安いネット保険が並んで決められない 迷う3つのうち、2つは見積書の外に答えがあります

😵「一括見積もりをしたら、安いところが3つも4つも出てきた」
🤔「でも、どれも似ていて決められない…」
😅「安いところを選んで、事故のときに困らないかな…」
一括見積もりまで進めたなら、いちばん面倒なところはもう終わっています。
ところが、そこからが決まらない、という方がとても多いんです。
今回は、まさにその状態でご相談くださった方の記録をお借りしました。
初めて自動車保険に入る方で、中古で買ったフリードの保険を探しておられました。
初めての保険だと、何を基準に比べればいいのかも、まだ分かりませんよね。
結論からいうと、迷いが残る理由ははっきりしています。
答えが、見積書に書いていないからです。
大手のネット保険で安い見積もりが並んだなら、その時点で80点は取れています。
それでも決められないのは、迷いが3つ残っているからです。
① 2年目以降の保険料=「等級」と各社の割引で決まり、1年目の見積書からは読めません。
② ロードサービス=遠出が少なければ最低限で十分で、そのうえで車のほうにメーカーのサービスが付いていないかを、お店で聞いてみるのがおすすめです。
③ サポートの良し悪し=口コミでは分かりませんが、大手のネット保険なら、ある程度しっかりしています。
このうち①と②は、見積書の外側に答えがあります。
まずは、いただいたご相談です
先日、中古車を購入し、保険会社を検討中です。
ネットのダイレクト型を希望していて、一括見積もりをして、その中の数社で検討しています。
これまで入っていた自動車保険はありません。
車種はホンダのフリード、2022年型、走行距離3,000km。
運転者は私と妻、ともに40代前半です。
免許証はブルー、年間走行距離は7,000kmから10,000km、車両保険は無しの予定です。
見積もりを見て、価格の安いところはチューリッヒ・アクサダイレクト、内容の良さそうなところはソニー損保・SBI損保あたりで検討中です。
最低限の補償があれば良いのですが、ただ安いところで選んで、事故の時のサポートなど大丈夫なのかという不安もあります。
割引含めた2年目以降の保険料の違いや、ロードサービスやサポートの内容などが各社様々で、実際どこがいいのだろうと迷っている状況です。
※会社名は、ご相談者さまご自身が挙げられたものです。
ここまで調べて並べられたなら、もう大きな失敗はしません。
私が目をとめたのは、最後の一文でした。
迷っておられるのは、はっきり3つです。
- 割引を含めた、2年目以降の保険料
- ロードサービスの内容
- サポートの内容
そして、この3つには共通点があります。
どれも、見積書には書いていないんです。
見積書に並んでいるのは、1年目の保険料と、補償の中身だけ。
だから、見積書を何度見比べても決まらないんですね。
安い見積もりが並んだ時点で、80点は取れています
順番に見ていく前に、まず全体のことからお伝えします。
候補が大手のネット保険なら、基本的な補償の信頼性に、大きな差はありません。
対人賠償・対物賠償といった根っこの部分は、どの会社も同じ考え方で作られています。
保険料が安いから、いざというときに支払われない、ということはまずありません。
ですので「最低限の補償でいい」と決めておられる方なら、一番安い見積もりを選んだ時点で、もう80点です。
当時、私はこうお返事しました。
どこのネット保険も、ある程度のサポートはしっかりされているので、最低限の補償を求めるのであれば、問題ないと思いますよ。
代理店型保険(お店や担当者を通して入る保険)との違いも含めて、そもそもネット型に変えていいのかを迷っておられる方は、こちらで整理しています👇
迷う①「2年目以降は?」──1年目の見積書からは読めません
ご相談のなかに「割引含めた2年目以降の保険料の違い」とありました。
2年目の保険料を決めるのは、「等級」と各社の割引の2つです。
まずは、どの会社でも同じ仕組みの等級からです。
初めての方は、6等級から始まります
日本損害保険協会の説明には、こう書かれています。
「初めて自動車保険を契約した場合は6等級に位置付けられ、1年間事故がないと1等級上がって7等級となり、保険料が割引されます」
では、6等級と7等級で、どのくらい違うのでしょうか。
公式に、割増引率(等級ごとに、保険料を何%増やしたり減らしたりするかの割合)の例が公開されています。
