中古車のオプション、いらないと言っても外してもらえない。言い方のせいではありません

中古車のお店で受け取った見積書の、いちばん下の数字。
🧾 車両本体 60万円ほど
🧾 支払総額 132万円
間に挟まっていたのは、コーティング。
3年の保証。
点検のパック。
ドライブレコーダーに、冬タイヤ。
🙍「そんなにオプションはいりません。保証も、3ヶ月の無料のぶんで十分です」
そう伝えたのに、外れませんでした。
1回ではありません。
5回も6回もです。
代わりに返ってくるのは、いつも同じ言葉でした。
💁♂️「今日決めてくれたら、このオプションも付けて、この金額にします」
外してください、とお願いしたのに、付けたまま安くします、と返ってくる。
——そんな商談から帰ってきたばかりの方は、いらっしゃいませんか。
あなたの言い方が悪かったのではありません。
中古車の車両本体の値段は、同じような車が検索サイトにずらりと並ぶので、動かせる幅がほとんどありません。
一方で、オプションや保証は、お店が自分で決められます。
だからそこで利益を作っているお店では、オプションを全部外すと、値段を調整できる場所が1つも残らなくなります。
「外します」ではなく「付けたまま、この金額に」という返事になるのは、そのためだと私は見ています。
つまり、外れるかどうかは、そのお店を見分けるいちばん簡単な物差しになります。
2回言って外れなかったら、ねばらなくて大丈夫です。
値切って勝つ必要はなくて、そのお店では買わないと決めるだけで済みます。
次のお店を探すなら、ディーラーの中古車からがおすすめです。
まずは、いただいたご相談です
お子さんの就職が決まって、通勤用の中古車を探していた親御さんからのご相談です。
アルトが小さくて息子には窮屈だったので、他に軽の4WDあるかと聞いたら、Nワゴンを紹介されました。
走行距離は85,000キロとけっこう走っているのですが、すごくかっこよかったのと、4WDはあまり出回っていないとのことで、これを商談しました。
いや、もう、営業マンの必死さが凄すぎて、とにかく「今日決めてくれたらこれらのオプションも付けてこの金額にします」というやり取りを5、6回はしたでしょうか。
すべて、店長と相談してきますって感じで。
私は値段を安くしてくれと言ってるわけじゃなく、こんなにオプションいらないし、保証も3年もいらないから3か月無料だけでいいと何度も言ってるのに、向こうはどうしてもそれを付けたいみたいで外してくれません。
車本体が60万ほどなのにオプションがその倍以上。
とにかくしつこく、コーティングの大切さとか3年保証のお得さとかで食い下がられました。
ホントは、保証やコーティングや点検も要らないんじゃないかと思えてきて、もろもろやめたら80万ちょっとで済みそうな気がします。
いやはや、本当にお疲れさまでした。
ここでいちばん大事なのは、この方が「安くしてください」とは一度も言っていないことなんです。
要らないものを外してください、と言っただけなんですよね。
外してもらえないのは、あなたの言い方のせいではありません
値引き交渉が、下手だったという話ではありません
この方がお願いしたのは、たった1つです。
要らないものを、外してください。
しかも遠慮がちにではなく、5回も6回も伝えています。
ふつうに考えれば、値引きよりずっと通りやすいお願いのはずです。
なのに、外れませんでした。
ここには、その方の性格や伝え方とは別の理由があります。
中古車は、値段を動かせる場所が、もともと少ないんです
お店が見積もりの中で動かせる場所は、大きく3つです。
- 車両本体の値段
- オプションや保証
- 下取りに出す車の値段
新車であれば、1つ目の車両本体にも、ある程度の幅があります。
でも中古車は違います。
同じ年式で、同じくらいの走行距離の車が、検索サイトにずらりと並びます。
その中で選んでもらえるように値段を付けているので、1つ目はもう、動かせる幅がほとんどありません。
今回は下取りに出す車もありませんから、3つ目も使えません。
残るのは、2つ目のオプションだけです。
だから「外してください」が、いちばん難しいお願いになります
オプションでしか値段を動かせないお店にとって、それを全部外すというのは、調整できる場所が1つも無くなるということです。
だから「外します」ではなく、「付けたまま、この金額にします」という返事になります。
5回聞いても6回聞いても、返ってくる形が変わらなかったのは、そのためだと思います。
そしてもう1つ。
車両本体を安く見せておいて、オプションのほうで帳尻を合わせる、という組み立て方のお店もあります。
車両本体だけを見ると、この車は安いな、と思う。
でも総額を見ると、そうでもない。
車両本体は60万円ほどなのに、支払総額は132万円と、2倍を超えていました。
この見積もりは、本体を安く見せてオプションで帳尻を合わせる形に、近いように見えました。
※ここは見積書を外から見ての、あくまで私の見立てです。
※実際にどういう組み立てでその金額になったのかは、そのお店にしか分かりません。
それでも、あの営業さんが悪い人だったとは思っていません
私は元々、ディーラーで営業をしていた人間です。
売り方を決めているのは会社で、その中で一生懸命やっている方なのだろう、というのは想像がつきます。
