著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

こんにちは、ピゴスです🐧

突然ですが、車屋さんって、ちょっと敷居が高くないですか?

「何を頼めばいいのか分からない」

「知識がないから、ぼったくられそうで怖い」

「常連さんばかりで、入りづらい…」

ご相談をお受けする中で、こういう気持ちを打ち明けてくださる方が、本当にたくさんいらっしゃいます。

その気持ち、よく分かります。

クルマ業界に長くいる私ですら、初めてのお店はそんな感じです😅

でも、断言できることがあります。

「かかりつけの車屋さん」を1軒つくると、車の不安も、お金のムダも、ぐっと減ります。

私はこれまで、「メンテナンスは1ヶ所にまとめましょう」とお伝えしてきました。

この記事はその続き、「じゃあ、どうやって見つけて、どう関係をつくればいいの?」に、正面からお答えする記事です。

お医者さん選びと同じで、車屋さん選びにも「かかりつけの作り方」があります。

見つけ方、最初に頼む仕事、関係の育て方まで、現場目線でぜんぶお話しします。

🍀この記事を読むメリットは3つ!

✅かかりつけ候補の「見つけ方」が、今日から動ける手順で分かる

✅最初に頼むと良い「小さな仕事」と、いいお店を見分けるサインが分かる

✅関係を育てる「ユーザー側の作法」が分かり、車屋さんがあなたの味方になる

✅ 結論からお伝えします

かかりつけの車屋さんとは、「信頼できる1ヶ所に決めて、関係を育てるお店」のことです。

見つけ方は、①接点のあるお店 ②自動車メーカーのディーラー ③知人の紹介の3つの入口から。

最初はタイヤ交換・バッテリー交換など「小さな仕事」で、お店との相性をお試し。

育て方の作法は、「値切らない」「分からないを素直に言う」「持ち帰ってOK」の3つです。

先に結論:かかりつけ=「1ヶ所に決めて、関係を育てる」。育つと3つの資産になります

かかりつけ車屋さんの3つの資産(履歴・責任・関係)を解説した図

かかりつけの車屋さんとは、安いお店を毎回探すのではなく、信頼できる1ヶ所に決めて、長く付き合うお店のことです。

関係が育つと、3つの資産が貯まっていきます。

履歴:いつ・何を交換したかが1ヶ所に残る=ムダな二重交換がなくなり、故障の診断も早くなる

責任:作業はぜんぶここ=万が一のトラブルでも、話がスムーズ

関係:あなたの車のクセと、あなたの考えを分かってくれる=「次はこの辺りが弱ってきますよ」予報をもらえるようになる

この3つは、通えば通うほど貯まる「複利」のようなものです。

なぜ1ヶ所がいいのか、の詳しい理屈は、私自身の実践を書いたこちらの記事にまとめています👇

【ディーラーは正解⁉︎】車に詳しくない人にもオススメ!私の実践メンテナンス、4つの特徴車に詳しくなくても大丈夫。元1級整備士×元ディーラー営業が実践する、損しないメンテナンスの4つのコツを紹介。価格より価値で選び、車屋さんを味方につける考え方が身につきます。...

今回は「作り方」の話を進めますね。

どこをかかりつけにする?(ディーラー?町の整備工場?)

まず、候補になるお店の整理から。

結論は、どちらが上、ではありません

車の年齢と、あなたの状況で変わります。

ディーラーが向いている場合

✅新しめの車・メーカー保証が残っている車・リコール対応(これらはディーラーでしかできません)

✅車に詳しくなくて、頼り先がまだ無い方の「最初の入口」

純正部品で品質が安定していて、そのメーカーの弱点も把握しています。

予約制なので、飛び込みで行かなければならない緊張感も少なめです。

「ディーラーは高いのでは?」と聞かれますが、知識という価値込みなら、私は適正価格だと思っています(あくまで私の感想です)。

町の整備工場が力を発揮する場合

✅近所にあって、困ったときにすぐに頼れる場所にある

✅予約が取りづらいような生活環境の場合、融通を効かせてくれることがある(ディーラーと休みが被る、先々の予定が立てづらい…など)

また、以下は「力を発揮する場合」とはちょっと違うのですが、町の整備工場がかかりつけになっていくキッカケとして多いパターンです。

✅古めの車になってきて、純正部品での修理が家計に合わなくなってきたとき

✅ディーラーの「そろそろ乗り替えては?」の空気が強くなってきて、付き合いが厳しく感じられてきたときの次の頼り先

✅修理費を抑えたいとき・セカンドオピニオンが欲しいとき

リビルト部品(再生部品)を使った柔軟な提案など、町の整備工場ならではの引き出しがあります。

急な故障のとき、ディーラーと整備工場のどちらへ行くべきかは、こちらの記事で詳しく解説しています👇

急な車の故障はディーラーvs整備工場どちらへ?修理費用と正しい選び方急な車の故障、ディーラーと整備工場どっちに頼む?元整備士が本音で解説。知らない工場ならディーラーが無難な理由、整備工場の「見極めの難しさ」、車検で損しないコツ、使い分けの全体像まで。...

