著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

😊「新築の前に、車も見直しておきたい。でも、電気自動車とガソリン車、どっちがいいんだろう」

🤔「雪が降る地域だから4WDがいいと思うけど、中古の電気自動車って大丈夫なのかな…」

新しい家が建つ前に、車のことまで整理しておこうとされる。

それだけで、もうずいぶん先が明るいと思います。

今回は、雪の降る地域にお住まいのご家族からのご相談にお答えしていきますね。

✅ 結論からお伝えします

雪の降る地域で4WDをご希望なら、まずはガソリン車のコンパクトカーをおすすめします。

ただ、中古の電気自動車がだめ、というお話ではありません。

むしろ電気自動車はエンジンもオートマもない分だけ構造がシンプルで、「中古では買いやすい車」です。

引っかかるとすれば、ご予算だと駆動方式が2WDになりそうなこと。

そして、これはぜひ知っておいていただきたいのですが、「ブレーキの効きに4WDかどうかは関係ありません」

そのうえで、いまのクラウンに乗り続けるという選択肢も、ちゃんと残っています。

今回いただいたご相談

まずは、いただいたご相談です(内容を編集して掲載しています)。

夫と私と、生後8か月の子どもの3人家族です。

今年の秋にマイホームが建つ予定です

夫の車は、12年から13年ほど経ったクラウンで、走行距離は13万kmです

私の車は2016年に新車で買ったエクストレイルですが、2列シートでも今のところ不便は感じていません

はじめは私のエクストレイルを売ってミニバンを買おうと考えていたのですが、夫のクラウンのほうが先だと気づきました

次に買うのはコンパクトカーで、電気自動車かガソリン車かで迷っています

雪の降る地域なので4WDが希望で、あとは肘置きがあると嬉しいそうです。

認定中古車で探そうと思っています

ご予算は150万円で、一括で支払う予定です。

通勤で使っていて、ガソリン代は月に2万円弱かかっています

車のコーティングのお仕事をされているご友人からは、ミニバンは寿命がさほど長くないから、子どもが増えて狭くなってから乗り換えるほうが長く乗れる、と言われました

車の販売店にお勤めのご友人からは、家が建つなら電気自動車を1台持つのもひとつの案だよ、中古なら価格を抑えたものがあるよ、と言われています

私の印象としては、電気自動車のほうが家計にも環境にもやさしい気がしています

ただ、電気自動車を中古で買っても大丈夫なのか、電池の消耗など心配な部分もあります

夫は車が好きで、本当はセダンに乗りたいけれど、子どもがいる今はこだわらないよ、と言ってくれています

ご質問ありがとうございます。

ご相談は、大きく2つですね。

雪の降る地域で、電気自動車とガソリン車のどちらを選ぶか。

そして、中古の電気自動車を買っても大丈夫なのか。

順番にお答えしていきます。

4WDをご希望なら、ガソリンのコンパクトカーが無難です

雪の降る地域で、4WDが必要ということであれば、ガソリンのコンパクトカーが無難な選択肢になります。

具体的には、トヨタのアクアやホンダのフィットの4WDハイブリッドがおすすめです。

ただ、ご予算150万円だと、ちょっと予算オーバーになるかもしれません。

もうひとつ、マツダのデミオ(いまのマツダ2)のディーゼルも良いと思います。

距離をガンガン乗る方には、燃費も良くて購入費用も安く済みますから。

肘置きのご希望も、中古車なら意外と拾えます。

新車だと装備を足すたびに値段が上がりますが、中古車は同じような価格帯でも、付いている個体と付いていない個体が混ざっているからです。

そして「認定中古車で探そう」というお考えは、そのままで大丈夫です。

認定中古車の差額で買っているのは、出どころと整備の履歴、そして保証。

言い換えると、当たり外れの幅を小さくするための料金です。

認定中古車をおすすめする理由は、こちらにまとめています。

【慌てて決めちゃダメっ!】中古車を買うならまずはここから探そう!中古車選びはまずディーラーの認定中古車から。品質・保証・適正価格など、慌てて決める前に知っておきたい5つの理由を、元ディーラー営業×元1級整備士が解説します。...

同じように雪の降る地域で、4WDのSUVを1台まで絞り込まれた方からもご相談をいただきました。

決める前に何を確かめればいいかは、こちらにまとめています。

予算100万円台の中古SUV、この1台で決めていい?雪国・4人家族の確かめ方雪国で4人家族の中古車えらび。予算100万円台のSUVを1台に絞ったあと、決める前に確かめてほしいことをまとめました。どこで買うか、保証をどうするか、4WDはどこで役に立つのか。...

