車を売るとき、希望額は言う? 言わない? 集まった社数で答えが変わります

🤔「そろそろ愛車を手放そうかな…」
🌀「試しにネットのAI査定をやってみたら、32万円って出たけど…うーん、もうちょっと高くならないかな?」
売るときに出てくる最初の数字は、あくまで目安のひとつです。
そこから、少しの手間でグッと変わることがあります。
ただ、いざ査定の場に立つと、多くの方が同じところで手が止まります。
「その金額、こちらから言っていいのかな?」
✅ 結論からお伝えします
いま手元にある査定額は、ご自分の胸の中に置いたままにしておくほうが、伸びやすいです。
こちらから先に数字を出すと、その額が「上限」として扱われてしまうことがあります。
ただし、言う・言わないの答えは「何社集まったか」で変わります。
5社そろったなら、金額は競争が勝手に働きます。
1〜2社しか来ないときこそ、こちらから相場観を伝えることが効いてきます。
きっかけは、デミオの売却を考える読者の方からのご相談
まずは、今回いただいたご相談の内容です。
マツダデミオを手放そうと考えています。
ネットのAI査定では32万円でした。
少し時間を使ってもいいので、買取額を上げたいのです。
大手中古車買取業者に相見積もりを取っていくことしか思いつかないのですが、何かコツなどはありますでしょうか?
また、近所で大手買取店が新規開店するのですが、こういったタイミングは買取額が上がったりするのでしょうか?
まず査定額を出してみる、という行動が素晴らしいです。
32万円という基準ができたうえで、「もっと高く」と考えるのは、高く売るための第一歩ですね。
おっしゃるとおり相見積もりは基本ですが、そのうえで効いてくることが、いくつかあります。
🔧 ピゴスより:その数字は、言わないほうが伸びます
AI査定で出た32万円は、あくまでスタート地点の目安です。
ところが、この金額を最初に見せてしまうと、「じゃあ33万円で」と、その少し上で止まってしまうことがあります。
下限のつもりで出した数字が、そのまま天井になってしまうんですね。
この記事では、そこを詳しくお話しします。
まず、比べる相手を増やす
数字の出し方の前に、土台の話をひとつだけ。
1社だけでは、その金額が高いのか安いのか、誰にも分かりません。
比べる相手を増やすところから始めます。
私がご相談を受けるときにお伝えしているのは、大きく3つの方法です。
①同じ日に集めて、その場で競ってもらう
ネットで申し込むと、あなたの車に高値を付けそうな買取店さんから連絡が来ます。
最大20社が入札し、実際に連絡が来るのは高額査定の上位3社という仕組みです。
※ タイミングなどにより、連絡が1社・2社になることもあります。
この仕組みの良いところは、「同じ日時・同じ場所」に来てもらう形を作りやすいことです。
目の前で競い合う形になるので、一発勝負で最高額を引き出しやすくなります。
手間も時間も、比較的少なく済みます。
一方で、その場の交渉が苦手な方には、少しプレッシャーに感じるかもしれません。
申し込みのあとの電話が苦手な方にも、多少の負担はあります。
ただ連絡が来るのは上位数社に絞られるので、一般的な一括査定よりは軽いとも言えます。
この形をふくめて、愛車の価値をどう引き出すかは、こちらにまとめています。
そして「同じ日に集めて、その場で決める」の具体的な進め方は、こちらで詳しくお話ししています。
②オークション型:全国の買取店さんが入札する
提携している場所で待ち合わせをして、査定は1回だけ。
その査定情報をもとに、全国の多くの買取店さんがオンラインで入札し、あなたはその結果を見て売却先を決めます。
