新車のローンが重い。乗り換えるか、乗り続けるか|私の答えと、ご家族が選んだ答え

こんにちは、「ぺんぎんカーライフ」のピゴスです🐧
新車を買った。
うれしかったはずなのに、毎月の支払いを見ていると、だんだん重く感じてくる。
「うちの収入に、この車は見合っていないのかもしれない」。
そう気づいたとき、いちばんに浮かぶのが「売って、安い中古に乗り換える」という選択肢だと思います。
——そんなご相談を、以前いただきました。
このとき私がお伝えしたのは、「いまの車を、長く乗ってください」でした。
ところが、ご家族で話し合って出た答えは、それとは違うものでした。
そして私はいま、その答えも正解だったと思っています。
この記事では、私がなぜ「乗り続けて」と答えたのか。
そして、なぜ違う答えも正解になるのか——その分かれ目をお伝えします。
この問いには、答えが2つあります。
私の答えは「いまの車を15年、20年と乗り続ける」です。
乗り換えの回数が減るぶん、1年あたりのコストがいちばん下がるからです。
でも、ご相談者さまのご家族が選んだのは「いったん中古に乗り換えて、ローンを消す」でした。
理由は「いまはお金を貯めることが優先だから」。
そして「貯めて、次はローンを組まずに新車を買う」と決められました。
これも、まったく正しい判断です。
分かれ目は、いま家計のどこが苦しいかでした。
15年で割った額が重いのか、毎月の支払いが重いのか。
この2つは、まったく別の問題なんです。
まずは、いただいたご相談です
走行距離10万キロを超えた中古車は、おすすめできるかできないか。
おすすめできる中古車の条件があれば知りたいです。
現在、家計の見直しを考えていて、新車で買った車を売って中古車に乗り換えようと考えています。
理由は、新車のローンがまだあと4年残っていて、収入に見合っていない車に乗っていることに気がついたからです。
・ノア(ガソリン車)
・2020年に購入
・来年車検で、それまでに乗り換えを検討
子供がまだ小さいので、両側スライドドアで祖父母も乗れるよう7人乗りの車を探しています。
できるだけ価格を抑えたいのと、車は走行距離10万キロを超えていても乗れないわけではないということを知り、10万キロまでの中古車も視野に入れるようになりました。
この「収入に見合っていない車に乗っている」と気づかれたこと。
私は、ここがいちばん大切なところだと思っています。
気づけないまま何年も乗り続けてしまうことのほうが、ずっと多いからです。
そのうえで、ご相談者さまはこんな試算を立てておられました。
年間30万円のコストを目安に、ということですね。
ということは5年乗るとしたら総額80万円程度の車を目安に買い、1年で車代約16万円。
プラス、ガソリン代やオイル交換、車検などを考えて年間30万円くらいにおさえていけば、80点を目指せるということですかね?
この計算、考え方としては合っています。
車の損得は、車両価格だけを見ていても分かりません。
何年乗るかで割って、1年あたりいくらかに直して、はじめて比べられるようになります。
実際に計算してみると、車両代80万円+5年分の税金約30万円=110万円。
110万円 ÷ 5年で、1年あたり22万円です。
目安の30万円を下回っているので、車両代の面では合格になります。
※この物差しの詳しい使い方と但し書き(ガソリン代・車検代・保険代を入れない理由)は、同じご相談から生まれたこちらの記事にまとめています
私がお伝えしたのは「いまの車を長く乗ってください」でした
計算が合っているのに、なぜ私はすすめなかったのか。
理由を、順番にお話しします。
総額80万円の車は、たいてい10年落ち・10万キロ超えです
総額80万円というのは、車両本体でいうと60〜70万円くらいです。
その価格帯でノアクラスのミニバンを探すと、多くの場合10年以上前の車か、走行距離10万キロオーバーになります。
そこからご家族を乗せて、さらに5年。
年に1万キロ走るとすれば、乗り終わるころには15万キロを超えている計算です。
正直にお伝えすると、その価格帯から「あと5年、大きな故障なく走れる1台」を見抜くのは、整備の現場にいた私でもなかなか難しいです。
本当に信じられるのは、自分がずっと整備を見てきた家族の車を譲ってもらう、というくらいかもしれません。
