著者:ピゴス - 元1級整備士×元ディーラー営業マン(整備12,000台/販売500台/年300件相談対応)

🚗「仕事で車を使うから、どうせなら数年後に高く売れる車にしたい」

🤔「でも、調べて出てくるのは値段の高い人気SUVばかり。もう少し初期費用は抑えられないかな」

😅「それに、お客様を乗せることもあるから、あまり安っぽい車も選びにくい」

仕事で毎日乗る車は、自分だけのものではありません。

お客様が助手席に座ることもあれば、取引先の駐車場に停めることもあります。

そうなると「高く売れる車」という物差しだけでは、決めきれなくなってくるんですよね。

以前、そんなご相談をいただきました。

やり取りを重ねるうちに、この方が引っかかっていたのは値段ではなく、まったく別のことだと分かってきます。

✅ 結論からお伝えします

リセールの良い車とは、ひとことで言えば「ほしい人が多い車」です。

ほしい人が多いから、中古になっても値段が下がりにくい。

つまりリセールで選ぶと、まわりと同じ車になりやすいということでもあります。

ふだん乗りなら、それは困りません。

ただ、お客様を乗せる仕事だと、そこが引っかかることがあります。

ですので私は、リセールの数字と並べて、もうひとつの物差しを持っておくことをおすすめしています。

「お客様から見て、嫌味がないか」です。

この2つで見ていくと、候補の並び方が変わってきますよ。

まずは、いただいたご相談です

現在、車の購入を検討しております。

5年後ほどには違う仕事にしようと思っているので、5年後に売却をするのですが、いまリセールバリューの良い車は何になりますでしょうか。

調べるとトヨタのプリウスやRAV4などが出てくるのですが、もう少し初期費用の抑えられたものはないでしょうか。

また、いまは中古車も新車もあまり変わらないと聞くのですが、実際どうなのでしょうか。

ご質問ありがとうございます。

5年後の働き方まで見て車を選ぼうとされているのが、まず素晴らしいですね。

最後のご質問から、先にお答えしますね。

新しめの中古車を検討される場合、リセールまで含めて考えると、新車と中古車で差はさほど大きくありません。

ですので、リセールを意識されるのであれば、新車でご検討されても損はないと思います。

そのうえで車種の話をしたのですが、このあとお返事をいただいて、話が変わりました。

リセールの良い車は、「ほしい人が多い車」です

まず、リセールの良い車とは何なのか、というところからお話しします。

むずかしい話ではなくて、買いたい人が多い車のことです。

中古で売りに出したときに、ほしい人がたくさんいる。

だから値段が下がりにくい。

それだけのことなんですね。

だから、まわりと同じ車になりやすいんです

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

ほしい人が多いということは、すでに買った人も多いということです。

実際このご相談でも、車種を挙げたあとに、こうお返事をいただきました。

ヤリスクロスも考えたのですが、同僚や上司などが乗っていて、かぶるという問題がでてきてます(笑)

これは、私にとってもハッとする一言でした。

リセールが良いと言われる車ほど、街でよく見かける車でもあります。

ふだん乗りなら、まったく問題ありません。

むしろ、みんなが選ぶ車には、選ばれるだけの良さがあります。

ただ、会社の駐車場に同じ車が並ぶ、というのは、仕事で使う方には小さくない話なんですね。

リセールが強いと言われるのは、このあたりです

参考までに、私が当時ご案内したのは、このあたりの車でした。

  • トヨタ カローラクロス(ちょうどいい大きさで、中古の需要が安定しています)
  • トヨタ ヤリスクロス(洗練されたデザインと使い勝手で人気が続いています)
  • トヨタ ハリアー(価格は上がりますが、リセールはほぼ鉄板です)

どれも、数字だけを見れば間違いのない選び方です。

そして、どれもよく見かける車でもあります。

なお、リセールそのものをどこまで学ぶべきかは、別の記事で正直にお話ししています。

先に申し上げておくと、数年先のリセールはプロでも読み切れません👇

リセールの良い車の調べ方|プロでも読み切れないので、おまけくらいでちょうどいいリセールの良い車の調べ方を元ディーラー営業が解説。ただし数年先の相場はプロでも読み切れないので、おまけくらいがちょうどいいというのが本音です。目的別の学び方と、リセールが本当に効く場面をお伝えします。...

