著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

しばらく動かしていない車が、駐車場にある。

エンジンはかかるけれど、もう何ヶ月も乗っていない。

そろそろ手放そうかな、と思って調べはじめると、最初にぶつかるのが「どこに頼めばいいんだろう」です。

下取り、買取専門店、一括査定、廃車。

言葉は聞いたことがあっても、どれが自分に向いているのかは、なかなか出てきません。

しかも古くて傷もある車だと、「そもそも値段なんてつかないのでは」という気持ちのほうが、先に立ってしまいます。

✅ 結論からお伝えします

車を手放す方法は、下取り・買取専門店・一括査定・同時査定・廃車買取・個人間の6つです。

迷ったときは、複数の業者さんに同じ日に見てもらえる方法を選んでおくと、大きく外しません。

選ぶ物差しは、金額の高さではなく、かけられる手間とのつり合いです。

そして、値段はつかないだろうと思っている車ほど、一度は査定を受けてみてください。

この記事のご相談者さまは、5万円だと思っていた車が9万円で売れています。

いただいたご相談

実際にいただいたご相談を、ひとつご紹介します。

(ご本人が特定されないよう、内容は編集してご紹介しています)

  • お車:ホンダのフィット(丸11年・走行9.6万km)
  • 状態:バックドアに凹み、フロントバンパーの側面に大きめのキズ。オプションはほとんどなし。ただし機関は良好
  • 車検:あと数ヶ月で満了
  • 相場:同じくらいでキズのない中古車が、車両本体30万円ほどで売り出されている
  • ご事情:生活スタイルが変わって、車にほとんど乗らなくなった

そのうえで、こう書かれていました。

「車も古くなり、ほぼ価値がなさそうです」

「売却のみをした事が無く、どこが無難か教えて頂きたいです」

手放すこと自体はもう決めていて、迷っているのは、どこに出すかだけ。

そしてその手前に、たぶん値段はつかない、というあきらめが、そっと置かれていました。

ピゴス
ピゴス

値段がつかないと思っている車ほど、査定に出してほしいんです

あきらめの金額は、たいてい実際より低いところにあります

決めるのは、実際に車を見た人ですよ

「価値がない」と思った車でも売れる理由

ご相談者さまのように「もう値段なんてつかない」と感じている方は、とても多いです。

でも、車の価値は見た目だけでは決まりません。

傷が多くても、走行距離が伸びていても、もう動かなくなっていても、それぞれに値段のつく理由があります。

  • エンジンや足回りなど、機関(動く部分)が元気なら、中古車として十分に需要がある
  • 古い車・走行距離が多い車でも、使える部品を取る「部品取り」としての価値がある
  • 国内では人気が落ちた車でも、海外では人気が高く、輸出向けに需要があることもある

だからこそ、「どうせ0円だろう」と決めつけてしまうのは、もったいないんです。

まずは査定を受けて、今の価値を知ることから始めてみてくださいね。

たとえば旧車のジムニーのように、趣味性の高い車は「売る相手」しだいで査定額が大きく変わります。

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同じように、10年・10万kmを超えた古い軽自動車も、「もう値段がつかない」と思われがちですが、売り先しだいで買い取ってもらえます。

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その車、いくらぐらいになりそうか

では、実際にどのくらいの金額になりそうか。

私がこのご相談にお答えしたときの見立ては、10万円いくかどうか、というものでした。

根拠はシンプルで、同じくらいの中古車が30万円ほどで売られている、というご本人の調べです。

お店は、買い取った車をそのまま並べるわけではありません。

点検して、直せるところを直して、必要なら保証をつけて、そこに利益を乗せて売り値をつけます。

ですので、店頭についている値段と、あなたが受け取る金額のあいだには、その分の開きができます。

裏を返せば、いま同じような車がいくらで売られているかを見れば、だいたいの見当はつけられるということです。

中古車の情報サイトで、同じ年式・同じくらいの走行距離の車を探してみてください。

そこからお店の手間と利益の分だけ下がったあたりが、あなたの車のだいたいの位置になります。

どれくらい下がるかは、車によってずいぶん違います。

あくまで私の感覚ですが、値段のしっかりある車ほど開きは小さく、古くて傷のある車ほど開きは大きくなりやすいです。

ですのでここは、細かい数字を覚えるよりも「売り値より下がる」とだけ押さえて、あとは実際の査定にゆだねるほうが早いと思います。

車を手放す「6つの選択肢」と、それぞれの本音

①ディーラーで下取り(手軽だけど金額は控えめになりやすい)