直接の交渉は基本的になく、サービス側が間に入ってくれます。
電話ラッシュや面倒な駆け引きが一切ないのが、大きな利点です。
全国の相場が反映されるので、思わぬ高値がつくこともあります。
ただし遠方へ売却することもあるため、書類のやり取りや、車が手を離れて入金されるまでに時間がかかります。
地元の一括査定なら最短即日で手放せますが、こちらは2週間ほどは見ておくと安心です。
※ 仕組みや所要日数はサービスによって違いますし、変わることもあります。
※ 申し込む前に、いまの流れを公式サイトでご確認ください。
実はこのオークション型、私自身もMX-30を手放すときに使いました。
1回目は、希望額を欲張りすぎて、入札は入ったのに届かず、成立しませんでした。
そのあと、納得のいく金額で売却できました。
しっかり売れますし、相場を知る意味でも一度試してみる価値はありますよ。
③個人間売買サービス:中間マージンがない
フリマアプリのように、個人どうしで車を売買するWEBサービスです。
間にお店が入らないぶん、理屈のうえではいちばん高く売れる可能性があります。
出品や手続きはサービスがサポートしてくれるので、個人売買の不安はある程度やわらぎます。
一方で、すぐに売れるとは限らず、いつまでも残ってしまうこともあります。
出品のための査定や写真撮影など、段取りにも少し手間がかかります。
ただ、大手の買取店さんと提携していて、その相場で買い取ってもらえる保証(条件あり)が付いているので、その金額で納得すればすぐに売却もできます。
※ 提携先や保証の条件はサービスによって違いますし、変わることもあります。
※ 出品する前に、いまの条件を公式サイトでご確認ください。
もし、ご家族や知り合いとのやり取りを考えているのであれば、注意する点が少し変わります。
そちらはこちらにまとめました。
3つを並べると、こんな感じです。
| 方法 | 高値の狙いやすさ | 手間とスピード |
|---|---|---|
| 同じ日に集めて競ってもらう | ◎ 目の前で競うので一発勝負 | ○ 上位数社・比較的スピーディ |
| オークション型 | ○ 全国が入札・思わぬ高値も | △ 電話はないが2週間ほど |
| 個人間売買 | ◎ 中間マージンなしで最高値も | △ 売れ残ることも・段取りに手間 |
なお、この3つ以外にも、手放し方そのものにはいくつか道があります。
値段がつかないと言われた車も含めて、選択肢を並べて比べたい方は、こちらをどうぞ。
そのうえで、いちばん迷うのが「金額を、こちらから言うかどうか」
比べる相手がそろったら、次はいよいよ査定の場です。
そこで必ずと言っていいほど聞かれるのが、この一言です。
「おいくらぐらいをお考えですか?」
ここで、多くの方が迷います。
言えば足元を見られそうだし、言わなければ話が進まない気もする。
私の考えをお伝えしますね。
数字を先に出すと、それが「天井」になります
先に結論をお伝えすると、私は「こちらから金額は言わないほうがいい」と考えています。
理由は2つあります。
「じゃあ、その少し上で」で止まってしまう
たとえば32万円という数字を先に出すと、返ってくるのは「では33万円で」だったりします。
こちらは「最低でもこれくらい」のつもりで言っています。
でも受け取るほうからすると、「その少し上を出せば決まる」という情報になるんですね。
下限のつもりの数字が、そのまま上限として働いてしまう。
これが、金額を先に出さないほうがいい、いちばんの理由です。
安く言えば買い叩かれ、高く言えば降りられる
では、少し高めに言えばいいのでしょうか。
それも、うまくいかないことがあります。
