自動車保険の代理店が廃業したらどうなる?補償は満期まで続く、選び直すのはその前に

お世話になっていた保険の代理店から廃業の知らせが届くと、自分の自動車保険がこの先どうなるのかが気になります。
事故のときの電話も毎年の更新も任せていたぶん、明日からどこに聞けばいいのかが見えなくなるからです。
代理店は今も続いていて、自分からネット保険に移りたい方には、担当の方への伝え方をまとめた記事が合います👇
廃業の知らせを受けたお客様は、私が営業をしていたころにもいらっしゃいました。
多くは、保険会社が案内した新しい窓口で、ほぼそのまま続けておられました。
代理店が廃業しても、補償は満期まで続き、等級も消えません。
契約を結んでいる相手は、保険会社だからです。
気をつけたいのは次の更新で、新しい窓口と話をしないまま満期を過ぎると、等級を引き継げなくなることがあります。
代理店型の割高さは、その代理店の方の手助けの分でした。
その方がいなくなった今は、満期の前に保険を選び直すいいきっかけです。
選び直す道は、代理店型・ネット保険・勤め先の団体割引の3つです。
今日できるのは、保険証券で満期日を確かめて、届いた案内の新しい窓口の連絡先を証券と一緒にしまっておくことです。
保険屋さんが廃業。この機会に、保険会社を見直したい
まずは、今回いただいたご相談の内容です。
質問の内容:おすすめの保険会社はありますか
車の使用方法:自家用
保険屋さんが廃業したので、この機会に保険会社を見直したいのですが、お勧めの保険会社はありますか。
よろしくお願いします。
お車は2020年式のスバルの車で、大手の保険会社に、代理店を通して入っておられました。
当時の私のお答えは、何を優先するかで、合う保険会社は変わるというものでした。
コストを重く見るなら、ネットの保険会社です。
手厚さや人とのつながりを大事にするなら、ディーラーなどの代理店型もありです。
そのうえで、一括見積もりで比べてから決めることを、おすすめしています。
代理店は、保険会社の代わりに契約を結ぶ窓口
自動車保険の代理店は、保険会社の代わりに契約を結び、保険料を受け取る窓口です。
※日本損害保険協会「損害保険Q&A」の代理店の解説(2026年10月に確認)、代理店は保険会社との委託契約にもとづいて、保険会社を代理して契約を結びます
ですので、代理店が廃業しても、保険会社との契約と補償は満期まで続きます。
等級(無事故の年を重ねるほど上がっていく割引の段階)は、契約した人ごとに付いているので、代理店がなくなっても消えません。
※日本損害保険協会「損害保険Q&A」の等級の解説(2026年10月に確認)、等級は契約者ごとに設定され、保険料の割引や割増に使われます
変わるのは、事故のときや更新のときに話をする窓口です。
新しい窓口は、保険会社から届く案内に書かれていることが多いです。
案内が見当たらないときは、保険証券に載っている保険会社の窓口に聞けば、今の担当が分かります。
廃業でなくても、いつものお店が保険をやめることがある
日本損害保険協会のまとめでは、2025年度の1年で、19,263の代理店が廃止されています。
代理店の56.4%は、車の販売店や整備工場です。
※日本損害保険協会「2025年度損害保険代理店統計」(2026年8月発表・2026年10月に確認)、2025年度末の代理店は124,024店で、前の年度末から16,114店減っています
廃業でなくても、いつもの車屋さんや整備工場が、保険の取り扱いをやめることがあります。
その場合も契約の相手は保険会社なので、考え方は廃業のときと同じです。
お店からの知らせが、車検のときの自賠責保険のことなら、気にしすぎなくて大丈夫です。
自賠責保険は、中身も保険料もどこの保険会社でも同じだからです。
※日本損害保険協会「損害保険Q&A」の自賠責保険の解説(2026年10月に確認)、自賠責保険は商品内容も保険料も保険会社の間で差がありません
更新は、自動で続くとは限らない
廃業のあとで気をつけたいのは、次の満期の更新です。
更新の手続きは、これまで代理店がしてくれていたからです。
大手の保険会社のよくある質問には、満期までに連絡がとれないときの扱いが書かれています。
自動で更新されるのは、更新の特約を付けた契約だけという案内です。
※東京海上日動「契約は自動で更新されますか?」(2026年10月に確認)、更新を希望するときは特約を付けた契約でも、満期日までに余裕をもって代理店で手続きするよう案内しています
特約のない契約は、手続きをしないまま満期を過ぎると、補償が切れます。
満期日の翌日から8日以上空くと、それまでの等級は引き継げず、原則として6等級からのやり直しです。
※三井住友海上「自動車保険の等級は引継ぎできるの?」(2026年10月に確認)、前の契約の満期日か解約日の翌日から8日以上空くと、原則として6等級に戻ります
引き継ぎがうまくいかず、更新が途絶えてしまった例もあります。
だからこそ、自分の保険の満期日は、自分で押さえておきたいところです。
満期日は、保険証券か保険会社のマイページで確かめられます。
届いた案内に書かれた新しい窓口の連絡先は、保険証券と一緒にしまっておけば、満期の前に慌てずにすみます。
代理店型の保険料には、味方になってくれる人の分が入っている
代理店型の保険は、ネット保険と比べると、割高になることが多いです。
高くなる理由の大きなところは、人が間に入ってくれる分の費用です。
それでも代理店型を選ぶ方がいるのは、代理店が味方になってくれるからです。
事故のときは代理店が間に入って、保険会社とのやり取りを進めてくれます。
私もお店で保険を扱っていたころ、保険にも入っていただいていたお客様の事故は、どんな内容で入っているかがすぐに分かりました。
そのぶん、保険会社と連携して、事故やトラブルの対応にあたりやすかったです。
いつもの整備工場が、事故のときの車の受け入れ先になってくれるのも、代理店型のよさです。
