車の買取、1社目で決めていい? 知り合いのお店にも話を通したいときの順番

🤔「この金額で、決めてしまっていいのかな…」
買取のお店で査定の紙を渡されて、金額を言われた瞬間。
悪くない数字だな、と思う。
でも、その場ですぐには返事ができない。
というのは、別のお店にも話を通す約束をしているからです。
しかもそこは、知り合いのお店。
ご友人だったり、ご家族のつながりだったり。
断りづらい。
かといって、目の前の金額も気になる。
車を売るときに重くのしかかるのは、じつは金額の大小ではなく、この「順番」だったりします。
その場で出た金額は、まだ「確定」ではないことがあります。
知り合いのお店には、正直に話して大丈夫です。
ただし「売り先の候補」ではなく、「相談相手」として先に話すのがおすすめです。
聞くのは「いくらで売れますか」ではなく、「この条件、どう思いますか」のほうです。
そのうえで、急いでいないならもう1社だけ見てみる。
順番をこうすると、お金も、関係も、どちらも守れます。
きっかけは読者の方からのご相談
まずは、今回いただいた具体的なご相談内容です。
- 売却予定の車: 日産 キューブ(H24年式・7.5万km)
- 状況: 大手買取専門店で査定してもらったところ、30万円と言われた。ご相談者さまご自身、この価格には「十分満足」されていた
- ところが: そのすぐあとに「やっぱり30万は厳しいかも、25万なら上からオッケーもらえそう」と言われた
- 悩み: もともとは、ご家族の知人が勤める地元の中古車屋さんにお願いするつもりだった。その方からは「年式的に値段はあまり期待できないかもしれないけど、オークションに出してみようか」と言われていた
- 疑問: このまま決めて良いのか?約束通り地元の知人に相談すべきか?知人経由(オークション)で30万円以上になる可能性はあるのか?
良い値段が出たのに、知り合いのお店にも話を通す約束をしている。
これは本当に板挟みで、悩ましいですよね。
お金も大事だけど、知り合いとの関係も大事にしたい。
そのお気持ち、とてもよく分かります。
そして、じつはこの2つ、どちらかを諦めなくて大丈夫なんです。
順番の話なんですよ。
なぜ、その場で出た金額が動くことがあるのか
今回のご相談で、私が引っかかったのは、じつは金額の高い安いではありませんでした。
30万円と言われたあとに、25万円という別の数字が出てきたところです。
30万円と言われたあと、25万円になりました
ご相談者さまは、最初に30万円と言われて「十分満足」と感じられていました。
ところが、そのすぐあとに、こう言われたそうです。
やっぱり30万は厳しいかも、25万なら上からオッケーもらえそう
5万円です。
いったん心が決まりかけた数字が、その場で動いたわけです。
これは、けっこう起こります。
意地悪をされているわけではありません
ここは、お店の仕組みの話として読んでください。
買取のお店の店頭で出る金額は、目の前の担当の方がひとりで決めているとはかぎりません。
金額によっては上長の決裁が要りますし、本部の承認が必要な会社もあります。
だから、その場の感触で「これくらいなら」と口に出した数字が、あとから「上に確認したら、ここまででした」と動くことがあるんです。
私がディーラーで営業をしていたころも、下取りの金額は上長に確認しながら出していました。
担当者の一存で決められる範囲は、思っているより狭いんです。
ですから、意地悪をされているのではなく、そういう仕組みなのだと思ってください。
そして、ここから言えることがひとつあります。
その場で最初に出た金額は、まだ確定ではないことがある。
逆に言えば、まだ動く余地があるということでもあります。
では、お店そのものは信用していいのか
ネットで検索すると、どんな大きな会社でも良い評判・悪い評判、いろいろ出てきます。
でも、こと「車の売買取引」に関して言えば、大手の買取専門店はコンプライアンスも比較的しっかりしていて、契約した内容どおりに取引を完了させてくれる点では、おおむね信頼できます。
また、大手の買取店は、買い取った車を業者オークションに出すだけでなく、自社の販売網で直接 次のユーザーに売るルートも持っています。
オークションの手数料などの中間コストが減るぶん、相場より高い金額を出せることがあるのは、そういう背景です。
当時、私はこうお答えしていました。
対応していただいているスタッフの方が親切であったり、売却の値段に納得されているのだとしたら、長い付き合いになるものでもないので、決めてしまってもよろしいのではないでしょうか。
急いでいる訳ではないなら、他でも見積りとってみても、良いと思いますよ!