| 等級 | 割増引率(無事故の場合) |
|---|---|
| 6(初めての契約) | +3%(割増) |
| 7(1年間 無事故) | −27% |
| 8 | −38% |
| 9 | −44% |
| 10 | −46% |
| 15 | −53% |
| 20 | −63% |
※ 出典=日本損害保険協会「損害保険Q&A くるまの保険 問23 自動車保険の『等級』について教えてください」の等級別割増引率例(7等級から上)と、損保ジャパン「自動車保険改定のご案内」の新しく契約するときの割増引率(6等級・2023年1月1日以降に始まる契約)から抜粋(2026年10月に確認)、割増引率は改定されることがあります。
初めての6等級は3%の割増で、1年間無事故で過ごすと、7等級の−27%になります。
その差は30ポイントです。
これは保険料そのものではなく割引率の差なので、保険料で見るとざっくり3割ほど安くなる計算になります。
※あくまで、この割増引率だけを取り出した場合の目安で、実際の保険料は保険会社ごとの計算によります。
6から7へ上がるこの1段が、6等級から20等級へ上がっていくなかで、いちばん大きいんです。
7から8へは11ポイント、8から9へは6ポイント、9から10へは2ポイントと、だんだん小さくなっていきます。
つまり、等級でいちばん効くのは2年目ということですね。
次に、もう1つの割引です。
ネット保険の1年目の見積もりには、インターネットで新しく申し込む人向けの割引が入っています。
この割引は、続けるときには小さくなる会社があります。
たとえば、わが家の車の保険で入っている会社の公式には、こう書かれています。
「インターネットでご契約いただくと、新規で最大20,000円、継続で最大10,000円のネット割を適用しています」
※ 出典=おとなの自動車保険(SOMPOダイレクト)公式「豊富な割引プラン」(2026年10月に確認)、保険の始まる日が2025年9月1日以降の額で、割引の額は契約年数や保険料、会社によって違い、見直しが入ることもあるので、あくまで目安です。
等級が上がって安くなるぶんと、割引が小さくなるぶん。
2年目の保険料は、この2つの差し引きで決まるので、1年目の見積書からは読めないんです。
わが家の場合は、2年目に「割引がなくなって大きく上がった」という印象は、あまりありませんでした。
それでも、会社や年によって、動き方は違います。
だから当時、私はこうお伝えしました。
「2年目以降は、また安い保険会社に乗り換えるという手もありますので、とりあえずは1年目の安さ重視で検討してよろしいです」
最初の更新の前に、もう一度見積もりを取って比べれば、乗り換えるかどうかは、そのとき数字を見て決められます。
そのあとも、私は毎年、更新の前に一括見積もりで相場だけはつかんでいて、わずかな差なら乗り換えずに続けています。
わが家の3年分の保険料の動きは、こちらで公開しています👇
乗り換えても、等級は引き継げます
では乗り換えは損なのかというと、そんなことはありません。
保険会社を変えても、等級はきちんと引き継がれます。
公式には「自動車保険の等級情報交換制度」という仕組みがあると書かれています。
保険会社どうしで前の契約の等級を確認し合って、正しく引き継げるようにしている制度です。
ただし、1つだけ気をつけていただきたいことがあります。
「満期日から一定の期間を過ぎても契約継続の手続きを行わなかった場合には、新規契約として扱われ、それまでの等級アップによる割引が受けられないことになります」
※ 出典=同上(日本損害保険協会 問23/2026年10月に確認)。
満期日のあと、手続きをしないまま一定の期間が過ぎると、せっかく上がった等級が、初めて入ったときと同じ扱いに戻ってしまう、ということです。
乗り換えるときは、新しい保険が始まる日を、いまの保険の満期日にそろえておけば安心です。
逆に、事故を使うと3年ひびきます
反対の方向も、知っておくと安心です。
事故で保険金を受け取ると、1事故につき3等級下がります。
しかも、下がったあと3年間は低い割引率が適用されます。
小さな修理で保険を使うと、かえって高くつくことがあるのは、この仕組みのためなんですね。
※ 出典=同上(日本損害保険協会 問23/2026年10月に確認)。
迷う②「ロードサービスは?」──保険を決める前に、車のほうにも付いていないか
2つ目の迷いです。
ロードサービスについて、当時、私はこうお返事しました。
