車を手放す6つの方法|「もう値段はつかない」と思っていた車が9万円に

しばらく動かしていない車が、駐車場にある。
エンジンはかかるけれど、もう何ヶ月も乗っていない。
そろそろ手放そうかな、と思って調べはじめると、最初にぶつかるのが「どこに頼めばいいんだろう」です。
下取り、買取専門店、一括査定、廃車。
言葉は聞いたことがあっても、どれが自分に向いているのかは、なかなか出てきません。
しかも古くて傷もある車だと、「そもそも値段なんてつかないのでは」という気持ちのほうが、先に立ってしまいます。
車を手放す方法は、下取り・買取専門店・一括査定・同時査定・廃車買取・個人間の6つです。
迷ったときは、複数の業者さんに同じ日に見てもらえる方法を選んでおくと、大きく外しません。
選ぶ物差しは、金額の高さではなく、かけられる手間とのつり合いです。
そして、値段はつかないだろうと思っている車ほど、一度は査定を受けてみてください。
この記事のご相談者さまは、5万円だと思っていた車が9万円で売れています。
いただいたご相談
実際にいただいたご相談を、ひとつご紹介します。
(ご本人が特定されないよう、内容は編集してご紹介しています)
- お車:ホンダのフィット(丸11年・走行9.6万km)
- 状態:バックドアに凹み、フロントバンパーの側面に大きめのキズ。オプションはほとんどなし。ただし機関は良好
- 車検:あと数ヶ月で満了
- 相場:同じくらいでキズのない中古車が、車両本体30万円ほどで売り出されている
- ご事情:生活スタイルが変わって、車にほとんど乗らなくなった
そのうえで、こう書かれていました。
「車も古くなり、ほぼ価値がなさそうです」
「売却のみをした事が無く、どこが無難か教えて頂きたいです」
手放すこと自体はもう決めていて、迷っているのは、どこに出すかだけ。
そしてその手前に、たぶん値段はつかない、というあきらめが、そっと置かれていました。
値段がつかないと思っている車ほど、査定に出してほしいんです
あきらめの金額は、たいてい実際より低いところにあります
決めるのは、実際に車を見た人ですよ
「価値がない」と思った車でも売れる理由
ご相談者さまのように「もう値段なんてつかない」と感じている方は、とても多いです。
でも、車の価値は見た目だけでは決まりません。
傷が多くても、走行距離が伸びていても、もう動かなくなっていても、それぞれに値段のつく理由があります。
- エンジンや足回りなど、機関(動く部分)が元気なら、中古車として十分に需要がある
- 古い車・走行距離が多い車でも、使える部品を取る「部品取り」としての価値がある
- 国内では人気が落ちた車でも、海外では人気が高く、輸出向けに需要があることもある
だからこそ、「どうせ0円だろう」と決めつけてしまうのは、もったいないんです。
まずは査定を受けて、今の価値を知ることから始めてみてくださいね。
たとえば旧車のジムニーのように、趣味性の高い車は「売る相手」しだいで査定額が大きく変わります。
同じように、10年・10万kmを超えた古い軽自動車も、「もう値段がつかない」と思われがちですが、売り先しだいで買い取ってもらえます。
その車、いくらぐらいになりそうか
では、実際にどのくらいの金額になりそうか。
私がこのご相談にお答えしたときの見立ては、10万円いくかどうか、というものでした。
根拠はシンプルで、同じくらいの中古車が30万円ほどで売られている、というご本人の調べです。
お店は、買い取った車をそのまま並べるわけではありません。
点検して、直せるところを直して、必要なら保証をつけて、そこに利益を乗せて売り値をつけます。
ですので、店頭についている値段と、あなたが受け取る金額のあいだには、その分の開きができます。
裏を返せば、いま同じような車がいくらで売られているかを見れば、だいたいの見当はつけられるということです。
中古車の情報サイトで、同じ年式・同じくらいの走行距離の車を探してみてください。
そこからお店の手間と利益の分だけ下がったあたりが、あなたの車のだいたいの位置になります。
どれくらい下がるかは、車によってずいぶん違います。
あくまで私の感覚ですが、値段のしっかりある車ほど開きは小さく、古くて傷のある車ほど開きは大きくなりやすいです。
ですのでここは、細かい数字を覚えるよりも「売り値より下がる」とだけ押さえて、あとは実際の査定にゆだねるほうが早いと思います。
車を手放す「6つの選択肢」と、それぞれの本音
