エンジンオイルは持ち込んだほうが安い? フィルターは毎回替えなくて大丈夫です

オイル交換は、車に乗っているかぎり何度もやってきます。
1回あたりは数千円でも、5,000kmごとなら年に2回、3回。
少しでも安くしたい、と考えるのは自然なことだと思います。
オイルを自分で買って持ち込めば安くなるのか。
どこのお店がいちばん安いのか。
その2つに、順番でお答えしていきますね。
先にお伝えすると、安くする方法はあります
ただそれは、安いお店を探して回ることではないんです
減らせるのは、ムダのほうですよ
オイルの持ち込みは、こだわりのオイルがある場合を除いておすすめしません。
缶が余りますし、整備士さんの手間も増えて、その割に安くならないからです。
オイルフィルターは、毎回替えなくて大丈夫です。
ご相談者さまのように2回に1度で、じゅうぶん理にかなっています。
そして、安さで店を使い分けるとオイル交換の履歴が分散します。
長く乗るつもりなら、信用できる1ヶ所に残していくほうが、結局は安くつきます。
いただいたご相談
まずは、いただいたご相談です(内容を編集して掲載しています)。
現在タントに乗っていますが、5,000kmごとにエンジンオイルを交換し、2回に1度エンジンフィルターを交換しています。
なるべく安く済ませるには、エンジンオイルやフィルターを持ち込んで交換してもらった方が良いのでしょうか。
また、ガソリンスタンドやカー用品店で、どこが一番安いのでしょうか。
まず、いまのやり方で合っています
本題に入る前に、ひとつお伝えさせてください。
5,000kmごとにオイル交換、2回に1度フィルター交換。
この組み立ては、すでにきれいに整っています。
直すところがありません。
せっかくなので、なぜこれで合っているのかをお話ししますね。
フィルターは、オイルと同じサイクルではありません
オイル交換のたびに「フィルターも一緒にどうですか」とすすめられて、そういうものかと思っている方は多いと思います。
でも理屈から言えば、フィルターは毎回替える必要はありません。
フィルターの役目は、オイルの中の汚れを受け止めておくこと。
オイルそのものを入れ替えるサイクルと、フィルターが受け止めきれなくなるサイクルは、同じではないんです。
ですので2回に1度、あるいは走行1万kmごとにオイルと一緒に、という組み立てで足ります。
ご相談者さまは、まさにその形になっています。
ちなみに私は、オイル交換で預けたのに、連絡もなくフィルターまで替えられていた——というお店とは、あまりお付き合いしたくないと思っています。
金額としては大きなものではありません。
ただ、預かる前に一言確認をくれるかどうかは、その先も任せられるかどうかの分かれ目だと思うんです。
5,000kmごとは、営業トークではありません
「5,000kmごとなんて、早すぎるのでは」と疑う方もいらっしゃいます。
お店の売り上げのために短く言っているのでは、と。
私の考えでは、5,000kmか半年というのは、過度に短いわけではなく、安全側の妥当な目安です。
国産車で、適した粘度のオイルをこのサイクルで替えていれば、オイルが原因のトラブルは基本的に避けられます。
とくに軽自動車は、エンジンの回転数が高めになるぶん負担も大きめなので、短めに保つ意味があります。
タントにお乗りなら、いまのサイクルのままで問題ありません。
もちろん、良いオイルを入れて交換の回数を減らすという考え方もあります。
手間と時間とお金を合わせて考えれば、そちらがトータルで得になる方もいらっしゃると思います。
オイルがなぜ車にとって別格の存在なのかは、こちらでくわしくお話ししています。
オイルやフィルターの持ち込みは、安くなりますか
ここが、ご相談のいちばんの中心だと思います。
結論から言うと、こだわりのオイルがある場合を除いて、私はおすすめしていません。
理由を3つ、順番にお話しします。
① 缶が、少し余ります
タントのようなお車だと、オイルの量に対して市販の缶は少し多めです。
3L缶を買うと、いくらか余ります。
その余りを、次まで置いておくのか、処分するのか。
置いておくなら保管場所が要りますし、処分するなら持っていく先を調べることになります。
安くなったぶんが、この手間で相殺されてしまうことが多いんです。
② 整備士さんの手間も、増えます
ここは、あまり語られないところです。
持ち込みの手間がかかるのは、自分だけではありません。
お相手の整備士さんにも、手間をかけてしまいます。
お店には、いつも使っているオイルが在庫として並んでいます。
