著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

こんにちは、ぺんぎんカーライフのピゴスです🐧

😵「愛車の下回りのサビ、気になるなぁ…」

😎「よし、自分で錆止めを塗ってみよう!」

🤔「ジャッキで上げて、ブロックをかませて潜り込んで、刷毛で塗れば安上がりかな?」

愛車を大切に思うからこそ、サビ対策を自分でやろう!と思い立つ気持ち、本当に素晴らしいと思います。

でも、ちょっと待ってください。

その作業方法、本当に安全ですか?

そして、そもそもその錆止めは、本当に「必要」でしょうか?

今回は、DIYでの下回り錆止め塗装を計画されている方からのご相談をもとに、絶対にやってはいけない危険な作業方法、DIYの現実的な難しさ、そして「損しない」ための根本的な考え方まで、解説していきますね。

✅ 結論からお伝えします

DIYで下回り塗装をするとき、「ブロックでの車体上げ」は絶対にNGです。

どうしても潜るなら、必ず「リジットラック(通称:ウマ)」という専用の支え台を使い、それが用意できないなら、潜らない方法かプロに任せるのが安全です。

そもそも、最近の車は格段に錆びにくく、あなたの車に「高価な錆止め処理」が本当に必要か、一度立ち止まって考える価値があります。

いちばん効果的で安価なサビ対策は「こまめな下回り洗浄」

融雪剤を洗い流すだけでも十分なことが多いんです。

まずは、いただいたご相談から

今回のご相談は、こんな内容でした(内容を編集して紹介しています)。

下回りのサビが気になっているので、DIYで処理するために準備をしています。

作業は、車をブロックに乗せて上げ、その下に潜り込んで、刷毛で塗りながらやる予定です。

見落としや注意点、必要な準備物、改善点などがありましたら、ご意見をいただけたら幸いです。

ご自身で愛車を守ろうというお気持ち、本当に素晴らしいです。

ただ、計画されている作業方法には、非常に大きな危険が潜んでいます…。

Q1.【最重要】その作業、本当に安全ですか?ブロック使用は絶対にダメ

まず、何よりも先にお伝えしなければならない、最も重要な注意点です。

🚫 車の下に潜って作業するときに、ジャッキだけで上げたり、コンクリートブロックをかませて車体を支えたりするのは、絶対にやめてください。

⚠️ 危険な理由

ジャッキは車を持ち上げるための道具で、車体を安定して支え続けるようには設計されていません。

油圧抜けや、ちょっとした衝撃で、突然下がる(落ちる)可能性があります。

また、コンクリートブロックは、一方向からの力には強くても、横からの力や衝撃、一点への集中荷重には非常に脆く、簡単に割れたり崩れたりします。

最悪の事態:もし作業中にジャッキが下がったり、ブロックが崩れたりしたら、車の下敷きになり、命に関わる重大な事故につながる危険性があります。

【安全のために】

どうしても車の下に潜る作業が必要なら、必ず「リジットラック(通称:ウマ、ジャッキスタンド)」という、車体を安定して支える専用の器具を使ってください。

ポイントは、ジャッキとウマの役割分担です。

ジャッキは「上げる」ための道具で、「支え続ける」道具ではありません。

ジャッキで上げたら、必ずウマをかけて、車の重さはウマに預ける——これが鉄則です。

そして、平坦で固い地面の上で、正しく設置することが絶対条件です。

ただ、正直なところ、車の下に潜る作業そのものが、初心者の方にはリスクが伴います。

可能であれば、潜らずにできる方法を考えるか、プロに任せることを強くおすすめします。

Q2. DIY下回り塗装、想像以上に「難しい」です

実は、今回のご相談者さんは、このあと実際に段差プレート(スロープ)で車を上げようと試されたそうです。

ところが——荷重に耐えられず、プレートが滑ってしまって、車を上げることすらできなかったとのこと。

あとから「駆動するタイヤの側でないと、スロープには登りにくい」と気づかれたそうですが、いずれにせよ、これだけ綿密に計画していても、安全に車を上げる環境を作るだけで、これほど大変なんです。

そして仮に、安全な作業環境を確保できたとしても、次に立ちはだかるのが「塗る作業そのものの難しさ」です。

🔶 刷毛(ハケ)で塗る場合

車の下に寝転がって、上向きに、ドロッとした錆止め剤を刷毛で塗ることを想像してみてください。

重力には逆らえません…塗料が腕や顔に垂れてくる可能性が高いです。

広々としたスペースで平らな天井を塗るDIYのとは、わけが違います。

均一に、ムラなく塗るのは至難の業で、高価な錆止め剤を無駄にしてしまう可能性もあります。

🔶 スプレー缶で塗る場合

仮にスプレー缶を使う場合も、逆さまに近い状態だと、ガスだけが出てしまったり、塗料が均一に出なかったりします。

狭いスペースで、広範囲に薄く均一にスプレーするのは、非常に難しい作業です。

Q3.「コスパ」で考えると、プロに任せる方が良いかも?

