著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

春から、社会人。

通勤で車が要るけれど、車のことはよく分かりません。

しかも住んでいるのは雪国で、まわりからは「軽じゃ心もとないよ」と言われる。

予算は、がんばって100万円。

できれば7年でも8年でも、長く乗りたい。

初めての車選びは、決めることが多くて、どこから手を付ければいいのか分からなくなりますよね。

✅ 結論からお伝えします

初めての1台は、車種を決める前に「予算・使い方・どのくらい乗るか」の3つを先に決めると、迷いません。

そのうえで雪国・4WD・大人4人という条件なら、コンパクトカーは理にかなった選び方です。

100万円で7〜8年乗れるかどうかは、車種ではなく「その1台がどんな状態か」で決まります。

ですので、初めての方はディーラーの認定中古車から探すと、失敗しにくくなります。

そして、いちばん見落とされやすいのが保険料です。

車の値段より先に、そこを調べておいてください。

ご相談の内容

まずは、いただいたご相談です(個人が分からないよう編集して掲載しています)。

  • 22歳、春から新卒として働き始める
  • 通勤と生活のために車が必要(公共交通機関の本数と範囲が限られている)
  • 雪国なので、軽自動車では心もとない。コンパクトカーを希望
  • 4WDは絶対条件
  • 予算は高くても100万円くらい
  • できるだけ長く乗りたい(7、8年)。乗り潰すのがいいのかな?
  • 購入は今年の10月ごろの予定
  • 車のことはよく分からないので、おすすめの車種が知りたい