新しい車を買うお店で、今の車を引き取ってもらう方法です。

購入と同時に手続きが済むので、いちばん手軽です。

ただ、正直にお伝えすると、下取りの金額は控えめになりやすいです。

お店にとって下取りは「おまけ」のような位置づけで、専門の買取ほど高値を狙いにくいんですね。

さらに、車両の値引きと下取り額が混ざって、実際にいくらで売れたのか分かりにくいこともあります。

「とにかく楽に済ませたい」という方には向いている方法です。

②買取専門店に持ち込む(交渉しだい・ただし1社だけだと比べられない)

車の買取を専門にしているお店に、直接持ち込む方法です。

下取りより高くなることも多く、交渉しだいで金額が伸びることもあります。

ただ、1社だけだと「その金額が高いのか安いのか」を比べる相手がいません。

なので、買取店を使うときも、できれば複数のお店で見てもらうのがおすすめです。

③一括査定(競争で高くなりやすいが、電話が一気に来る)

ネットで申し込むと、複数の買取業者に一斉に査定を依頼できるサービスです。

業者どうしの競争が生まれるので、高値がつきやすいのが魅力です。

ただ、申し込んだ直後に何社からも電話がかかってきて、対応に追われることがあります。

「電話のラッシュがちょっと苦手…」という方には、次の④が向いているかもしれません。

④同時査定(MOTAなど)=電話ラッシュを抑えつつ競争できる(イチオシ)

一括査定と買取店の、ちょうど中間のようなサービスです。

たとえばMOTA車買取の場合、最大20社が先に査定額を出し、その中から上位の数社だけがあなたに連絡してきます。

なので、電話が鳴り止まない…という心配を抑えながら、業者間の競争で高値を狙えます。

私自身も、「誰でも80点を取りやすい方法」として、このやり方をおすすめしています。

ひとつだけ、先にお伝えしておきますね。

参加している業者さんが精査されているぶん、手を挙げてくれる社数そのものは、そう多くないこともあります。

ただ、社数が少ないからといって、金額が伸びないわけではありません。

連絡が1社や2社だったときにどうするかは、こちらにまとめています。

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⑤廃車(廃車買取)=お金を払う前に、まず査定を

「もう動かないし、廃車にするしかないか…」と思う車もありますよね。

でも、動かない車にも値段がつく理由があることは、さきほどお伝えしたとおりです。

廃車の費用を払ってしまう前に、ぜひ一度「廃車買取」の査定を受けてみてください。

「お金を払って処分」と思っていたのが、「お金をもらって手放せた」になることも珍しくありませんよ。

⑥知人や個人間で譲る(名義変更とお金の話は慎重に)

仲のいい人に譲ったり、個人間で売ったりする方法です。

業者の手数料がかからないぶん、お互いにお得になることもあります。

ただ、注意したいのが「名義変更」です。

これを確実にしておかないと、あとで税金の通知や、駐車違反の連絡が元の持ち主に届いてしまうことがあります。

また、お金のやり取りで、せっかくの人間関係がぎくしゃくしてしまうことも。

親しい相手だからこそ、手続きとお金の話は、最初にきちんと決めておくと安心です。

ご家族や知人に譲るときの段取りは、こちらで一本にまとめています。

【家族・知人に車を譲る?】確かにお得だけど、意外と繊細。「揉めない個人売買」の進め方家族や知人との車の売り買い(個人売買)は、お店の利益が乗らないぶん一番オトク。でも保証・金額決め・名義変更・人間関係と、実は繊細な取引です。義父に車を譲った実体験と私の失敗談から、揉めない段取りを解説します。...

6つのうち、どれを選ぶか

ここまで読んで、「結局どれがいいの」と思われたかもしれません。

私がご相談にお答えするときの物差しは、金額の高さではありません。

かけられる手間と、返ってくる金額のつり合いです。

1円でも高く売ろうとすると、電話の対応も、日程の調整も、当日の交渉も、ぜんぶご自身にのしかかってきます。

その手間を惜しまない方なら、もちろんそれでいいと思います。

でも多くの方が求めているのは満点ではなくて、損はしなかった、という納得のほうではないでしょうか。

私はそれを80点と呼んでいます。

手間をかけずに80点を取りにいく。

そう考えると、6つのうち残るのは、下取り(手間はほぼゼロ・金額は控えめ)か、同時査定(少しの手間・金額は伸びやすい)の2つです。

ご相談者さまには、同時査定をおすすめしました。

もちろん、時間も気力もあって1社でも多く回ってみたいという方は、一括査定でぐいぐい進めていただいてかまいません。

どちらも否定しませんし、正解はご自身の生活のほうにあります。

読みながら「じゃあ、いまの自分の車はいくらなんだろう」と気になった方も、いらっしゃると思います。

この記事の結論は、今日どこに売るかを決めることではなく、まず今の値段を知ることでした。

今日決める必要は、まったくありません。

まだ「手放すかどうか」から迷っている段階なら、さきほどの「売られている値段からの逆算」で見当をつけるだけでも大丈夫です。

そして、ご相談者さまのように手放すと決めている方は、実際の査定で確かめる番です。

💡 手放すと決めた方へ MOTA車買取は、先に各社が金額を出して、上位の数社だけが連絡してくる仕組みです——売る意思が固まったときにこそ、力を発揮するサービスです。

