車を売る前に、傷は直さないでください。その修理代は、査定額では返ってきません

ネットや動画で、「車は少しメンテしてから売ったほうが高く売れる」と見たことはありませんか。
それを見て、まじめな方ほど、こう思います。
😎「愛車を少しでも高く売りたい!」
👀「査定に出す前に、気になるキズは直しておいた方がいいのかな?」
🤔「車内も、プロにクリーニングしてもらった方が査定額がアップする?」
ところが、見積もりを取ってみると、思ったより高い。
小さな傷なのに、しっかり直すと数万円かかると言われる。
そこで手が止まってしまうんですね。
売ると決まっているなら、売る前にお金をかけるほど、手元に残るお金は減ります。
傷の修理も、プロのクリーニングも、かけた分がそのまま査定額に乗ることは、まずありません。
やるべきことは、ほとんど全部タダでできることです。
そして、いちばん査定額を動かすのは、準備ではなく比べることです。
ご相談者さまが迷っていたのは、5万円の見積もりでした
今回のテーマは、こんなご相談がきっかけです。
はじめまして! 車の売却の質問です。
車に詳しくなく、自分の乗っている車なのに説明不足かもですが……
・2018年式のアクア
・走行距離 4万キロ
・ボディカラーは、あまり見かけない紫系
・残価設定のローンが、残り45万円
今、売却を検討中です。
動画で、高く売るために少しメンテしてから売った方が良いとあり、悩んでいる点が2つあります。
① 左のミラーのウィンカーの部分に少し亀裂があり、修理した方がよいのか。
ディーラーでの修理見積もりでは、簡易的に1万円、しっかり直すと5万円と言われました。
② 車内クリーニングはした方が良いのかな。
雨染みはありますが、他は特に汚れているのが目立つところはないです。
私の中での問題点は2つなのですが、詳しい方から見たらここはチェックだよ、というところがあれば教えてほしいです。
ちなみに本日、一括見積もりサイトにて相見積もりをお願いしたところ、覚悟していたより遥かに多い電話がかかってきてビックリしているくらいの素人です。
とても丁寧に状況を書いてくださっています。
そしてこの方は、すでに一括見積もりに申し込んだあとでした。
つまり、売るかどうかで迷っている段階ではなく、もう売ると決めて動き出している方です。
だからこそ、「今からでも間に合う準備は何か」が知りたかったんですね。
順番にお答えしていきます。
なぜ、小さな傷ほど修理代が高くつくのか
まず、①のミラーのウィンカーの亀裂です。
結論から言うと、修理はしなくて大丈夫です。
その理由の前に、「なぜ小さな傷なのに、しっかり直すと数万円もするのか」を先にお話しさせてください。
ここが分かると、あとの判断がぐっと楽になります。
車の修理は、傷が小さくても、直すには塗装しかありません。
そして塗装は、傷の部分だけをちょんと塗って終わり、というわけにいかないんです。
周りとの色の差が出ないように、部品の広い範囲を塗り直すことになります。
年数が経った車なら、周囲の部品と色を合わせる作業も必要です。
これは、プロの技術と時間が要る仕事です。
私が見てきた中では、ドアパンチでついた小さな傷を直すのに10万円、なんてことも珍しくありません。
つまり、見た目の傷の大きさと、修理代はつながっていません。
だから見積もりを見て「え、こんなに?」と驚くのは、ごく自然なことなんです。
私も、手放す車の小さな傷は、直さずに売りました
そのうえで、売る前の修理の話です。
買い取ってくださる業者さんは、自社のルートで安く直せたり、そもそも直さずに次へ流せたりします。
つまり、あなたが先に払った修理代と、業者さんが直すのにかかる金額は、そもそも違うんですね。
ですので、あなたが払った修理費よりも買取額が上がらない可能性のほうが高いです。
今回のケースで言えば、1万円で直すか、5万円で直すか、それともそのまま次へ流すか。
それは買い取っていかれた業者さんが決めればいいことです。
売却するともう決まっているのであれば、下手に修理はしないほうがおすすめです。
じつは私自身も、手放す予定の車の小さな傷は、直さずにそのまま売ったことがあります。
売る車の、見た目のためだけの修理は、基本的にかけないのが無難です。
その修理代は、手元に残しておいてください。
ただし、走行や車検に支障が出るような故障は別です。
保安基準にかかわる部分など、安全に走れるかどうかに関わるところは、無理に売り急がず、まずはかかりつけの車屋さんに相談してみてくださいね。
今回のご相談のような、ウィンカーの小さな亀裂であれば、直さずそのまま査定で大丈夫です。