DIYのメリットは費用を抑えられること…と思いがちですが、今回のケースではどうでしょうか。

🔶 手間と時間:下準備、養生、塗装作業、後片付け…かなりの時間がかかります。

🔶 作業の難易度:上で見たとおり、キレイに仕上げるのは難しいです。

🔶 準備物のお金:錆止め剤(意外と高い!)、刷毛やスプレー、養生材、保護メガネ、手袋など、揃えると思った以上に出費がかさむこともあります。

🔶 安全リスク:万が一の事故のリスクがあります。

これらを総合すると、しっかりした下地処理と塗装技術、そして安全な設備を持つ「プロ(専門業者や信頼できる整備工場)」に依頼するほうが、結果的にコスパは良い、と私は考えます。

Q4. でも「自分でやる楽しさ」も!安全第一で

もちろん、コスパだけがすべてではありませんよね😊

「自分の手で愛車をメンテナンスする達成感」「コツコツ作業する時間そのものが楽しい」という方も、いらっしゃると思います。

もしDIYに挑戦したい気持ちが強いのであれば、絶対に「安全」を最優先したうえで、無理のない範囲で試してみるのは良いと思います。

ピゴス

正直、私自身もブロック上げで潜る塗装はやらない派です。

私が難しいと思っているだけで、器用な方なら上手にできるかもしれませんけどね(笑)

Q5.【再確認】そもそも、その錆止めは本当に「必要」ですか?

ここで、もう一度立ち止まって考えてみましょう。

「なぜ、下回りの錆止めをしたいのか?」

  • 目的A:ボディのように、下回りもピカピカに保ちたい(美観重視)
  • 目的B:あと10年、20年と、この車を大切に乗り続けたい(超長期保有)
  • 目的C:サビで将来トラブル(車検に通らないなど)が起きるのが、なんとなく心配…

もし、あなたの目的がB(超長期保有)であれば、しっかりとした錆止め(DIYまたはプロ施工)を行う価値はあるでしょう。

Aの美観も、こだわりがあれば否定はしませんが、機能的にはほぼ不要なことが多いです。

しかし、もしCの「漠然とした不安」からなのであれば、その錆止めは「不要」である可能性が高いです。

以前の記事でもくわしく解説しましたが——

【雪国の新常識】下回り塗装、思考停止でやってない?「必要 vs 不要」の境界線と対策雪国の下回り塗装、思考停止でやっていませんか?必要・不要の境界線と、費用対効果の高い定期的な水洗いを、整備士目線で、元ディーラー営業がプロの視点で整理します。...
  • 最近の車は、昔に比べて格段に錆びにくくなっている
  • 東北地方でも、通常の使用(+たまの下回り洗浄)であれば、10年程度ではフロアに穴が開くような致命的なサビは起こりにくい
  • 表面的なサビは発生するが、機能的に問題ないことが多い

つまり、過剰に心配する必要はない、ということです。

むしろ、やるべきことは「車検などで勧められる不要な錆止めを、ていねいに断ること」と、「融雪剤が付着したら、たまに下回りを水で洗い流すこと」かもしれません。

車検やタイヤ交換のときに勧められる錆止め(ハブの錆止めなど)を断る判断については、こちらでもくわしくお話ししています。

【私はやらない!】タイヤ交換で損しない判断基準!その「ハブ錆止め」はムダ?タイヤ交換で勧められる『ハブの錆止め・サビ取り』は本当に必要?元1級整備士が損しない判断基準を解説。やるべきケースと不要なケース、費用の目安まで整備士目線で紹介します。...

まとめ:安全第一。そして「本当に必要か?」を見極めよう

DIYでの下回り錆止め、挑戦する前に、ぜひ考えてみてください。

  • ブロックでの車体上げは絶対にNG。安全な作業環境を確保できないならDIYは諦める
  • DIYの下回り塗装は、想像以上に難易度が高く、費用対効果も低い可能性がある
  • そもそも、あなたの車に、今、高価な錆止め処理が本当に必要か?再考の価値あり
  • 一番効果的で安価なサビ対策は「こまめな下回り洗浄」かもしれない

もし、それでもDIYに挑戦されるなら、くれぐれも安全に注意して、無理のない範囲で行ってくださいね。

そして、もし実践されたら、その結果や感想を教えていただけると、私も大変勉強になります。

ハブの錆止めや、下回りに塗る黒い防錆塗料(シャシブラック)など、下回りのサビ対策を「全部まとめて整備士の本音で」知りたい方は、こちらの総合ガイドもどうぞ。

【私はやらない!】ハブ錆止め・シャシブラック・下回り防錆 整備士が選ぶ損しないサビ対策 - ぺんぎんカーライフ
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【おまけ】サビが気になって乗り替えるなら

ここまで「過剰な錆止めは不要・こまめな洗浄で十分」とお伝えしてきましたが、もしサビをきっかけに「やっぱり乗り替えようかな」と気持ちが動いたとしても——サビていても、まだ車の価値はありますよ。

1ヶ所だけに任せると「錆びていて価値がないですよ」と言われてしまうこともあるので、複数社で比べて、愛車の価値をしっかり引き出しましょう。

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下回り塗装のDIYで疑問や不安がある場合は、「X」「お問い合わせ」「コメント欄」などでお気軽にご相談ください。

このブログ「ぺんぎんカーライフ」では、ご質問への回答だけでなく、損しないカーライフを送るための記事を書いています。

こちらから記事をまとめたページに飛べますので、よかったらのぞいてみてください。

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それでは、素敵なカーライフを🐧

ABOUT ME
ピゴス
ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、コメント欄や「X」などでいつでもメッセージを承っております。お気軽にどうぞ!