家族が増えたらミニバンに買い替え?急がなくていい理由と、乗り換えの合図

お子さんが増えると、車の話が急に現実味を帯びてきます。
後ろの席がだんだん狭くなって、ベビーカーを積むと荷室が埋まる。
そろそろミニバンに買い替えかな、と考えはじめる。
そして調べていくうちに、たいてい同じ言葉に出会います。
「どうせ買うなら、リセールの良い車がいい」
今回は、まさにその入口に立たれた方からのご相談です。
リセールの良いミニバンは、もれなく高額です。
そして、その良さを実際に受け取るには、2〜3年ごとに乗り換え続けるという手間がついてきます。
車が好きな方には楽しみになりますが、そうでない方には負担になります。
ですのでお子さんが増えても、いま乗っているお車に長く乗り続けるほうが、私は再現性があると考えています。
ただし、暮らしが変わって今の車では回らなくなったのなら、そのときは堂々と次へ進んでいいと思います。
今回いただいたご相談
まずは、いただいたご相談の内容です(内容を編集して掲載しています)。
はじめまして!質問失礼します。
リセールの良い中古車の購入を考えています。
現在、妻と子ども2人の4人暮らしで、ホンダのジェイドとN-BOXを持っています。
今後、3人目も検討中です。
そこで、ジェイドを乗り換え、ミニバンの購入を考えています。
車は毎日、移動手段として使っています。
ほぼ毎日近場の運転ですが、月に一回程度、高速に乗って県外に行く等で使用します。
デザイン性は求めていません。
5人快適に乗れればと思っています。
リセールの良い中古車はアルファードというイメージがありますが、他にもおすすめの車種があれば教えていただきたいです。
よろしくお願いします。
リセールの良い車が欲しい、というお気持ち、とてもよく分かります
ただ、車種の話をする前に、ひとつだけ整理させてください
ここが混ざったまま進むと、遠回りになってしまうことがあるんです
「リセールの良い車が欲しい」の前に、ひとつだけ整理させてください
いただいたご相談には、実は2つの気持ちが入っています。
ひとつは「コスパよく、損しない車選びをしたい」という気持ち。
もうひとつは「リセールの良い車が欲しい」という気持ちです。
この2つ、少し違う方向を向いているかもしれません。
そして、ここが混ざったまま進むと、いわゆる「安物買いの銭失い」になりやすいんです。
ですので車種の話の前に、まず価値観をひとつに揃えるところからお話しさせてください。
値段が落ちにくい車ほど、買うときも高い
リセールの高いミニバンとして名前が挙がるのは、トヨタのノアやヴォクシー、アルファード、ホンダのオデッセイやステップワゴンあたりです。
ここまでは、調べればすぐに出てきます。
その先を、正直にお伝えします。
リセールの良い中古車は、もれなく高額です。
高く買って、高く売る。
差し引きの損は小さいのですが、その差を実際に受け取るには「リセールの良いうちに売り切る」というテクニックが必要になります。
たとえばアルファードに乗った場合、2〜3年に一度はコロコロと乗り換えていく必要が出てきます。
その手間暇は、車が好きな方であれば楽しみになります。
けれど、そうでない場合は苦痛になりますので、そこはお気をつけくださいませ。
それと、あくまで私の感覚ですが、リセールは「良かったらラッキー」くらいに思っておくのが健全だと考えています。
数年先の相場を、確かめる方法は誰も持っていませんので。
リセールそのものの調べ方や、値落ちしにくい車の考え方は、こちらでまとめています。
いま乗っている車を、最後まで使い切るという選び方
そのうえで、私がいちばんお伝えしたかったのは、こちらです。
いま乗っているお車をそのまま大切に乗り続けるのが、圧倒的にコスパは良いです。
理由はシンプルで、車は乗り換えるたびに、買うときの手数料と売るときの手数料を払うことになるからです。
1台を長く乗ると、この回数そのものが減っていきます。
今回のご相談者さまのジェイドは、6人乗りとのことでした。
工夫次第では、5人家族でもしっかり乗れるのではないでしょうか。
ちなみに乗車定員は同じ車種でもグレードで分かれますので、お手元の車検証でご確認いただくのが確かです。
狭さについては、チャイルドシートより場所を取らない、認可を受けた固定具も市販されています。
ただ、これは私が推奨している製品というわけではありません。
取り付けや安全性はご自身の判断になりますので、気になる場合はまずお店に相談してみてください。
こういうものがあると知っておくだけで、「手狭だから乗り換えよう」が「まず試してみよう」に変わることがあります。