中古の電気自動車は、じつは買いやすい車です

ここが、いちばんお答えしたかったところです。

電気自動車には、エンジンもオートマもありません。

とてもシンプルな構造なんですね。

ですので故障のリスクが低く、中古車にありがちな「前のオーナーがどう乗っていたか」に左右されるリスクも小さいんです。

中古車としては、むしろ買いやすい車だと私は思っています。

ご心配されていた電池の消耗も、カタログで調べるより、現物を見せてもらうのが早いです。

販売店で「この車の電池は、いまどれくらい残っていますか」と聞いてみてください。

そのうえで、条件がひとつあります。

ご予算150万円で買えるリーフとなると、2代目のリーフになりまして、おそらく2WDです。

そして冬場は、満充電でも200kmは走らないくらいに思っておいてください。

通勤と送迎、近所の買い物くらいの使い方であれば、2WDを許容できるなら問題ありません。

リーフの冬の航続距離については、こちらでもう少し詳しくお話ししています。

通勤に電気自動車リーフは最適?冬の航続距離問題と注意点を解説新潟で中古の日産リーフを通勤に使えるか、初代リーフオーナーのピゴスが解説。冬でも控えめに150kmは走り、鍵は自宅充電。立ち往生の備えや中古リーフ選びのコツ、ノートとの分かれ道まで正直にお伝えします。...

そして、同じ150万円でも、当たりの1台とそうでない1台があります。

中古のリーフを選ぶときに私が見ている所は、こちらにまとめました。

中古EVの選び方!太陽光発電とV2Hを活用した賢い組み合わせ新築で中古の電気自動車を蓄電池代わりに使いたい方へ。太陽光・V2Hと組み合わせるなら何を選ぶか、リーフオーナーの元ディーラー営業が実体験でお答えします。価格の目安と、いちばん大きなリスクである電池の話まで正直に。...

