軽バンが事故で全損 修理より買い替えが多い理由と、急ぐときの探し方

仕事で毎日使っている車が、事故で全損になった。
保険金は出る。
でも、その車がないと、明日の仕事が回らない。
修理するか、買い替えるか。
買い替えるなら、リースか、中古か。
考えることが多すぎるうえに、時間がありません。
こういうときは、判断の順番を決めてしまうと早いです。
全損になるほどの事故なら、保険金を受け取って「買い替え」のほうが、あとで困りにくいです。
急ぐなら、リースより「中古車を自分で買う」ほうが早く動けます。
そして探し先は、メーカーの「認定中古車」からがおすすめです。
最安とは限りませんが、値段が適正なことが多く、急いで決めても失敗しにくいからです。
最後にひとつ。
こういう場面で追いかけるべきは、いちばん得な選択肢ではありません。
「仕事が止まらないこと」です。
まずは、いただいたご相談です
夫が内装業の個人事業主で、従業員が1人います。
その人が先月事故して、夫名義の軽バンが全損になりました。
車両保険に入っていたので80万円がおります。
修理すると純正品で87万円、純正品以外で80万円でおさめることもできると言われました。
7年前に現金一括で購入して、走行距離は13万キロです。
走行距離がでているのと、ギアがガクンガクンするタイプなのでしんどいので、夫は修理はあまり希望していません。
夫はもう1台、軽バンをリースで使っています。
6年契約で、いまは2年目です。
ただ従業員が独立したりやめたりする可能性もあるので、同じように6年の契約をするのは怖いです。
高いですが短期の2年契約ぐらいで、保険がおりた80万円を頭金に入れて、リースも考えています。
中古車も検討しましたが、近年需要が多くて新車と変わらないとか、高く売られるようです。
レンタカーの返却期限が迫っていて焦っています。
まず、従業員さんはおケガなど大丈夫だったでしょうか。
お返事によると、従業員さんは幸い、首が痛い程度で済んだそうです。
そのうえで、このご相談は、車の相談であると同時に、小さな事業が止まりかけている相談でもあります。
車が1台なくなるというのは、そういうことなんですよね。
だから、順番に整理していきます。
修理か買い替えか この場合は買い替えです
80万円で修理もできる、と言われている状況です。
それでも私は、保険金を受け取って買い替えることをおすすめします。
理由は3つあります。
① 直したあとに、また何か出ることがある
全損と判断されるほどの事故を受けた車は、きれいに直しても、骨格に見えないダメージが残っていることがあります。
しばらく経ってから、まっすぐ走りにくい、異音がするといった不具合が出てくることもあります。
仕事で毎日使う車で、あとから不具合が出るのは避けたいところです。
② もともと、乗っていてしんどい車だった
13万キロ走っていて、しかも「ギアがガクンガクンするタイプ」で、乗っていてしんどいとのことでした。
事故のところを直しても、そのしんどさは変わりません。
走った距離のぶん、ほかのところが壊れるリスクも、そのまま残ります。
③ お金にかえられるうちに、かえておく
13万キロで事故歴がついた車を売ろうとしても、80万円にはとても届きません。
いま保険金として80万円の価値がついているのは、この瞬間だけです。
だから、「お金にかえられるうちに、かえておく」。
私はそう考えます。
軽バンは、ちょっとした事故でも全損になりやすい
ケガは軽かったのに、なぜ全損なのか。
ご相談者さまも、不思議に思っておられたそうです。
軽バンは、ボディ全体で衝撃を吸収することで、フロントガラスのすぐ内側に座っている人を守る構造になっています。
ですから、ちょっとした事故でも「全損」になることが多いんです。
お答えしたあと、「そういう構造だからなのですね」とお返事をいただきました。
裏を返すと、軽バンに車両保険を付けておくのは、割に合う可能性が高いということでもあります。
ちょっとした衝撃が、大きな修理費になりやすいので。
リースか、買うか 急ぐときは「自分で買う」が早い
次は、どうやって手に入れるかです。
このご相談では、リースも検討されていました。
ただ、今回のように急いでいる場合は、中古車を自分で買うほうが動きやすいと思います。
自分で動ける、というのが効きます
リースはリース会社を挟むので、手続きにどうしても人と時間が入ります。
自分で買うなら、お店と自分の直接のやり取りで進みます。
ただ、ローンを組むなら、ひとつ先に確かめておきたいことがあります。
このご相談者さまは、あとで銀行に相談したところ、「仕事の車なので、個人名義だけどマイカーローンが使えない」と言われたそうです。
マイカーローンではない通常の融資で借りるには、審査に3週間以上かかるとのことでした。