高すぎる数字を出すと、「うちでは無理そうだ」と、そもそも本気で見てもらえなくなることがあるからです。
安く言えば買い叩かれる。
高く言えば降りられる。
この2つは、どちらも正しい感覚だと思います。
だからこそ、その中間のちょうどいい数字を探すより、数字は先に言ってもらうほうが安全なんですね。
では、「いくらで売りたいですか?」と聞かれたら
黙り込むわけにもいきませんよね。
私がおすすめしているのは、この2つの言い方です。
「調べたところ、このあたりの相場のようですが、実際どうでしょうか? 少なくともこれ以上はと期待しています」
「本気で売るつもりで、複数社さんに来ていただいています」
どちらも、具体的な金額は言っていません。
狙いは金額を突きつけることではなくて、次の2つだけが伝わることです。
- 相場観を持っている(何も知らないまま来たわけではない)
- 冷やかしではない(本気で売るつもりで、時間を作ってもらっている)
この2つが伝わっていれば、あとは競争のほうが仕事をしてくれます。
分からないことは、隠さなくて大丈夫です
もし数字を聞かれて答えに困ったら、こう言ってしまっていいと思います。
「希望はこれぐらいです。私も素人なので、高く言い過ぎていたらすみません」
プロを相手に駆け引きで勝とうとしなくていいんです。
正直に言ってしまったほうが、話は気持ちよく進みます。
本当の最低ラインは、胸の中に1本だけ
そのうえで、ご自分の中には、たった1本だけ線を持っておくのがおすすめです。
この金額を超えたら売る。
超えなければ、売らない。
それだけです。
声に出す必要はありません。
この線が1本あるだけで、その場の空気に流されずに済みます。
私自身、自分のミライースを手放したときは、相場に詳しい方の力を借りて臨みました。
おかげで「この金額なら、損はしてないな」と、余裕を持って対応できたんです。
駆け引きが上手な人が勝つのではなくて、準備をした人が落ち着いていられる。
そういう場だと思っています。
ディーラーで下取りの金額が出ているなら、その金額を、胸の中の1本の線にする方法もあります。
下取りと買取をどう比べて決めるかは、こちらでお話ししています👇
じつは、答えは「何社集まったか」で変わります
ここまで「数字は言わないほうがいい」とお伝えしてきました。
でも、正確に言うと、少し条件があります。
5社そろったなら、金額は言わなくていい
同じ日に5社以上そろえられたなら、そこから先はほとんど気にしなくて大丈夫です。
その形をつくれた時点で、金額は競争の力で、その車の適正な上限に近づいていきます。
こちらが上手に誘導する必要はありません。
主役は「同じ日に何社そろえたか」のほうで、伝える金額はあくまで補助なんですね。
1〜2社しか来ないときこそ、相場観を伝える
逆に、声をかけたのに1社や2社しか集まらなかった。
こういうときは、話が変わります。
競争の力が働きにくいぶん、ご自分の相場観と、譲れない線を伝えることの重みが増します。
競う相手が少ないぶん、こちらが基準を示さないと、金額が動く理由がなくなってしまうからです。
このときは、さきほどの言い方に「最低でも、これ以上は出していただきたいです」を添えて、ご自身が調べた相場観と一緒に伝えてみてはいかがでしょうか。
そのときの額は、胸の中の線と同じか、それより上に。
社数が足りないときの増やし方は、こちらにまとめています。
ちなみに、来てもらえない相手を無理に説得しなくても大丈夫です。
日程の合う3〜4社で決めてしまったほうが、気持ちよく進みます。
1位の会社を外したとしても、大きく損をすることはありません。
上位に残った数社は、すでに相場の上のほうで勝負しているからです。
新規開店の買取店は狙い目?
