長距離で疲れにくい車は? 運転席の高さより「体に合うか」。決める前に1日借りて走ってみる

月に一度、遠くまで家族の送り迎えをすることになり、往復で何時間も運転するようになった。
今の車だと少し疲れるけれど、運転席の高い車やパワーのある車にすれば楽になるのか、中古車でもいいのか分からない。
試乗をすれば、運転席からの見え方や乗りやすさは分かります。
ただ、長い道のりを走ったあとの疲れ方までは、お店のまわりを少し走るだけでは分かりにくいところです。
何百万円もする車を、疲れ方が分からないまま決めるのは、不安が残ると思います。
送り迎えを続けるために、運転するご自身の疲れまで考えて車を見直そうとしているのは、とても大切なことです。
では、長い道のりでも疲れにくい車は、何を基準に選べばいいのでしょうか?
長い道のりで疲れにくいかは、運転席の高さや排気量の数字だけでは決まらず、高速道路で使える運転支援と体に合う座席で大きく変わります。
運転席の高さには一長一短があり、車としての基本性能がしっかりしていることが一番大事です。
中古車でも目的は果たせますが、運転支援の有無や渋滞のときまで助けてくれるかは、同じ車種でも年式とタイプで変わります。
決める前に、気になる車をレンタカーで半日から1日借りて、いつもの道のりに近い距離を走ってみるのがいちばんの確かめになります。
今の車でも、ボンネットがうっすら見えてハンドルを握る肘が軽く曲がる位置に、シートを合わせ直してみてはいかがでしょうか。
毎日の通勤で長い距離を走る方は、疲れにくさに予算を回す考え方をこちらでお話ししています👇
乗り替える前に、今の車のシートとハンドルを合わせ直してみる
長く運転すると肩がこったり腰が痛くなったりするときに、乗り替えを考える前にひとつ見ておきたいのが、シートとハンドルの位置です。
しばらく動かしていないなら、合わせ直すだけで楽になることもあります。
Xでも、「シートとハンドルの位置、久しぶりに動かしてみませんか?」と書いたことがあります。
確かめるのは、次の3つです。
- 前がよく見えるか(ボンネットがうっすら見える)
- ハンドルを自然に操作できるか(ハンドルを握った肘が軽く曲がる)
- ブレーキとアクセルを素直に踏みかえられるか
合わせ直しても疲れが残るなら、そのときは車そのものを見直す番です。
運転席の高さは、高くても低くても一長一短です
試乗で、運転席の高い車が運転しやすそうに感じるのは、自然な感覚だと思います。
ただ、長い道のりでは運転席が高い車にも低い車にも、良いところと苦手なところがあります。
運転席の高さについて、私はこう考えています。
どちらも一長一短です
車としての基本性能が一番大事です
精神的には高い車(目線が高く見渡せる、安心感)
性能的には低い車(安定感、揺れ方が低重心なので穏やか)
ただし、これも一般論です
基本性能というのは、走る・曲がる・止まるが、思ったとおりにできるかどうかです。
高い運転席は、遠くまで見渡せるぶん、先の様子が分かって気持ちが楽になります。
低い車は、重心が低いぶん揺れ方が穏やかです。
どちらが楽に感じるかは、人によって分かれます。
高さより、座ったときに視界とハンドルとペダルが合うか
運転のしやすさで大事なのは、頭上の空間の広さより、見える視界とハンドルとペダルの位置が体に合わせて取れるかどうかです。
Xでも、ペダルの配置について「気付かない小さな違和感も、長距離運転では身体にジワジワ効いてきます」と書いたことがあります。
試乗のときも、前の見え方と肘の曲がり方、ペダルの踏みかえやすさの3つを確かめてみてはいかがでしょうか。
排気量は大きくなくても、長い道のりは走れます
パワーに余裕があると、高速道路の合流や追い越しでアクセルを深く踏まずに済むぶん、気持ちにも余裕が生まれます。
ただ、排気量の大きい車は車そのものも大きくなりやすく、買う値段も税金も燃料代もまとめて上がりやすくなります。
長い道のりを走るだけなら、私の感覚では、多くの車がこなせてしまいます。
私は以前、パワーの小さな軽自動車で、高速道路を使って700kmの道のりを帰っていたことがあります。
誰にでもおすすめはしませんが、排気量が小さいと長距離は走れない、ということはありません。
パワーの余裕がほしいときは、排気量を上げる代わりに、モーターが加速を助けるハイブリッドを選ぶ方法もあります。
同じ車種のガソリン車とハイブリッドで迷うときは、色々と比べないと決めにくいところです。
それでも、何年も長く乗って長い距離も走るなら、私ならハイブリッドにするかなと思います。
排気量の数字だけで選ぶより、次にお話しする運転支援と座席まで含めて見てみると、選びやすくなります。
疲れを減らしてくれるのは、運転支援と座席
前の車について走る機能と、車線の真ん中を保つ機能
長い道のりを楽にしてくれる装備で、私がまず挙げたいのは、高速道路で使える運転支援です。
目安になるのは、次の2つです。
- 渋滞で止まるところまで、前の車について行ってくれるクルーズコントロール
- 車線の真ん中を保つように、ハンドルを支えてくれる機能
