中古車の現車確認はどこを見る?値引きより「タイヤを付けて」が通りやすい理由

明日、中古車を見に行く。
そう決まった夜に、たいてい同じことを考えます。
何を見ればいいんだろう。
何を聞けばいいんだろう。
値切ったほうがいいのか、それとも失礼になるのか。
見に行く前に決めておくのは、3つだけで大丈夫です。
匂いと内装、整備の中身、エアコンの効き。
どれも、買ってから直そうとするとお金も手間もかかるところです。
そして交渉は、値引きをお願いするより「タイヤを新品にしてください」とお願いするほうが通りやすいです。
中古車はもともと値引きの幅が小さく、お店としても現物のほうが応じやすいからです。
今回いただいたご相談
まずは、いただいたご相談の内容です(内容を編集して掲載しています)。
こんにちは!
こちらで教えていただいたことを参考に、中古車を探してみました。
購入費用は100万円以内、使用用途は主に通勤、購入希望車種はハイトワゴン系の軽自動車です。
この内容で探していたら気になる車を見つけたので、購入を検討しています。
一度見に行くつもりなので、見ておくポイントが知りたいです。
また、この車で気になる点などありましたら教えていただけると幸いです。
見に行く前に相談してくださる、これがいちばん助かります
買ったあとだと、直せることが一気に減ってしまうので
見るところは3つに絞って大丈夫ですよ
見に行く前に決めておく、3つの見どころ
現車確認の目的は、写真では分からないところを確かめることです。
ですので見るのは、「買ってから直しにくいところ」に絞ります。
私が挙げるのは、この3つです。
- 匂いと内装(ドアを開けた瞬間のにおい/シートの汚れやへたり/ハンドルの擦れ)
- 整備の中身(消耗品がどこまで交換に含まれているか)
- エアコンの効き(風量を最大、温度を最低にして、冷たい風が安定して出るか)
① 匂いと内装
ドアを開けた瞬間のにおいは、あとから消しきれないことがあります。
タバコやペットのにおいが気になる方は、ここで判断してしまってかまいません。
シートの汚れやへたり、ハンドルの擦れ具合からは、前に乗っていた方の使い方が見えてきます。
走行距離の数字より、こちらのほうが正直だったりするんですよね。
外装は、車の周りをぐるっと一周してください。
傷や凹みそのものより、パネルとパネルの隙間が左右でそろっているかを見ると、手が入っているかどうかの参考になります。
② 整備の中身
中古車で見落としやすいのが、買ったあとすぐに出ていくお金です。
車両価格ばかり見ていると、納車の翌月にタイヤ代が飛んでいく、ということが起こります。
ですので、こう聞いてみてください。
「納車のときに、どこまで交換していただけますか?」
エンジンオイルやワイパーゴムは、交換に含まれていることが多いです。
分かれるのはタイヤとバッテリーで、ここは金額が大きいところです。
タイヤは溝の残りを見て、バッテリーは「いつ替えたものですか?」と聞いてしまうのが早いです。
③ エアコンの効き
最後にエアコンです。
手順は簡単で、エンジンをかけたら風量を最大、温度を最低にします。
しばらく待って、冷たい風が安定して出るか。
吹き出し口から、変なにおいがしないか。
これだけです。
エアコンは、直すとなると大きな出費になりやすいところです。
通勤で毎日乗る車なら、なおさら確かめておきたいですね。
なお、オークション経由のようにその現車を見られない買い方もあります。そのときの考え方は、こちらでお話ししています👇
中古車で値引きが出にくいのは、なぜか
ここから、交渉の話です。
先にお伝えしておくと、中古車では値引きはそれほど重要ではありません。
理由は2つあります。
ひとつは、中古車が1台ごとに値段を付けたその1台限りの商品で、新車のような大きな値引き幅をもともと持っていないこと。
もうひとつは、程度が良くて、相場から外れていなくて、信頼できるお店の車を選べていれば、値引きに頼らなくても損はしないからです。
私は値引きを、「ちょっと不満のある車を、満足のいく車に近づけるための補助」くらいに考えています。
あくまで私の感覚ですが、値引き額の多い少ないに振り回されるより、車選びのほうに時間を使ったほうが、結果として損をしません。
それに、程度の良い1台は他の方も見ています。
悠長に値引き交渉をしている時間は、実はあまりないんですよね。
値引きの代わりに「これを付けてください」とお願いする
そのうえで、交渉のしかたです。
車を買う場面での交渉は、お願い型がうまくいきます。
言い方の型は、これです。
「無理を承知で聞いてもらっていいですか?ここまでにしていただけたら買いたいと思っています」
相場が分からないときは、支払総額のマイナス5%くらいまでなら、嫌味になりません。
そして、ここからが本題です。
値引きが出ないときは、お金ではなく現物でお願いしてみてください。
タイヤ、バッテリー、メンテナンスパック。
「購入を決めますので、タイヤを新品にしていただけませんか?」
この形は、値引きより通りやすいことが多いです。
ひとつだけ、やらないほうがいいこともお伝えしておきます。
他店の見積もりを持っていって、振りかざすというやり方です。