私も初代のリーフを、雪の降る地域で使っていました

これは、実際に乗っていたからお伝えできることです。

雪道の発進は、下手な4WDよりも滑らかでした。

電気モーターの制御が、とても緻密なんですね。

そしてもうひとつ、大事なことをお伝えします。

「ブレーキ性能に、4WDは関係ありません」

4WDが役に立つのは、発進するとき。

止まるときの効きは、駆動方式では変わらないんです。

ですので、よほどの豪雪地域や特殊な環境でなければ、リーフでも大丈夫ですよ。

もちろん、凍った上り坂を毎日のぼる、スタックが心配、といった環境なら4WDが安心です。

そこはお住まいの場所で分かれるところなので、ご自身の通勤路を思い浮かべて決めてください。

ピゴス
ピゴス

4WDって、なんとなく雪に強いという言葉でひとくくりにされがちなんですよね

役に立つのは発進のとき、止まるときは関係ない

ここが分かるだけで、選べる車がぐっと増えます🐧

ご友人おふたりの見立ても、それぞれ理にかなっています

ご相談のなかで、おふたりのご友人からアドバイスをもらっていると書かれていました。

どちらも、けっこう的を射ていると思います。

「ミニバンは、子どもが増えて狭くなってからでいい」

コーティングのお仕事をされているご友人のお話です。

いまのエクストレイルで不自由がないのであれば、急いで大きくする必要はありません。

大きい車は、買うときも維持するときもお金がかかります。

必要になってから動くほうが、結果的に長く乗れる、というのはそのとおりだと思います。

「家が建つなら、電気自動車を1台持つのもひとつの案」

車の販売店にお勤めのご友人のお話です。

これも理にかなっています。

電気自動車は、自宅で充電できるかどうかで使い勝手がまるで変わるからです。

新築のタイミングなら、充電の設備をどうするかも一緒に考えられます。

ただ、ここは新築の費用にも関わってくるところなので、ご家族でよく話し合ってくださいね。

クラウンに乗り続ける、という選択肢

最後に、あえて書かせてください。

クラウンは、非常に長持ちする車のイメージがあります。

これまで大切に乗ってこられて、いま特にトラブルがないのであれば、大好きなセダンに引き続き乗るというのも、立派な選択肢です。

ご主人は、本当はセダンに乗りたいけれど、子どもがいる今はこだわらないよ、と言ってくださっているんですよね。

その一言は、けっこう大きな材料だと私は思います。

ただ、維持費が掛かるのは確かです。

通勤のガソリン代が月に2万円弱とのことでしたから、そこは毎月そのまま家計から出ていきます。

大きなセダンからコンパクトカーに替えれば、この金額はしっかり下がります。

一方で、乗り換えには車両代のほかに諸費用が十数万円から20万円ほどかかります。

ですので、ここは今後の家計管理と要相談、というのが私の答えです。

乗り換えたほうがいい、とも、乗り続けたほうがいい、とも私は言いません。

どちらも、ちゃんと筋が通っているからです。

そろそろ13年。税金は少し上がりますが、それだけを理由にしないでください

ひとつだけ、先にお伝えしておきますね。

新車登録から13年を超えると、税金が割増になります。

クラウンのクラスなら、排気量にもよりますが、自動車税が年に6,700円から8,700円ほど、重量税が車検のときに12,800円ほど増える計算です。

数字だけ見ると損した気持ちになりますが、慌てなくて大丈夫です。

増えるのは1年から2年ごとに数千円から1万円台。

さきほどの諸費用と比べれば、増税だけを理由に乗り換えるのは、正直もったいないと思います。

10年10万kmで寿命なのか、という話はこちらでお話ししています。

【えっ!?】車は10年10万kmで寿命?車屋さんは言いづらい『本当の判断基準』 🥲「うちの車、もう10年・10万km。そろそろ寿命かな…」😂「車屋さんで『そろそろ買い替えどき』って言われた」🤔「周りも乗り替えてるし...
ピゴス
ピゴス

乗り換えの理由が「古くなったから」だけだと、あとで少しモヤモヤが残ります

逆に、毎月これだけ変わるからと言えるなら、後悔しにくいんです

そしてどちらを選んでも、それは間違いではありませんよ🐧

まとめ

今回のポイントを整理しますね。

  • 雪の降る地域で4WDをご希望なら、ガソリンのコンパクトカーが無難。アクアやフィットの4WDハイブリッド、マツダのデミオのディーゼルが候補
  • 中古の電気自動車は、エンジンもオートマもないぶん構造がシンプル。前のオーナーの乗り方に左右されにくく、じつは買いやすい
  • ただしご予算150万円だと2代目のリーフで、おそらく2WD。冬場は満充電でも200kmは走らないくらいと考えておく
  • ブレーキの効きに4WDは関係ない。4WDが役に立つのは発進のとき。よほどの豪雪でなければ2WDでも大丈夫
  • 肘置きなどの装備は、中古なら同じ価格帯でも付いている個体がある。認定中古車で探すお考えはそのままで大丈夫
  • クラウンに乗り続けるのも立派な選択肢。13年超の増税は、それだけでは乗り換えの理由にならない
  • 乗り換えるかどうかは、今後の家計管理と要相談。どちらを選んでも間違いではない

ご相談の時点で、予算と使い方と車のサイズまで、ご自分で整理できていらっしゃいました。

じつは、この順番で考えられる方はそう多くありません。

あとは実車を見て、ご家族で決めるだけだと思いますよ。

ご相談者さまの、その後

このご相談には、続きがあります。

お返事のなかで、ご相談者さまはこう書いてくださいました。

車の提案も的確で、リーフに関するご経験談もとても説得力がありました

ガソリン車のコンパクトカー4WDで探したいと思ったのですが、夫はトヨタのカローラが乗りたいなと言い始めました

ハイブリッド車があれば、さらに燃費よく今より節約が狙えるのかなと思うので探したいと思います

冬ということもあり、今のクラウンはバッテリーが怪しいというので急がねば、です

余談ですが、夫は歳をとったらまたクラウンに乗りたいなぁと言っております

私は、最後の一行がとても好きです。

歳をとったら、またクラウンに乗りたい。

つまり今回手放すのは、その車を嫌いになったからではないんですよね。

ご家族のために、いったん預けるだけ。

そういう決め方ができるご家庭は、この先の車選びでも、きっと大丈夫だと思います。

そしてカローラという答えも、私は良いと思います。

ハイブリッドなら燃費も良く、4WDの設定もあります。

グレードによって分かれるので、そこは販売店で確かめてくださいね。

何より、ご主人が自分から乗りたいと言った車です。

ピゴス
ピゴス

家族の車って、数字だけで決めると、あとで誰かが少しさみしくなります

ご主人の好きを一度は聞いてあげたうえで、家計と合わせて決める

その順番でいくと、家族みんなが納得しやすいと思っています🐧

車選びで疑問や不安ある場合は、「X」「お問い合わせ」「コメント欄」などでお気軽にご相談ください。

最新記事のアップもXでお伝えしておりますので、よろしければフォローよろしくお願いいたします

関連記事

車の価格と維持費をまとめて月々に直す方法は、こちらにまとめています。

【まずはマネするだけ!】「スプシ付き」車購入の失敗しない予算の決め方を解説車の予算、何となくで決めていませんか?購入費+維持費を見える化するスプレッドシート付きで、失敗しない予算の決め方を、元ディーラー営業×元1級整備士が紹介します。...

車のことを一から整理したい方は、教科書ページもどうぞ。

【はじめに】損しないカーライフの歩き方|6つの章でわかる車の教科書車の維持費・選び方・買い方・保険・売却までを6つの章で整理した入門まとめ。元1級整備士×元ディーラー営業のピゴスが、20以上の記事で損しないカーライフへの歩き方を案内します。困った時に戻れる入口ページです。...
ABOUT ME
ピゴス
ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、コメント欄や「X」などでいつでもメッセージを承っております。お気軽にどうぞ!