ホンダでは、前の車について行く機能をACC(アダプティブクルーズコントロール)、車線を保つ機能をLKAS(車線維持支援システム)と呼んでいます。
私も、運転支援があってよかったと感じた場面を思い返すと、高速道路で疲れにくかったことが浮かびます。
ACCについてはXで「特に高速道路では、疲れが減り、他の安全確認への集中力をキープしやすい」と書きました。
あわせて、「一度は体感して欲しい支援」とも書いています。
代車で運転支援のよくできた車に乗ったときも、かなり車に任せられて、リラックスしながらいざというときの周りへの注意に気を配ることができました。
慣れないうちは少し怖さもあるかもしれませんが、支援のくせを軽くつかんでおくと、遠出が楽になっていきます。
ただ、運転するのは、あくまで人です。
ホンダのフリードの取扱説明書(2023年版)にも、ACCは運転者を支援するシステムで、天候や環境などによって機能しないことがあると書かれています。
軽自動車で運転支援のよくできた車を探したい方は、比べたお話をこちらにまとめています👇
座席は、ふんわりより、しっかりしたものを
座席も、長い道のりの疲れ方を大きく変えます。
Xでは、座席について「沈み込みが少なく硬めのシートは第一印象に癒しは少ないが、長距離になるほど疲れにくい印象」と書いたことがあります。
「在来線と新幹線のシートの差のようなもの」で、「どちらが良い悪いではなく、適材適所」です。
ただし、腰にやさしい座席かどうかは、車の大きさや値段とそのまま比例するわけではありません。
一番大事なのは、体にフィットするかどうかです。
私は身長が180cmあるので、軽自動車を選ぶときは、座席を上下に調整できるシートのハイトアジャスター付きのグレードを選んでいました。
座席の高さやハンドルの高さを調整できる車なら、合わせ方しだいで腰への負担も変わります。
中古車でも、運転支援を1台ずつ確かめれば選べます
長い道のりを楽にするという目的なら、中古車でも十分に果たせると思います。
ただ、中古車では運転支援が付いているかと、どこまで助けてくれるかを1台ずつ確かめる必要があります。
同じ車種でも、運転支援が付いているかはタイプで違います
運転支援は、同じ車種でも、グレードやオプションによって付いていないことがあります。
たとえばフィットは、2017年6月のマイナーモデルチェンジで運転支援のホンダセンシングが加わりましたが、付いているかどうかはタイプで違いました。
今お乗りの車に、すでに付いていることもあるので、まずは取扱説明書や装備の一覧で見てみてはいかがでしょうか。
付いていても、渋滞でついていけるかは年式で違います
同じホンダのACCでも、時速30kmくらいから上で働くものと、渋滞で止まるところまでついていく渋滞追従機能付きのものがあります。
たとえば2代目のフリードは、2023年版の取扱説明書でも時速30km以上でセットし、時速25km未満になると自動で解除されます。
2026年10月にホンダの公式サイトを見ると、いまのフリードは渋滞追従機能付のACCになっていて、同じ名前の車でも年式で中身が変わります。
2021年4月に出た2代目のヴェゼルは、発売のときから、渋滞追従機能付きのACCと車線維持支援システムが全タイプに付いていました。
渋滞にあいやすい道を走るなら、中古車でも渋滞でついていけるタイプかどうかで、楽さが変わってきます。
中古車のお店では、渋滞で止まるところまで前の車について行ってくれるタイプかを聞いてみると分かります。
ご家族を乗せるなら、乗り降りのしやすさも
ご家族を送り迎えするなら、運転する人の疲れだけでなく、乗る人の乗り降りのしやすさも大事です。
座席の高さが合うかどうかは、乗る方ご本人に実際に座ってもらうと、はっきりします。
決める前に、1日借りて、いつもの道のりを走ってみる
長い道のりを走る日が増えたのは、暮らしが変わったということです。
暮らしに合わせて車を選び直すのは、自然なことだと私は思っています。
そのうえで、どの車なら疲れにくいかは、お店のまわりを少し走る試乗だけでは分からないことがあります。
長い距離を走ってみると、短い試乗では分からない良し悪しが分かりますし、思ってもいなかった気付きがあることもあります。
私も、マツダのCX-8のディーゼルをレンタカーで借りて1日乗り回したとき、シートの疲れにくさが私の体にすごく合っていました。
座る位置の低い車は、最初は運転しにくく感じても1日乗るうちに慣れることもあれば、慣れないこともあります。
気になる車をレンタカーで半日から1日借りて、ふだんの道のりに近いところを走ってみてはいかがでしょうか。
ご家族にも乗ってもらえれば、乗り降りや後ろの席の乗り心地まで、いっしょに確かめられます。
装備の一覧に同じような機能が書いてあっても、どれくらい賢く助けてくれるかは、体感してみないと分かりません。
見ておきたいのは、次の3つです。
- 運転支援の効き方
- 座席が体に合うか
- 高速道路の合流で余裕があるか