ただし、ここで大事な両論をひとつ。

車が古くなっても親身なディーラーは、ずっと親身です。

会社の方針もありますが、一方で、対応してくれるスタッフさん次第という所も大きいです。

「古い車=ディーラーを卒業しなければいけない」わけではありません。

今のお店やスタッフさんに納得できているなら、そのままで大丈夫です。

白状すると

私は本心では、アットホームな街の整備工場が大好きで、応援したい気持ちがあります。

ただ、良いお店かどうかの見極めは、正直、初心者さんには難しい。

いや、元整備士である私でも何のヒントもなければ、ネットの情報だけでは分かりません。

だから、万人向け(最初の入口)の「無難」はディーラーです。ここが基準でもあります。

その後、色々なカーライフの経験を積んでいく中で、良い街工場に自分で出会えたら「ラッキー」——この両方が本音です。

ピゴス

街の整備工場、本当は大好きなんです

でも初心者さんに「ここなら大丈夫」と言い切るのは難しくて…だから両方の本音をお話ししました🐧

※1 ディーラーは高い高いと言われがちですが、車業界に詳しい人ほど、その価値を知っていて、ディーラーのことを高いとは言い切りません。

確かに「それは高いだろ」という側面もありますが…トータルでは悪くない、メーカーの技術力が提供されているため、餅は餅屋理論で他に選択肢が取りにくいという側面もあります。

※2 ちなみに「車を買う場所」としては、私はディーラーの認定中古車をオススメしています。

整備でお世話になっている町の整備工場から車を買う、は特別な理由がなければ最優先の選択肢にしなくても大丈夫です(もちろん、掘り出し物のいい車を紹介してもらえることもあります)。

かかりつけ候補の見つけ方:3つの入口

かかりつけ候補の見つけ方3つの入口(接点のあるお店・メーカーのディーラー・知人の紹介)を解説した図

入口①:すでに「接点のあるお店」から考える

いちばんの近道です。

車を買ったお店、車検を受けたことのあるお店。

ゼロから探すより、1度でも作業してもらったお店のほうが、「あの時、対応はどうだったか」という判断材料をあなた自身が持っています。

また、車を買ったお店に対しては、すでにこちらから「先出し」をしています。

つまり、相手も適当な対応はしづらく、また数年後の販売の見込み顧客でもあるので、丁寧な対応をしてくれやすいです(これが買い替えオーラが出てくる厄介なところでもある、諸刃の剣なのですが…)。

思い返してみて、嫌な感じがなかったなら、そこが第一候補です。

入口②:接点がなければ、乗っているメーカーのディーラー

判断がつかないなら、先ほどの理由でディーラーが無難な入口です。

「ディーラーって、車を買った人しか行っちゃいけないんじゃ…」

大丈夫です。

よそのお店で買った車でも、点検も修理も受け付けてもらえます。

ただ、関係性はじっくりと作っていく必要があります。手っ取り早いことは、メンテナンスパックに入るです。

入口③:知人の紹介

これも立派な入口です。

ひとつだけコツを。

「紹介してくれる人が、どれぐらい車に詳しいか」もセットで考えてください。

紹介者がクルマ業界の人などであれば、より心強い紹介になります。

ちなみに私も、実際にお店へ足を運んで「現場目線で頼もしいと感じた車屋さん」を紹介する、かかりつけ車屋ガイドというシリーズを書いています。

お近くの方は、入口のひとつにどうぞ👇

【横浜市泉区の頼もしい味方】竜壱自動車|現場目線でピゴスが推す!かかりつけ車屋ガイド神奈川・横浜市泉区の竜壱自動車を元1級整備士ピゴスが推す「かかりつけ車屋ガイド」第1弾。鈑金塗装10,000円〜・出張車検・出張整備対応。「壊れる前に不安を減らす」哲学の頼れる車屋さんを公式LINEで紹介。...