「ロードサービスの違いなどは一言で言えませんが、遠出をする際に自宅まで車を運べるかどうかがポイントになります」
「それほど、車での旅行が趣味などでなければ、その点も最低限のロードサービスは付いていると思いますので、値段重視で選んでよいかと思います」
そして、このやり取りのなかで、同じフリードに乗っている方が、もう1つ大事なことを教えてくださいました。
ホンダには、メーカーが無料でやっている会員サービス「Honda Total Care」がある、ということです。
ご相談者さまの返事は、こうでした。
🗣 「ホンダトータルケアは知りませんでした」
🗣 「そんなすごいサービスがホンダにあるのですね」
🗣 「ディーラーに問い合わせしてみます」
見積書を何度見比べても、これは出てきません。
ホンダの会員サービスは、入るのは無料です
ホンダの公式サイトには、こう書かれています。
「Honda Total Careは、全てのHonda車オーナーにご利用頂ける会員サービスです」
「年会費は無料です」
加入はお近くのHonda Cars店(ホンダの販売店)で受け付けていて、車検証と自動車保険証券を持っていく、とあります。
会員になると、事故や故障のときに、24時間365日の「緊急サポートセンター」に電話できます。
入っている保険に合わせて、ロードサービスの手配まで手伝ってくれます。
走れなくなったときは、最寄りのHonda Carsなどまでの搬送も手伝ってくれて、その費用をHondaが上限つきで負担してくれます。
ただし、搬送先のHonda Carsで修理をする(または車を買う)ことが条件です。
なお、一覧にある「Honda JAFロードサービス」は別のオプションで、JAF(日本自動車連盟)への加入と年会費が必要です。
※ 出典=Honda公式サイト「Honda Total Care 会員加入方法」「緊急サポートセンター(トラブルサポート)」「Honda JAFロードサービス」(2026年10月に確認)、搬送の費用は上限17万円まで、保険のロードサービスを使ったときは保険で足りなかったぶんを最大2万円まで、という条件です。
「全てのHonda車オーナー」と書かれていますので、中古で買った方でも聞いてみる価値があります。
会員になったあとの、保険のロードサービスとの使い分けは、事故のときはまず保険会社へ、故障のときはまずホンダの窓口(緊急サポートセンター)へ、と覚えておくと迷わないと思います。
ホンダの窓口は事故のときにも使えますが、事故は、どのみち保険会社に連絡して、修理のことなども相談しながら進めることになるからです。
故障で走れなくなったときは、ホンダの窓口なら、修理をするHonda Carsへの搬送まで手伝ってくれます。
ホンダだけの話ではありません
ここは、誤解のないように書いておきます。
これは、ホンダにしかない仕組みではありません。
たとえばトヨタにも「ロードアシスト24」という、JAFの救援車両手配を取り次いでくれる24時間対応のサービスがあります。
こちらは、車が通信でつながるトヨタのサービス「T-Connect」を契約していることが条件です。
※ 出典=トヨタ公式サイト「T-Connectのサービス ロードアシスト24」(2026年10月に確認)、対象のプランは変わることがあります。
ただし、中身も、条件も、どこまでが無料かも、メーカーごとに違います。
ですので、この記事で「あなたの車にも付いています」とは書けません。
だから、聞いてしまうのがいちばん早いです
やることは、これだけです。
🗣 「このクルマに、メーカーのロードサービスは付いていますか」
車を買ったお店に、こう聞いてみてはいかがでしょうか。
付いていれば、保険のロードサービスの細かい違いで悩む時間は、ぐっと減ります。
付いていなくても、遠出が少ないなら、保険に付いている最低限のロードサービスで十分です。
保険のロードサービスとJAFは、似ているようで役割が違います。
どちらが自分に要るのか、比べ方はこちらにまとめました👇
なお、レンタカー特約はロードサービスとは別物です。
ご相談者さまも「家族でクルマ1台なのでレンタカー特約は検討しなければ!」と書いておられました。
車が1台しかないご家庭では、ここが効いてくることがあります👇
迷う③「サポートの良し悪しは?」──口コミでは選べません
3つ目の迷いです。
「安いところで選んで、事故のときのサポートは大丈夫か」。