レンタカー代はかかりますが、何百万円もする車を選ぶ前の確かめとしては、試す価値があると思います。
格安のレンタカーは年式の古い車が中心なので、気になる車種や新しい運転支援を試したいときは、借りられる車種を先にサイトで確かめておくと安心です。
借りる先は、手ごろなレンタカー会社でも十分です👇
乗り替えると決めたら、今の車の手放し方
ローンや残クレの支払いが残っている車でも、途中で手放して乗り替えることはできます。
残りの支払いをどう片づけるかは、お店と相談しながら進めることになります。
残クレの車から乗り替える流れは、こちらでお話ししています👇
下取りの金額が出たら、買取の金額とも比べてから決める順番を、こちらでお話ししています👇
長い道のりは、休み方も先に決めておく
どの車を選んでも、長い道のりでは、疲れや眠気をためないことが大切です。
眠気を感じたら、そのまま運転を続けないことです。
とはいえ、構えすぎなくて大丈夫です。
休む場所と時間を出発の前に決めておけば、眠気が来る前に休みやすくなります。
NEXCO東日本は2時間に1回の休憩を呼びかけていて、JAFの2026年8月の記事では「2時間たったら休む」ではなく「2時間以内に休む」とすすめています。
休憩では、車を降りて歩いたり背伸びをしたりして、同じ姿勢で固まった体をほぐすのがよいそうです。
眠気が強いときは、15〜20分ほどの短い仮眠で、居眠り運転による重大な事故を防げるとされています。
お盆休みの前にも、車で出かける方へ、次のようにお伝えしたことがあります。
長時間運転は危険です
適切な間隔で休憩を取りましょう
急がば回れです😴
休憩のときに、短い時間でも目を休める工夫は、こちらでお話ししています👇
車選びと同じくらい、送り迎えをするご自身の体を大事にしていただけたらと思います。
疲れにくい車は、簡単なようで難しい問いです
疲れにくい車というのは、簡単なようで難しい問いです。
運転席の高さにも排気量にも一長一短があり、最後は乗る人の体に合うかどうかで変わるからです。
長い道のりを走る車選びで迷っていることがあれば、コメント欄で教えていただけたらうれしいです。
まとめ
乗り替える前に、今の車のシートとハンドルの位置を合わせ直すと、楽になることがあります。
運転席の高い車には見渡せる安心感が、低い車には揺れの穏やかさがあり、長い道のりでは一長一短です。
疲れ方を大きく変えるのは、高速道路の運転支援と、体に合う座席です。
排気量を上げなくても、ハイブリッドのモーターでパワーの余裕を得る方法があります。
中古車なら、運転支援が付いているかと渋滞でもついていけるかを、1台ずつ確かめます。
ご家族を乗せるなら、乗る方に座ってもらって、乗り降りのしやすさも見ておきます。
決める前にレンタカーで半日から1日借りて、ふだんの道のりを走ってみると体に合うかが分かります。
眠気を感じたら走り続けず、休む場所と時間を出発の前に決めておきます。
疲れ知らずの完璧な1台を探すより、体に合う座席と支援がそろった車を予算の中で選べたら、それで十分に80点です。
この記事で解決しなかったことがあれば、このページ下の「コメント欄」からお気軽にどうぞ。
ニックネームもメールアドレスも要りません。
最新記事のアップも「X」でお伝えしておりますので、よろしければフォローよろしくお願いいたします。
車のこと全般を、はじめから順番に整理したい方は、こちらの教科書ページもどうぞ👇
それでは、損しないカーライフをお過ごしください🐧
この記事で参考にした情報
この記事で引いた公式の情報は、どれも2026年10月に確かめたものです。
- 本田技研工業「Honda SENSING」のACCのページ(2026年10月に確認)=ACCは約30km/h以上で走行中に作動・渋滞追従機能付は先行車がいる場合、停車中から作動/車種や年式で内容は違う
- 本田技研工業「フリード」の取扱説明書(2023年版)のACCのページ(2026年10月に確認)=時速30km以上でセット・時速25km未満になると自動で解除・ACCは運転者を支援するシステム
- 本田技研工業のニュースリリース(2017年6月29日・フィットのマイナーモデルチェンジ/2026年10月に確認)=Honda SENSINGはタイプ別の設定
- 本田技研工業のニュースリリース(2021年4月22日・新型ヴェゼルの発売/2026年10月に確認)=Honda SENSINGを全タイプに標準装備・渋滞追従機能付ACCと車線維持支援システム
- NEXCO東日本「ドラぷら」の「STOP!! 居眠り運転」(2026年10月に確認)=2時間に1回の休憩・15〜20分ほどの短い仮眠
- JAF Mate Online の長距離ドライブの休憩の記事(2026年8月5日・2026年10月に確認)=「2時間以内に休む」(2時間たつ前に休む)・車を降りて歩いたり背伸びをしたりする














「これってどうなんだろう」が残っていたら、ここに書いてください。
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