意地悪でやっているわけではないと思うんです。
私が本当に何とかしたいのは、人ではなくて、この形のほうです。
このとき、ご相談者さまは「明日までにお返事を」という宿題を持って帰ってきています。
そこからどうやって終わらせたのかは、こちらに書きました。
2年あまりあと、別の方が、同じことで悩んでいました
これは、まったく別のご相談です。
おひとりで中古車を見に行った、50代の方からいただきました。
見積書を頂いて、帰ってから見るつもりでよく見ていなかったのですが、見積書の右側のオプションが、こちらに何の伺いもなく、諸費用のような感じで記入されていました。
オプション一切不要なのですが、今後の商談で不要にしてもらえたとして、このようなことをする業者を信用して良いのか。
一人で行ったのですが、女性が一人で行くとカモになるだけなら、だれかと同行していただいた方がよいのでしょうか。
そして最初の親御さんも、商談のあった夜に、こう書いていらっしゃいました。
アラフィフおばちゃんだから、なんも分からないと思われたのかもしれません。
2年あまり間の空いた、別々のご相談です。
お二人とも、自分がなめられたから、こうなったのだと読んでいらっしゃいました。
でも、私はそうは思いません。
お店が最初に出してくる見積もりは、多くの場合、その人に合わせて作ったものではありません。
そのお店の基本セットです。
誰が行っても、だいたい同じものが乗っています。
つまり、あなたを見てそうなったのではなく、最初からそうなっているんです。
だからこそ、その違和感は、大切にしたほうがいいと思っています。
これは要らないのでは、と思ったら、そこで立ち止まって、1行ずつ聞いてみて大丈夫です。
悪かったのは、車のほうではありませんでした
走行8万5,000キロは、この使い方なら悪くありません
息子さんは、3年ほど乗って、その間にお金を貯めて新車を買いたい、というお考えでした。
つなぎと決まっているなら、走行距離はある程度多くても大丈夫です。
ただし、走っていない車に比べれば、修理が出る回数は増えます。
多少の修理は覚悟している、というお話でしたので、そこは合っていました。
カスタム系は、見た目にお金が掛かっているぶん割高です
候補になっていたのは、ホンダのN-WGN(エヌワゴン)の、標準グレードではなくカスタムのほうでした。
広さも基本的な性能もほぼ同じで、違うのは顔つきや内装です。
コスパを最優先にするなら、標準のほうが同じ年式・同じ距離でもう少し安く買えます。
とはいえ、見た目が気に入っているなら、それはそれで立派な理由です。
車種の選び方と、乗り出しの総額をどう組むかは、同じご相談の別の場面でくわしく書きました。
それでも、そのお店で買うのはおすすめしませんでした
車が良くても、買ったあとの付き合いは残ります。
保証の手続きも、調子が悪いときの相談も、そのお店とすることになります。
3時間かけても要らないものが外れなかった相手と、そこから何年か付き合うのは、正直しんどいです。
車が本当に最高なら、営業さんの微妙さには目をつぶることもあります(笑)
でも、要らないものが外れないお店とは、買ったあとも同じやり取りが続くことが多いんですよね。
外さなくていいお店を、探しにいく
まず、その見積もりを3つに仕分けてみる
いま手元に見積書があるなら、こんなふうに分けてみてはいかがでしょうか。
⭕ 要るもの
ETCのセットアップ(ナンバーが変わるとき)。
中古車を買うとナンバーが変わることが多く、そのときはETCの機械に、車の情報を登録し直す必要があります。
名義が変わるだけで、ナンバーがそのままなら要りません。
冬タイヤ(雪の降る地域なら)。
安全に直結するので、削らずに予算に入れておきたいものです。
🔺 考えるもの
点検やメンテナンスのパック。
そのお店で整備を続けるつもりがあって、そのつど頼むより安くなるのなら、検討する価値があります。
中古車の延長保証。
5万円、10万円とするものなら、同じお金を修理費として手元に置いておくほうを、私は選びます。
ディーラーで安く付けられるものなら、付けておくのもありだと思います。
ドライブレコーダー。
付けるかどうかは、安心にいくら払うかで決めていいものです。
付けるなら、カー用品店で十分です。
❌ 外していいもの
コーティング。
きれいを保ちたい気持ちは、よく分かります。
ただ、専門店に頼んだほうが安く済むことが多いです。
タイヤの保証。
起きる確率も、起きたときの損も小さいので、私なら貯金で備えます。
断熱フィルム。
前席のドアガラスに貼ると、車検に通らなくなる場合があります。
※どれを外すかは、使い方と、その車をどれくらい乗るつもりかで変わります。
※ここに書いたのは、あくまで私の仕分け方です。
※ETCのセットアップについては、ETC総合情報ポータルサイト(ITSサービス高度化機構)の案内より(2026年10月に確認)。
外すのではなく、選ぶだけで済んだ方もいます。
88,000円の整備パックと延長保証をすすめられて、見積書にもともとあった基本のプランのまま契約された方のお話は、こちらです。
外れるお店では、1回で外れます
この方は、このあと、ディーラーで中古車を買っています。
冬タイヤも、ドライブレコーダーも、ETCも付けて、総額96万円ほど。
しかも、最初に出てきた見積もりから、ほとんど変わらなかったそうです。