ただし、必ず損をするわけではありません
ここは、はっきりお伝えしておきたいところです。
安い中古車に乗り換えると必ず損をする、という話ではありません。
現に、10万キロを大きく超えた車で、何年も問題なく乗られている方はたくさんいらっしゃいます。
私がお伝えしたのは、「必ず損はしませんが、投機の要素はあります」ということでした。
当たれば計画どおり。
外れれば、買った直後に大きな修理が来ることもある。
その振れ幅を引き受けられるかどうか、という話なんです。
そして、お子さんがまだ小さいご家庭では、その振れ幅がお金だけの問題では済まないことがあります。
修理で車が使えない日、病院や保育園の送り迎えをどうするか。
そこまで含めて考えたい、というのが私の気持ちでした。
私の答えは「同じ年間コストなら、新しいほう」でした
ここが、私の回答のいちばん芯の部分です。
先ほどの計算では、大きな修理費用を入れていません。
入れていないのではなく、予測がつかないので入れられないんです。
だから私は、こうお伝えしました。
同じくらいの年間コストになるなら、故障のリスクが少ない新しい車のほうを選びます。
これは「中古はダメ」という話ではありません。
並べたときに同じ額なら、読めない方を選ぶ理由がない、ということです。
いまのノアを15年、20年と乗り続けたら、1年あたりのコストはどうなるか。
買ったばかりのいまは「贅沢かな」と感じても、年数で割っていけば、その感覚は変わっていきます。
それに、新しい車は「自分の監視下」で育てられます
これは、あまり語られないことだと思うので、書かせてください。
新車から乗り続ける車には、大きな利点が1つあります。
そのオイル交換も、その点検も、ぜんぶ自分が把握しているということです。
中古車を買うときにいちばん怖いのは、車そのものではありません。
前のオーナーさんが、どう扱ってきたか分からないことです。
10年落ちの車が壊れやすいのではなく、10年ぶんの「分からない」が乗っているんですね。
新車から乗り続ければ、その「分からない」がゼロのまま年数だけが積み上がります。
きちんと整備していけば、努力がそのまま結果になりやすい。
だから私は、新しい車を長く乗るのは、いちばん再現性の高い方法だと考えています。
ここまで読んで、「厳しいことを言われているな」と感じた方がいらっしゃったら、すみません。
じつは私自身、このご相談にお答えしたときも同じことを思っていました。
「せっかく決めた道筋に、水を差してしまって心苦しいのですが」と、そのまま書いてお送りしたくらいです😅
でも、ご家族が出した答えは違いました
後日、ご相談者さまからいただいたお返事が、こちらです。
新車に乗り続けることを提案してもらい、昨日、家族で話し合いをしました。
かなり悩みましたが、今はお金を貯めることが優先になるので、中古車を買って貯金をして、ローンを組まずに車が買えるようになれば新車を買おうという話にまとまりました。
新車を乗り続けることが1番コスパがいいということを知らなかったので、アドバイスを頂きとても感謝しています。
私の提案は、採用されませんでした。
でも、このお返事を読んだとき、私は「ああ、これでよかったんだ」と思ったんです。
理由は2つあります。
1つは、ご家族で話し合って決められたこと。
もう1つは、その先の道筋まで決まっていたことです。
中古に乗り換えて、ローンを消して、貯めて、次は現金で新車を買う。
これは、その場しのぎの乗り換えではありません。
借金をひとつ終わらせるための、ちゃんとした計画です。
そして私は、その答えも正解だったと思っています
では、私の答えとご家族の答えは、どこが違っていたのか。
あとから整理すると、見ていた数字が違いました。
私が見ていたのは「15年で割った額」でした
私は、車のコストをいつも年数で割って考えます。
300万円の車も、15年乗れば1年あたり20万円です。
5年で乗り換えれば、1年あたり60万円。
この差は、とても大きい。
だから「長く乗る」は、車に詳しくない方でも再現しやすい、手堅い節約になります。
ここは、いまでも変わらない私の考えです。
ご家族が見ていたのは「毎月の重さ」でした
でも、ご相談者さまが困っていたのは、そこではありませんでした。