①ディーラーで下取り(手軽だけど金額は控えめになりやすい)
新しい車を買うお店で、今の車を引き取ってもらう方法です。
購入と同時に手続きが済むので、いちばん手軽です。
ただ、正直にお伝えすると、下取りの金額は控えめになりやすいです。
お店にとって下取りは「おまけ」のような位置づけで、専門の買取ほど高値を狙いにくいんですね。
さらに、車両の値引きと下取り額が混ざって、実際にいくらで売れたのか分かりにくいこともあります。
「とにかく楽に済ませたい」という方には向いている方法です。
②買取専門店に持ち込む(交渉しだい・ただし1社だけだと比べられない)
車の買取を専門にしているお店に、直接持ち込む方法です。
下取りより高くなることも多く、交渉しだいで金額が伸びることもあります。
ただ、1社だけだと「その金額が高いのか安いのか」を比べる相手がいません。
なので、買取店を使うときも、できれば複数のお店で見てもらうのがおすすめです。
③一括査定(競争で高くなりやすいが、電話が一気に来る)
ネットで申し込むと、複数の買取業者に一斉に査定を依頼できるサービスです。
業者どうしの競争が生まれるので、高値がつきやすいのが魅力です。
ただ、申し込んだ直後に何社からも電話がかかってきて、対応に追われることがあります。
「電話のラッシュがちょっと苦手…」という方には、次の④が向いているかもしれません。
④同時査定(MOTAなど)=電話ラッシュを抑えつつ競争できる(イチオシ)
一括査定と買取店の、ちょうど中間のようなサービスです。
たとえばMOTA車買取の場合、最大20社が先に査定額を出し、その中から上位の数社だけがあなたに連絡してきます。
なので、電話が鳴り止まない…という心配を抑えながら、業者間の競争で高値を狙えます。
私自身も、「誰でも80点を取りやすい方法」として、このやり方をおすすめしています。
ひとつだけ、先にお伝えしておきますね。
参加している業者さんが精査されているぶん、手を挙げてくれる社数そのものは、そう多くないこともあります。
ただ、社数が少ないからといって、金額が伸びないわけではありません。
連絡が1社や2社だったときにどうするかは、こちらにまとめています。
⑤廃車(廃車買取)=お金を払う前に、まず査定を
「もう動かないし、廃車にするしかないか…」と思う車もありますよね。
でも、動かない車にも値段がつく理由があることは、さきほどお伝えしたとおりです。
廃車の費用を払ってしまう前に、ぜひ一度「廃車買取」の査定を受けてみてください。
「お金を払って処分」と思っていたのが、「お金をもらって手放せた」になることも珍しくありませんよ。
⑥知人や個人間で譲る(名義変更とお金の話は慎重に)
仲のいい人に譲ったり、個人間で売ったりする方法です。
業者の手数料がかからないぶん、お互いにお得になることもあります。
ただ、注意したいのが「名義変更」です。
これを確実にしておかないと、あとで税金の通知や、駐車違反の連絡が元の持ち主に届いてしまうことがあります。
また、お金のやり取りで、せっかくの人間関係がぎくしゃくしてしまうことも。
親しい相手だからこそ、手続きとお金の話は、最初にきちんと決めておくと安心です。
ご家族や知人に譲るときの段取りは、こちらで一本にまとめています。
6つのうち、どれを選ぶか
ここまで読んで、「結局どれがいいの」と思われたかもしれません。
私がご相談にお答えするときの物差しは、金額の高さではありません。
かけられる手間と、返ってくる金額のつり合いです。
1円でも高く売ろうとすると、電話の対応も、日程の調整も、当日の交渉も、ぜんぶご自身にのしかかってきます。
その手間を惜しまない方なら、もちろんそれでいいと思います。
でも多くの方が求めているのは満点ではなくて、損はしなかった、という納得のほうではないでしょうか。
私はそれを80点と呼んでいます。
手間をかけずに80点を取りにいく。
そう考えると、6つのうち残るのは、下取り(手間はほぼゼロ・金額は控えめ)か、同時査定(少しの手間・金額は伸びやすい)の2つです。
ご相談者さまには、同時査定をおすすめしました。
もちろん、時間も気力もあって1社でも多く回ってみたいという方は、一括査定でぐいぐい進めていただいてかまいません。
どちらも否定しませんし、正解はご自身の生活のほうにあります。
読みながら「じゃあ、いまの自分の車はいくらなんだろう」と気になった方も、いらっしゃると思います。