それを使うほうが作業としても流れがよく、品質の面でも自信を持って出せる。
整備する側からすれば、そちらを望むのが自然だと思います。
せっかくお店を使うのであれば、そこのオイルを使うほうが、お互いにとって気持ちのいい形になります。
③ そのうえで、こだわりがあるなら持ち込みはアリです
ここは誤解のないようにお伝えしておきます。
持ち込みが悪い、という話ではありません。
安く済ませるためではなく、このオイルが使いたいという理由があるなら、持ち込みはじゅうぶんアリです。
お店に一言相談して、受けてもらえるなら気持ちよくお願いすればいいと思います。
いちばん安いのは自分でやること。でも、私はすすめません
正直に言えば、いちばん安く済ませる方法は、自分で交換することです。
ただ、これは基本的にはおすすめしていません。
工具と作業スペースが要りますし、抜いた古いオイルの処分も自分でやることになります。
作業に慣れていない場合、締め付けの加減ひとつでエンジンを傷めてしまうこともあります。
趣味として車をいじるのが好きな方なら、挑戦する価値はあると思います。
でも「安くしたいから」という動機だけなら、手間とリスクに見合わないというのが私の考えです。
どこが安いかより、どこに履歴を残すか
最後に、いちばんお伝えしたいところです。
依頼先として考えられるのは、ガソリンスタンド、カー用品店、ホームセンターの整備コーナーあたりでしょうか。
どこが安いかは地域や店舗によってさまざまなので、一概には言えません。
あくまで私の印象ですが、価格だけならホームセンター系は安そうなイメージがあります。
ただ、ここで立ち止まっていただきたいんです。
安いところを探して、そのたびに違うお店を使う。
これをやると、2つのものを失います。
ひとつは、あなたの時間と、考える力です。
今回はどこが安いかを毎回調べて、予約して、場所を覚えて。
数百円のために、そこそこの脳のリソースを使うことになります。
もうひとつは、オイル交換の履歴です。
あちこちで替えていると、どのお店にも記録が残りません。
そうすると、いざ不調が出たときに「この車が、これまでどう手を入れられてきたか」を誰も知らない状態になります。
交換したばかりの部品を、また見積もりに入れられることもあります。
長く乗っていくことが目的なら、オイル交換のような大事なメンテナンスは、1番信用できる所に任せておくのがおすすめです。
その1か所がディーラーなら、車検のときに「メンテナンスパックにオイル交換までまとめるか」で迷うことになります。
その判断は、こちらでお話ししています。
安さと、お店の使い勝手のよさと、自分の手間のかからなさ。
この3つのバランスで選んだほうが、トータルではお得になります。
1ヶ所に任せると何が積み上がるのかは、こちらにまとめています。
なお、依頼先そのものを比べたい方は、ディーラーとカー用品店を並べた記事もあります。
まとめ
- オイルフィルターは毎回替えなくて大丈夫。2回に1度、または1万kmごとで足ります
- 5,000kmか半年は営業トークではなく、安全側の妥当な目安(軽自動車は負担が大きめなので短めが合う)
- 持ち込みは、缶の余りと整備士さんの手間を考えると、安さ目的ならおすすめしません
- こだわりのオイルがあるなら持ち込みはアリ。一言相談してからどうぞ
- 自分で交換するのがいちばん安いけれど、手間とリスクは自分持ちになります
- 安いお店を渡り歩くと、時間と履歴を失います。長く乗るなら1ヶ所に残していく
安くする方法は、たしかにあります。
でもそれは、お店を変えることではなく、替えなくていいものを替えないことのほうなんですね。
ご相談者さまの、その後
このご相談には、うれしい続きがありました。
「オイルの管理や、整備士さんとのお互いの手間まで考えていなかったので、とても勉強になりました」
そして、こう書いてくださったんです。
「トータルを考え、家の近くの整備工場に、今後は車検やオイル交換などのメンテナンスを依頼してみようと思ってます」
最初は「どこが一番安いですか」というご質問でした。
それが、ご自分で「近所の1ヶ所にまとめてみよう」というところまで進まれた。
数百円を追いかけるのをやめて、その先の何年かを見に行かれたということだと思います。
近所の整備工場さんにとっても、そうやって通ってくださるお客さまはありがたい存在です。
こういうやり取りができると、お伝えしてよかったなと思います。
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