いちばん多い不安だと思います。
そして多くの方が、ここで口コミを探しに行きます。
でも正直に言うと、口コミでは決められません。
口コミに出るのは「会社」ではなく「その1件」です
当時のお答えには、同じフリードに乗っている方の、こんな言葉もありました。
🗣 「保険はケースバイケースになってしまうので、その事故、その担当者などで評価されてしまうこともあり、同内容比較ができないですよね」
事故の内容も、相手も、担当してくれる人も、1件ずつ違います。
ですので星1つの口コミも星5つの口コミも、その方が当たった1件のお話であって、会社の実力を測ったものではないんですね。
タイヤを買うお店選びのご相談でも、私は「悪い口コミはどうしてもつきものですので、何とも言えないですね」とお返事しています。
口コミの読み方そのものは、お店選びのときにも同じ話になります👇
では、何を見るか
口コミの代わりに、公式サイトや見積書に事実として書いてあることだけを見ます。
- 事故の受付が24時間かどうか
- 事故のときに、ロードサービスの手配までまとめて頼めるか
- 自宅まで運んでもらえる距離(遠出が多い方だけ)
この3つは、どの会社もはっきり書いています。
そして、ふだん遠出をあまりされない方なら、3つ目もそれほど気にしなくて大丈夫です。
それでも決められないときは
3つの迷いを片づけても、最後に似たような2社が残ることがあります。
そのときは、当時と同じことをお伝えします。
1年目は、安いほうで大丈夫です。
そう言い切れる理由は、3つあります。
- 基本の補償は、大手ならどこも同じ考え方で作られている
- 自動車保険は1年契約なので、合わなければ来年変えられる
- 保険会社を変えても、等級は引き継がれる
一度選んだら終わり、ではないんですね。
似た金額の会社が並んだときは、値段を8割くらいの決め手にしていい、という別のご相談も、こちらにまとめています👇
ただ、最後に1つだけ、価格ではなく中身を見ておきたいところがあります。
対人・対物、人身傷害、特約、運転者の範囲。
ここがご自身の考えと合っているかどうかだけは、契約する前に確かめておきたいところです。
毎年これだけ見ればいい、という形にまとめました👇
車両保険を付けるかどうかで迷っておられるなら、こちらもどうぞ👇
納車の日が迫っていて、じっくり比べる時間がないときの段取りは、こちらでお話ししています👇
ご相談者さまの、その後
ご相談者さまは、当時のお答えに、こう返してくださいました。
🗣 「普段遠出しないのでロードサービスの内容はそこまで気にしなくていいですね」
🗣 「2年目で乗り換えするつもりで純粋に1年目安い所で契約するのもありかと思いました」
そして20日ほどあとに、こんなご報告をいただきました。
🗣 「おかげさまで無事納車になりまして自動車保険にも加入出来ました」
どの保険会社に決められたのかまでは、伺っていません。
それでも、当時のお答えを材料にご自分で決めて、納車とあわせて保険にも入られました。
まとめ|決まらないのは、優柔不断だからではありません
一括見積もりまで進めたのに決められない。
それは、答えが見積書に無いからです。
- 2年目以降の保険料=等級(6から7への1段がいちばん大きい)と割引で決まる。最初の更新の前に、もう一度比べる
- ロードサービス=遠出が少なければ最低限で十分。そのうえで「このクルマに、メーカーのロードサービスは付いていますか」とお店に聞く
- サポートの良し悪し=口コミでは分からない。24時間の受付・手配・距離という事実を見る
そのうえで似た2社が残ったら、1年目は安いほうで大丈夫です。
保険は1年契約で、等級は引き継げますから。
決めきれないのは、材料が足りなかっただけなんですね。
そして、そのうち2つの答えは、見積書の外にありました。
まだ一括見積もりがお済みでない方は、やり方をこちらで解説しています👇
そもそもネット型に切り替えるか迷っている、気になる会社がある、という方は、切り替えの判断からこちらでまとめています。
バイクの保険で、ネット型に切り替えるか迷っている方は、こちらもどうぞ。
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車の保険やカーライフ全体を、もう一度ゼロから整理したい方は、こちらの教科書ページもどうぞ👇
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