り直したうえで、その費用を見積もりに含めてもらえないか相談する、という手もあります。

金額そのものは動かせなくても、こうしたサービスなら応じてもらえることは、けっこう多いんですよ。

もう一つ、交渉で効くのが「言い方」です。

いきなり「値引きできますか」と切り出すより、「予算がこれくらいなので、その中でお願いできませんか」と、具体的に伝えるほうが、話が早く進みます。

数字を正直に見せてくれるお客様には、営業のほうも、本気で応えたくなるものなんです。

そして何より、購入したあとも、点検や車検でお世話になる相手です。

値引きを勝ち取ることより、気持ちのよい関係を築くことを大切に、相談ベースで進めてみてくださいね。

ピゴス
ピゴス

いきなり値引きから切り出すより、まず『この車が気に入りました』と伝えるほうが、じつは話は早いんです

営業も人間なので、気持ちよく応援したくなるお客様には、自然と一歩ふみ込みたくなるものですよ

季節のセールや初売りでの交渉のコツは、こちらの記事でもお話ししています。

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まとめ

最後に、中古車の値引きと交渉のポイントを整理します。

  • 中古車は利益の幅があらかじめ決まっていて、大幅な値引きは望みにくい
  • 「現金一括だと難しい」は駆け引きではなく、仕組み上の正直な答え
  • 価格は本体だけでなく「総額」で、複数の車を並べて比べる
  • 契約前に、車検残・タイヤ・消耗品・臭いなど、買ってから直しにくい部分を確認する
  • 値引きより、タイヤ交換などの「サービス」と、ていねいな言い方で歩み寄ってもらう

気に入った一台と、気持ちのよい形で出会えるよう、あせらず進めてくださいね。

中古車の値引きや交渉で疑問や不安ある場合は、「X」「お問い合わせ」「コメント欄」などでお気軽にご相談ください。

ピゴス
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車えらびに役立つ記事を、こちらの一覧(車の教科書)にもまとめています。

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ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、コメント欄や「X」などでいつでもメッセージを承っております。お気軽にどうぞ!