その代理店がいなくなると、割高さで買っていた手助けも、一緒になくなります。
ですので、満期が来るまでに、保険を選び直すのもありです。
焦る必要はなく、見直すきっかけくらいに考えておけば大丈夫です。
保険会社や代理店の名前で選ぶより、詳しくて頼りになる人を見つけることが大事だと、私は考えています。
満期の前に選び直す、3つの道
選び直すといっても、保険会社を替えるとは限りません。
保険料が決まる7つの要素を先に知っておくと、どの道でも見積もりの数字が読みやすくなります👇
代理店型:同じ保険会社のまま、窓口を選び直す
代理店型のよさを残したいなら、同じ保険会社のまま、窓口の代理店だけを選び直す道があります。
大手の保険会社のよくある質問では、窓口の代理店を替えられるのは更新のときと案内されています。
保険期間の途中では替えられません。
※東京海上日動「取扱代理店を変更することはできますか?」(2026年10月に確認)
車を買ったお店や整備をお願いしているお店が、同じ保険会社を扱っていることもあります。
いつも整備に出すお店で保険にも入っておけば、事故や故障のときの窓口が1か所になります。
割高な代理店型を選ぶ意味も、そのぶん大きくなります。
代理店型には、故障で動かなくなったときのレンタカー代まで出る特約が付いているものが多くあります。
同じ大手の保険会社では、レッカーやレンタカーの費用を補償する特約が、すべての契約に自動でセットされています。
※東京海上日動「車が動かなくなった場合、レッカー搬送費用やレンタカー費用等を補償する特約はありますか?」(2026年10月に確認)、レンタカーの費用は外す特約を付けることもできます
故障のときのレンタカー特約が、どんな車と使い方に向くのかは、こちらの記事で見ています👇
代理店型には、1年を超える長期契約もあります。
- 期間中は、契約したときの保険料のまま続く
- 期間中に事故で保険を使っても、等級は満期まで変わらない
- 下がった等級は、満期のあとに決まった計算式でまとめて反映される
三井住友海上の例では、19等級の3年契約で1年目に事故が1件あると、満期のあとは18等級になります。
飛び石でガラスを替えるような1等級ダウンの事故なら、20等級の3年契約は、満期のあとも20等級のままです。
※三井住友海上「等級別料率制度のご案内」(長期契約・2024年1月1日以降に始まる契約・2026年10月に確認)、満期のあとの等級は保険期間の年数から事故の件数を引いた数だけ上げ、事故1件につき3つか1つ下げる式で決まります
ネット保険の多くは1年ごとの契約です。
ただ、ソニー損保は2026年10月から、インターネットで申し込める3年契約を始めています。
※ソニー損保のニュースリリース(2026年9月30日・2026年10月に確認)、ダイレクトの自動車保険で長期契約をインターネットで手続きできるのは、同社の調べでは自社だけとしています
長期契約にも小さなデメリットが3つあり、別のご相談で1つずつお答えしています👇
ネット保険:自分で調べて決めるのが好きなら
保険のことを自分で調べて、自分で決めるのが好きな方なら、ネット保険への乗り換えもいい選択です。
車のことが得意か普通くらいなら、ネット保険でも不便はほとんどありません。
入るべき補償にきちんと入っておけば、基本の部分は代理店型と同じように補償されます。
違いが出やすいのは、故障で動かなくなったときの代わりの車です。
ネット保険のレンタカー特約は、事故の修理のときだけ使える形が多く、故障では借りられないことがほとんどです。
故障のときの足は、格安レンタカーや貯金で備える形になります。
代理店型との差額で何を買っているのかは、こちらで分けて考えています👇
勤め先の団体割引:使えるなら、先に確かめる
大きな会社にお勤めなら、勤め先を通した団体割引が使えることがあります。
割引が大きいぶん、ほかと比べる機会がなく、手厚く入りすぎていることもあります。
使えるとしても、中身は一度見ておきたいところです。
団体割引の割引率が、検索しても出てこない理由は、こちらでお話ししています👇
金銭的に余裕があるなら、代理店型は素直におすすめできます。
補償の手厚さや手続きのラクさ、担当者のいる心強さには、ちゃんと価値がありますので。
保険のことを自分で決めるのが好きな方なら、ネット保険もいいと思います。
ネットで見積もったら、かなり安くなると分かった
ご相談者さまからは、2日後にお返事が届きました。
オンラインで見積もってみたら、かなり安くなると分かったので、ネット損保を軸に考えていくそうです。
もともと、「対人と対物が無制限でしっかりしていればいい」というお考えでした。
当時のお答えから、ディーラーの保険の良さも知ったそうで、こう書いてくださいました。
これまで、ディーラー保険は単に高いというイメージしかなかったのですが、これもありだなあと考えられるようになりました。
保険を検討する土台が少しできたような気がしています。
比べたうえで選ぶ土台ができたなら、どちらに決めても納得して選べると思います。
一括見積もりの進め方と、電話が気になる方への注意点は、こちらにまとめています👇
💡 自動車保険は、年に1回の見直しが大切 複数社の保険料を、まとめて比較できます。
まとめ
代理店が廃業したときの動き方を、もう一度並べます。
- 補償は満期まで続き、等級も契約した人ごとに残る
- 自動で更新されるとは限らないので、満期日と新しい窓口を押さえておく
- 満期日から8日以上空けない
- 代理店型の割高さは、そばにいてくれる人の分
- 選び直す道は、代理店型の窓口・ネット保険・勤め先の団体割引の3つ
長くお世話になった方がいなくなっても、積み上げてきた等級は、ご自身のものとして残ります。
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