カーシェアに別途保険は必要?基本は不要です|含まれる補償と、自分で備えるもの

免許を取ったばかりの頃は、うれしさと同じくらい不安がついてきます。
しかも車を持たずにカーシェアで乗り始めると、その不安の相手がよく分かりません。
保険は足りているのか。
何か足したほうがいいのか。
調べれば調べるほど、あれも必要そう、これも必要そうに見えてきます。
今回は、まさにその渦中からいただいたご相談です。
大手のカーシェアは、利用料金のなかに補償が含まれています。
対人・対物、ご自身や同乗の方のケガ、借りた車の損害まで入っているのが一般的です。
ですので、カーシェアを使うために自動車保険へ別途入る必要は、基本的にありません。
迷うのは、1回ごとに数百円で付けられる免責の補償のほうだと思います。
そこの物差しは、金額ではなく「分かって払えているかどうか」だと私は考えています。
今回いただいたご相談
まずは、いただいたご相談の内容です(内容を編集して掲載しています)。
はじめまして!保険に関することでご質問させてください。
免許取得したてで、当面は大手のカーシェアを利用していこうと考えています。
1回ごとに数百円の安心保証サービスも利用予定です。
自動車を持つと必要になる強制保険や任意保険は、カーシェアでは利用料金に組み込まれているとあったのですが、運転する個人として入っておいた方が良い保険はありますでしょうか?
現在は県民共済と自転車保険に加入しています。
夫と子供がいますが、家に所有する車は無く、私が稼ぎ頭の立場です。
購入予定ではないのでテンプレを使わず質問させていただきました。
ご助言いただけると幸いです。
免許を取ったばかりで、車も持たずに運転を始める
とても不安な時期だと思います
まずは足すより先に、いま何が付いているかから見ていきましょう
カーシェアの利用料に、何が含まれているのか
先に、結論に近いところからお答えします。
カーシェアの料金には、自動車保険の補償があらかじめ組み込まれています。
入っているのは、だいたい次の4つです。
- 対人の補償(相手のケガや死亡に対する補償)
- 対物の補償(相手のお車や建物への損害)
- 人身傷害の補償(ご自身や同乗の方のケガ)
- 借りた車そのものの損害
対人と対物は無制限になっていることが多く、これは個人で契約すると保険料が上がる水準です。
ですのでカーシェアを使うためだけに、自動車保険へ新しく入る必要は基本的にありません。
ただし、補償の中身はサービスによって違いますし、改定されることもあります。
使う前に一度、ご自分が登録したサービスの補償のページを開いて、この4つがどうなっているかだけ見ておいてください。
そこが確認できていれば、正直このお悩みの大半は片づきます。
1回数百円の「免責の補償」をどう考えるか
迷うのは、たいていこちらだと思います。
利用のたびに数百円で付けられる、免責の補償です。
万が一のときにご自身が負担する分が免除される、というものですね。
私の保険の物差しは「確率×損失」です。
起こる確率が小さくて、起きたときの損失が大きいもの。
ここには手厚く掛けます。
対人・対物を無制限にするのが、まさにこれです。
相手への賠償は、いくらになるか読めませんので。
反対に、確率が小さくて損失も小さいもの。
ここは掛けずに、貯金で備えるほうがコスパは良くなります。
免責の補償は、金額でいえば数万円ほどのことが多いので、こちらに入ります。
数字だけで言えば「入らなくても成り立つ」側です。
ただ、ここからが本題なんです。
私は金額よりも、「分かって払えているかどうか」のほうが大事だと思っています。
一番よくないのは、理由も分からないまま、何となく不安というだけで払うことです。
逆に、不安や困りごとが減るのであれば、浪費と割り切って手厚くするのもありだと考えています。
免許を取ったばかりで、狭い駐車場に入れるのが怖い。
そういう時期に、数百円で気楽に運転できるのなら、それは分かって払っているということです。
慣れてきて「もう要らないな」と思ったら、そのときに外せばいいんです。
保険は固定費ではなく、出し入れできる道具だと思っています。
ケチることが、損しないカーライフではないんです
必要なものに、必要な分だけ、分かって払う
それができていれば、金額の多い少ないはあまり気にしなくて大丈夫です
新しく足す前に、いま入っているものを見る
ご相談者さまは、県民共済と自転車保険にすでに入っていらっしゃいます。
新しく何かを足す前に、こちらを見るのが順番だと思います。