「長い付き合いになるものでもない」。
ここが、車を売るという場面の性格をよく表していると思います。
整備は、同じお店に通うほど良くなります。
履歴が積み重なって、あなたの車のクセを分かってもらえるからです。
でも売却は、そこで関係を育てる場面ではありません。
一度きりのお取引で、いちばん条件の良いところにお願いして終わりです。
だからこそ、遠慮なく比べていいんです。
知り合いのお店に「オークションに出してもらう」は、どうなのか
一方、地元の車屋さんにお願いして、業者向けのオートオークションに出品してもらう方法があります。
これはこれで、一般的な売却方法のひとつです。
ただ、その場で買い取ってもらう場合と比べると、お金の流れが少し違います。
- 落札価格は「相場次第」: その時々の需要と供給で決まります。知り合いの車屋さんも、おおよその相場は分かっているはずですが、いくらで売れると先に断言することはできません
- 見えないコストがかかる: オークションに出品するには、出品料や、会場までの陸送費などの経費がかかります。これらは最終的に売却価格から差し引かれます
- 車屋さんの利益も必要: 当然ですが、出品を代行してくれる車屋さんもボランティアではありません。手数料や利益を確保する必要があります
当時、私はこうお答えしていました。
オークションはある程度相場が決まっていますので、だいたいの答えは見えています。
出品料や陸送費、知り合いの中古車屋さんの利益をなしと考えても、30万円は難しいかもしれません。
ただ、私もキューブを見たわけではないので、知り合いの中古車屋さんも、オークション相場と照らし合わせて、良きアドバイスをしてくださると思いますよ。
最後のひと言は、あとで効いてきます。
ここでは「私も実物を見ていないので、断言はできない」ということだけ、先にお伝えしておきます。
車の値段は、現物を見ないと本当のところは分からないものですから。
それと、もうひとつ。「比べる形」が崩れます
オークションに出すというのは、車をいったん預けて、結果が出るまで待つということです。
その間は、ほかのお店と同じ土俵で比べることができなくなります。
車を売るときに強いのは、「同じ日に、複数のお店に金額を出してもらう」という形です。
オークション出品は、その形そのものを別のものに置き換えてしまいます。
これは、悪いサービスという意味ではまったくありません。
急がない方や、値段のつきにくい特殊なお車をお持ちの方には、合うこともあります。
ただ、いま比べる形を作ろうとしている場面では、いったん見送っていい、というのが私の考えです。
足していいものと、いったん見送るものの分け方は、こちらで整理しています。
知り合いのお店は「売り先」ではなく「相談相手」にする
ここまで読んで、「じゃあ知り合いのお店は断るしかないのか」と思われたかもしれません。
そうではないんです。
知り合いのお店には、話を通してください。
ただ、どう聞くかで、あとの気まずさが変わります。
聞くのは「いくらで売れますか」ではなく「どう思いますか」
知り合いのお店に連絡するとき、つい、こう聞いてしまいがちです。
「うちの車、いくらで売れますか?」
これだと、そのお店は「売り先の候補」になります。
わざわざ金額を出してもらった以上、断るのが気まずくなる。
相手にも、査定の手間をかけさせてしまいます。
聞き方を、こう変えてみてください。
「別のお店で〇〇万円と言われました。この条件、どう思いますか?」
これなら、そのお店は「相談相手」です。
プロの目で、その数字が妥当かどうかを見てもらえます。
相手も、金額を用意する手間なしに、経験だけで答えられます。
そして、約束どおり話を通したことにもなる。
順番を変えただけで、三方とも軽くなるんです。
値切るためでも、疑うためでもありません
こういう聞き方を、私は整備の場面でもおすすめしています。
高額な修理を提案されたとき、別のお店にも見てもらう。
いわゆるセカンドオピニオンです。
これは、値切るためでも、お店を疑うためでもありません。
納得して決めるための手順です。
売却も同じで、知り合いのお店に聞くのは、値段を吊り上げてもらうためではありません。
いま目の前にある数字が、妥当なのかどうか。
それを、自分より詳しい人の目で確かめるためです。
そのうえで、決め方はこの3つで
最終的にどちらを選ぶかは、次の3点で決めていただければ十分です。
- 手元に残る金額: 純粋に、どちらがより多くのお金を残せるか
- 手間とスピード: その場で契約すればすぐ終わりますが、オークションは結果が出るまで時間がかかります
- 気持ちよく終われるか: 正直に話したうえで選んだのなら、どちらを選んでも後ろめたさは残りません
ひとつ、安心していただきたいことがあります。
知り合いの車屋さんは、きっとあなたの味方です。
正直に金額を伝えれば、相場と照らし合わせて「それは良い条件だよ」と言ってくれる方が多いんです。
ご自分の商売にはならなくても、です。
そういう方だからこそ、あなたは最初にそのお店を思い浮かべたんじゃないでしょうか。
まわらずに、同じことをする方法
ここまでは、知り合いのお店との順番の話でした。
最後に、金額そのものの話をひとつだけ。
その場で出た30万円は、1社だけの数字です。