私も、このとき教えていただいて初めて知りました。
お仕事で使う車をローンで買うなら、「事業で使う車ですが、この商品は使えますか」と、最初に聞いておくと予定が立てやすくなります。
それから、将来の話も少しだけ。
従業員さんが独立されたり、辞められたりして、その車が不要になることもあります。
自分で買った車なら、そのときに自分のタイミングで売れます。
リースだと、途中でやめるのは簡単ではありません。
もちろんリースにも良さはあります。
毎月の支払いが一定で管理しやすいですし、メンテナンスが込みのものもあります。
ただ「急いでいて」「将来手放す可能性もある」という今回の条件では、自由がきくほうが向いていると感じます。
経費や節税の話は、私の守備範囲ではありません
このご相談には、事業の経費の扱いについての迷いも書かれていました。
正直に言うと、事業の経費の考え方について、私からアドバイスはできません。
経費のことは、顧問の税理士さんなど、専門の方に確かめてみてはいかがでしょうか。
そのうえで、車屋の目線からひとつだけ。
経費としてのコストカットや節税は、最大化できないかもしれません。
でも、それ以上に「業務が滞ることによる損失」をカバーできるなら、今回はそれでいいのではないかと思います。
金額の最適化より、明日動けることのほうが大きい場面です。
なお、事故のような急ぎの事情がなく、開業などでじっくり仕事用の車を選ぶ場合は、リースか購入かの見極め方をこちらでお話ししています。
次の車が決まるまでの「つなぎの足」が必要なら、格安レンタカーという手もあります。
お仕事で使うときの決まりがあることもあるので、借りる前にお店に聞いておくと安心です。
急ぐときの探し方 まずは認定中古車から
時間がないときほど、変な車を掴みたくないですよね。
そこでおすすめしたいのが、メーカーの認定中古車です。
認定中古車は、比べてみると安いこともあります
意外に思われるかもしれません。
このご相談をいただいた2022年は、中古車の値段が大きく上がっていた時期で、「かえってディーラーの認定中古車のほうが安い」という現象が起きていました。
ご相談者さまも、中古車は新車と変わらないくらい高いと感じておられました。
お答えしたあとには、こんなお返事をいただいています。
最近中古車価格が逆転していて仕方がないと諦めていた中、ディーラーの中古車販売のサイトは安心だし、他の中古車販売店と比べてみたところ良かったです。
比べる相手を変えると、見え方が変わることがあるんですね。
いまも、認定中古車がいつも最安というわけではありません。
ただ、値段が適正なことが多く、値引きの交渉に時間を使わずに済みます。
2026年に別のご相談で探したときも、同じ車種で、1年新しくて保証も付いた認定中古車のほうが、25万円ほど安かったことがありました。
しかも認定中古車は、諸費用のところも明朗で、驚くような上乗せがありません。
点検の基準があって、保証も付きます。
急いで決めても失敗しにくいのは、こういう理由です。
探すときに、知っておくと時間を無駄にしないこと
メーカーの公式中古車サイトで、お住まいの地域と予算、車種で絞って探します。
ここでひとつ、先にお伝えしておきます。
他県にある車は、基本的に出向かないと買えません。
買ったあとの点検まで責任を持てるように、販売する地域をしぼっているお店があるからです。
ダイハツの公式中古車サイトにも、「県外への販売は、お断りさせて頂いております」と書かれた車があります。
※ ダイハツ公式の中古車サイト「U-CATCH」の掲載より(2026年9月に確認)
ネットで見ていると全国の車が出てきますが、遠くの1台に時間を使っても、そこから進みにくいということです。
急いでいるなら、通える範囲から見ていくのが近道です。
なお、メーカーによっては、県外のお店の在庫を近くのお店に取り寄せて買える仕組みもあります。
遠くの1台を買えるかどうかは、他県の中古車、見に行く前に3つ確認 「うちは売れません」と言われることがありますでお話ししています。
気になる車が見つかったら、すぐお店に電話で聞いてみてはいかがでしょうか。
売れてしまっているか、商談できるかが、その場で分かります。
それに、電話で聞くとネットにまだ出ていない車を教えてもらえることもあります。
じつはこのご相談者さまも、電話をしたら未掲載の一台が出てきました。
ダイハツ公式中古車情報サイト U-CATCH(ユー・キャッチ)
※ スズキなど他メーカーにも同じような公式の認定中古車サイトがあります
決める日は、納期から逆算する
「今月中に必要」なら、今月中に探すのでは間に合いません。
納車には書類の手続きや点検の時間がかかります。