新社会人、おめでとうございます。

そして、買う7か月も前から、こうして調べておられる。

それだけで、もう半分くらいは損しない買い方ができていると思いますよ。

「7〜8年乗りたい」は、とても良い考えです

先に、大事なところからお伝えしますね。

「できるだけ長く乗りたい」というお考えは、そのままで大丈夫です。

車は、乗り換えるたびに購入の諸費用と売却の手間がかかります。

1台を長く乗ることは、再現性の高い節約なんです。

そして、長く乗るほど、買った金額の月あたりの負担は下がっていきます。

100万円の車を4年で手放せば月2万円ちょっと。

でも8年乗れば、月1万円ほどになります。

同じ車で、同じ金額なのに、です。

ただし、その年数を決めるのは車種ではなく、その1台です

ひとつだけ、気をつけたいことがあります。

「7〜8年乗れるかどうか」は、車種では決まらないんです。

同じ車種でも、前の持ち主がどれだけ丁寧に乗ってこられたか、その1台がどんな使われ方をしてきたか。

そちらのほうが、はるかに大きく効いてきます。

ですので、見るのはカタログではなく、その1台の中身です。

  • 整備の履歴が残っているか
  • 保証が付いているか
  • 年式と走行距離のバランスが、価格に見合っているか

走行距離の目安としては、1年あたり8,000kmくらいまでに収まっていると、ゆったり使われてきた可能性が高いです。

5年落ちなら4万kmあたり、が一つの目安ですね。

ただ、これも使い方しだいです。

土日しか乗っていなかった車なら、年式のわりに距離が少ないこともあります。

同じ金額でも、「あと3年の車」と「あと7年の車」では、1年あたりの負担がまるで違ってきます。

その見方は、こちらでくわしくお話ししています。

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長く乗るつもりでも、変わることはあります

もうひとつ、22歳のいまだからこそ、お伝えしておきたいことがあります。

7〜8年というのは、けっこう長い時間です。

そのあいだに、転職されるかもしれません。

職場が変わって、通勤の距離が変わるかもしれません。

ご家族が増えて、必要な車が変わるかもしれません。

長く乗ろうと思っていても、そう簡単ではないこともあるんです。

じつは、ここに中古車を選ぶもうひとつの値打ちがあります。

新車は買った瞬間から値打ちが下がっていくので、数年で手放すことになったとき、痛手が大きくなります。

すでに値段が落ちている中古車なら、同じことが起きても、失うものが少なくて済みます。

「長く乗るつもりだけれど、変わったときにも困らない」

中古車は、その両方を持っている選び方なんですね。

雪国で「軽ではなくコンパクトカー」は、理にかなっています

ご相談者さまは「軽自動車では心もとない」と書いておられました。

この感覚は、とても良いご判断だと思っています。

コンパクトカーは軽自動車より車体に余裕があるぶん、長い距離を走ったときの落ち着きが違います。

そして、たくさん走る方ほど、軽自動車より長持ちしやすい傾向があります。

とくにハイブリッドのコンパクトカーは、エンジンとモーターで仕事を分け合うので、エンジンへの負担が軽くて済みます。

ブレーキも、減速のときに充電する仕組み(回生ブレーキ)が働くぶん、部品の減りがゆっくりです。

自動車税は軽自動車より高くなりますが、通勤で距離を走る方なら、そのぶんを取り返せることもあります。

もちろん、軽自動車が悪いわけではまったくありません。

走る距離が短い方や、駐車場が狭い方なら、軽のほうが合っています。

「どちらが上」ではなく、「自分の使い方に合うのはどっちか」で選んでいきましょう。

軽自動車の中でも大きめのタイプと迷っている方や、体格が大きい方は、こちらもどうぞ。

同じ「軽かコンパクトカーか」を、軽の側から見た話です。

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4WDが本当に効くのは、この2つの場面です

「4WDは絶対条件」と書いておられました。

雪国にお住まいなら、とても理にかなったご判断です。

そのうえで、4WDが力を発揮する場面を知っておくと、車選びがラクになります。

ひとつは、降ったばかりのフカフカの雪を、踏み固めながら進むとき。

もうひとつは、雪の積もった急な坂道を、発進するときです。

逆に言えば、それ以外の場面では、最近の車は電子制御も優秀なので、2WDでもそれほど困りません。

そして4WDには、代わりに負担もあります。

燃費が少し悪くなること、部品が増えるぶん故障の可能性が増えること、そして車両価格が上がることです。

雪も坂もある地域にお住まいなら、4WDを選ぶ値打ちはじゅうぶんにあります。

ただ「4WDだから雪道は大丈夫」ではない、というところだけ覚えておいてください。

4WDは発進が得意なだけで、止まる性能が上がるわけではないんです。

雪道の強さは、じつは3つでほとんど決まります

私が雪道で大事だと思っているのは、じつは車種ではありません。

4WDであること、ちゃんとしたスタッドレスタイヤを履いていること、そしてていねいな運転。

この3つで、雪道の強さはほとんど決まります。

スタッドレスタイヤは、国産メーカーのものであれば80点は取れているイメージです。

高いものを選ばなくても大丈夫ですが、ここは削らないでくださいね。

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そちらでは、雪国の中古車でいちばん見てほしい「下回りの錆」まで踏み込んでいます。

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車種より先に決めておくと、迷いません

「おすすめの車種を知りたい」というご質問でしたので、先にお答えしておきますね。

ヴィッツ(いまのヤリス)と、フィットです。

どちらもコンパクトカーの王道で、中古車の数が多いので、程度の良い1台を見つけやすいんです。

大人4人がしっかり乗れて、雪国でも扱いやすいサイズです。

先々、お友達を乗せたり、趣味が増えて手狭になってきたときにも、このサイズが基準になります。

「次はもう少し大きいほうがいいな」と、比べる物差しができるんですね。

……と、車種からお伝えしましたが。

じつは私は、車種から探すのは、あまりおすすめしていません。

先に決めておきたいのは、この順番です。

① 予算は「買う値段」ではなく「乗るあいだの合計」で

100万円というのは、車を買うときの値段ですよね。

でも実際にかかるのは、そこに毎年の維持費が乗った金額です。

自動車税、任意保険、車検、オイル交換やタイヤ、ガソリン代、駐車場。

これを7〜8年ぶん足して、月あたりに割ってみてください。

その金額が、毎月の暮らしに無理なく収まるかどうか。

ここが決まると、車そのものにいくらまで出していいかが、自然に見えてきます。

② 使い方から、いちばん小さいサイズへ

次は使い方です。

何人で乗ることが多いか、どのくらいの距離を走るか、何を積むか。

そこから「必要なうちで、いちばん小さいサイズ」を選ぶ、というのが私の考え方です。

車は大きくなるほど、買う値段も、税金も、タイヤ代も上がっていきます。

今回のご相談なら、通勤と生活、そして雪国。

コンパクトカーというサイズは、この使い方にちょうど合っています。

③ そのうえで、車種は最後でいい

予算と使い方が決まると、選べる車種は自然に絞られます。

そこでようやく、ヴィッツやフィットが候補として出てくるんですね。

順番が逆になると、「かっこいいけれど予算に合わない」「安いけれど使い方に合わない」で、ぐるぐるしてしまいます。

ほかの車種も見てみたい方は、こちらでジャンル別に紹介しています。

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どこで買うか|認定中古車は「難易度を下げる」ためのお金です