この記事の結論は、今日どこに売るかを決めることではなく、まず今の値段を知ることでした。
今日決める必要は、まったくありません。
まだ「手放すかどうか」から迷っている段階なら、さきほどの「売られている値段からの逆算」で見当をつけるだけでも大丈夫です。
そして、ご相談者さまのように手放すと決めている方は、実際の査定で確かめる番です。
💡 手放すと決めた方へ MOTA車買取は、先に各社が金額を出して、上位の数社だけが連絡してくる仕組みです——売る意思が固まったときにこそ、力を発揮するサービスです。
MOTA車買取を使うときに知っておきたい本音
④でおすすめしたMOTAについて、初めてでも安心して使えるよう、知っておきたいポイントをまとめます。
- 同時査定×入札方式:最大20社が金額を提示し、上位の数社だけが連絡してくるので、電話ラッシュが起きにくい
- 3つの規約があなたを守る:入札額より下げる不当な減額は禁止/引き取り翌日までキャンセルOK/高額な違約金の請求は規約違反
- あんしん決済は2025年10月から有料に:買取額の約1%(上限3万円ほど)。上場した大きな会社なので、持ち逃げの心配はもともと小さい
- 概算の金額は「提示から約1週間」が目安:売る時期を決めてから申し込むのがおすすめ
- 希望する最低金額は、自分から先に言わない:先に言うと、その金額ぎりぎりに合わせられることがある
もっと詳しい「初めての使い方」は、こちらの記事にまとめています。
まとめ
- 手放す方法は6つ。手間をかけたくないなら下取り、手間と金額のつり合いなら同時査定
- 「もう値段はつかない」は、たいてい確かめる前の思い込み。まず査定で今の値段を知る
- 金額の見当は、同じような車がいまいくらで売られているかから逆算する(そこからお店の手間と利益の分だけ下がる)
- 希望する最低金額は、自分から先に言わない
- 業者さんを複数呼ぶときは、同じ日・同じ時間にそろえる
- 当日までに車内と車外をきれいにして、書類をそろえておく
同じ日に何社かを呼ぶときの、電話での時間の合わせ方や当日の進み方は、こちらにまとめています。
ご相談者さまの、その後
このご相談には、うれしい続きがありました。
しばらくして、ご本人からご報告をいただいたんです。
「9万円で売却することができました」
月曜の早朝に申し込み、翌日の夕方が各社の入札の期限。
手を挙げてくれたのは、2社でした。
画面上の提示額は、どちらも4万円から15万円という、かなり幅のあるものだったそうです。
期限を過ぎるとすぐに2社から電話が入り、週末に来てもらう約束をされました。
このとき「他の業者さんも同じ時間に呼んでいいですか」と聞いてみたら、二つ返事でOKだったそうです。
そして当日。
2社が顔をそろえたところで入札方式でお願いすると、その場で価格の探り合いが始まりました。
結果は、1社が7万5千円、もう1社が9万円。
9万円で決まりました。
私がお伝えした「10万円いくかどうか」と、ほとんど同じところに着地しています。
ただ、このご報告で私がいちばん心に残ったのは、金額ではありませんでした。
「大きいキズや凹みもあり、5万円程度かと思っていたので、1社だったら5万円でも売っていたと思います」
この一行です。
5万円だと思っていた、という一行がずっと残っています
値段は、査定される前から自分の中で決まってしまうことがあるんですね
その思い込みを外すのに必要だったのは、たった2社でした
この方が申し込みの前にやっておられたことも、そのまま参考になります。
- 車内と車外をきれいにして、荷物を出しておく
- 必要な書類をぜんぶそろえておく
- 傷の写真も含めて、車の状態をできるだけ詳しく申し込みに書く
書類をそろえておくのは、手続きのためだけではありません。
「本当に売るつもりです」という気持ちが、そのまま相手に伝わります。
だから金額に納得できたその場で引き渡せて、ご本人の手間もいちばん少なくて済んだのだと思います。
※金額はお車の状態や年式、その時期の相場で変わりますので、あくまでこの方の場合として読んでいただけたらうれしいです。
丸11年、9万6千キロ。
「ほぼ価値がなさそうです」と書かれていた車に、9万円の値段がつきました。
値段を決めるのは、車を見た人です。
あなたが先に決めてしまわなくて、大丈夫ですよ🐧
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