(第2弾の宮城県村田町・ミナミ自動車さんも公開中です)

最初の一歩:いきなり車検じゃなくていい。「小さな仕事」から

最初の一歩は小さな仕事から+いいお店のサインを解説した図

候補のお店が決まったら、次は最初の一歩です。

オススメは、小さくて、失敗リスクの低い仕事から頼むこと。

タイヤ交換(夏⇄冬の履き替えなど)

バッテリー交換(ネットで買った持ち込みでも、受けてくれるお店は多いです)

オイル交換(※車の種類によっては適正なオイルの見極めが必要なので、輸入車などは少し様子を見てからでも)

数千円の仕事で、お店の対応・説明・金額の納得感を「お試し」できます。

その次の一歩は、12ヶ月点検

車の健康診断をお願いしながら、お店との相性も診てもらう、一石二鳥の機会です。

いきなり車検でもダメではありません。

ただ、車検は金額が大きいので、小さな仕事で相性を確かめてからのほうが、安心して任せられます。

いいお店のサイン・合わないかものサイン

最初の仕事で、ここを見てください。

作業の前に、ひとこと連絡・確認をくれる「ここがこうなっているので、これをやります。いくらです」

「検討します」を嫌がらない(持ち帰らせてくれるお店は、信頼できます)

頼んでいない作業を、勝手にしない

(オイル交換のついでにフィルターまで無断で…は、必要なことではあるので、良かれと思って確認せずやってしまうお店も多いです。

「変なことしないなら全部おまかせで」という関係性ができているなら、そういうのもOKです)

聞き返したとき、嫌がらずに言い換えてくれる

逆に、不安を煽って即決を迫る・説明なく追加請求がある場合は、少し距離を置いていいサインです。

ただし、1回の印象で切り捨てないであげてください

車屋さんにも、ものすごく忙しい日があります。

説明を忘れてしまっていたり、「絶対必要だから断らないだろう」で先に作業してしまったり(次の仕事が迫っていて、確認の時間が取りたくても取れない)。

言い訳でしかないのですが、完璧な車屋さんはそうそうありません。

多少の減点は目をつぶりつつ、「トータルでお客様のことを考えてくれているか?」を意識しつつ、2〜3回通ってみての「総合点」で判断するのが、お互いにとってフェアです。

正直な話:車屋さん側にも、課題はあります

説明が専門用語のままだったり、丁寧に感じられなかったり——そういうお店があるのも事実です。

だから、もし合わないお店に当たっても、あなたのせいではありません

その都度、文句を言っても疲れるだけです。

そっと、次の合うお店を探していきましょう!

なお、ディーラーの場合は、お店ごと変える前に「担当者を変えてもらう」という手もあります。

気まずくならない伝え方は、こちらの記事にまとめています👇

【元ディーラー営業の本音】試乗・商談・担当変更で「気まずくならない」立ち回りガイド 🤔「気になる車があるけど、試乗だけで行くのって迷惑かな…」😟「担当の営業マンと相性が合わない…でも『担当変えて』なんて気まずくて言えな...

関係の育て方:ユーザー側の「作法」3つ

関係の育て方ユーザー側の作法3つ(値切らない・分からないを素直に言う・検討しますで持ち帰る)を解説した図

いいお店に出会えたら、今度はこちらの番です。

関係は、お店だけが作るものではなく、ユーザー側の作法でも育ちます。

作法①:値切らない

意外に思われるかもしれません。

でも、かかりつけにしたいお店にこそ、値切らずに、適正な金額を気持ちよく払うことをオススメします。

整備の安さ競争は、めぐりめぐって整備士さんの取り分を削ります。

気持ちよく払うお客さんには、お店も気持ちよく応えたくなる——「返報性の原理(何かもらったら、ついお返ししたくなる)」は、車屋さんとの関係でも本当によく働きます。

愛車も、整備士さんも、あなたも幸せになる「三方よし」の考え方は、こちらで詳しく👇

【安さだけが正義⁉】整備士もユーザーも愛車も幸せになる『三方よし』のメンテナンス哲学 🤔「車検、5万円も安いって、本当…」😟「整備費、ちょっと高くない?少しでも値切れる?」🥲「あの車屋さん、なんか感じ悪かった…」 ...