試してみてダメだったり、環境が変わって難しくなったりしたときに、乗り換えるという選択肢を出せばいいと思うんです。
もうひとつ、ご相談者さまはN-BOXもお持ちです。
スライドドアの使い勝手は、すでにそちらで確保されているんですよね。
3列目やスライドドアは、めったに使わない、あるいは2台で工夫できるのであれば、無理に1台に詰め込まなくても大丈夫だと私は考えています。
最後に、お金のことも正直に書いておきます。
今からリセールの良い車に乗り換えるとしても、いま乗っているジェイドはリセールが良いとは言えない車です。
ですので、一度、損切りをするようなイメージになります。
反対に、しっかり長く乗ってあげることで、ジェイドは損せずコスパの良い車として最後を迎えさせてあげることができます。
この一行だけは、どうしても書いておきたかったんです
長く乗ってあげることで、その車は損をせずに最後を迎えられます
乗り換えないというのも、りっぱな選択です
それでも乗り換えていい、4つの合図
とはいえ、買い替えが正解のことも、もちろんあります。
私が「そろそろですね」とお伝えするのは、次の4つのどれかが出たときです。
- 物理的な限界(事故で全損になった、骨格に歪みが残っているなど)
- 経済的な限界(修理代が、同じくらいの中古車を買える金額を超えてきた)
- 暮らしが変わった(お子さんの誕生や介護で、どうしても今の車では回らなくなった)
- 身の丈に合っていない(維持費が家計を圧迫している)
お子さまが産まれて、大きくなって、どうしても家族移動がこなせない、趣味を楽しめない。
そういう課題が出てからのお乗り換えでも、遅くはないと思います。
数字もひとつだけ添えておきます。
乗り換えには、車両代のほかに諸経費が十数万〜20万円ほど乗ってきます。
私はこれを、「いちばん高額な修理」と呼んでいます。
ですので、迷っている段階で慌てて動かなくて大丈夫です。
そしてもうひとつ大事なのが、お金の話と気持ちの話を分けて考えることだと思っています。
「家族みんなで、ゆったり出かけたい」という気持ちは、コスパの計算とは別のところにあります。
どちらがご家族にとって豊かなカーライフになるかをお選びいただくと、満足度の高い結果につながると思います。
この「高い車を買う幸せ」と家計をどう並べるかは、別の記事でじっくり書いています。
まとめ
今回のご相談のポイントを、整理します。
- リセールの良い車は、もれなく高額です。その良さを受け取るには「良いうちに売り切る」ことが必要で、2〜3年ごとの乗り換えが前提になります
- その手間を楽しめるかどうかが分かれ目です。車が好きな方には楽しみ、そうでない方には負担になります
- いま乗っている車を長く乗り続けるのが、圧倒的にコスパは良いです。乗り換えるたびに、買う手数料と売る手数料がかかります
- 乗り換えの合図は4つ。物理的な限界/経済的な限界/暮らしが変わった/身の丈に合っていない
- 乗り換えには諸経費が十数万〜20万円ほど。お金の話と気持ちの話は、分けて考えてください
ご相談者さまの、その後
このご相談には、うれしい続きがあります。
ジェイドにお気遣い頂いてほんとに感激です。
ジェイド、現在9年目です。
チャイルドシートの固定金具の規格が合わないこともあり、乗り換えしなければなりません。
こんなに気遣っていただけるとほんとに嬉しいです。
また機会がございましたら、今度は私が力になれれば幸いです!
私が「工夫次第で乗れるのではないでしょうか」とお伝えしたあとに、こう教えていただきました。
お手持ちのチャイルドシートが、今の車には取り付けられない。
これは、私が知らなかった事情です。
つまり、さきほどの4つの合図でいう「暮らしが変わった」が、すでに出ていたということなんですよね。
こうなったら、堂々と次へ進んでいいと思います。
なお、お手持ちのチャイルドシートが取り付けられるかどうかは、車種と年式で変わります。
カタログの一般論より、取扱説明書を見るか、お店で実際に合わせてみるのが確かです。
乗り続けるのが正解の方も、乗り換えるのが正解の方も、どちらもいらっしゃいます。
大事なのは、どちらを選んでも「自分で決めた」と思えることだと私は思っています。
乗り換えないでください、と言いたいわけではないんです
ただ、まわりに相談すると、たいていは大きい車をすすめられます
だから私は、乗り続けるという選択肢も、ちゃんと並べておきたいんです
お子さんが増えるというのは、それだけで大きな出来事です。
せめて車のことでは焦らなくていい時間を、少しでも長く持っていただけたらと思っています。
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