「近所に大手買取店がオープンするんだけど、オープンセールで高く買ってくれたりしないかな?」
これは気になりますよね。
⭕ 期待できる点
オープン直後は、宣伝効果を狙ったり、展示する在庫を確保したかったりして、通常より高めの価格を提示してくれる可能性はあります。
その意味で「試してみる価値はある」と言えます。
🌀 気をつけたい点
逆にオープン直後は非常に忙しく、査定が殺到していると、一人ひとりにじっくり時間をかけて対応できないこともあります。
高く買って食らいついてくるよりも、次のお客さんの対応を優先される、ということも考えられます。
また、個別にお店を回ると、その都度連絡先を聞かれ、後日お礼のハガキや営業の電話がかかってくることもあります。
そこで売らないと決めた場合に、断るのが少し面倒に感じるかもしれません。
これはお店が悪いというより、商売として一生懸命なだけなので、こちらも落ち着いて付き合えば大丈夫です。
私の考えとしては、その新店が行きやすい場所にあるなら、同じ日に呼ぶ1社として加えてみるのはアリだと思います。
ただ「必ず高く買ってくれる」という過度な期待はせず、時間と手間とのバランスで判断しましょう。
まとめ:主役は「何社そろえたか」。数字は、あとから付いてきます
最初に出た査定額から、もうひと声引き出したいとき。
この順番で考えてみてはいかがでしょうか。
- まず、比べる相手を増やす。1社だけでは高いか安いか分からない
- こちらから金額を先に出さない。下限のつもりの数字が、そのまま天井になることがある
- 聞かれたら「調べたところ、このあたりの相場のようですが、実際どうでしょうか」で十分
- 伝えたいのは「相場観を持っている」「冷やかしではない」の2つだけ
- 本当の最低ラインは、胸の中に1本だけ持っておく
- 5社そろえば金額は言わなくていい。1〜2社のときこそ、相場観を伝える
駆け引きが得意でなくても、まったく問題ありません。
同じ日に何社か集めて、正直に「本気で売るつもりです」と伝える。
それだけで、その車の価値はきちんと出てきますよ。
そもそも「AIの査定額や相場は、どこまで信じていいの?」という疑問には、実際にChatGPTへ質問して検証したこちらの記事で答えています。
AI査定後の売却で疑問や不安ある場合は、このページ下の「コメント欄」からお気軽にどうぞ(ニックネームもメールアドレスも要りません)。
【おまけ】本気で売ると決めたら
実際に売却まで進んだ方の体験談は、こちらで紹介しています。
高く売れたら、その資金を活かして、次の車をお得に乗り換える番ですね。
新車をかしこく乗り換えるコツは、こちらにまとめています。
💡 いまの愛車を、手放すと決めたら
MOTA車買取なら、先に最大20社が査定額を出して、上位最大3社だけが連絡してきます。
※ 社数と連絡の仕組みはMOTA公式サイトの記載です(2026年9月に確認)。内容は変わることがありますので、申し込みの前に最新の案内をご確認ください
ただし、査定に来てくださる買取店さんも、本気で時間を使ってくださいます。
まだ「金額だけ知りたい」という段階なら、いまは申し込まなくて大丈夫です。
ご相談者さまの、その後
このご相談には、続きがあります。
お返事のあと、こんな一言をいただきました。
自分の知らない下取りの方法がたくさん知れて驚きました!
せっかくなので、いくつかこの中から試してみたいと思います!
この「知らなかった」という一言が、私にはいちばん嬉しかったんです。
この方はもともと、相見積もりという正しい方法にたどり着いていました。
足りなかったのは、やり方ではなく「ほかにも道がある」と知ることだったんですね。
売却は、知っているか知らないかで金額が変わってしまう場面が、どうしても残ります。
駆け引きが上手かどうかではありません。
だから私は、こういう記事を書いています。
このブログ「ぺんぎんカーライフ」では、ご質問への回答だけでなく、損しないカーライフを送るための記事を書いています。
こちらから、それらの記事をまとめたページに飛べますので、よかったらのぞいてみてください。
最新記事のアップも「X」でお伝えしておりますので、よろしければフォローよろしくお願いいたします。
それでは、損しないカーライフをお過ごしください🐧













「これってどうなんだろう」が残っていたら、ここに書いてください。
ニックネームもメールアドレスも要りません。本文だけで送れます。
うまく言葉にできなくても大丈夫です。私が読んで、お返事します。
お返事は、このページのコメント欄に書きますので、また見に来てくださいね。
※ 車種や金額など、ご自身が特定されそうな情報は書かないでくださいね。