著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

夏タイヤも冬タイヤも、同じ時期に交換のしるしが出てしまった。

タイヤは4本そろえるだけでも安くない買い物なので、2組ぶんの出費がいっぺんに来ると、思わずため息が出た方もいると思います。

いっそオールシーズンタイヤ1組にまとめれば安く済むのでは、と考える一方で、年に何回か雪が積もる北関東で本当に大丈夫なのかも、気になるところです。

今回は、北関東にお住まいの方からのご相談です。

✅ 結論からお伝えします

北関東でオールシーズンタイヤが使えるかは、雪が積もる日の数より、冬の朝に凍った道を走るかどうかで決まります。

北関東は、雪が積もる日は年に数日なのに、朝に氷点下になる日は年に50〜70日ほどある地域です。

朝早く出かける日が多いならスタッドレスタイヤ、凍った朝は乗らずに済むならオールシーズンタイヤ1組にまとめるのも選択肢です。

雪や凍った道を夏タイヤのまま走るのは、北関東の3県とも決まりで認められていません。

タイヤは、ネットで相場を見てから、付けてもらうまでの総額で比べるのが、損しない買い方です。

まずは、いただいたご相談です

まずは、今回いただいたご相談の内容です。

車はデミオで、9年目になります。

タイヤが夏用も冬用も交換サイン(溝が無くなるしるし)が出ているので、交換しようと思っています。

そこで、2つお聞きしたいです。

  1. どこで買うのが安いか(ネットか、専門店か)
  2. オールシーズンタイヤはコスパが良いのか

北関東に住んでいて、年に何回か雪は積もります。

ご相談をいただいたのは、2023年の4月です。

オールシーズンタイヤが使えるかは「冬の朝、凍った道を走るか」で決まります

先に正直にお伝えすると、私は雪国に住んでいて、冬はもれなくスタッドレスタイヤを履くので、オールシーズンタイヤを自分の車で履いたことはありません。

そのうえで、最近いただいた同じようなご相談には、まずこうお聞きしました。

ピゴス
ピゴス

お住まいの地域で、朝の凍結した道を走る場面が、どれくらいあるでしょうか?

オールシーズンタイヤは、夏タイヤとスタッドレスタイヤの「ちょうど間」にあるタイヤです。

積もりはじめの雪やシャーベット状の雪なら走れますが、凍った路面では、スタッドレスタイヤに及びません。

積もる雪は少なくても、夜や早朝に少し降った雪や雨が凍るような地域なら、私はオールシーズンタイヤをおすすめしていません。

踏み固められた雪と凍った路面の違いを、実際に何年も使っている整備士さんの話から確かめたい方は、こちらをどうぞ👇

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北関東は、雪の日が少なく、氷点下の朝が多い

北関東の冬が、朝に凍りやすい地域なのかどうか、気象庁の平年値で確かめてみました。

北関東の3つの県庁所在地、水戸・宇都宮・前橋で、雪が1cm以上積もっている日は、年に4〜7日ほどです。

一方で、朝の最低気温が0℃を下回る日は、水戸で年に69日、宇都宮で73日、前橋で46日あります。

1月だけで見ると、水戸と宇都宮では、ひと月のうち24〜25日が氷点下の朝です。

※気象庁の平年値(1991〜2020年)より(2026年10月に確認)。

ご相談者さまの「年に何回か雪は積もります」は、数字のとおりです。

ただ、北関東で迷いやすいのは、雪の回数より、朝の冷え込みのほうです。

氷点下の朝が多いということは、前の日の雪どけの水や雨が、朝のうちに凍る機会も多いということです。

同じ北関東でも、山に近い地域は雪の量がまるで違うので、お住まいに近い観測地点の数字を、気象庁のサイトで見てみてはいかがでしょうか。

今回は、古い冬タイヤを「お守り」に残せません

迷ったときの試し方として、私は以前、古い冬タイヤを捨てずに置いておき、まずオールシーズンタイヤを履いてみる方法をお伝えしたことがあります。

不安を感じたら、古い冬タイヤに戻せば済むからです。

ただ、今回のご相談では、冬タイヤにも交換サインが出ていました。

冬用のタイヤは、溝が新品の半分より減ったら、冬用としては使わないよう、タイヤの業界団体が案内しています。

※日本自動車タイヤ協会「冬道走行とタイヤ」より(2026年10月に確認)。

古い冬タイヤを「お守り」に残せないので、この冬をどのタイヤで迎えるかは、いま決めることになります。

選び方は、次の3つです。

  1. 夏タイヤとスタッドレスタイヤを1組ずつ
  2. オールシーズンタイヤを1組
  3. 夏タイヤを1組だけにして、雪や凍った朝は乗らない

① 冬の朝に走るなら、夏タイヤとスタッドレスタイヤ

朝早くの通勤がある方や、坂道の多い所にお住まいの方は、2組をそろえておくのが安心です。

冬タイヤはやはり雪と氷に強いので、自分が困らないだけでなく、ほかの方に迷惑をかけてしまうことも避けられます。

② 凍った朝に乗らずに済むなら、オールシーズンタイヤ

日が昇ってから走ることが多く、雪や凍った朝は乗らずに済む方なら、オールシーズンタイヤで十分こなせると思います。

年2回の履き替えの手間も、外したタイヤの置き場所も、いらなくなります。

オールシーズンタイヤと一言でいっても、夏タイヤ寄りのものから冬タイヤ寄りのものまであるので、メーカーの説明で、雪の上での性能を確かめておくと安心です。

高速道路の会社も、冬の高速道路では、オールシーズンタイヤの中でも雪の結晶の形をした「スノーフレークマーク」の付いたものを、全部の車輪に付けるよう案内しています。

※NEXCO西日本「冬用タイヤ」・日本自動車タイヤ協会「冬道走行とタイヤ」より(2026年10月に確認・大雪のときの「チェーン規制」の区間では、冬用タイヤでもチェーンが要ります)。