ローンが、あと4年残っている。
15年で割った額がいくら安くなっても、その4年間、毎月の支払いは変わらないんです。
家計が本当に苦しいとき、「15年後には安くなりますよ」は、答えになりません。
必要なのは、いま、毎月いくら軽くなるかのほうです。
私は「1年あたりの総額」を見ていて、ご家族は「毎月の重さ」を見ていた。
どちらも正しくて、見ている時間の長さが違っただけでした。
そして、家計を立て直そうとしている最中の方にとって大事なのは、毎月のほうです。
ローンを一度ゼロにできれば、そこから貯まりはじめます。
貯まれば、次は借りずに買える。
借りずに買えれば、そこから先はずっと軽い。
ご家族が選んだのは、少し遠回りに見えて、しっかり足がつく道でした。
ちなみに、ローンそのものについての私の考えは、こちらに書いています👇
じつは私自身も、その後「小さくする」を選びました
偉そうに書いてきましたが、白状することがあります。
私はその後、5年乗った軽自動車を義理の父に譲って、スライドドアの無い、安い中古の軽に乗り換えました。
家族の使い方が変わって、絶対に必要だと思っていた装備が、いつの間にか要らなくなっていたんです。
やってみて分かったことがあります。
車を「大きく・新しく」する時だけが、前進ではありません。
暮らしに合わせて「小さくする」ことも、りっぱな前進でした。
これは我慢ではなく、身の丈に合わせるという、ひとつの豊かさだと感じています。
それと、もうひとつ。
人にすすめるのと、自分でやってみるのは、やっぱり違いますね。
いざ自分の家のことになると、ちゃんとドキドキしました(笑)
ちなみに、いまの車は安い中古なので、堂々とお店の入り口の近くに停められます。
これが、思っていた以上に気楽でした😊
※2026年7月のことです。長く乗るのが良いという考えは変わっていませんが、暮らしが変われば答えも変わる、という実感がありました
乗り換えを考えていいのは、この4つのときです
ここまでの話を、読者の方がご自分に当てはめられる形にしておきます。
私が「乗り換えを検討していい」と考えているのは、次の4つのときです。
- 物理的な限界(事故の全損、フレームの歪みなど、直しても元に戻らない状態)
- 経済的な限界(修理代が、同じくらいの中古車を買える額を超えてしまった)
- 暮らしの変化(お子さんの誕生や介護で、サイズやスライドドアが必要になった)
- 身の丈に合っていない(収入に対して、車にかけている額が大きすぎる)
逆に言うと、これ以外の「古くなったから」「距離がいったから」は、まだ乗れるサインです。
10年・10万キロは通過点で、きちんと整備していれば20年・20万キロ走る車もたくさんあります。
さて、今回のご相談者さまはどうだったでしょうか。
4番目に、まっすぐ当てはまっていました。
ご自分で「収入に見合っていない車に乗っている」と書いておられたとおりです。
つまり、ご家族の判断は私の物差しで測っても、乗り換えていい側だったんですね。
私が「長く乗って」とお伝えしたのは、あくまでコストだけを見たときの答えでした。
家計全体で見たら、答えは変わっていたわけです。
乗り換えは、じつはいちばん高額な修理みたいなものなんです。
税金や手数料だけで、毎回15〜20万円ほどかかりますからね。
だからこそ、その4つに当てはまるかどうかを先に見てほしいんです。
当てはまるなら、堂々と次へ進んで大丈夫ですよ😊
迷ったときは、お金の話と気持ちの話を分けてください
最後に、決めるときのコツをひとつだけ。
乗り換えで迷うとき、お金の話と気持ちの話がまざっていることがとても多いです。
「もったいない気がする」
「贅沢をしている気がする」
「なんとなく、次の車が気になっている」
これらは全部、気持ちの話です。
気持ちの話が悪いわけではまったくありません。
車は毎日使うものですから、気持ちは大事な判断材料です。
ただ、混ぜたまま計算すると、どちらの答えも出てこなくなるんです。
だから、紙に2つ書いてみてください。
- お金の話=毎月いくら払っているか。売ったらローンは消えるか。次の車は年間いくらか
- 気持ちの話=いまの車が好きか。乗り換えたら、ほっとするのか、寂しいのか
この2つを分けて並べたとき、両方が同じ方向を向いていたら、それが答えです。