数字は動くかもしれませんが、そのあとの関係が残りません。
買ったあとも点検や車検で通う相手ですので、そこは大事にしたいところです。
お願い型って、遠慮しているみたいで損に見えますよね
でも実際は、こちらのほうが通ります
営業さんも人ですから、応援したくなるお客さんには応えたくなるんです
この頼み方だと、みんなが少しずつ報われます
なぜ現物のほうが通りやすいのか、お店の側から見てみます。
ただ値引きをすると、その分がまるごとお店の利益から消えます。
でもタイヤを付けるのなら、お店にはタイヤの売上が立ったうえでの値引きになります。
買う側も、いずれ買わなければならなかったものが新品になります。
そしてタイヤやバッテリーを作っている部品屋さんにも、仕事が生まれます。
ただの値引きより、こちらのほうが経済効果は高いと私は思っています。
買う人、お店、そのまわりの人。
「三方よし」という言い方をしますが、私が損しないカーライフと呼んでいるのは、こういう形のことです。
誰かひとりが得をして終わるのではなく、支え合って成り立っている。
そのほうが、次に困ったときに相談できる相手が残ります。
この考え方は、買うときだけでなく整備の場面でも同じです。
まとめ
今回のご相談のポイントを、整理します。
- 見るのは3つ。匂いと内装/整備の中身/エアコンの効き。どれも買ってから直しにくいところです
- 「納車のときに、どこまで交換していただけますか?」と聞く。分かれるのはタイヤとバッテリーで、ここは金額が大きいところです
- 中古車では、値引きはそれほど重要ではありません。程度が良く、相場から外れていない1台を選べていれば、それだけで損はしません
- 交渉はお願い型で。相場が分からなければ支払総額のマイナス5%くらいまで。他店の見積もりは振りかざさないでください
- 値引きが出ないときは、現物でお願いする。タイヤ・バッテリー・メンテナンスパック。買う人もお店も部品屋さんも、少しずつ報われます
ご相談者さまの、その後
このご相談には、うれしい続きが2つあります。
まず翌日、こんなご報告をいただきました。
早速、明日車を見に行く予約入れました。
タイヤ、エンジンオイル、車の傷、車内の匂いなどを確認してきます。
あと、交渉もしてきます。
今乗っている車が19万7000キロでもうガタが来ているので、なるべく早く決めたいと思います。
そして10日後、購入のご報告が届きました。
中古のデイズルークスを買いました!
以前こちらで色々相談させて頂いたことを参考にして買いました。
学んだことは4つです。
① メーカー系列店から買う
② 値下げ交渉よりオプションを付けてもらう交渉をする
③ 無駄なオプションは減らす
④ 妥協点を決める
中古車の時点でほぼ底値なので、値下げ交渉よりタイヤやバッテリーを新品と交換してもらうほうが交渉しやすいです。
契約したときに保証などのオプションがてんこ盛りだったので、全部なしにしたらだいぶ安くなりました。
交渉にあたって、販売店のカードを作ってほしいと言われました。
正直めんどくさかったし要らなかったのですが、相手も営業で商売なので加入しました。
そのかわりに下取り価格アップ、冬用タイヤの新品とアルミをまけてもらいました。
結果、約6万円くらい安くなり82万円で購入しました。
予算は80万円でしたが、車の程度もよくタバコ臭もなく、満足の買い物でした。
ここまで書いてくださる方は、なかなかいらっしゃいません。
①の「メーカー系列店から買う」も、いい場所を選ばれたと思います。
買ったあとに点検や車検で通うことを考えると、ここがいちばん効いてきます。
そして②の「値下げ交渉よりオプションを付けてもらう」。
これはまさに、さきほどお話しした形そのものです。
カードの件も、私はいい判断をされたと思っています。
作らないほうがいい、という考え方ももちろん正しいです。
ただ今回は、相手の事情をひとつ引き受けたことで、下取り価格と冬用タイヤが返ってきました。
お互いにメリットのある形になっていますので、こういうのはケースバイケースであっていいと思うんです。
解約の手間は、多少あるかもしれません。
それでも今回のような形でしたら、かけた手間に見合うだけのものが返ってきています。
もし要らないと感じたら、あとで解約してしまってかまいません。
予算80万円に対して、82万円。
数字だけ見れば2万円のオーバーですが、「車の程度もよくタバコ臭もなく、満足の買い物でした」と書かれています。
私が最初に挙げた匂いを、ご自分の鼻で確かめて決められた。
これ以上の結果はないと思います。
ご報告をいただけるのが、本当にうれしいんです
しかも学んだことまで書いてくださって
このページを読んでくださる方への、そのまま教科書になりました
見に行く前に、見るところを3つ決めておく。
値引きではなく、現物でお願いしてみる。
たったこれだけで、当日の緊張はずいぶん軽くなります。
そして良いお店で買えたなら、そのあとも良い関係を続けていってください。
選んだ1台を、大切に乗ってあげてください。
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