損せず売る流れ全体を知りたい方は、こちらに売り方の地図をまとめています。
プロのクリーニングも、たぶん要りません
②の車内クリーニングです。
雨染みはあるけれど、他に目立つ汚れはない。
その程度であれば、特別なクリーニングはされなくて大丈夫だと思います。
ここでも、かけたお金がそのまま査定額に乗ってくることは、まずありません。
ただ、査定の前や引き渡しの前に、自分でできる範囲で車をきれいにするという気持ちは、大事にしていただきたいです。
長く一緒に走ってきた愛車ですからね。
やることは、この2つで十分です。
- 洗車:天気が良ければ、ボディをさっと洗っておきます
- 室内:掃除機をかけて、内窓を拭いて、ダッシュボードを水拭きします。不要な荷物は全部降ろしておきましょう
これだけでも、「この車、大事に乗られていたんだな」という印象が伝わります。
査定士さんも見やすくなって、やりとりが進めやすくなります。
ただ、査定当日が雨や雪、ということもあります。
そこまで気にしなくて大丈夫ですよ。
お金で取り返せないのは「臭い」だけです
ここだけは、いちばん気をつけたいポイントです。
タバコの臭い、ペットの臭い、強い芳香剤の香り。
この3つは、特殊なクリーニングをしても、完全に取り切るのが難しいものです。
臭いが残っていると、次の買い手が見つかりにくくなります。
だから査定でも、マイナスに働きやすいんですね。
お金をかけて直せるものと、お金をかけても取り返しにくいものがあって、臭いは後者です。
逆に言えば、臭いだけは「つけない」ことが、いちばんの対策になります。
芳香剤については、置く前に知っておいてほしいことをこちらにまとめています。
次の車では、最初から気をつけておく
これからまた車に乗る機会がある方は、少しだけ先のことを頭に置いてみてください。
車内での喫煙を控える。
ペットを乗せるときはシートカバーを使う。
強い香りの芳香剤は避ける。
この3つだけで、何年か先の査定が変わってきます。
直してから売らなきゃ、と気負わなくて大丈夫ですよ。
その修理代は手元に残して、大事に乗ってきた愛車を、そのまま査定に出してあげてくださいね。
タダでできて、ちゃんと効く5つ
では、お金をかけずにできることを並べます。
売却のご相談を受けたときに、私がいつもお伝えしているのは、この5つです。
① 鍵は、全部そろえる
スペアキーを含めて、鍵は全部そろえて渡せるようにしておきます。
鍵が1本足りないと、次の持ち主が追加で作ることになります。
その分が、査定で引かれることがあるんですね。
引き出しの奥に眠っていないか、一度探してみてください。
② 純正のホイールは、捨てないで取っておく
社外のホイールに履き替えている方は、外した純正のホイールを一緒に渡せるようにしておくと有利です。
純正の部品がそろっているかどうかは、査定に大きく影響します。
置き場所に困る大きさですが、売るまで保管しておく価値はあります。
冬タイヤに履き替えたままの方も同じです。
夏タイヤを積み込んで、一緒に売ることができます。
それが純正品でホイールキャップなどもついている場合は、査定が上がる可能性があります。
③ 整備の履歴は、そのまま出す
ここが、じつは修理よりずっと効きます。
オイル交換をしっかりしている。
ディーラーでちゃんと点検を受けている。
そういった履歴が分かるものは、多少なりプラスに働くことがあります。
整備手帳や点検の記録簿を、査定のときに出せるようにしておいてください。
お金をかけて直すより、これまで大切に乗ってきた記録を残しておくほうが、ずっと効果的です。
④ 事故や修理の歴は、こちらから言う
過去に事故や大きな修理をしている場合は、こちらから先に伝えます。
隠しても、査定士さんはたいてい気づきます。
そして、あとから分かったときのほうが、話がややこしくなるんです。
先に言ってしまえば、その前提で金額が出ます。
お互いに安心して進めるために、やれることはやっておく。
それが、後々のトラブルをいちばん避けやすい方法だと思います。
⑤ 書類と、ローンの残りを確かめておく
車検証、自賠責保険証、リサイクル券、整備手帳や保証書。
このあたりを先にそろえておくと、話がスムーズに進みます。
そして、ローンが残っている場合です。
今回のご相談者さまのように残価設定のローンが残っていても、車は売れます。
確かめておきたいのは、正確な残りの金額と、どこにいつまでに払えばいいのかです。
買ったお店やローンの会社に聞けば、具体的な流れを教えてくれます。
手続き自体は買取店が代行してくれることが多いので、身構えなくて大丈夫ですよ。
残債が残っている車の伝え方については、こちらでくわしくお話ししています。