軽が候補から外れる理由が、この方にはありました

じつは私、最初のお返事では軽自動車をいちばんに挙げていました。

リセールという一点だけで見るなら、これは正解に近いからです。

スーパーハイトワゴンのカスタム系でターボが付いたモデルは、中古でとても人気があります。

ホンダ N-BOX カスタム、スズキ スペーシアカスタム、ダイハツ タントカスタムRS といったあたりですね。

広くて、見た目も良くて、ターボで走りにも余裕がある。

そのうえ税金も保険料も安いので、5年間のトータルではかなり効いてきます。

ところが、お返事を読んで、私はこの提案を引っ込めました。

軽自動車は仕事の都合でお客様を乗せたりもするので、あまりよくなくて、SUVなどが良いかなと思ってます。

僕自身は正直そこまで車に興味があるわけではないのですが、営業をしていると、ある程度良い車に乗っている方がお客様ウケも良いとのことで、検討している感じです。

これは、カタログからは出てこない条件です。

どんなに数字が良くても、お客様が助手席に座る車という前提があるなら、そこが先に来ます。

念のため申し添えると、軽自動車が仕事に向かない、という話ではまったくありません。

荷物を積むお仕事なら、軽バンのほうが本命になることも多いです。

その分かれ目は、こちらでお話ししました👇

15万キロのプロボックスは仕事に使える?軽バンとの分かれ目は走る距離
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お客様に「嫌味がない」という、もうひとつの物差し

では、お客様を乗せる前提だと、何を基準にすればいいのか。

私がこのとき挙げたのは、マツダのCX-5とCX-30でした。

理由は、リセールでも値段でもありません。

ピゴス
ピゴス

同じ価格帯のSUVと比べると、内装の質感は右に出るものがいないと、私は思っています

お客様にも嫌味がなく、静かで上質な素敵な車に乗っていますね、と言われる(思われる)一台かなと

「嫌味がない」というのは、少し説明が要りますね。

お客様を乗せる車には、2つの落とし穴があります。

ひとつは、安っぽく見えてしまうこと。

もうひとつは、逆に高そうに見えすぎることです。

立派すぎる車は、お客様によっては「ずいぶん儲かっているんですね」という受け取られ方をすることがあります。

その真ん中にあって、静かで、内装がきちんとしている。

そういう車が、仕事ではいちばん扱いやすいと私は感じています。

ちなみに、このご相談者さまの反応はこうでした。

マツダ、調べてみるとめちゃくちゃカッコいいですね。

価格帯も高額というよりは、すこしお得に感じました。

ここは数字で示せるところではないので、あくまで私の感覚としてお読みください。

大事なのは車種そのものより、お客様から見てどう映るかという物差しを1つ持っておくことです。

3年たって、値段のほうが変わっていました

このご相談をいただいたのは、少し前のことです。

いまも同じことが言えるのか、メーカーの公式サイトで確かめ直してみました。

結果は、私も少し驚きました。

  • トヨタ RAV4… 450万円から490万円(2025年12月17日に新型が発売)
  • マツダ CX-5… 330万円から407万円(2026年5月に新型が発売)
  • マツダ CX-30… 264万円から352万円