>>MOTAで無料査定してみる

MOTA車買取を使うときに知っておきたい本音

④でおすすめしたMOTAについて、初めてでも安心して使えるよう、知っておきたいポイントをまとめます。

  • 同時査定×入札方式:最大20社が金額を提示し、上位の数社だけが連絡してくるので、電話ラッシュが起きにくい
  • 3つの規約があなたを守る:入札額より下げる不当な減額は禁止/引き取り翌日までキャンセルOK/高額な違約金の請求は規約違反
  • あんしん決済は2025年10月から有料に:買取額の約1%(上限3万円ほど)。上場した大きな会社なので、持ち逃げの心配はもともと小さい
  • 概算の金額は「提示から約1週間」が目安:売る時期を決めてから申し込むのがおすすめ
  • 希望する最低金額は、自分から先に言わない:先に言うと、その金額ぎりぎりに合わせられることがある

もっと詳しい「初めての使い方」は、こちらの記事にまとめています。

MOTA車買取を初めて使う際の注意点と高く売るコツを解説MOTA車買取を初めて使う方へ。電話ラッシュや3つの規約などの注意点と、事故車・不動車でも正直な開示と同時査定で高く売るコツを、元ディーラー営業が解説します。...

まとめ

  • 手放す方法は6つ。手間をかけたくないなら下取り、手間と金額のつり合いなら同時査定
  • 「もう値段はつかない」は、たいてい確かめる前の思い込み。まず査定で今の値段を知る
  • 金額の見当は、同じような車がいまいくらで売られているかから逆算する(そこからお店の手間と利益の分だけ下がる)
  • 希望する最低金額は、自分から先に言わない
  • 業者さんを複数呼ぶときは、同じ日・同じ時間にそろえる
  • 当日までに車内と車外をきれいにして、書類をそろえておく

同じ日に何社かを呼ぶときの、電話での時間の合わせ方や当日の進み方は、こちらにまとめています。

MOTA上位3社の同時査定|呼び方と、その場で決めるための準備MOTAで上位3社が決まったあとの段取りです。1社だけ先に日程を決めても大丈夫。残り2社の呼び方、都合が合わない会社は外してよいこと、当日その場で決めるために先に揃えておきたい書類まで、実際のご相談をもとにお話しします。...

ご相談者さまの、その後

このご相談には、うれしい続きがありました。

しばらくして、ご本人からご報告をいただいたんです。

「9万円で売却することができました」

月曜の早朝に申し込み、翌日の夕方が各社の入札の期限。

手を挙げてくれたのは、2社でした。

画面上の提示額は、どちらも4万円から15万円という、かなり幅のあるものだったそうです。

期限を過ぎるとすぐに2社から電話が入り、週末に来てもらう約束をされました。

このとき「他の業者さんも同じ時間に呼んでいいですか」と聞いてみたら、二つ返事でOKだったそうです。

そして当日。

2社が顔をそろえたところで入札方式でお願いすると、その場で価格の探り合いが始まりました。

結果は、1社が7万5千円、もう1社が9万円。

9万円で決まりました。

私がお伝えした「10万円いくかどうか」と、ほとんど同じところに着地しています。

ただ、このご報告で私がいちばん心に残ったのは、金額ではありませんでした。

「大きいキズや凹みもあり、5万円程度かと思っていたので、1社だったら5万円でも売っていたと思います」

この一行です。

ピゴス
ピゴス

5万円だと思っていた、という一行がずっと残っています

値段は、査定される前から自分の中で決まってしまうことがあるんですね

その思い込みを外すのに必要だったのは、たった2社でした

この方が申し込みの前にやっておられたことも、そのまま参考になります。

  • 車内と車外をきれいにして、荷物を出しておく
  • 必要な書類をぜんぶそろえておく
  • 傷の写真も含めて、車の状態をできるだけ詳しく申し込みに書く

書類をそろえておくのは、手続きのためだけではありません。

「本当に売るつもりです」という気持ちが、そのまま相手に伝わります。

だから金額に納得できたその場で引き渡せて、ご本人の手間もいちばん少なくて済んだのだと思います。

※金額はお車の状態や年式、その時期の相場で変わりますので、あくまでこの方の場合として読んでいただけたらうれしいです。

丸11年、9万6千キロ。

「ほぼ価値がなさそうです」と書かれていた車に、9万円の値段がつきました。

値段を決めるのは、車を見た人です。

あなたが先に決めてしまわなくて、大丈夫ですよ🐧

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ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、コメント欄や「X」などでいつでもメッセージを承っております。お気軽にどうぞ!