正直に言うと、いちばん効くのは準備ではありません
ここまで準備の話をしてきて、最後に正直なところをお伝えします。
査定額をいちばん動かすのは、複数の買取店さんに同じ条件で見てもらって比べることです。
準備は、その比べる土俵をきれいにしておくためのものなんですね。
しかも、同じ日・同じ場所に集まってもらうと、その場で比べられます。
一社ずつ順番に対応するより、納得のいく金額が出やすくなります。
呼び方と、当日の段取りはこちらにまとめました。
当日にいちばん大事なのは、その場で決められる状態にしておくことです。
あとから交渉しても、金額はなかなか伸びません。
とはいえ、まさに今、電話が鳴りやまなくて困っている方もいらっしゃると思います。
どれに出て、どこでやめていいのかは、こちらでお話ししています。
電話ラッシュでビビってしまいますよね、お気持ちよく分かります。
同じ日に何社か集まってもらえば、その場の一回で比べられて、気持ちもグッと楽になりますよ。
✅ 売る前チェックリスト
- ☑️ 鍵は「全部」そろえる(スペアキーも)
- ☑️ 純正のホイールやタイヤは、捨てずに一緒に渡せるようにする
- ☑️ 整備手帳・点検の記録簿を出せるようにしておく
- ☑️ 事故や修理の歴は、こちらから先に伝える
- ☑️ 車検証・自賠責保険証・リサイクル券をそろえる
- ☑️ ローンの残りの金額と、支払い先を確かめる
- ☑️ 自分でできる範囲で洗車と室内清掃(雨や雪の日は気にしなくてOK)
- ☑️ 傷やへこみは「直さない」。状態だけ把握しておく
- ☑️ 査定は複数社に、できれば同じ日に来てもらう
お気づきでしょうか。
この中に、お金がかかるものは1つもありません。
💡 いまの車を、手放すと決めた方へ。
MOTA車買取なら、先に最大20社が査定額を出して、上位最大3社だけが連絡してきます。
※ 社数と連絡の仕組みはMOTA公式サイトの記載です(2026年9月に確認)。内容は変わることがありますので、申し込みの前に最新の案内をご確認ください
ただし、査定してくださる買取店さんも本気で時間を使います。
準備が整って、あとは金額を比べるだけ、という段階になってからで大丈夫です。
まとめ:お金をかけるのは、次の車からで大丈夫です
愛車を少しでも高く売りたい、その気持ちは当然です。
でも、良かれと思ってかけたお金が、そのまま減ってしまうこともあります。
- 小さな傷:直さない。傷が小さくても塗装は広い範囲に及ぶので、修理代は査定額では戻らない
- 軽い汚れ:プロのクリーニングは不要。自分でできる範囲で十分
- 臭い:これだけはお金で取り返しにくい。だから「つけない」が唯一の対策
- タダで効くこと:鍵・純正ホイール・整備の履歴・修理歴の申告・書類
- いちばん効くこと:複数社に、できれば同じ日に見てもらって比べる
お金をかけるのは、次に乗る車からで大丈夫です。
いまの愛車には、お金ではなく、ひと手間だけかけてあげてください。
ご相談者さまの、その後
このご相談には、続きがあります。
ご丁寧な回答ありがとうございます!
とても勉強になりました!
メンテせずに売却する事にします!
最初は「メンテしてから売ったほうがいい」と思って相談してくださった方でした。
それが、「メンテせずに売る」に変わっています。
やることが増えたのではなく、減ったんですね。
私はこの、やることが減っていく相談が、けっこう好きです。
車のことを調べていると、やったほうがいいことばかりが目に入ってきます。
でも、やらなくていいことを1つ知るほうが、手元にお金が残ることも多いんです。
この方も、5万円の見積もりを払わずに済みました。
売る前の準備で疑問や不安がある場合は、このページ下の「コメント欄」からお気軽にどうぞ(ニックネームもメールアドレスも要りません)。
電話ラッシュは大変だと思いますが、行動した分、きっと良い結果につながりますよ。
売る前に、いまの車のおおよその相場を知っておきたい方は、こちらもどうぞ。
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それでは、損しないカーライフをお過ごしください🐧













「これってどうなんだろう」が残っていたら、ここに書いてください。
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うまく言葉にできなくても大丈夫です。私が読んで、お返事します。
お返事は、このページのコメント欄に書きますので、また見に来てくださいね。
※ 車種や金額など、ご自身が特定されそうな情報は書かないでくださいね。