今回のご相談者さまは、まさにそうでした。
お金の話も、気持ちの話も、「一度ローンを終わらせたい」で一致していたんですね。
その後、どうなったか
このご相談には、続きがあります。
ご相談者さまは、ご希望のコンパクトミニバンを見つけて購入されました。
その一台を決める直前には、見積書に並んだオプションでも悩まれています。
どう考えて、どこまで付けたのかは、こちらに書きました👇
そして、いまのノアを売るために3社に査定を出されたそうです。
結果は、下取りで210万円、ある買取店で240万円、地元の買取店で220万円。
いちばん高いのは240万円でした。
ところがその240万円のお店は、出張査定に来た方の対応に、どうしても不信感が残ってしまったそうです。
迷った末、ご相談者さまが選んだのは——。
モヤモヤしたところに愛車を売りたくないという思いがあったので、そちらはお断りしました。
対応がとても良かったところに、正直に「そちらで売りたいけれど、価格でひっかかっている」と伝えました。
当初は220万円でしたが、227万円まで頑張って頂き、そちらで決めさせてもらいました。
他社の240万円にはもちろん及びませんが、とても満足しています。
最高額より、13万円安いほうを選ばれました。
それでも「とても満足しています」と書いてくださっています。
私は、これがこのご相談のいちばん良い着地だったと思っています。
損しないというのは、いちばん高い数字を取ることではありません。
気持ちよく手放して、気持ちよく次へ進めること。
高い買い物であればあるほど、そこは効いてきます。
この売却には、じつはもう少し続きがあります。
4社ぶんの査定額と、いちばん高いお店を選ばなかった理由、そして最後の一言で7万円動いた話は、こちらに最後まで書きました👇
売るときの具体的な進め方は、こちらにまとめています👇
その前に、試してほしいことがひとつだけ
ここまで乗り換えの話をしてきましたが、最後にひとつ。
車を買い替えるより先に、試せることがあります。
自動車保険の見直しです。
乗り換えは決断も手続きも大きいですが、保険はそれに比べればずっと軽い動きで、固定費が下がる可能性があります。
しかも、いまの車に乗り続けても、乗り換えても、どちらでも効きます。
車が変われば保険料も変わりますので、どちらにしても一度は見ておきたいところです。
見直し方は、こちらにまとめています👇
まとめ
- この問いには答えが2つあります。私の答えは「いまの車を長く乗る」、ご家族の答えは「いったん中古に乗り換えてローンを消す」でした
- 私が見ていたのは「15年で割った額」。年数で割れば、長く乗るほど1年あたりは安くなります
- ご家族が見ていたのは「毎月の重さ」。家計が苦しいとき、15年後の話は答えになりません
- 安い中古車が必ず損、という話ではありません。ただし「必ず損はしませんが、投機の要素はあります」
- 新しい車は「自分の監視下」で育てられます。10年落ちが怖いのではなく、10年ぶんの「分からない」が乗っているのです
- 乗り換えていいのは4つのとき。①物理的限界 ②経済的限界 ③暮らしの変化 ④身の丈に合っていない
- 迷ったら、お金の話と気持ちの話を紙の上で分ける。両方が同じ方向を向いたら、それが答えです
- 損しないは、いちばん高い数字を取ることではありません。最高額より13万円安いほうを選んで「とても満足」という結末もあります
私は、いまでも「長く乗る」が再現性のいちばん高い方法だと思っています。
でも、それがすべての家庭にとっての正解だとは思っていません。
暮らしが変われば、答えも変わります。
大事なのは、ご家族で話し合って、納得して決めること。
そこさえ通っていれば、どちらを選んでも損にはならないと、私は思っています。
そもそも、このクラスのミニバンが必要なのかから考え直したい方へ。
同じ3列シートでも、家計の現実がどれだけ違うかを比べた記事があります👇
「10年・10万キロで寿命」という言い方そのものについては、こちらで詳しくお話ししています👇
車にかかるお金を、家計全体の中でどう減らしていくか。
考え方をまとめた記事もあります👇
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