作法②:「分からない」を素直に言う

背伸びしなくて大丈夫です。

「車に詳しくないので、分かるように教えてもらえると嬉しいです」

これを最初に言える人は、車屋さんから見ても、実はいちばん付き合いやすいお客さんです。

作法③:「検討します」で持ち帰るのもOK

提案された作業を、全部その場で決める必要はありません。

「検討します」と持ち帰って、家でゆっくり調べたり、誰かに相談してからでもいい。

誠実なお店ほど、それを嫌がりません。

かかりつけが育つと、こんなことが起きます

「予報」がもらえる「次の車検あたりで、この部品が弱ってきそうですよ」——突然の出費が、予定された出費に変わります

何がいつ壊れやすいかの地図は、こちらの辞書もどうぞ👇

【保存版】長く乗ると、何が壊れる?ガソリン・ハイブリッド・ディーゼル・EV別の弱点と備え方車に長く乗ると何がいつ壊れる?ガソリン・ハイブリッド・ディーゼル・EV別に、壊れやすい場所・時期・修理費の目安と備え方を整備現場の経験から辞書のようにまとめました。故障が「見えないお化け」でなくなる保存版です。...

緊急時に優先してもらいやすい:人手不足の業界だからこそ、日頃の関係がこういうピンチに効いてきます

顔なじみのスタッフさんができる:車屋さんに行くのが、楽しくなります

「ちょっとした困った」を、ついでに解決してくれる

高額修理で、冷静な相談相手になってくれる:セカンドオピニオンの起点にもなります

「そろそろこんな車が欲しい」も相談できる:入荷情報を教えてもらえることもあります

高額な修理見積もりが、セカンドオピニオンで大きく変わった実話は、こちらに書いています👇

【実話】修理見積もり約100万円が約10万円に…高額修理で損しない「車のセカンドオピニオン」という守り方「エンジン修理で約100万円」と言われた車が、別のお店では約10万円に。元1級整備士ピゴスが、高額な修理見積もりが来たときに損しない3つのステップと「車のセカンドオピニオン」の使い方を実話で解説。...

まとめ:車屋さんは、味方です

長くなったので、まとめます。

✅かかりつけ=1ヶ所に決めて、関係を育てる

育つと「履歴・責任・関係」の3つの資産になる

✅見つけ方=①接点のあるお店 ②メーカーのディーラー ③知人の紹介

✅最初の一歩=タイヤ・バッテリー・オイルなど小さな仕事から。

次に12ヶ月点検。

車検は相性を見てから

✅いいお店のサイン=事前のひとこと・「検討します」を嫌がらない・勝手に作業しない

合わなくても、あなたのせいじゃない

✅育て方の作法=値切らない・「分からない」を素直に言う・持ち帰ってOK

最後に、少しだけ私の話をさせてください。

以前、ご相談をお受けした方の中に、車の名義変更の手続きに、強い不安を抱えている方がいました。

慣れない手続き、慣れない場所。

おひとりで運輸局へ行くことになり、不安になるのは当然です。

そこで私は、運輸局までご一緒しました。

手続きは、無事に終わりました。

後日、「とても心強かったです」と言っていただけました。

大したことはしていません。

ただ隣にいて、一緒に手続きを見届けただけです。

でも、車のことって、「隣に誰かいてくれる」だけで、こんなにも心強いんですよね。

かかりつけの車屋さんは、あなたのカーライフの「隣にいてくれる人」です。

ピゴス

大したことはしていないのに、あんなに喜んでいただけて

「隣に誰かいる」だけで力になるんだと、私のほうが教わった出来事でした🐧

味方は、突然はできません。

日々の点検やオイル交換の、小さな積み重ねで育つものです。

車屋さんは、敵ではなく、味方です。

あなたの相性にぴったりな1軒と出会えることを、心から応援しています🐧

車の知識をゼロから整理したい方は、損しないカーライフの教科書ページもどうぞ👇

【はじめに】損しないカーライフの歩き方|6つの章でわかる車の教科書車の維持費・選び方・買い方・保険・売却までを6つの章で整理した入門まとめ。元1級整備士×元ディーラー営業のピゴスが、20以上の記事で損しないカーライフへの歩き方を案内します。困った時に戻れる入口ページです。...

かかりつけ探しの一歩で迷った場合や、「この見積もり、どう思いますか?」といった疑問や不安がある場合は、「X」「お問い合わせ」「コメント欄」などでお気軽にご相談ください。

それでは、良いカーライフを!

ABOUT ME
ピゴス
ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、コメント欄や「X」などでいつでもメッセージを承っております。お気軽にどうぞ!