凍った路面にも一歩踏み込んだ、新しい世代のオールシーズンタイヤのお話は、こちらでしています👇

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③ 凍った朝は乗らないと決められるなら、夏タイヤだけ

ご相談者さまは、ほかの方の答えを読んで、「最近の雪の振り方ならゆっくりでなんとかなる気もしてます」ともおっしゃっていました。

はっきりお伝えすると、雪の積もった道や凍った道を、夏タイヤのままゆっくり走るのはやめておきましょう。

夏タイヤは冷たい路面だとグリップが落ちますし、北関東の3県とも、雪や凍った道では冬用タイヤかチェーンなどの滑り止めをする決まりになっています。

※茨城県・栃木県・群馬県の道路交通法施行細則より(日本自動車タイヤ協会と栃木県・群馬県の公式サイトで2026年10月に確認・違反すると反則金の対象です)。

でも、慌てて2組をそろえなくても大丈夫です。

雪の予報の日や凍った朝は乗らない、と決めておけるなら、夏タイヤ1組で冬を越すという考え方もあります。

その日の通勤や買い物を車なしで済ませる方法を、先に決めておけるかどうかが、夏タイヤだけにするときの条件です。

毎朝の通勤で車を使う方には、向いていない選び方です。

3つで迷ったら、安全な側を選んで大丈夫です。

ピゴス
ピゴス

迷われるようでしたら、安全側に倒す(スタッドレスにする)というのも、まったく間違っていません😊

お金は「1組か2組か」より「何年もつか」で比べる

もう1つの気になるところ、オールシーズンタイヤのコスパです。

いま両方が替えどきなら、最初の出費は、1組で済むオールシーズンタイヤのほうが軽く済みます。

ただ、1年中同じタイヤで走るので、夏タイヤより早く減ることがあります。

2組なら、夏と冬で走る距離を分け合うぶん1組ずつは長くもちますが、年2回の履き替えの工賃と、外したタイヤの置き場所がかかります。

どちらが得かは、オールシーズンタイヤが冬用として何年もつかで変わります。

長い目で見たお金が2組を買うのと同じくらいに収まるなら、お金の面ではほぼ互角で、差がはっきり出るのは、履き替えの手間と置き場所のほうです。

15年で計算してみた例はこちらです👇

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タイヤはどこで買うと安い?

もう1つのご質問、どこで買うと安いかについてです。

タイヤの買い方に、どなたにも当てはまる正解はありませんが、私がおすすめしているのは次の3つです。

① まずネットで、付けてもらうまでの総額を見る

最初に、ネットで同じサイズのタイヤの相場を見てみます。

私がよく使っているのは、「タイヤフッド」という、ネットでタイヤを選んで買い、近くのお店での取り付けまで予約できるサービスです。

タイヤ代に、工賃、空気を入れるバルブの交換代、古いタイヤの処分料まで入った総額が、買う前に分かります。

最安値ではありませんが、手間の少なさと値段の安さを、いい塩梅で両方取れるサービスです。

そのまま買ってもいいですし、ほかのお店と比べるときの物差しとして使うのもおすすめです。

使い方は、画像付きでこちらにまとめています👇

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② 相談しながら選ぶなら、タイヤの専門店

車にあまり詳しくなく、相談しながら選びたい方には、タイヤの専門店がおすすめです。

たとえば全国にお店がある「タイヤのフジ」は、明瞭会計で、価格の点でも80点が取れるお店だと思っていて、私も活用しています。

近くのお店に最初から行って、サイズなどを間違いのないように頼めるのも、お店で買う安心です。

③ 比べるのは、付けてもらうまでの総額

ネットで安く買えても、持ち込みでの取り付けは、工賃が高くなるお店もありますし、受け付けていないお店もあります。

自分で買ったタイヤを持ち込むなら、先に「持ち込みでの交換はできますか?おいくらですか?」と聞いておくと安心です。

比べるときは、組み替えの工賃やバランス取り、バルブの交換代、古いタイヤの処分料まで入っているかも、あわせて見ておきたいところです。

私自身も、ディーラーさんより安ければタイヤの専門店を使い、浮いた分は、また何かの機会にディーラーさんに還元すればいいと考えています。

お店ごとの差が1〜2万円なら、タイヤを5年使うとして、1年あたり2,000〜4,000円です。

ちょっとした手間で安くなるなら安さを、手間をかけたくないなら近さと安心を選ぶ、くらいの気持ちでいいと思います。

まとめ

  • 北関東は、雪が積もる日は年に数日・朝に氷点下になる日は年に50〜70日ほど
  • オールシーズンタイヤが使えるかは、雪の回数より「冬の朝、凍った道を走るか」で決まる
  • 冬の朝に走るならスタッドレスタイヤ、凍った朝に乗らずに済むならオールシーズンタイヤ1組も選択肢
  • 雪や凍った道を夏タイヤのまま走るのは、北関東の3県とも決まりで認められていない
  • お金の損得は、オールシーズンタイヤが冬用として何年もつかで決まる
  • タイヤは、ネットで相場を見て、付けてもらうまでの総額で比べる

当時、ご相談者さまは、ほかの方の答えを読んで「オールシーズン良さそうですね!」とお返事をくださっていました。

今あらためてお答えするなら、選ぶ前に、冬の朝に車で出かける日がどれくらいあるかを、思い浮かべてみてはいかがでしょうか、とお伝えしたいと思います。

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ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、記事の下のコメント欄でいつでも承っております。ニックネームもメールアドレスも要りませんので、お気軽にどうぞ!