同じ大手クラスでも、お店によって得意な車種や在庫の状況が違うので、出せる金額は変わります。
とはいえ、何社もまわるのは大変です。
お仕事があって、休みの日にお店をはしごするのは、正直しんどい。
そこで、まわらずに同じことをする方法があります。
複数の買取店が、先に金額を出してくれる仕組みです。
私が使うなら、MOTA車買取のような「同時査定(入札方式)」のサービスですね。
最大20社が先に査定額を提示して、上位最大3社だけが連絡してきます。
電話が鳴り止まない、という心配が少ないのはそのためです。
入札方式なので、各社が最初から本気の金額を出しやすいのも特徴です。
仕組みとしては、こういう決まりもあります。
- 入札した金額より下げて買い取ること(不当な減額)は禁止
- 車を引き取ったあとでも、翌日まではキャンセルできる
- 入金を仲介する「あんしん決済」は、2026年8月4日の成約分から無料(MOTA公式で2026年9月に確認)
💡 売ると決めた方へ
MOTA車買取なら、電話ラッシュなしで最大20社の査定額がわかります。
ただし、査定してくださる買取店さんも、本気で時間を使ってくださいます。
数字の見当をつけたいだけの段階なら、まだ申し込まなくて大丈夫です。
買取の全体像(業者さん選びや当日の流れ)は、こちらが詳しいです。
この同時査定で最高額を引き出す「一発勝負」の詳しいコツは、こちらでまとめています。
実際にこの同時査定を使って売却された方の体験談も、こちらにあります。
💡 知り合いのお店にも話を通したうえで、売ると決めた方へ
一度きりのお取引です。
同じ日に、複数社の金額を並べてから決めてください。
まとめ:順番さえ間違えなければ、お金も関係も守れます
知り合いのお店への義理と、目の前の金額。
この2つで悩むのは、車を売るときによくある場面です。
整理すると、こうなります。
- その場で最初に出た金額は、まだ動くことがある(担当の方の一存では決まらないため)
- 知り合いのお店には、正直に話す。ただし「売り先」ではなく「相談相手」として
- 聞くのは「いくらで売れますか」ではなく「この条件、どう思いますか」
- オークションへの出品は、比べる形をいったん崩す。急がない方や、値段のつきにくいお車には合うこともある
- 急いでいないなら、もう1社だけ見てみる
- 納得できていて、早く終わらせたいなら、その場で決めてしまってもいい
相場は日々動きますし、私はあなたのお車を見ていません。
ですから、いくらが正解です、とは言えません。
それでも、この順番だけは、どなたにも同じように効きます。
売るときの全体の流れは、こちらにまとめています。
ご相談者さまの、その後
このご相談には、続きがあります。
ご相談者さまは翌々日、知り合いのお店へ話を聞きに行かれました。
そして、別の大手買取店にも査定をお願いしました。
結果です。
はじめのお店で25万と査定された平成24年式のキューブが、別のお店では即決価格で33万円になりました。
知り合いの中古車屋さんに話しても、33万なら決めても良いと思うと言われたので、そちらで決めました。
ホントに相見積もりの大切さを痛感しております。
25万円が、33万円。
8万円の差です。
増やした査定は、たった1社でした。
知り合いの車屋さんは、「33万なら決めていい」と言ってくれました
そして、この相談で私がいちばん心に残っているのは、じつは金額のほうではありません。
知り合いの車屋さんが、「33万なら決めても良いと思う」と言ってくださったことです。
ご自分の商売にはならないのに、です。
前の日に、私はこうお答えしていました。
知り合いの中古車屋さんも、オークション相場と照らし合わせて、良きアドバイスをしてくださると思いますよ。
そのとおりになりました。
車屋さんは、敵ではありません。
正直に話せば、味方として答えてくれる方のほうが、ずっと多いんです。
そして、そういう方だからこそ、ご相談者さまは最初にそのお店を思い浮かべたのだと思います。
「今日が一番若い日」
このあと、ご相談者さまがくださった言葉が、いまも私の中に残っています。
私のキューブも「今日が一番若い日」だからこの価値だったんですね
車は、置いておくだけで年式が古くなって、走行距離も伸びていきます。
だから、手放すと決めた日から先は、ずっと「今日が一番若い日」なんです。
迷っている時間そのものが、少しずつ価値を減らしていく。
逆に言えば、動いた日が、いちばん高い日になります。
私も、当時こうお返事していました。
購入するときも興奮しますが、実は車を売るときも結構興奮するんですよー!
お忙しいあなたに代わって交渉しますので、上乗せ金額の3割くださいってアルバイトできそうなぐらいです(笑)
半日ほど動いて、8万円。
冗談まじりに書きましたが、正直、本当にそう思ったんです。
車を売るときの悩みは、金額の大小よりも「気まずさ」だったりします。
でも、正直に話して気まずくなるような相手なら、そもそも最初にそのお店を思い浮かべなかったはずです。
あなたが最初に顔を思い浮かべた、そのお店に。
まずは「どう思いますか」と、聞いてみてください。
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