断ったのは、1年ぶんの延長保証、およそ2万円だけ。
値切ってもいないのに、向こうから数千円引いてくれたといいます。
つまり、外れるお店では、外すのに交渉はいりません。
1回言えば、それで終わります。
だから、2回言っても外れなかったら、それ以上ねばらなくて大丈夫です。
勝たなくていいんです。
そのお店では買わない、と決めるだけで済みます。
ディーラーの中古車から探すと、この悩みが減ります
各メーカーのディーラーは、たいてい自社のホームページから中古車を探せるようになっています。
お住まいの地域や、4WD(四輪駆動)といった条件で絞り込めます。
私がここを最初にすすめているのは、基本セットをどんどん乗せてくる売り方が少ないからです。
理由は、仕入れ方にあります。
ディーラーの中古車の多くは、下取りで入ってきた車です。
私もディーラーで下取りをしてきましたが、点検や整備をして売る分まで見込むと、引き取る値段はどうしても安めになります。
そのぶん、オプションを盛らなくても、商売として成り立ちやすいんです。
もちろん、ディーラーでもオプションのご提案はありますし、まじめに薄利でやっている販売店もあります。
ディーラーの中古車は、最安ではありません。
でも、車に詳しくない方でも80点以上は取りやすいと思っています。
認定中古車(ディーラーが点検し、保証を付けて売っている中古車)をすすめる理由は5つあります。
こちらにまとめました。
実際の検索画面で、1台に絞るまでの手順はこちらです。
探しているのが未使用車(ナンバーの登録だけを済ませた、新車に近い車)なら、ディーラーでも売っています。
未使用車の専門店で「おまとめパック」を勧められたときに、新車やディーラーの見積もりと並べて確かめる方法は、こちらに書きました。
ディーラーのほかに、いつも車を見てもらっているお店に探してもらう方法もあります。
2年あまりあとにご相談くださった方は、オプションが勝手に書き込まれていたお店を見送り、長年車検をお願いしているお店に、希望を伝えて探してもらうことにされました。
少しの修理を無料でしてもらったこともある、明朗会計で信用しているお店だそうです。
ただし、軽の4WDは、台数がとても少ないです
正直に書きます。
ここが、いちばん難しいところです。
あのお店が「4WDはあまり出回っていない」と言ったのは、嘘ではありません。
実際、軽自動車の4WDは中古市場に出てくる台数が少なく、すぐには見つからないことが多いです。
ただ、台数が少ないことと、今日決めることは、別の話です。
少ないからこそ、1台に飛びついてしまうと、比べる相手がいなくなります。
この方も、ディーラーの中古車を条件で絞ったら、出てきたのは2〜3台だったそうです。
その中から、2週間ほどで1台を見つけていらっしゃいました。
なお、最初に見たアルトが窮屈だった、というのは、じつはとても良い収穫です。
体格に合う軽をどう選ぶか、お店で座って確かめたい4つのところは、こちらに書きました。
最後に、1年目の保険料のことだけ
お子さんの車を探すときに、もう1つだけ見ておきたいものがあります。
1年目の自動車保険料です。
自動車保険は、無事故の積み重ねが長いほど安くなる仕組みなので、運転を始めたばかりの方はどうしても高くなります。
車両本体の値段に対して、無視できない大きさで乗ってきます。
どれくらい乗ってくるのか、乗り始める時期を選べる場合にどうするかは、さきほどの車種と総額の記事でくわしく書きました。
保険料そのものの見直し方は、こちらにまとめています。
※保険料は年齢・等級・補償内容・お住まいの地域・車種によって大きく変わります(2026年9月時点)。
※実際の金額は、ご自身での見積もりで確かめられます。
まとめ
- 「安くして」ではなく「外して」が通らないのは、あなたの言い方ではなく、そのお店の売り方の問題です
- 外れるかどうかは、車に詳しくなくても使える、いちばん簡単な物差しになります
- 2回言って外れなかったら、ねばらずにお店を替えて大丈夫です
- 見積もりは、あなたを見て作られたものではなく、そのお店の基本セットです
- だから、これは要らないのでは、と思ったら、立ち止まって1行ずつ聞いて大丈夫です
- 次のお店は、ディーラーの中古車から探すと、この悩みが減ります
3時間かけて、営業さんに勝つ必要はありません。
要るか要らないかを決めるのは、こちらの仕事です。
すすめるのは、お店の仕事。
そこが噛み合わないなら、静かに席を立って大丈夫ですよ。
焦らず、じっくり探せば、気持ちよく買えるお店は、ちゃんとあります。
中古車をディーラーの認定中古車と一般の販売店、どちらで買うか迷ったときは、こちらの記事も参考になります。
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車選びを、もう一度ゼロから順番に整理したい方は、こちらの教科書ページもどうぞ。
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うまく言葉にできなくても大丈夫です。私が読んで、お返事します。
お返事は、このページのコメント欄に書きますので、また見に来てくださいね。
※ 車種や金額など、ご自身が特定されそうな情報は書かないでくださいね。