初めての中古車選びでは、どこで買うかが、車種と同じくらい大事になります。

私のおすすめは、トヨタやホンダなど、ディーラーの認定中古車です。

理由はシンプルで、程度の悪い車が並んでいないからです。

その車種を毎日見ている整備士さんが点検して、消耗品を交換して、清掃してから店頭に出てきます。

たしかに、同じ年式・同じ走行距離の車と比べると、認定中古車は少し高くつきます。

でも、その差額で何を買っているのかを考えてみてください。

出どころがはっきりしていること、整備の履歴があること、保証が付いていること。

つまり「当たり外れの幅を小さくする」ためのお金なんです。

車のことがまだよく分からない、というときほど、この差額の値打ちは大きくなります。

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お店に行く前に、これだけは決めていってください

ここからは、実際にお店へ行くときのお話です。

初めての方ほどつまずきやすいところなので、少し具体的にお伝えしますね。

その日は契約しない、と決めてから行く

車屋さんに行くと、思っている以上にワクワクします。

テンションが上がって、その場で気持ちが決まってしまうんですね。

そして家に帰ってから、「もう少しいろいろ見ておけばよかったな」と思う。

これは、本当によくあるお話です。

ですので、行く前に「今日は契約しない」と決めておいてください。

これだけで、だいぶ違います。

それでも、その場で決めきれずに「明日までにお返事を」という形で持ち帰ってしまうことはあります。

そうなったときの、いちばんラクな終わらせ方はこちらです👇

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何台か見ると、相場感がついてくる

1台目で「これは高いのか安いのか分からない」となるのは、当たり前のことです。

ネットで同じ車種の値段を見て、そのうえで何台か実際に見て、見積もりをもらう。

それを繰り返していると、だんだん「このくらいが普通なんだな」という感覚がついてきます。

この感覚があると、良い1台に出会ったときに、迷わず決められるようになります。

営業さんは、味方であり、プロでもある

お店の方は、あなたの車選びを助けてくれる存在です。

そして同時に、車を売るプロでもあります。

そのときにお店が売りたいお車を、すすめてくださることもあります。

これは悪いことではなくて、お仕事なので当たり前のことなんですね。

ですからこちらは、「予算」と「何年乗りたいか」の2つの軸を、ぶらさずに持っていく。

それだけで、お互い気持ちよく、良い買い物ができます。

写真に写らないものを、見に行く

現車を見るときに、難しい知識は要りません。

車内の匂い、内装の傷み、エアコンをつけたときの風の匂い。

このあたりは、写真には写らないんです。

そして、買ったあとで直しにくいところでもあります。

気になったら、そのまま聞いてみてください。

遠慮しなくて大丈夫ですよ。

10月まで、まだ7か月あります

そして、いまのご相談者さまには、大きな強みがあります。

時間です。

ご購入は10月ごろ、とのことでした。

つまり、あと半年以上あるということです。

この時間があれば、相場感を養って、何台も見て、納得してから決められます。

急いで買うと、選択肢が「いまお店にある車」だけになってしまいます。

焦らないこと。

じつはこれが、初めての1台では大きく効いてきます。

ただ、4WDはそもそも出回っている数が多くありません。

いつごろから探し始めるといいかは、こちらでお話ししています。

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車が決まったら、契約の前に保険料を並べてみてください

最後に、見落とされやすいところを。

初めて自動車保険に入る20代の保険料は、思っているよりずっと高くなります。

免許を取ってからの年数が短いぶん、どうしても高くなる仕組みなんですね。

車両保険を付けるかどうかでも、金額は大きく変わります。

ここを知らずに車の値段だけで予算を組むと、買ったあとで苦しくなってしまいます。

保険料が何で決まるのかは、こちらで整理しています。

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そして、買うお車が決まったら、契約の前に、いくつかの保険会社の見積もりを並べてみてください。

20代の保険料は、会社によって差が出やすいところです。

いま決める必要は、まったくありません。

お車の情報と条件を入れると、複数の会社の見積もりがまとめて返ってくる仕組みです。

金額を先に知っておくだけでも、予算の立て方が変わりますよ。

まとめ

新社会人の初めての1台、ポイントをまとめます。

  • 「7〜8年乗りたい」はそのままでOK。長く乗るほど、月あたりの負担は下がる
  • ただし何年乗れるかは車種でなくその1台。整備の履歴・保証・年式と距離のバランスで見る
  • 長く乗るつもりでも変わることはある。値段が落ちている中古車は、そのときの痛手が小さい
  • 雪国で軽ではなくコンパクトカー、は理にかなった選び方
  • 4WDが効くのはフカフカ雪と、急な坂の発進。止まる性能が上がるわけではない
  • 雪道の強さは4WD・スタッドレス・ていねいな運転の3つでほとんど決まる
  • 車種の前に「予算(維持費込み)→使い方→サイズ」の順で決める
  • 初めてならディーラーの認定中古車。差額は当たり外れの幅を小さくするお金
  • お店には「今日は契約しない」と決めて行く。何台か見ると相場感がつく
  • 買うお車が決まったら、契約の前に保険料を調べる
ピゴス
ピゴス

初めての1台は、金額よりも どんな1台か で決まります

7か月あれば、じゅうぶんに間に合いますよ

車のことが分からなくても、ここまで調べられていれば大丈夫です。

新しい生活が、良いスタートになりますように🐧

初めての車選びで疑問や不安ある場合は、「X」「お問い合わせ」「コメント欄」などでお気軽にご相談ください。

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ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、コメント欄や「X」などでいつでもメッセージを承っております。お気軽にどうぞ!