🔶 個人賠償の特約が付いていないか
日常生活で他人にケガをさせてしまった、物を壊してしまった。
そんなときに保険会社が間に入ってくれるのが、個人賠償(日常生活賠償)の特約です。
お金の面だけでなく、相手とのやりとりを代わってもらえるという意味でも心強い備えです。
これは自転車保険や火災保険、共済に付いていることが多いんですよね。
気づかないうちに二重で入っていることもありますので、まずは今の証券を見てみてください。
🔶 ご自身のケガの備えは「合算」で考える
対人・対物を無制限にするのは、相手への賠償が読めないからでした。
一方で、ご自身のケガには他にも備えがあります。
健康保険、お勤め先の制度、いま入っている共済、そして貯金。
ですので「車の保険だけで全部をまかなう」必要はなく、合わせて足りるかどうかで考えます。
あくまで私の感覚ですが、大きなケガは、車に乗っているときだけ起こるものでもありません。
車の話として抱え込まず、ご家庭全体の備えとして眺めていただくのがいいと思います。
そして最後は、慣れることが効いてきます
身も蓋もない話をひとつだけ。
免許を取ったばかりの不安は、走った距離でしか減っていきません。
補償を厚くしても、運転がうまくなるわけではありませんので。
無理のない範囲で、少しずつ乗ってみてください。
ちなみに、車との付き合い方は3つあります。
買う、期間を決めて借りる、そのつど借りる。
家でいえば、持ち家、賃貸、宿泊のようなものです。
車を持たずにカーシェアという選び方は、とても身軽な形だと思っています。
必要なときだけ使って、使わない期間は1円もかかりません。
カーライフはシンプルなほうが、長く続きます。
使う期間がある程度まとまっている場合は、借り方をもう少し比べてみてもいいかもしれません。
まとめ
今回のご相談のポイントを、整理します。
- 大手のカーシェアは、利用料に補償が含まれています。対人・対物・ご自身のケガ・借りた車の損害まで。カーシェアのために自動車保険へ別途入る必要は基本ありません
- ただし中身はサービスごとに違い、改定もされます。使う前に一度、登録したサービスの補償ページを開いて確認してください
- 免責の補償は「確率が小さく、損失も小さい」側。数字だけで言えば、貯金で備えても成り立ちます
- 大事なのは「分かって払えているか」。理由も分からないまま何となく払うのだけは避けたいところです。分かって払うなら、ありだと思います
- 新しく足す前に、いま入っているものを見る。個人賠償の特約は、自転車保険や共済に付いていることが多いです
- ご自身のケガの備えは合算で考える。健康保険や貯金と合わせて足りるかどうかです
ご相談者さまの、その後
このご相談には、続きがあります。
保障内容の確認をしていただき、お手間をおかけしました。
さらにオプションのサービスまで解説いただき、とても助かりました!
当初はプレッシャーからの解放感でいっぱいでしたが、一人放り出され状態に次第に不安が募っていきました。
よくわからない不安から、あれもあった方がいいんじゃないか、これも必要なんじゃないかと混乱状態になっていました。
細かく解説していただいた事で理解でき、落ち着いて自分にとって必要な装備かどうか考える余地が出来た気がします!
車に関して全く詳しくないので、こうやってご相談できる場があるのがとっても有難いです。
車も積極的に利用して慣れて行こうと思います!
「よくわからない不安から、あれもあった方がいいんじゃないか」。
この一文が、保険の怖いところを言い当てていると思います。
保険は、不安が大きいときほど、いくらでも買えてしまうんです。
そして買ったあとも、不安そのものはあまり減りません。
減るのは、中身が分かったときなんですよね。
ご相談者さまが書かれた「考える余地が出来た」という言葉。
これが、私がこのブログでお届けしたいものそのものです。
答えを押しつけるのではなく、ご自分で決められる状態にしてお返しする。
保険は、不安の大きさで買うと高くつきます
中身が分かると、不思議と不安のほうが小さくなるんです
そして最後は、走って慣れることが、いい安心材料になります
車を持たない暮らしは身軽で、お金の面でも無理がありません。
そのうえで、いま自分が何に守られているのかを、一度だけ確かめておく。
それだけで、ハンドルを握る手の力が少し抜けると思います。
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