このご相談のときも、年内の納車を目指すなら「今週中には車を決めて、契約しないと厳しいかもしれません」とお伝えしました。
いつまでに乗りたいかではなく、いつまでに決めるか。
決める日を先に置いてしまうと、迷う時間が減ります。
中古車選びの手順そのものは、こちらでくわしくお話ししています。
なお、本命の新車がもう決まっていて、納車を待つあいだだけ車が要るという場合は、判断のしかたが変わります👇
まとめ
- 全損になるほどの事故なら、保険金を受け取って買い替えるほうが、あとで困りにくい
- 売れば80万円にならない車に、いま80万円の値がついている。かえられるうちにかえておく
- 急ぐならリースより「自分で買う」。手続きに人が入らないぶん早い
- ローンを組むなら、仕事の車でも使えるかを最初に確かめる
- 探し先はメーカーの認定中古車から。最安とは限らないが、値段が適正で、比べると安いこともある
- 他県の車は基本的に出向かないと買えない。通える範囲から見る
- 「いつ乗りたいか」ではなく「いつまでに決めるか」で逆算する
こういう場面で、いちばん得な選択肢を探しはじめると、時間だけが過ぎていきます。
目先の差より、仕事が止まらないことのほうが、ずっと大きいです。
そこだけ決めてしまえば、あとは順番に片づきます。
今回の事故は大変でしたが、これが何か良い方向に転がるきっかけになることを願っています。
ご相談者さまの、その後
このご相談には、続きがあります。
いったんは、新車をリースして従業員さんに月々を負担してもらう方向で話が進んでいたそうです。
ところが、電話をしたら納期が1ヶ月と言われてしまいました。
保険適用のレンタカー期限がきてしまうので、追加料金の日額四千円はもったいないです。
早く納車してもらえる中古車を見てきました。
ここで切り替えられたのが、大きかったと思います。
レンタカーの延長代が1日ずつ積み上がっていく状況で、納期1ヶ月は待てない。
だから、その日のうちに中古車を見に行かれています。
そして、公式の認定中古車サイトで見つけた車に電話をしたところ、まだネットに載せていない一台を紹介してもらえたそうです。
こういうことが、実際に起きるんですね。
同じお返事では、紹介してもらった一台にするか、もう少し年式の新しいものにするかも、あらためてご相談いただきました。
その中に、こんな一文がありました。
車はグレードとかややこしいです。(涙)
ほんとうに、そうなんです。
同じ車種でも、グレードで装備も値段も変わります。
急いでいるときに、グレードまで調べるのは大変ですよね。
だからこそ、認定中古車のように「そこそこ間違いない」ところから見るのが、結果的に速いと思っています。
最後は、スズキのお店で展示車と代車として半年ほど使われていた、衝突軽減ブレーキ付きの一台に決められました。
契約されたのは、最初のご相談から3日後です。
レンタカーを返す日まで、まだ10日ありました。
最後のご報告には、こう書かれていました。
とにかく最初にスズキの認定中古車のサイトを教えてもらえたのが良かったです。
私からは、「今後は事故、トラブルがなく、気持ちよくお車に乗っていただけることを願っております」とお返事しました。
どちらの車にするかで迷われたいきさつは、別の記事でお話ししています👇
事故後の車選びで疑問や不安がある場合は、このページ下の「コメント欄」からお気軽にどうぞ(ニックネームもメールアドレスも要りません)。
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ローンがまだ残っている車が全損になった場合の、保険金と残債の使い方はこちらでお話ししています。
直した車の強度や修復歴が気になる方は、こちらもどうぞ。
車が入れ替わると、自動車保険も切り替えの手続きが要ります。
保険の切り替えは、新しい車に乗り始める前に済ませておくのが基本です。
全損になった車の契約をどう引き継ぐかは、入っている保険会社に確かめておくと安心です。
納車の日の切り替えの順番は、納車当日の保険切り替えタイミングを間違えない!正しい手順でお話ししています。
保険の中身の見直しは、落ち着いてからで大丈夫です。
車が変わるタイミングは、見直しにも向いています。
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「これってどうなんだろう」が残っていたら、ここに書いてください。
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うまく言葉にできなくても大丈夫です。私が読んで、お返事します。
お返事は、このページのコメント欄に書きますので、また見に来てくださいね。
※ 車種や金額など、ご自身が特定されそうな情報は書かないでくださいね。