※各メーカーの公式サイトに掲載されているメーカー希望小売価格(消費税込み)です(2026年9月に確認)。

※グレードや装備によって金額は変わりますので、実際の金額は販売店の見積もりでご確認ください。

ご相談をいただいたころのRAV4は、2019年に発売されたモデルでした。

そのときの価格は、いちばん安いグレードで260万8,200円です。

※2019年4月10日の発売時のメーカー希望小売価格(消費税込み)です(トヨタ公式ニュースリリース・2026年9月に確認)。

それがいまは、450万円からになりました。

一方でCX-5は330万円からです。

つまり「RAV4より初期費用を抑えたい」というご相談の答えは、3年たって、より当てはまるようになっていたということですね。

もうひとつ、軽自動車のほうも見ておきましょう。

N-BOXは176万8,800円から282万400円です(2026年7月16日にマイナーモデルチェンジ)。

上のグレードまで行くと、CX-30の入り口とそれほど変わらない金額になってきます。

軽だから安い、とは言い切れなくなってきているのが、いまの実際のところです。

リセールだけで選ばない、「あなたの満足度」

ここまで、リセールとお客様目線の話をしてきました。

最後にもうひとつだけ、私がいちばん大事だと思っていることをお伝えさせてください。

5年というのは、決して短くない時間です。

毎日ハンドルを握って、お客様や同僚を乗せて、時には長い距離も走ります。

いくらリセールが良くても、乗るたびに「なんだかしっくりこないな」と感じてしまっては、その5年間はもったいないですよね。

ですので、次の3つも並べて考えてみてください。

  • ふだんの使い方に合っているか(大きな荷物を積むのに荷室が狭ければ、本末転倒です)
  • 運転していて気分が良いか(毎日乗る車なので、ここは意外と効いてきます)
  • 5年間、維持費を無理なく払えるか(税金・保険料・燃費・タイヤ代まで含めて)

新車を短いサイクルで乗り替えていく、という考え方そのものは、こちらでくわしくお話ししています👇

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ピゴス
ピゴス

リセールは、おまけくらいがちょうどいいと私は思っています

5年間、毎日のように乗る相棒ですから、ハンドルを握るたびに気分が上がる一台のほうが、その時間はずっと豊かになりますよ

まとめ:数字と、お客様の目線と、両方で選ぶ

  • リセールの良い車とは「ほしい人が多い車」=だから中古でも値段が下がりにくい
  • その裏返しで、まわりと同じ車になりやすい(会社の駐車場で並ぶこともあります)
  • お客様を乗せる仕事なら、安っぽくもなく、高そうすぎもしないという物差しを1つ持っておく
  • 軽自動車はリセールも維持費も強いが、お客様を乗せるかどうかで評価が変わる
  • 値段は動きます。気になる車は、メーカーの公式サイトでいまの価格を確かめる
  • 最後は、5年間そばに置いて気分の良い一台かどうか

リセールという数字は、車選びの入り口としてはとても分かりやすいものです。

ただ、それだけで決めようとすると、自分の仕事の事情が抜け落ちてしまうことがあります。

数字と、お客様の目線と、自分の気持ち。

この3つを並べて選べば、5年後に振り返ったときに、納得のいく1台になっているはずです。

ご相談者さまの、その後

このご相談には、続きがありました。

年が明けてすぐ、信号待ちで後ろから追突され、お車が全損になってしまったのです。

仕事で毎日車が必要なのに、欲しい新車は納車まで数ヶ月待ち。

そこからどう動くのが損しないのか、というご相談を、あらためていただきました。

そのときのやり取りは、こちらにまとめています👇

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ギリギリ昭和生まれ、2児のパパとして奮闘中…空いた時間に車の情報発信や質問に答えている管理人のピゴスです! クルマ好き歴30年以上、気付けば1級自動車整備士(笑)元、国産自動車のディーラーの営業マンです。 過去に車を整備したり販売させていただいたりする中で、車を移動手段と考えている方にこそ、様々なお悩みがあることに気付きました。そう言った悩みのある方が、知らないがゆえに損してしまうことがないようにこのブログを立ち上げました。少しでもみなさまのお悩みに寄り添った内容を発信できればと考えております。 取り上げて欲しい題材、個別のお悩みなど、記事の下のコメント欄でいつでも承っております。ニックネームもメールアドレスも要りませんので、お気軽にどうぞ!